第11章 人工島カジノ計画に渦巻く黒き影 12話【回想】緋村紅音
店内にいるのは若い男女たちが大半で、そのほとんどが薄暗い照明の中、比較的テンポの速い曲に合わせ、お互いを物色するかのように音楽に身を任せ躍らせている。
なかにはグラス片手にアルコールを嗜みながら、その目的はリズムを踏んでいる者たち同様で、気に入った異性を探しているのだ。
そんなひしめき合う人達の方が避けるように道ができ、その中央を赤毛の女が率いる団体は店内を堂々と歩んでくる。
童顔で文句なしの美人と言えるが、表情には高慢不遜な色が宿った顔を店内の赤や青の照明が彩っている。
道を開ける者たちなどいちいち眼も向けはしないが、赤毛の女は周囲を睥睨するように闊歩していた。
その集団の先頭を歩くのはもちろん緋村紅音である。
紅音は取り巻き達にその辺で時間を潰すように言うと、一人奥にあるVIPルームの方へと歩いていく。
その様子は22歳の女子大生の小娘であるはずの女が纏っている雰囲気ではない。
すでに常連客は知っているのだ。
この赤毛の女が只者ではなく且つ、オーナーの特別な客だということを常連客ならだれもが知っていた。
しかし、今日はそんなことを知らない新参者たちがいたのである。
そんな新参者たちが、紅音に興味を持ち絡もうと動き出した様子に常連客は薄汚い期待や好奇心に満ちた目を向けるだけで、二人組のことを誰も止めようとはしない。
これから始まるであろうショーで、哀れな新参者たちがどんな目にあうのかを、黒い期待を込めて見守っているのだ。
周囲が避けていくその中を当然のように進む紅音の前に、大柄な男二人がアルコールの入ったグラス片手に、紅音の進路を阻むようにして話しかけてきたのである。
「ひゅー!近くで見ると思ってた以上にすげえ美人じゃねえかよ!」
「ようねえちゃん。よかったら俺たちと遊ばねえか?」
年のころ20代半ほどに見える命知らずな男二人組は、そう言って紅音の肩に手を組むようにまわし、そのまま紅音の着ているドレスの胸の下を、バストの形を確かめるように撫ぜるように触りだす。
クラブのボディガードの者たちが、二人組の行動に気が付き真っ青になって慌てて駆けだしたが、それに気が付いた紅音は軽く手をあげてそれらを無言で制する。
「驚いたわね。この店で私にこんなことしてくるのがまだいるなんて」
紅音がうるさそうにそう言って、身を躱し男の手を強かに払いのける。
ばちぃん!!
「痛って!!」
女の力とは思えない猛烈な威力で手を払われた男は、打たれた手首を手で押さえ演技ではなく素で悲鳴を上げたのである。
打たれた男は顔じゅうに脂汗をにじませ、手首を抑えて蹲る。
二人組の相棒のほうは、今日はこういうパターンで行くんだなと、阿吽の呼吸でわざとらしく紅音に向きなおって口を開く。
「お?こりゃあひでえな。ねえちゃん、俺の相棒をそんな目にあわせて、お前には体中を使ってきっちり看病してもらわなきゃいけ・・・ぐふっ!?」
手を払われてない男の方は、相棒の痛がる演技に調子を合わせ、紅音にそう言って詰め寄るがセリフは最後まで言えないまま、身体をくの字にして両ひざを勢いよく床に付かされたのだ。
手を払われた男の痛がりようは演技ではなかったのだ。
二人組の男は女を落とすために、様々なパターンを持ち合わせていたが男たちが持っているどのパターンも結局紅音には通用しなかっただろう。
「ぐおぉおおおお!・・この女!お、折りやがった!俺の腕を!・・・くっそっ!無茶苦茶しやがる!いてええええ!」
「私って優しいでしょ?折れただけなら治るわ。私の胸を触った手癖の悪い手なんて灰にしてあげてもよかったのよ?」
紅音は手首の骨を折られた男を一瞥してそう言うと、みぞおちを打たれて呼吸が止り悶絶している男のほうは見向きもせず、赤いヒールをカツカツと響かせ男に触れられた肩を手で払うと、奥のVIPルームへと歩いて行ったのである。
紅音たちが通り過ぎたあとは、男たちがクラブのボディガードたちに抱えられて連れていかれる間に呻き声をあげていた声だけが響いていたが、周囲の好奇の雰囲気が収まった後は、いつも通り男女の盛り場の雰囲気が店内をいつも通り覆い隠したのであった。
この高級クラブ『エデン』では最近ではすっかり珍しくなった紅音の振る舞いが久しぶりに見れたというだけのことであったのである。
「銀次郎。さっき久々に絡まれたわよ。ったくうっとうしいわねえ。ちゃんとボディガードの奴ら教育しときなさいよ」
VIPルームのさらに奥にあるオフィスの黒皮のソファにドサリと身を沈めた紅音は開口一番正面のデスクにどっしりと背を向けて座る男に悪態をついた。
「おぉ?すまねえな。何しろ人員不足なもんでな」
銀次郎と呼ばれた男は、VIPルームから下層のダンスフロアを見下せるガラス張りの壁に向いて座っていたが、椅子ごとぐるりと紅音の方へと向きなおり口を開く。
巨躯、銀次郎という男を一言で言うならその言葉が一番ふさわしいだろう。
かなり大きな椅子に座っているはずなのだが、銀次郎が座っているとどうしても椅子が小さく見えてしまうほどだ。
身長は2mほど、だがただ背が高いだけではない。
白いジャケットに窮屈そうに納まった胸板の厚みは尋常ではなく、人差し指の先端の太さでも直径3cmぐらいはあろうかという大男であった。
それに加えて、顔の頬には大きな傷があり、目つきもカタギのそれではない。
そんな異様ともいえる男に対しても、紅音は普段通りの態度と口調を変えることはなく言葉を続ける。
「まあいいわ。それより私が依頼した女。上手く事は運んでるの?」
「ああ?・・ああ、あいつか。本当に手ごわいやつなのか?お前がそう言うから念のために錫四郎の奴に任せたんだが、だいぶチョロいって言ってたぞ?」
銀次郎の言葉に紅音の顔が歓喜で邪悪に歪む。
「やったの?もう落とした?!」
紅音はソファから立ち上がり、銀次郎の前にある黒檀のテーブルに乗り出して聞く。
「いや、まだそんな段階じゃねえな」
「なによそれ。じゃあなにがチョロかったっての?」
掛けていたメガネを手に取り、レンズを拭きながらそういう銀次郎に向って、紅音は目を細めて機嫌悪そうに声を低くして聞き返す。
「お前さんが依頼を出してきてまだ2か月も経ってねえ。信用させるにはそこそこ時間がかかるんだ。そのぐらい分かんだろ?」
銀次郎の言葉にちっ!と大きな舌打ちを遠慮なくした紅音は再びどさりとソファに身を沈める。
「早くしてよ。目障りでしょうがないのよ」
憎々しげに虚空を睨み、赤毛の前髪を弄びながらそう言った紅音に対し、銀次郎は眼鏡を拭く手を止めて興味深そうに紅音に目を向ける。
紅音は2か月ほど前に行われた宮川家の会合の場で、来春宮川コーポレーション本社への配属が決定した辞令を受けていた。
これで紅音は入社初年度から秘書主任として配置されることが決定したのだ。
しかし、2年後には紅音が七光りと呼び嫌っている宮川佐恵子が紅音より上の役職、つまり社長付き秘書主任として配属されることが決定したことも聞かされたことに憤慨していたのである。
「冗談じゃないわよ・・!」
他人のオフィスであり、その主が目の前にいるにも関わらず大声で独り言ちた紅音の様子を見て、銀次郎は女同士の嫉妬かと思い微かに鼻で笑う。
「だがよぉ・・・。俺が見る限りお前さん相当なもんだ。お前がこのクラブに出入りし出して半年ぐらいだが、正直お前みたいな女は見たことがねえ。・・・おめえならうちはいつでも大歓迎だぜ?・・・女としても幹部としてもな」
「気持ち悪い目で見るんじゃないわよ。ヤクザなんてお断りよ。表向きはグリンピア興業だっけ?あからさまに胡散臭い会社作ってカタギ装ってやってるけど、銀次郎たちみたいなカタギがいるわけないじゃない?アンタのアニキや弟もね」
紅音は銀次郎の異様ともいえる容貌がにぃっと好色に歪んだのを、顔を反らして舌を出しながら吐き捨てて言う。
「力づくってのも悪くねえが・・・。それより、お前が依頼した女、お前なら自分でやれるんじゃねえのか?こんな面倒なことしなくてもよ?」
銀次郎の問いかけに、紅音は少し間を開けて返す。
「お前お前うるさいわね。ちゃんと呼びなさいよ。緑園銀次郎。私だってちゃんと名前よんであげてるでしょ?」
「ふん・・そうだな。女でも依頼主であることに変わりはねえ。気を付けるとするよ緋村」
怪異な容貌でにかっと笑いそう言って、巨躯をすくませてる銀次郎だったが、身体じゅうからは暴の雰囲気が立ち上っている。
「わかればいいのよ」
ただ、紅音もそんな銀次郎の異様に怖気づくようなタマではない。
ソファに深々と腰をかけ、脚を組み変えながらそっけなくそういってから言葉を続ける。
「気に入らない相手をただヘコますだけだと面白くないでしょ?」
「・・そうかい。女同士の確執ってのもなかなかエグイよなぁってことにしておくぜ。まあ、俺たちはシノギになればいいだけだ。しかしあの女いったい何者なんだ?あの女が能力者だからっていっても、緋村ほどの能力者がわざわざ俺らみたいなヤクザもんにネタつくるような真似しなくてどうにでもできるんじゃねえのか?」
銀次郎は紅音のことを女と認識した目で、舐めまわすように見ながら聞く。
「詮索しないってのも約束のはずよ?・・・それにネタって脅しのネタってこと?聞き捨てならないんだけど?この私を脅そうっていうの?」
紅音の殺気の籠ったセリフに対し、銀次郎はもともとつぶれているようなほど細い目を更に細めて殺気を返す。
ふたりの間にオーラのせめぎ合いが起こり、チリチリと乾いた空気が振動し合う。
「・・・やめとくぜ。お互いタダじゃ済まねえみてえだしな」
銀次郎がそう言って座ったままの格好で巨躯をすくめてオーラを霧散させる。
「タダじゃすまないのはアンタだけよ」
そう言い返して紅音もオーラを霧散させる。
「ふん・・。まあそういうことにしといてやるよ」
「とにかく早くしてよね。アイツは感情を読んでくる能力よ。いわゆる相手の思考を読んでくるのと同義。私が渡した脳波をガードするイヤホンちゃんとつけてないと何考えてるか見破られるわよ?そこんところマジできっちりやってよね?そうじゃないと黒幕が私だってこともバレちゃうかもしれないんだから」
「ああ。錫四郎にはちゃんと言ってある。それに錫四郎の話だと、まだ抱いちゃいねえが、仲はずいぶん進展したらしいぜ?誕生日プレゼントもらったって言ってたからな」
「それマジ?マジうけるんだけど。騙されてるって知らないで相手にプレゼント?何?あの女何プレゼントしてきたの?」
銀次郎の言葉の内容に、紅音は童顔で愛らしい顔で本当に愉快そうに声を上げ興味津々で身を乗り出して笑う。
ただ笑っている内容は最低だ。
「スイス製の腕時計だそうだ。50万ぐらいするもんならしいぜ?ペアで女も持ってるらしいから二つで100ぐらいだろうな」
「ふんっ。バカな女。いいわね・・世間知らずな佐恵子らしくってとってもいいわ。騙されてるとも知らず滑稽よ」
深々とソファに身を沈めたまま、邪悪な笑みを浮かべて紅音は一方的に嫌っている相手の間抜けな行動に満足気に頷いて鼻を鳴らす。
「最近は女子大生って商品が変態の客層から人気でな。まあちょうど案件とかぶるしついでだ。中には女子高生や女子中学生まで所望する変態どもがいるぐらいだから世も末だぜ。ってそれでしのいでる俺らがそんなこと言えたもんじゃねえよな・・」
「そんな変態どもの相手をあの女にさせたいのよ。・・それよりアイツのツレ回りは能力者が何人かいるわ。くれぐれも油断しないでね」
「なに?おいおい、そういうことは先に言えよ」
愉快そうに話した紅音のセリフに、銀次郎は細い眼を僅かに見開く。
「ターゲットの情報はちゃんと教えてるじゃない。契約違反はしてないわよ?」
「ちっ!これだからとーしろからの依頼は困るんだ。えらい違いだ。どんな能力者がいるんだ?それによっちゃ料金はずいぶん跳ね上がるぞ?」
銀次郎の態度が変わったことに、紅音は腕を組んだまま童顔の愛らしい顔を邪悪にゆがめてまたまた派手に舌打ちをする。
「たいしたことないわよ。・・・茶髪の脳筋の女と、すかした白い服しか持ってない能面女よ。茶髪は筋肉、白い方はオーラの糸を使うわ」
「脳筋の程度にもよるが・・脳筋はともかく、オーラを変質するタイプがいるなんてずいぶん面倒そうなやつじゃねえか。確認するがターゲットの宮川って女の能力は感情感知系で肉体派じゃねえのは間違いないんだな?」
「ええ、そいつは力づくならどうにでもなるでしょうね。よゆーよ」
紅音はソファにもたれたまま目を閉じ、肩をすくめて頷く。
しかし、銀次郎は念のために紅音に言葉を詰める。
「・・・・念のために聞くが、このクラブにいるボディガードの連中でもその宮川ってヤツは攫えるぐらいのヤツなんだろうな?」
「無理ね。あんな無能力なザコたちを頭数に入れる方がおかしいわよ。だいたいあんなザコでどうにかなるならここにこんな依頼しにこないでしょう?ちがう?」
バッサリ即答した紅音に対し、銀次郎は身を乗り出した。
「おいおいおい!最初と全然話がちがうよなあ?!その雌ガキは能力者だとはたしかに最初に聞いてるが、戦闘力はないって言ってただろ?」
「私に比べればッて話よ。それにアンタが行くなら問題ないと思うわよ?」
「ダメだな。話にならねえ。もし何かあったら錫四郎じゃ荷が重いかもしれねえじゃねえか」
銀次郎はそう言うと、黒檀のテーブルに置いてあるスマホを操作し、耳に当てすぐに相手が出たことを確認すると一気に用件を言い切った。
「錫四郎!俺だ。いまやってる女から手を引け」
「ちょっと!何言ってるのよ!前金もう払ってるでしょ!」
ソファに座ったままだが、慌てた声で紅音は叫ぶ。
「ああ!そうだ!・・・もう一息だと・・?それでも手を引くんだよ!・・・・・ああ!それでもだ!・・おっ!?こらてめえ!」
銀次郎のスマホを紅音が恐るべき速さで飛び掛かり奪ったのである。
スマホを奪い、黒檀の机の上に立ったままの紅音は電話に向かって「ちょっと待ってなさい!」と電話の向こう側にいるおそらく錫四郎に怒鳴ると銀次郎に向きなおる。
「いくら欲しいのよ!」
テーブルの上に立ったままの紅音だが、床に立った銀次郎より10cmほど高いだけだ。
少しだけ見下してくる態度の紅音に対し、ネクタイを整えながらため息をついた銀次郎は紅音にギリギリまで近づき目を見据えながらゆっくりと口を開く。
「・・・能力者3人分。今の5倍だな」
「5倍?計算オカシイでしょ?!」
紅音は可愛らしい顔で口角を上げて怒鳴るが、銀次郎は引かない。
銀次郎は丸太のような腕で紅音の腰に手をまわしてガッチリつかむと、顔を近づける。
「お前が俺の女になるって言うなら、前の値段のままでいいぜ?」
銀次郎の怪異な顔が好色に歪む。
「嫌なら5倍だ。情報を偽った慰謝料も含んでる。それも嫌ならこの話はナシで力づくでお前を犯すことにするぜ」
紅音の腰に手をまわした銀次郎がそう言い紅音を引き寄せ、小柄な紅音のヒップに伸びたところで紅音の可愛らしい手が、銀次郎の大きな手を掴む。
じゅう!!
と、いう音がやけにはっきりと部屋に響き渡ると同時に、何かが焼ける香ばしい香りが広がる。
紅音の目が怒りで爛々と輝き、両手には熱を帯びたオーラを纏ってそれが銀次郎の手を焼いたのである。
「いいんだな?ここで暴れても?・・・お前みたいな高慢な女を力づくで従わせるってのもキライじゃねえんだぜ?それに、お前が連れてきた取り巻きのお友達も売っちまっていいんだよな?」
短気で駆け引きなどされることが嫌いな紅音は、もうどうでもよくなりかけ、悪鬼のごとく表情を歪め始じめたが、銀次郎のセリフでオーラの膨張を止める。
紅音は遊びで連れ歩いているだけの取り巻き達といえど、その身柄が行方不明などになれば、真っ先に自分が疑われてしまう可能性が高いということに内心歯ぎしりしたのだ。
(ちっ!あいつら足を引っ張りやがって・・!)
「・・・・・・いいわよ。5倍払うわ。ただし、失敗したら本当に許さないわよ?」
真っ黒に焦げた銀次郎の右手を離して紅音がそう言うと、銀次郎も紅音を締め上げていた丸太のような腕を離す。
「オーケー。交渉成立だな。・・・それにしてもますます気に入ったぜ緋村。俺にもまったくひるまねえとはな。・・・抱き心地よかったぜ」
銀次郎はそう言って紅音を締め上げていた右手を眺め、紅音に焦がされた右手の甲を見て気味の悪い怪異な顔で笑い双眸を光らせたのであった。
「アンタなんてごめんだわ。サイズがちがいすぎるわよ」
紅音も抱えられていた腰回りに鈍痛を覚えていたが、それはおくびにも出さず銀次郎の怪異容貌を気味悪がるように顔を背けてやり返す。
紅音の身長は140cmほどで体重も40kgほどしかない。
それに対して銀次郎は200cmを超え、体重は150kgもある。
二人をならべてみると同じ生物とは思えないほどの体積差があるのだ。
「サイズが合わねえのは使ってたらだんだんなじむから心配しなくていいんだぜ?壊れたらそれまでの話だからよ。それにお前ほどの器量なら下取りしてくれる先は困らねえよ」
異様な怪異な容貌でそう笑う銀次郎に紅音は本気で気味が悪くなって吐き捨てる。
「ったくクズね!」
紅音はそう罵ったものの、七光りが「こいつら」のようなクズに回されればさぞ愉快だろうなと、内心ほくそ笑んだのであった。
【第11章 人工島カジノ計画に渦巻く黒き影 12話【回想】緋村紅音 終わり】13話へ続く