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第9章 歪と失脚からの脱出 55話 隣室で起こりし事

第9章 歪と失脚からの脱出 55話 隣室で起こりし事

目を覚ますと淡い光を発する蛍光灯が天井にあった。

淡い光と言えども、開いたばかりの目には眩しすぎる。

しかし、幸いにも視界は狭く、普段の半分ほどしか視界が写らない。

(・・・どうして?)

前迫香織は身を起こして、視界を妨げるものを確認するように左手で顔に触れる。

「・・これは?」

(包帯?)

「目が覚めた?」

虚ろな表情で呟いた香織のすぐ脇で、白いワイシャツと黒いスラックス姿に白衣を纏った細身の若い男が計器盤を確認つつ香織のほうを見ずに声を掛けてきた。

「あなたは?・・ここはどこです?」

「さすがになかなかの回復力だね。完治にはまだ程遠いけど、この調子だと今日中には普通に動けるようになりそうかな」

香織の隣で計器盤の数値を確認しおわった若い男は、ようやくベッドに身を起こしている香織に向き直って笑顔を向けてきた。

香織は若いながらも、かなりのイケメン顔の笑顔に気を無意識に気を許しかけたが、男の答えに眉を顰めて膝を立てて立ち上がりかけ、左手であるべきものを探す。

しかし普段なら必ず置いてある場所に然るべきものはなかった。

「・・!刀が?・・あなたは何者です?ぐっ!」

慌てて身体を動かしたせいで、香織の身体のいたるところが悲鳴をあげたのだ。

「落ち着いて。ほら、まだ完治はしてないんだよ」

香織は特に激痛が起こった個所を確認すると、それは左目、左脇腹、右手の甲の3か所であった。

どうやら顔半分は包帯で覆われており、左目は完全に視界が奪われている。

右目で確認すると右手の甲と、左脇腹にも包帯が撒かれているが、うっすらと血が滲んでいるのが確認できた。

(たしか銀獣に矢を放った際、白づくめの女が牽制で放った石礫の雨が私に降り注いだところまでしか記憶がありません・・)

若いイケメン優男が思案顔の香織の背に手を添えて、再び香織をベッドに寝かすように手で促してくる。

「お連れの女の子は意識が戻るまでまだもう少しかかりそうだし、君も今は怪我の回復に努めることだね。ほかにやることもないだろうし、料金はもういただいてるからさ。安心していいよ。といってもボクは治療ってあんまり得意じゃないんだけどね」

香織は若い優男のなれなれしい口調に少しだけムッとしたが、イケメン優男の言葉で一気に記憶が鮮明になり、周囲を見回す。

すると、探していた人物の一人をすぐに見つけることができた。

「沙織!」

香織のすぐ隣のベッドで全身点滴の管だらけで、包帯に滲む血が痛々しい沙織が寝かされている。

しかし、痛々しい姿にも関わらず酸素マスクを付けられている沙織の寝顔は穏やかであった。

「その女の子はかなりの重症だね。まだ目覚めないはずだよ。キズがすごい深かったからね。もう少し遅かったら重大な後遺症が残ったかもしれない。でも安心して。いくらボクが治療は得意じゃないといっても、そのあたりの似非霊媒師やモグリの悪徳医者なんかよりは確かな腕のつもりだからね。ボクの得意な能力と比べて苦手だってだけで、大抵の人より【治療】も上手いはずさ。ただその女の子はほんとに重症だったからね。一気に治すとその子の体力が持たないから、今は点滴で補給中ってわけ。あと2時間ぐらいしたらまた様子見にきてその子の治療再開する予定だよ。ボクは依頼された仕事はきっちりする主義だから安心してよ」

若い優男の言葉を信用できるような状況ではないし、この男だけであそこまで重症だった私たち二人の治療をしたとは考えにくい。

しかし、香織には不思議とイケメン優男が嘘を言っているふうでもなく、また治療能力者として未熟だと自身で吐露しているわりには、優男の口調にはそう思わせない自信が伺えた。

香織が沙織を治療してほしいと、そう思い込みたかっただけかもしれないが、優男の言葉通り、目に見えて重症であった沙織が、いまは穏やかな顔でスゥスゥと眠っている表情を見て一気に安堵したのであった。

「・・・沙織。よかった・・」

「君ももう少し休むといいよ。用があったらそこのボタンを押して?トイレはそこ。一人でいけるよね?じゃあ、ボクは少し仕事があるから・・」

沙織の寝顔に安堵した香織の背に、優男は優しい口調ながら早口にそう言うと部屋を出て行こうとカツカツと入口の方へ歩きだした。

「お待ちください。えっと・・」

「なんだい?前迫さん?」

優男は香織の呼びかけに足を止めて振り返ると、香織を苗字で呼んだ。

「私をご存じなのですね?」

名前をすでに知られていることに対して香織は警戒心を強めてしまい、反射的に身構え、目を細めて聞き返す。

「まあ・・ね。君をここに連れてきたのは張慈円だから。彼から君らのことは聞いてるよ」

張慈円の名を聞き、香織の表情が僅かに曇る。

香織も普段はクールな表情で感情を読み取られにくいのだが、同僚の奈津紀と比べるとその表情は幾分わかりやすい。

自分と沙織が負傷しベッドで寝かされているということは、今回の任務が失敗で、芳しくない成果だったということを再認識させられてしまったからだ。

死者が出なかったとはいえ、任務が失敗したとなれば、莫大な損害金が発生する。

いまさら考えても仕方ないのだが、静かに激怒するであろう御屋形様を想像すると今から胃がキリキリと痛む。

それに、もう一人の仲間の千原奈津紀の姿が見当たらない。

奈津紀は、沙織が持っていた最後の回復匕首と沙織のほとんどのオーラを使って傷と体力はほぼ完治できていたのだ。

しかし沙織はほとんど体力もオーラも残っていない状況で殿をする羽目になり、追っ手の銀獣こと稲垣香奈子に手痛く痛めつけられてしまったのであるが、沙織のおかげで奈津紀は一命を取り留めたのだ。

「もう一人の君らのお仲間は、いま張慈円と打ち合わせしているはずさ」

優男の言葉に香織は安堵して胸をなでおろしたと同時に、張慈円に任務失敗の弁明のために心を砕いている奈津紀に頭が下がる思いが込み上げてきた。

(無事でしたか・・。殿をしてくれた沙織を救う時に、銀獣ともう一人の白ずくめの女に襲われてから意識がありません・・。よもや、せっかく治療した奈津紀がまた負傷してしまったかと思ったのですが違ったようですね。白ずくめのほうはともかく、銀獣は張慈円様の援護もあったことからかなりの深手を与えたはず。それに機銃の集中砲火もまともに浴びていました・・。運よくあれで宮コーの能力者を一人削れていればいいのですが・・。それにしても本当にギリギリでした・・。我ら六刃仙3人をあそこまで追い詰めるとは・・宮コーを甘く見ていましたね・・。奈津紀には怪我からの復帰早々張慈円に謝罪と損害の打ち合わせでしょうか・・嫌な役回りをさせてしまってるようですし・・)

「そうですか・・奈津紀はもう・・。重傷から回復したばかりの奈津紀に働かせてしまい、苦労を掛けさせてしまいますね」

奈津紀を助け出したものの、こんどは自分たちが負傷してしまい奈津紀に無理をさせていることに顔を伏せてしまった香織に優男が優しい声ながらも、部屋を出て行こうと声を掛けてきた。

「じゃあ、もういいかい?ボクもいきなりのイレギュラーな仕事が入ったおかげで忙しくてね」

「お待ちください。先ほど私の名を呼ばれましたが、私も貴方のお名前をお伺いしてもよろしいですか?あなたも治療を?貴方の先生か上司が治療をしてくださったのですか?上司の方にもお礼が言いたいのですが・・」

香織ははっと顔を上げ、どこの誰に世話になってしまっているのかを確認しようと優男の素性を確認しようと慌てて呼び止め問いかけた。

重症であった沙織と、沙織ほどではないにしてもかなりの深手であった自分を含んだ二人を、この若い優男一人が治療したとは思えなかった。

「上司って・・。ボクだけで治療したんだよ?ボクが袁。香港三合会の袁揚仁。あ、礼なんていいからね?ちゃんと料金はいただいてるし・・。それに、治療できるのはここにはボクだけだから、ボクが君たち二人を治したんだよ?ボクには上司も先生もいないからね。でもボクの上司って、はははっ、そういう人が居たらなかなか面白いかもね」

イケメン優男はあっさりと答えいい笑顔で笑っていたが、答えの中に香織が予想もしていなかったことだらけであった。

「・・あ・・あなたが袁?!香港三合会の夢喰いの袁揚仁?!」

香港三合会頭領の中では最年少とは聞いていたが、香織は目の前にいる袁揚仁と名乗る男のあまりの童顔と爽やかな甘いマスク、マフィアのボスとは思えない物腰柔らかな口調と仕草の優男の正体に驚いてしまったのであった。

(若い・・そんなはずは・・たしか袁揚仁は30歳前後と聞いています・・。それにしてもどう見てもこの男がマフィアなどと・・、しかも張慈円と同格の男とは到底思えません・・)

「わっ、やっぱりそんなに驚く?まあ、その反応には慣れっこだけどね。・・張慈円と話は出来てるから、しばらく休んでいてよ。じゃあ」

香織は袁揚仁のあまりの想像とのギャップに驚いているうちに、その袁揚仁は気にした様子もなくさっさと部屋を出て行ってしまったのであった。

「今の男が・・夢喰いの袁揚仁?・・・用心深く冷酷な男だと聞いていましたが・・。あのようなマフィアとは程遠い容姿の男とは・・」

(しかし、袁揚仁と名乗っただけで、本人とは限らないかもしれません・・。袁一家がこの国に来ているなどという情報は私も聞いていませんし・・・、試してみるとしましょう・・)

ベットですぅすぅと寝ている沙織と香織だけになった病室で、香織は能力を発動させた。

(くっ・・!消耗しているせいで長くは使えませんが、一瞬でも十分です。そう遠くにはまだ行っていないはず。50m程度なら・・)

【見】をソナーのようにして展開し、狭い範囲で一瞬だけ発動させた香織は、引っかかった複数の反応に息を飲む。

先ほど袁揚仁と名乗った優男の姿とオーラ。

容姿とは裏腹に袁揚仁を名乗った優男は三合会の首領を名乗るに値する膨大なオーラを纏っている。

本人が名乗った通りさっきの若い優男が袁揚仁で間違いはなさそうだ。

しかし、香織が息を飲んだのは袁揚仁の気配やオーラではなかった。

20mも離れていないところに張慈円と同僚である千原奈津紀の姿が一瞬だけだが見えたからであった。

「な・・奈津紀!?・・・張慈円も?・・・なぜ!?」

香織は渇いた唇に歯を立てて、いま【見】で見た光景が信じられず長い髪を揺らせて頭を振る。

全裸の千原奈津紀が膝を付き張慈円になにやら言っていた。

香織は身体を襲う極度の倦怠感を振り払い、奈津紀と張慈円を感じられた方向に向き、気力を奮い立たせて再度【見】を発動する。

先ほどより範囲は狭く、奈津紀と張慈円の姿が確認できた部分にいびつな形で【見】を発動させる。

奈津紀らしくもない狼狽えた顔で何事かを訴えているが、ニヤついた張慈円が何事か言葉を返すと、奈津紀は驚いた表情から諦めの表情になって膝を付き、手も地面についた観念したかのような格好になって項垂れた。

その奈津紀のヒップを張慈円が叩き、髪を地面に垂らしている奈津紀の首と手首を一枚の板で拘束してしまったのだ。

「な・・奈津紀!いけません!」

がしゃん!

奈津紀の窮地を救おうとベッドから飛び降りた香織だったが、点滴の管が足に引っかかり計器類が床に落ちて派手な音を立てる。

しかし、それに構うことなく、患者衣の前がはだけて、自身の胸が露出するのも気にとめず、香織は部屋の扉を開けようとするも、扉はびくとも開かない。

「こ、この!外からカギをかけているのですか・・!奈津紀が望んであのようなことをするはずがありません!奈津紀が張慈円などの言うままになっているのは・・・私たちの治療を条件にあのようなことを飲まされたに違いありません!・・ここでのんびりと寝ているわけには・・!」

そう言い行動を起こそうとした香織は、後ろで寝ている沙織も起こそうと振り返りかけた時、入り口の扉が突如左右に開いた。

一瞬だけさっきの優男の笑顔が見えたその瞬間、香織の顔が掴まれ視界が塞がれる。

視界が塞がれた途端に優男が声を掛けてきた。

「珍しい能力を使うね前迫さん?剣士だって聞いてるけどかなり広い範囲に感知系の能力展開できるんだ?だとすると君って高嶺組織の中でもすごく貴重な人員でしょ?・・・でも、いまは少し大人しくしていてもらおうかな」

「あ、あなたは!邪魔をすると言うのであれば」

「いまの前迫さんの怪我じゃ、ボク相手じゃなくてもどうしようもないと思うんだけどね・・。キズもまだふさがってないし、オーラなんて、さっき使った能力もすごく弱弱しかったから、今はもうほとんどオーラ無いんじゃないかな?これ以上暴れるなら、ボクも手荒な真似はしたくないから【治療】以外の能力を使わざるを得なくなるけど・・?」

袁揚仁は、その爽やかで甘いマスクからは想像もできない素早い身のこなしで、香織の顔を掴んだまま、背後に回り込み丸腰の手首を捻り上げながら穏やかな口調のまま警告する。

「は‥離しなさい!くっ!せめて刀さえあれば・・・!」

「刀があっても今の君じゃどうしようも無いって。・・仕方ない、ボクが受けた仕事は君たちの治療だから手加減はするつもりだけどね・・」

袁揚仁がそう言い終えると、袁のオーラが掌を通して香織の頭に侵入してきた。

「離しなさい!・・な・・奈津紀!いま行く・・わ・・。く・?・・ぅ・・・」

香織の視界は暗転し意識を失ってその場に崩れ落ちた。

【第9章 歪と失脚からの脱出 55話 隣室で起こりし事終わり】56話へ続く

第9章 歪と失脚からの脱出 56話 袁揚仁という男

第9章 歪と失脚からの脱出 56話 袁揚仁という男


「ふぅ・・。オーラが無くともさすが高嶺六刃仙といったところですね。もう少しすんなり昏睡させられるかと思ったんだけどなあ」

白いリノリウムの床に倒れた香織を抱き上げると、袁揚仁は嘆息気味にそう言って、香織をベッドに戻す。

はだけた患者衣から覗く胸を、患者衣の生地を合わせて隠してやり、香織のみだれた長い髪の毛を撫で包帯が巻かれた顔がよく見えるように整えてやる。

「張慈円はこの人や、隣の女の子より千原奈津紀のほうが気に入っているようだけど、ボク的にはこの人ぐらい線のほそい人のほうがそそるかなあ」

袁揚仁の脳波をコントロールする技能で、深い睡眠に落ちている前迫香織には、その声は聞こえおらず、僅かに頤を動かして寝返りをうっただけであった。

いまの香織のオーラ量では、袁揚仁が施した睡眠からは容易には目覚めない。

下着も付けず薄っぺらい患者衣だけの女の身体を弄ぶには絶好の機会ではあるが、袁の性癖はただ単に放出するだけの性行為では満足しないのだ。

「なんのスパイスもなく意識を失っている女性を抱いて欲望を満たすって好みじゃないんだよね・・。やっぱり、女性が恥ずかしい思いをしているのに感じてしまうのを見るのが最高のスパイスになると思うんだ。この人も六刃仙を代表する剣士だけど、今はこの人たちの治療の仕事を受けている最中だしね・・」

寝入った香織の頬を優しく指先の甲で撫ぜながら袁揚仁は呟く。

「いまボクが直接手を出すのは主義に反するけど・・・同僚がされている行為を夢で見てみるかい?疑似体験でも脳は十分オルガズムを感じるのは実験で分かっているからね。君みたいな真面目そうな人でも気持ちよくなっちゃうと声を上げて乱れちゃうんだろ?・・・そのギャップもまたいいスパイスになるんだよね」

袁揚仁は目を細め、香織の寝顔を撫でながら優しく呟くと、香織の顔をそっと掴みオーラを発現させる。

「うん・・。ちょうど再開されそうだね。同僚の千原さんもずいぶん参っているようだけど、体力はまだまだあるようだから前迫さんも満足できると思うよ」

「んん・・?・・ぁ」

目の周囲を袁の手で掴まれている香織は、見えている口を艶めかしく動かして、僅かに声を漏らすと、また深い眠りに落ちたかのように静かになった。

「ふふ、君の声でお隣の女の子がおきないようにこっちの子には深めに催眠をかけておくね」

静かになった香織を横目に、袁揚仁は南川沙織が寝ているベッドまで歩いて行くと、香織と同じように沙織の顔を右手で掴みオーラを発現させてそう言った。

そして沙織の腕に繋がれている点滴を新しいモノに取り換えてやる。

血液や細胞に水分と電解質を補給してやる輸液だ。

「これでこの子も2時間ぐらいで少し回復するかな。2時間は目が覚めなくもしてあげたし万一前迫さんが喘ぎ声を上げてもこの子には気づかれずに済むよ」

点滴袋を取り換え終わった袁揚仁がそう呟いたところで、隣の香織の身体が一瞬強張り動いた。

「ふふ。始まったようだね」

「・・・っ・・!・・・ぅ!」

「突然始まったプレイにずいぶん戸惑ってるね。同僚の千原さんが受けてる行為を君にも疑似体験してもらうよ。一応あの監視カメラで撮影してるから夢で見てる疑似体験に興奮してオナニーなんかしちゃうと映像で残っちゃうよ?ふふふっ、君の賞金額はたしかランキング8位で3億2000万だったかな。君みたいに普段は真面目に振舞っている女性のオナニーなら再生数はすごくなっちゃうから、アップされたら知り合いに厭らしい目で見られちゃうね」

袁は沙織に毛布を掛けてやり、監視カメラが捉える範囲の中心に香織のベッドを移動させると、沙織のベッドは画面外に外れるようキャスターを押して部屋の隅に移動させて香織に視線を戻した。

「あ~あ・・。せっかく忠告してあげてるのに。高嶺製薬の男性能力者にもボクのサイトの会員はたくさんいるんだよ?君は高嶺製薬本社に顔を出すことがあまり無いみたいだけど、男性社員の中じゃ君は君が思っている以上に有名で性的な目でみられてるみたいだからね。自分の知らない間にオナニーを見られてオカズにされちゃうねえ。またダウンロードとレンタルで儲かっちゃうなあ」

袁揚仁が沙織のベッドを移動し終わり、香織の様子を見ると、香織は患者衣の前をはだけ、細身ではあるが豊かな双丘を露わにして、仰向けで腰を引くような恰好でのけ反り、何かに耐えるような表情で口を結び、眉間にしわを寄せていた。

「ちょっとまだ早いけど外傷はもう完治させようか。そうしないと激しい動きでまた傷口が開きそうだもんね。いかに君みたいな高額賞金首でも、さすがに出血しながらオナってる姿じゃ、普段血を流す機会がなくて、血に慣れてない男性顧客たちはドン引きしちゃうからね。それじゃ会員たちはあんまり喜んでくれないし、ボクもそういう趣味はないしね・・」

袁はそう言うと、ベッドの上で一人身もだえだした香織の傷口に手をかざす。

緑色の淡い光が香織の患部を包みこむ。

「けっこう深いねこの傷口。・・・得物はオーラを纏わせた石か何かだろうけど、石でこれだけの威力が出せるなんて術者は相当な使い手ってこと・・・。張慈円の話じゃ白ずくめの女だって言ってたから十中八九、蜘蛛の最上凪だろうなあ。本社の能力者まで出張ってくるなんて、どれだけ張慈円は警戒されてるんだよ・・まったく・・・。あんまり一度に来られるとさすがにボクでも対応しきれないかもしれないってのに・・。それにしても、表も裏もこの国を牛耳ってる宮コーにはどれだけの能力者がいるってのさ。厄介なことこの上ないけど、宮コーは的になってる能力者も多いんだよね。ただ殺すのとは違って痴態を映像でおさえるってのは至難の業だけど、だからこそやりがいがあるんだよね。最近宮コーは能力者ばかりいる探偵事務所を吸収してまた的も増えてるし、まったくデータの収集やら対策で忙しいよ・・」

そう愚痴を言いながらも、袁揚仁は香織の傷を感知させてやり、顔に巻かれていた包帯を取り払ってやる。

「これでよし。オナニーだけって言っても六刃仙前迫香織のデビュー作だからね。顔がわかるようにしてあげたよ。一躍高嶺製薬男性社員のアイドルになっちゃうかな・・。千原さんの公開時期とかぶると売り上げ落ちそうだから、どっちが先になるかわからないけど二人の公開時期はずらすけどね。前迫さんとのちゃんとしたSEXは時間がある時ボクがお相手してあげることにしようかな」

左目を負傷していた香織の包帯を取り払って髪の毛をを手櫛で整えてやりながら袁揚仁はお気に入りの前迫香織の耳元で優しく呟いた。

「じゃあ楽しんでよ。でも疑似体験といってもちゃんと逝けるし、怪我をさせられればちゃんと傷も付く。でも、いくら張慈円のSEXが野蛮だって言っても死ぬことはないさ。オーラはまるっきしないみたいだからほとんど抵抗できないだろうけど。そのほうが君も楽しめるでしょ?」

袁揚仁はそう言うと、監視カメラの他に数台カメラを録画状態にしてから部屋をあとにし、部屋の外側からカギをしめて行ってしまった。

甘いマスクで優男の袁揚仁は、そのルックスとは裏腹に香港三合会の一角を担う裏の世界では有名な能力者である。

そして、率いる組織の規模も同系列同胞である倣華鹿が党首を務める華僑に次いで大きい。

現在29歳の袁揚仁は周囲の後押しや運も相まって27歳という若さで香港三合会頭領となったが、IQがずば抜けて高い袁揚仁にとってはビジネスも簡単で、自己の能力も考え付く限り強化をしてしまっており、何不自由もなく刺激もない毎日が退屈になっていた。

その袁揚仁が暇を持て余し、暇潰しで始めた裏動画サイトがいまやかなり大きな収益をあげるビジネスに成長しつつあったのだ。

ただ単に女性を抱くだけであれば、すでに金も権力も力も持て余している袁揚仁には容易いことなのだが、その袁揚仁をもってしても簡単にモノにすることができない女たちが存在することに気が付いたのだった。

初めてその手の女性に出会ったのは、袁揚仁が三幹部の一人となって初めての会合時に顔合わせをした同じく三合会の一角を担う華僑の倣華鹿であった。

誰でも簡単にベッドに連れ込めていた袁揚仁が、ちょうど女性とのSEXに飽きかけてたときである。

豪奢な刺繍の入った旗袍に身を包み妖艶な笑みを浮かべ、スリットから覗く長い脚を組み、ふくよかな胸に、豊かなヒップを強調する括れた腰、さあどうぞ、と言わんばかりの目つきや仕草姿でありながら、組み敷くのが容易ではないことが伝わってくる。

倣華鹿は確かに通常の男ならどうしても心が動いてしまう容姿と雰囲気を持ち合わせていた。

袁揚仁は倣華鹿とはそのとき初対面であり、事前に容姿端麗だと聞いていたがその予想以上の美貌に息を飲んだものだが、ある程度の容姿を有する女ならこれまでゴマンと見てきてもいた。

通常なら袁揚仁の琴線を激しく揺さぶることは倣華鹿の美貌でも無理な話であったのであるが・・。

それなのに倣華鹿に容姿に心が動いたのは、彼女が纏っているオーラは今まで見てきた女性達とは明らかに別格であったからだ。

戦闘は得意ではないと本人も公言しているが、倣華鹿はオーラの内包量も一般的な能力者とは明らかに違うのが雰囲気だけで伝わってくる。

そして、主人である倣華鹿の身辺を警戒している金髪長身の女性ボディガードもそれ以上のオーラを秘めており、鋭い目つきで隙なく警戒に当たっているのがよく分かった。

正直なところ倣華鹿も、同席していたザビエラという女性ボディガードも美しい部類ではあったが、はっきり言って袁揚仁の好みのタイプの女ではない。

しかし、袁揚仁は久しぶりに性的な意味で興奮したのだ。

(こ、この人たちを犯すのは・・難しい・・!)

そう思わせた感情が、二人の高難易度な女を目の前にして、袁揚仁の眠りかけていた嗜虐心を呼び起こしたのだ。

いままで、袁揚仁の容姿、若さ、能力、財力、権力を持ってすればほとんどの女は難なく身体を開いた。

目の前の同胞であり別組織の頭領と幹部は、当時の袁揚仁からすれば超然と見えた。

搦手であればなんとかモノにできるかもしれないが、今まで抱いてきた女たちとはあまりにも違うことが一目でわかってしまったのだ。

能力者である女、自分と同等かそれ以上の能力を持つ女を墜とすことができればどれほど満足できるだろうと解ってしまったのだ。

袁揚仁はその初顔合わせの会合での話し合いをさっさと終わらせると、さっそく行動を起こした。

世界的に有名な女性能力者は多数いる。

しかも、何故か能力者は男性よりも女性の方が多い。

脳科学的には女性の脳の方がより男性より進化しているためというのが有力な説だが、正確には女性の方に能力者が多い理由はいまだはっきりしていない。

ともかく、地位も権力もあり、能力者として一流と呼ばれる女性達を、インターネットを通じて的に掛けることにしたのだ。

強くプライドも高い女たちを地べたに落として凌辱するのが自分自身にとって最高のスパイスになると袁揚仁はわかってしまったのだ。

裏動画サイトを始めた当初は、まず袁揚仁の太い顧客である金持ちや権力者、袁が認めた親しい男性能力者たちだけを会員にして運営を始めた。

しかし、最初20人ほどの会員から始まったサイドビジネスは今や会員数2万人を超えている。

一定以上の資産を有する者か、国家の権力者、それ以外は一定以上のオーラ量を持つ能力者であり、入会希望者の資産の10%もしくは、年収3年分という高額の入会金を支払えるというのが会員になる最低条件である。


それでも、いまや会員は2万人を超えており、なお入会許可を希望する者が多数待っているのだ。

実際にはもっと多いのだが、入会金一人頭少なく見積もり1千万円と仮定しても2万人の会員数を誇る袁揚仁のサイドビジネスは入会金売上だけでも2千億円を超えていることになる。

お金にそれほど興味がなくなっている袁揚仁だが、お金が多ければ的に高額な賞金が掛けられる。

的とされた女性達は、盗撮などで普段の私生活をサイト内で紹介されており、地位や権力、容姿や経歴、性格や能力による危険度、それに加えてサイト内での人気投票で厳正に賞金額が付けられているのだ。

的にされている女性たちは墜とされることをケダモノたちに望まれていることを知らずに生活を送っていることになる。

「さてと・・、まさかとは思ったけど、完全にどう考えても棚ぼたっぽいけど、あの清水さん達に紅蓮が墜とせるとは思わなかったなあ。でもボクの予想をいい方向で裏切ってくれるなんて、清水さんには今後も期待できるかもしれない。宮コー十指最強で組織内外にも有名なビジネスパーソンである緋村紅音の賞金額は当時賞金首ランキング3位で5億5000。なかなか大きな出費だったけど、もう彼女の動画だけでもとを取ってるからね・・。このサイト始まって以来の億超えがまさかの5億以上の賞金首の紅蓮だったって言うのは大いに盛り上がったなあ。大儲けできたけど・・、ボク的には全然好みじゃない紅蓮みたいな高慢生意気ロリはやっぱり人気があるみたいだね。続編の要望も多くていまだにランキング6位で賞金額は4億もある。でも清水さん達がどうやったのか知らないけど、会うのですら困難、気分屋で近づくことも危ないって言われる紅蓮をあんなに長時間犯すなんてね・・絶対に清水さん独力でできたとは思えないんだよね。ボクも条件十分の紅蓮と戦うのは遠慮したいって思うぐらいの相手だっていうのに・・・あの人たちの能力じゃ紅蓮を抑えるなんて到底不可能なはずなんだけど・・・。どんな手品を使ったのかは調べておく必要があるなあ」

自分の仕事部屋に戻るため廊下を歩いている袁揚仁は、珍しく嬉しそうな顔で独り言を呟いていたが、顎に手を当て神妙な顔つきで考え込む。

能力も微妙で、少なすぎるオーラしかもたない三流探偵の清水達があの世界的に有名な紅蓮を犯し痴態映像を撮れたこと事態が奇跡なのだ。

あの紅蓮を無力化させた手品を明らかにさせない限り、袁揚仁も枕を高くできない。

手駒として使っている清水のようなチンピラに足元をすくわれるなど面白く無さすぎて笑えない。

自分の能力が無力化される危険すらあるからだ。

「もう一度打ち合わせという名目で会っておくかなあ。紅蓮の能力が発動しなくなってたのは紅蓮が直前に戦ってた相手の能力だと思うんだけど、その線じゃ候補がまだまだ多すぎけど、高額賞金首でもある霧崎って捜査官の可能性が高そうかなあ。その線をちょっと探り入れて聞き出しておこうか。今は紅蓮の賞金を手に入れて浮かれてるって聞くし、前みたいな警戒心バリバリの状況じゃなくあっさり教えてくれるかもしれないしね」

そう言い袁揚仁は自室の扉を開き、モニタが複数並んだデスクの前の椅子に深々と腰を掛ける。

部屋には袁揚仁以外ほかに誰も居ないため遠慮なく独り言を呟く。

一人で何でも出来てしまう袁揚仁に、決まった側近の能力者はいないのだ。

部下相手に偉ぶる趣味もないし、人の上に立ち羨望を浴びることも求めていない。

金儲けも簡単で飽きているし、普通の女を抱いて得られる満足も少ない。

薬物を使って強制的にハイになるより、脳領域を15%以上使っている袁揚仁は薬物に頼ることなどなくても一人でハイになることができた。

いまの袁揚仁を行動させている唯一の原動力は、脳領域を10%以上使いこなせている女たちを墜とすこと、いわゆる能力者の女たちの痴態を収めていくことが唯一の楽しみとなっているのだ。

「・・それにしても紅蓮は好みじゃないにしても、まさか自分が犯されるなんて思ってない高慢な女の人の泣き顔は普通の女の人の顔よりはやっぱりそそるね。ボクの同胞の倣華鹿さんもまさかボクに懸賞金をかけられてるとは思わないだろうなあ。倣華鹿さんがボクに裏切られたと知って、痴態をネットにバラまかれた時の顔とか想像すると、彼女の普段の余裕の笑みさえ滑稽に思えてきちゃうんだよね。ある程度知ってる女性の痴態って興奮度合いも3割増しぐらいになるよね。取り返しのつかないことをされて狼狽える顔、でもネットで貼られたらもう消せない。倣華鹿さんも年の割に5位で4億8千万て額がついるんだよね。華僑の美人総帥の痴態はかなりの需要があるってこと。倣さん、逃げ切らないと立場的にヤバいよね。知り合いの破滅なんて想像するだけでゾクゾクするなあ。・・・・でもボク自身の本命は・・高嶺製薬社長で、高嶺十七代目当主の空間を操る能力者高嶺弥佳子、それとどんな病でも治すと言われる神医菊沢美里の二人かな・・。ボクの好みは、そんな目に合うはずもないと思っている、超が付く能力者の女が堕ちるところなのさ。清水さん達はもちろん、張慈円ですら賞金欲しさにボクのビジネスに協力してくれているからね。彼女たちも四六時中探偵に張り込まれたうえ張慈円のような絶倫変態達人からずっと逃げ切るのは無理さ。サイトを見てるだけの会員たちも自分たちじゃ無理だけど、あの能力者の女性達の恥辱に濡れたた姿を望んでいるっていうのは、サイトからの収益でよく分かったことだしね。もうすでに戦闘能力の無い女性能力者たちはほとんどもうサイトにアップしちゃってるからなあ。あとはやっぱり宮コーとか、能力を戦いに使うように強化している女性たちだね。その女性達は賞金額も億超えが多いから、一気に難易度が跳ね上がる。でも、戦闘力を持たない女性能力者たちも的に掛けられて、覆面した同僚や知り合いに襲われて撮られた痴態を売られることになるなんて、さぞ屈辱だっただろうね。・・・まあ、その女性達の感情がスパイスになってより男たちを喜ばせるんだけどさ」

袁揚仁が運営するサイトに通常女性会員はいない。

しかし、的にされサイトにアップされた女性の元には、自身の痴態が写ったDVDとともに、専用のサイトIDとパスワードが届けられる。

警察や女性擁護団体に通報すれば再度刺客が訪れ再度犯され映像化されるのが確実になるという脅し文句と共に、ダイレクトメールが届くのだ。

彼女たちがサイトにアクセスしているのは、サイト運営者である袁揚仁に筒抜けであり、犯されてサイトに掲載されている女性が自分の痴態や、別の女性の痴態は無料で覗けるようになっている。

サイトに掲載された女性の中には何度も覗きに来る女性達がいることに袁揚仁自身も驚いていた。

「まあ、自分の痴態の再生数が日々どんどん増えてることとかに後悔もするけど、興奮もするんだろうなあ。もう周囲の人間には知られて人生詰みだけど十分興奮できているみたいで良かったよ。WINWINってやつだね」

袁揚仁なりに満足しているが、サイトに痴態をアップされた女性たちの末路は昏い。

なぜなら痴態を撮られ、一度サイトにアップされた女性達は通常一気に賞金額が下がるのだが0になることはない。

そのせいで能力は開花しているが、戦闘力を持たない女性たちにとっては悲惨としか言えないことが世界中で起きている。

袁のサイトで的にされている限り、サイトを知る者からは何度も狙われることになっていた。

すでに何度も痴態動画を撮られてしまい10万円を下回る賞金首になっている女性も、固執した変質者から執拗に狙われる場合もある。

サイトの会員男性から情報を聞いた女性が、的にされている女性を常々煙たがっていた場合など、今までの腹いせで男を雇って的の女性を何度も襲わせて痴態を撮らせサイトに売っている場合もあるのだ。

なかには20作品以上痴態が掲載されている女性もいる。

戦闘力が乏しいにしても、能力で他の者を圧倒し、優位に人生を送っていた女たちは袁揚仁が暇潰しで作ったサイドビジネスのサイトで人生を破壊されてしまったのだ。

しかし、そんなことですら袁揚仁にとっては暇潰しの材料であり、楽しみの一つであった。

「さてと、しばらく前迫さんたちの様子でもモニタしてみようかな」

足を組み深々と座った袁揚仁は、白ワインを片手にそう言って目の前にあるモニタに写る前迫香織と千原奈津紀を眺め出したのであった。

【第9章 歪と失脚からの脱出 56話 袁揚仁という男終わり】57話へ続く

第9章 歪と失脚からの脱出 57話 張慈円史上最強の相手


第9章 歪と失脚からの脱出 57話 張慈円史上最強の相手

「ようやく牝らしいセリフが言えるようになったがまだまだこれからだぞ?千原奈津紀」

首と手首を一枚の板で拘束され、その板と両ひざで身体を支えている所謂ギロチンの刑に処せられている格好の剣聖千原奈津紀は、張慈円の声に反応できず荒く呼吸をしている。

「次はこれだ」

奈津紀の背後で器具を手に取り調整していた張慈円が、愉快そうにそう呟いて器具についているトリガーを引く。

どぎゅ!どぎゅ!どぎゅ!どぎゅん!!

聞き慣れない音に奈津紀は枷をガチャリと鳴らして振り返ろうとするが、張慈円が手にしている禍々しい器具を目視することができない。

奈津紀の身体は鍛え抜かれているが、女性らしく肉付きの良い艶めかしい身体が照明の光を妖しく反射させている。

奈津紀は得体のしれない音の正体が自分を更に辱めるモノだと想像し濡れた裸体を強張らせて身を固くする。

「な・・なんなのですかっ!?もう・・これ以上は・・」

普段の鉄面皮の表情は崩れ、メイクも落ちかけており髪も汗でびしょ濡れにしてしまっている奈津紀は、四つん這いに近い屈辱的な格好で背後にいるであろう張慈円に訴えかける。

「まだまだこれからだと言っているではないか」

高々と軽く90㎝を越えるヒップを突き出すような恰好に拘束されている奈津紀が、出来るだけ脚を閉じ、腰を引こうとしている姿を目で楽しみながら、張慈円はそう言って奈津紀のヒップを平手でたたいた。

ピシャッ!!

張慈円の手により打たれた奈津紀の白い双球はその豊かな肉付きを強調すべく激しく波打ち、その波が奈津紀の全身を支える一般女性からすれば結構太く映る白い大腿部の肉を激しく揺らせる。

「っく!」

「脚を閉じようとしてしておるのか・・恥ずかしいのか千原よ?・・可愛いところもあるではないか?普段スカしている分余計に可愛くみえるぞ?くくくっ、しかし次の責めではな・・・、女の部分が丸見えにされたうえ逃げられずヨガリ狂うところが見たいのだ」

張慈円はそう言うと、奈津紀の両膝裏に突起が二つ付いた鉄棒をあてがい、その突起がそれぞれの膝の内側に来るように調整すると手早く番線で縛り付けてしまったのだ。

当然奈津紀は抵抗しようと藻掻いてはいたが、すでに首と手首をギロチン板で拘束されている姿では、碌な抵抗もできず無様に腰とヒップを振りたくる程度のことしかできない。

「くぅ!・・まだ拘束をするのですか?!」

ギロチン板で顔と手首は床から10㎝程度の高さのところで固定されたうえ、床についている膝は奈津紀の肩幅以上に開いた状態で固定されてしまったのだ。

「いい眺めだ。これで貴様はマンコもケツ穴も隠せぬのだ。・・む・・待て‥腰と膝も拘束してやろう」

「や・・やめてください!これ以上どうしようというのです!このままでもされるがままではないですかっ!」

拘束される事により、はなから抵抗ができない事を理解している奈津紀はこれ以上の拘束を拒むのは、今までもこの先もおそらく来るであろう張慈円の責めによる受け入れがたい快感を少しでも逃すためにわずかながらでも身体を動かすことがこれ以上できなくなった時に、自分がどのようになってしまうんであろうという不安から出た言葉であった。

しかし最早抵抗どころかほとんど動けなくされている奈津紀の声はそういった思いからも人生であげた事の無いような悲痛の声にすら聞こえる。

張慈円はより奈津紀のヒップが突き出されるように、奈津紀の腰に荒縄を巻き、その縄を、膝を拘束している鉄棒に括り付け引き絞ったのだ。

「こんな仕打ち・・あまりではないですか・・・うっんん!!」

結果、両膝と脇腹がもう少しで接触するほど縄で引き絞られ拘束されてしまい、奈津紀はヒップを思い切り突き出したカエルのような恰好で固定されてしまったのだ。

「くははは!準備ができたな。ではゆくぞ?しかし世界広しと言えど、あの世界最強の剣客集団の高峰の剣聖であるお前をこんな格好にさせれる男などいないだろうし不可能であると考えると本当にこの眺めは現実のものかと思いたくなるな。ククククッ」

「くっ・・・そっそうお思いならそろそろこの辺で・・・それにこの姿は・・・あ、あんまりです!このようなことっ!!」

しかし剣聖の誉れ高い千原奈津紀がよもや力づくでも本人の意思でもしようがない格好で目の前に居る姿を見て精神が異様に昂っている張慈円には奈津紀の普段の口調とは違う女性らしい懇願ともいえる抗議全てが新鮮で張慈円の興奮をより高めるだけにしかならないのであった。

そして奈津紀の言葉を上書きするように、これから奈津紀を凌辱するであろう器具から凶音が鳴り響く。

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「(くっこれは・・・音を聞いているだけで犯される気分に・・・)くっ・・うっ!?」

女性の弱点である陰核や陰唇を思い切り突き出した格好で固定され、僅かな身じろぎすらできなくされた奈津紀は堪らず言での抗議したが、張慈円が手にしている器具があげた唸りに悲鳴を漏らしてしまった。

「貴様の泣き叫ぶ顔が見えるように正面にカメラを置いてやろう。せっかく貴様を気持ちよくさせてやっているというのに、俺が貴様の感じているツラを拝めんのはいただけんからな」

張慈円は手にした器具のトリガーを引いたり離したりして弄び、禍々しい男性器を模した突起が先端についた器具に唸りを上げさせながら、奈津紀の顔のすぐ前にカメラを置いた。

「顔を伏せんように、髪の毛は一まとめにして枷につないでおいてやろう。くくく」

「くぅ!?ううぅ!!張慈円様っもう良い加減にっ・・・さすがにこの扱いは、ひ、ひどすぎます!何のためにここまで!?」

ヒップを突き出し、雑なポニーテールにされて顎をのけ反らされ固定された奈津紀は、目だけ動かし非難がましく張慈円を睨む。

奈津紀はここまで執拗に辱めようとしてくる意図がわからずにいたが、奈津紀が知らぬところで奈津紀も袁揚仁のサイドビジネスの標的とされており、その痴態には高額の賞金が掛けられているのだ。

恥辱に濡れた奈津紀の顔の前には、無機質なレンズが向けられており、録画を示す赤いランプがレンズの隣で灯っている。

「んん?それがクライアントに対する眼つきか?・・・前迫や南川の命は貴様の態度と俺の気分次第ということを忘れるな?それに貴様らは任務を失敗して俺に大損させたのだぞ?」

(くくくっ・・貴様の痴態映像で補填させてもらうがな。本来は手を出すつもりではなかったが、袁のヤツがここまで賞金を懸けているとは予想外であった。・・こうなれば後で前迫や南川も同様に犯してやる・・・。こいつら全員を金にすれば10億近くにはなる・・。今回の損失には届かんが・・その分はこやつらの飼い主の高嶺弥佳子にも身体で払ってもらうことにするか。くくくっ、こやつらの痴態をネタに脅し高嶺弥佳子もうまく犯して金に換えれば少しは補填になる。・・それにしても袁の奴め・・こんなことならもっと早く俺に言っておけば良いものを・・!聞けば俺がすでに犯した斎藤雪や伊芸千尋にも賞金がかかっているではないか!こんなことなら菊沢宏の嫁も橋元などに譲らず俺が料理してやったものを・・!)

張慈円の卑劣なセリフと、下種な思惑を知る由もない奈津紀は、無様な格好のまま張慈円に訴えかける。

「くぅ!あの二人は治療してくださるという約束です!そうだからこそ私はこの条件を飲んだのですよ!?」

「くくくっ、治療はしてやる。治してやらんとあいつ等を貴様同様に料理できんではないか」

奈津紀はニヤニヤと笑いながらそう言う張慈円の言葉の意味がすぐに解らずにいたが、すぐに目を見開き張慈円に怒鳴った。

「・・・今なんと・・?・・お!おのれ!張慈円!約束を違えるというのですか!?私を騙して、香織や沙織まで手に掛けようと?!そんなことになれば我ら高嶺を敵に回すことになりますよ!?」

自分1人で済むのならと理不尽な要求にも、失態を犯したのも事実であったので、張慈円にというよりは主の髙峰弥佳子に対する償いの思いから張慈円に諫められることにより少しでも自分自身の罪悪感を緩和させることができると思い普段では絶対に飲まない条件を飲んだ奈津紀であったが当初の目的の1つであった香織と沙織の無事が反故にされるのであれば話は別である。

今の自分と同じような目にあの2人が合わされる時点でそれはもう無事では無いと言えるのだから。

張慈円のあまりの言葉に奈津紀は珍しく大声を上げて激昂した。

しかし菊沢宏の点穴によりオーラは封じられたうえ、自慢の剣技も振るう事ができない不自由で無様な格好で更に全裸であったことが奈津紀の怒号の悲痛さを深めてしまう。

「くくくっ!喚け喚け!そんな恰好で凄んでも滑稽なだけだ。そんな貴様にはこれでもっと喚かせてやるわ!」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「お・・おのれ!おのれ!張慈円!許せませんっ!!私を・・高嶺を謀るとは・・!!こっこんなものオーラが無くとも力でっ!!!」

オーラの通わせられない身体に全力で力を込めて、首と手首を固定しているギロチン板、両膝を固定している鉄棒、腰と膝を戒めている荒縄を引き千切ろうと全力で力を振り絞る。

ぎぎぎぎっぎいっぎいっ!!がちゃ!!がちゃん!!

「くっ!はぁはぁはぁはっ!・・っく!」

しかし、奈津紀の膂力と言えどもオーラを発現できない身体では拘束は解けない。

「くははは!まだ膝を拘束される前であれば、足ぐらいは何とかなったかもしれんが、後の祭りだな!千原奈津紀。そこまで拘束されれば動くことは無理であろう?しかし今まで何人もの女をこのギロチン台にかけて絶頂の限りを与えてやったが、この状況でそこまで抵抗の意思を見せたのもお前が初めてだ。ますます弄り甲斐のある女よ。」

「は、張慈円!!私をこのような目に合わせ辱めたあげく、約束まで反故にしようとは!もはや依頼主ですらありません!貴方の命は私が貰い、御屋形様の前にそのそっ首を持ち帰ることにしましょう!」

「くくくっ、やれるものならやってみるがいい!」

全裸で拘束された奈津紀を見下ろして愉快そうに嗤いながら張慈円が手にした器具のトリガーを引く。

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「うっ・・・(無抵抗の女性をいたぶる事に快感を感じる愚物め・・・しかしこの状況は・・・)」

工具を魔改造した淫具が奈津紀の潤い濡れそぼった陰唇を当てがわれて、男性器を模した部分が、奈津紀から発した潤滑油で滑り、高速で潤った個所を往復したのだ。

「逃げられぬ恰好でどこまで強がりが言えるのか楽しみだぞ?くっくっくっ・・そろそろこの拷問器具を試してみるとするか?」

「(これは本当にマズいです・・・)やっ・・やめ!」

ず・・・ずぶ・・っ・・!

どぎゅん!

「きゃっ!」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「は・・張慈円!!・・あっ!!うそっ!!!やめっ!!」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「ひぃぃぃ!!ああっく!やめな・・やめなさい!!こっこれはっ!こんなにっ!!(なっ何!?これっうっうそっ子宮から脳天まで何かが響く・・これはまずい!!まずすぎますっ!)」

がちゃん!がちゃん!

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「無駄だ。貴様にもう逃れる術はない。くくくっ、俺が飽きるまで貴様はオモチャだ。前迫も南川も後でたっぷり可愛がってやるから寂しくはなかろう?くははははっ!」

ヒップを突き出し、さあどうぞバックから犯してください。と言わんばかりの格好で拘束され、身じろぎすら出来ぬように雁字搦めにされた奈津紀は汗と愛液に濡れたむき出しにされた蜜壺に樹脂製の極太梁型を高速で突き込まれ弄ばれる。

神技剣聖の域に達している女剣士は、狡猾な張慈円の卑劣な罠に嵌って自力では逃れられなくされ、いいようにオモチャで鳴き声を上げさせられてはとめどなく打ちつけるオルガズムに溺れかけていた。

「ひっ!っくぅ!!・・ゆ・・ゆるさない!!・・っくう!こんな枷・・!きゃうぅ!うぅうんっあぁぁぁっ!!・・それをやめな・・さい!!んんぅ!!香織や・・沙織に手出しなど・・させま・・せん!!ひぃぃぃんぐぐぐ!」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「何か言ったか?悔しければ自分ではずしてみろ?」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「あ・・ああああっ?・・・動かさないで!!・・っま・・また!くる!?」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「さっき女の作法を教えたであろうが?!」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「だ・・だれが!!いう・・もの・・あっくぅう!!ぐぅ!!」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「言わずとも逝っておるのは丸わかりだ。また逝き出しおったな?くくく・・千原・・貴様が好きな場所はもうバレているのだぞ?奥と・・ここだ・・」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「あっああぁぁぁやっやめなさいっ!あっあんっ張慈円!!かっ必ずあなたは私の手で・・・八つ裂きにっ!!あっあんっ!!あぁぁぁっっ!!」

奈津紀本人ですら知りえない奈津紀の最も感じる膣奥に数か所ある性感帯を、絶倫性技の達人張慈円は難なく見つけ、弄んでいるのだ。

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

1秒に三度、奈津紀はこれまで男性器の先端すら届いたことのない最奥のエクスタシーゾーンを強烈なインパクトで突かれその衝撃を身体をのけぞらせたり、ずらせたりして逃れることもできずその絶頂という衝撃波は体内を走り脳幹を駆け巡り脳天を突き抜ける。


過去にこの張慈円スペシャルともいえる責めを受けた能力者で高名な能力者は、菊一探偵事務所の斎藤雪に伊芸千尋であったが、それまでも女性能力者で張慈円のこの責めを経験したものは菊一探偵事務所の2人も含め、全て一時的にと完全にの違いはあれど張慈円の責めに負け快楽を求めてしまっていた。

精神的にも肉体的にも屈強な女性ですら快楽を耐える意味が分からなくなる、どうせ逃げれないのなら耐えるより快楽を受け入れてしまった方が楽だとそう思わされる威力が張慈円の責めにはあった。

「今の貴様など、無能力者の小僧すら八つ裂きにできまい。思い知れ今の貴様は愛刀もオーラも失った、ただ俺にデカい尻を突き出している雌豚だという事をな。くくくっ覚悟を決めろ。俺の気分次第で気をやらされる気分はどうだ?。俺のことは八つ裂きにしたいほど許せんのだろう?その相手にいいように逝かされる気分はどうだ?ああん?!」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

「(こんな類の屈辱は・・・予想外で予想以上に・・あぁ・・・)あっ!っクゥ!!んんぅ!んん!!」

「逝くときは逝くと言えと教えたはずだぞ?素直にならんと辛い思いをするのは貴様だがな」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

がちゃがちゃと首と手首が嵌められたギロチンが軋んだ音を鳴らせ、膝と腰を拘束している荒縄がギチギチと奏でる音が、何度も逝きながらも抵抗の力の強さを伝えてくるが、戒めが解ける気配はない。

「ああっ!くぅ!だ・・だめえ!」

どんなにオーラを練ろうとしても、サングラスの男から受けたキズのせいで肉体強化をはかることができない。

「ああ・・言い忘れていたが俺は天穴を治すことなどできんのだ。残念だったな?だが安心しろ千原。貴様は俺が飼ってやる。壊れるまでな・・くくくくくく・・はーっはっはっは!」

どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!どぎゅん!

奈津紀は張慈円の声を聴きながら、このような状況になる原因となったサングラスの男のことを思い出していた。

(オーラが使えないせいで・・・!!私はこんな無力な女に・・!!・・まさに命を懸けてこの男を護って戦った結果が・・この有様では・!!!あのサングラスの男に遅れさえとらなければ・・、あの男が、私が女ということで油断しているときに・・カタをつけていれば・・・・いえ!・・違うわ!何を情けないことを言っているの!あのサングラスの男はフェアに戦ってくれたわ・・!負けたのは・・私があの男より・・・弱いから・・・それと御屋形様意外に私より強い者などいないと思いあがっていた私自身のおごり・・・そしてこんな目にあうのは・・張慈円が想像を超えるクズだからからだわ!サングラス男との戦いのせいじゃない・・・。それにまた御屋形様に張慈円のような男を引き合わせ、仕事になると紹介してしまって・・。栗田の時と言い今回の時と言い・・私はなんと無能なのでしょう。人を見る目が皆目ありません・・こんな無能な私では・・このような辱めを受けるのがお似合いなのでは・・・?。しかし・・・私がここで慰み者になってしまうと高嶺に・・御屋形様の顔に泥を塗ることになってしまいます・・・。それに・・このまま張慈円のオモチャに成り果てるぐらいならば・・ここで・・死を選んだ方が・・!)

電動ドリルを改造した玩具などで屈辱的な深いオルガズムを何度も味あわされて脳を揺さぶられながらも、千原奈津紀は決心した。

口を開け、舌を突き出して歯を食いしばろうとしたその瞬間。

がきぃ!!

「んぅう?!!」

「貴様ならそうくると思っていたぞ?貴様もプライドは高そうだからな・・。辱めを受け続けるより死を選ぶか。一度貴様と同じようなことをした稲垣とかいう獣のような醜女がおってな。嬲り殺してやろうと思ったのに舌など噛みおって・・興ざめも甚だしかったので今回は警戒しておったのだ」

得意そうに言う張慈円は、奈津紀が舌を噛み切ろうとした瞬間、素早く硬質で青く丸いゴルフボールぐらいの大きさの物体を口に押し込んだのだ。

「んんんん!?」

死に損なった奈津紀が声にならない抗議を上げている間に、張慈円は奈津紀の後頭部に紐を回し、奈津紀の口に入った拘束具、いわゆるボールギャグを縛り付けてしまった。

「まだまだこれからだというのに、一人で退場しようとするのはマナー違反だぞ?貴様は逝きまくっているが、俺はまだ挿れてもおらんからな?」

張慈円はそう言うと、自家製超強力電動ドリルバイブを奈津紀から引き抜きようやくベルトに手をかけて、自らの雷砲を露わにした。

器具を引き抜かれた奈津紀の蜜壺からは何度目かはわからないが引き抜かれる直近にも激しく果てたのであろうと言う事が物語る大量の水しぶきが水鉄砲のように放たれた。

「んんぅ!!」

死ぬこともできなくなった奈津紀はヒビの入った眼鏡越しに涙目になりながら首を振り、拒絶の意思を伝えようとするが、枷に髪ごと縛り付けられた格好では、それすらも満足にできないでいた。

「さあ・・貴様なら壊れずに俺の相手ができるであろう。貴様が壊れるか俺が飽きるか・・・どっちにしても金にもなるし楽しめる。千原、たっぷり可愛がってやるぞ?」

張慈円は、奈津紀の強制的に突き出され、何度も逝き果て濡れぼそった蜜壺にそそり立った電砲をあてがいそう言ったのであった。

【第9章 歪と失脚からの脱出 57話 張慈円史上最強の相手終わり】58話へ続く

第9章 歪と失脚からの脱出 58話 剣聖陥落

第9章 歪と失脚からの脱出 58話 剣聖陥落


「でかいケツだ・・。だがそれだけではない。これは、いいケツだ・・。俺ぐらいになるとその女のケツを見れば、牝としての良し悪しがわかるのだ。牝は胸ではなく尻なのだ。嘘ではないぞ?くくく、なぜ胸ではなく尻なのか・・・。好みの問題などでは断じてない。重ねて言うが女はケツだ。まあ、腰の括れあってこそのケツだがな。胸も悪くはないが牝としての本質はケツに間違いない。なぜなら男は女を見た時、まずその女の年齢と下半身を視覚し、そのうえで子を孕ませやすいかどうか、健常な子を産ませられるかどうかを瞬時に判別しているのだ。女を目にしたとき、瞬時に胸に目が行ってしまうような男は雄として繁殖力が弱いと言わざるを得ん」

電動ドリルの先端に付けられた樹脂製の特大ディルドで散々膣を弄ばれ、何度も気をやり息も絶え絶えな千原奈津紀は、滴る汗を拭うこともできずに張慈円が突然口走りだした意味不明の戯言に応えられずにいた。

もっとも口に噛まされた器具のせいでまともに喋ることすら無理なのだが・・。

それに平時の時にそんな戯言を聞かされても奈津紀がまともに応えるわけがない。

ただ冷たい視線で軽蔑の念を相手に与えるだけだ。

しかし、いまの奈津紀にとって、張慈円がしゃべっている間は責められずに済む。

首と手首、足と腰をギロチン板と鉄棒、加えて荒縄で戒められている無様な格好ながらも奈津紀は少しでも呼吸を整えることに意識を集中していた。

「本来雄にとって女の胸などは機能的に必要なものではない。女の胸の機能が必要とするのは赤ん坊だ。雄が価値を置くのは、女が牝として健全でより良い遺伝子を宿す身体を持っているかどうかでしかない。女の胸は子を孕み出産間近にさえなれば、どんな貧乳であったとしても乳を出すためにその性能を発揮する為に膨らんでくる。故に真っ先に女の腰と臀部に目が行くのは優れた雄の証でもあるのだ。胸と尻、どちらが好きかと聞かれて胸と即答するような雄では本当の意味で牝を満足させてやることなど難しいだろうな。生物的に弱い雄と断ずるに些かの疑いも要るまい。要は胸好きの男はガキだということだ」

奈津紀は続いている張慈円のケツ好き優性持論の間に少しでも高ぶりが落ち着けばと思っていたのだが、意思にすっかり反旗を翻した奈津紀の女の部分の猛りは落ち着くどころか、止んだ刺激を求めるように疼きだしてすらしている。

奈津紀は何度も上り詰めたせいで腰から下に力が入らず、陰核と膣、内部の子宮に至っては弄ばれ過ぎて敏感になり僅かな刺激でも、快感に変換し脳へと信号を送り込みつづけているのだ。

「っむぅ・!むぅううぅ!!・・んんっ!!?ううううううう??!!!」

持論を気持ちよく展開している張慈円が、そんな奈津紀の状況はわかっているようで、意地悪く腰をかるく手のひらでぱんぱん!と叩いている。

腰を叩かれるという外的な刺激だけで軽く気をやってしまった奈津紀を張慈円はニヤついた表情で満足気に見下ろし、厭らしい手つきで奈津紀のヒップや腰を撫でまわした。

「くくく、すっかり準備ができておるな千原よ。俺がただ乱暴に弄んでいるだけの男だと思っておったのであろう?・・残念だが俺は功夫やオーラの扱いも得手と心得ておるが、最も得意なのはSEXなのだぞ。貴様という女が俺の目の前に現れた時から、こういう可能性は相当に高かったのだ。そして俺の思惑通り、今は貴様が牝として最高の状態で雄を受け入れられるようきちんと調教してやれたといういわけだ」

(わ・・わたしを最初から私をこういう目に合わせるつもりだったというのですか・・!・高嶺の訓練ではこんな男はいませんでした・・!本当に張慈円の言っていることは本当なのでしょうか・・・!?それにしても・・本当に僅かな振動でも子宮が・・反応して果ててしまいます・・!この私がこんな情けない目に・・・!こんな男相手に果てさせられたくないというのに身体が全くいうことを聞きません・・本当にこの男の言うように、そういう身体にされてしまったのでしょうか・・・?うぅ・・いけない・・!撫でまわされているだけで、意識が逝こうとして気を失いそうな感覚になります・・)

「よしよし、感度は最高に高まり十分子宮が反応しておるな。千原の女の部分が受精しようと準備が整ったということなのだぞ?くくくくっ、待たせたな?準備のできた貴様の子宮口を俺の雷砲でたっぷりと可愛がってくれるわ」

張慈円はそう言うと、奈津紀の腰や尻を撫でまわすのを止め、代わりにガッチリと両手で腰を引き付けるように掴み、自慢の雷砲とやらを奈津紀の濡れぼそり、膝に達するまで内腿を濡らした陰唇にあてがった。

(や・・やめっ!・・こんな男のモノなど待ってなどいません!・・張・・慈円!!!・・こんなこと!嫌ッ!・・わ・・わたしを犯すなんて・・!こんなこと・・あっていいはずが・・!ダメッ・・・六刃仙ともあろうこの私が・・!嫌!張慈円・・後生です!!こんなことをされては私・・生きて!)

奈津紀はそう言って拒絶したかったが、口枷をいれられている今は、言葉にならないくぐもった声で呻くことしかできない。

せめて目付きだけで強がってみてはいるが、奈津紀の下の口は何度も果てたせいでだらしなく陰唇は広がり、男を受け入れる為に潤滑油を吹き出して物欲しそうにひくひくと動いている。

あてがわれ軽くこすられることで、ぬるぬるとした感触が奈津紀自身にも伝わってきており、張慈円が雷砲と呼ぶ一物の先が、陰核に当たるたびに腰が引けそうになるほどの快感が脳まで突き抜けてくる。

そのたびに、奈津紀はビクンビクンと身体を跳ねさせようとするが、戒められた身体では僅かに身じろぎができる程度である。

「くくくっ、こんなことをされてはどうなるのだ?・・千原よ。貴様のような犯すのが難しい女、高嶺六刃仙の筆頭剣士で剣聖との誉高い貴様だからこそ犯す価値があるのだぞ?並みの男などでは貴様を力づくであろうが、正攻法であろうが最早この世でこんな姿を拝める男などおるまいであろう。袁のヤツもそれをビジネスにするとはうまく考えたものだ」

奈津紀は今にも突き込まれそうな一物の感触に怯えながらも、張慈円に言葉で煽られて背中に鳥肌を立たせてしまい、それの妖しい感覚が背中から胸へと走り突起を更に硬くさせてしまう。

「んぅ・・うぅぅっ!」

(わ・・わたしの身体は男を受け入れるのを期待しているというのですか?!そんなバカな事あるはずが…しかし、これは…もはや盤面詰んでいるとしか…)

奈津紀の乳首は触るまでもなく、目で見ただけで固くなってしまっているのがわかるほど大きくなっている。

「千原よ。口では否定して居るが、貴様の身体、特に下の口はまったく嫌がってはおらんぞ?あてがっておるだけなのに、ひくひくとそちらから俺の電砲を飲み込みそうにすらしておるくらいだ」

(そんなはずはありません!張慈円!い、今すぐ・・私の戒めを解き、我らを開放しなさい!そうすれば、苦しまずに殺して差し上げます!)

そう怒鳴りたいが言葉にできない。

本当に奈津紀がそう言いたいと思っていても、今の奈津紀の格好では全く説得力がない。

そして、そう思い口を動かしてみるも発せられる声は意味をなさなかった。

「おんああうああいあえん!はいいえん!ひ、ひあうぐ・・ああいのいあいえをおき、あえあおあいおういああい!おううえあ、うういあういおおいえあいあえあう!」

四つん這いのような恰好で、背後から腰を掴まれ、髪の毛もギロチン板に括り付けられているため、張慈円の方へ顔を向けることもできない全裸の格好、濡らした女性器とお尻の穴を見下ろされながら、千原奈津紀はかすれた声で張慈円を今できる精一杯の気力を振り絞って言葉にならない声になってしまった。

「何と言ってるかわからんな・・普段の貴様を知る者が見れば、さぞ驚くこと請け合いだ」

張慈円は奈津紀の必死の恫喝に対し、愉快そうな声でそう言うと全裸で戒められている哀れな牝と化した剣聖の膣奥を目掛け腰を突き込んだ。

ミチミチミチッ!ズズズ…グチュッ!!!!!!!

「ひう!!?っうっ!?く・・!!うううううううううっ!!!!んんんんんっ!!」

仰け反ることも、身を捩って快感を逃すこともできず、千原奈津紀は一度目の挿入であっけなく達した。

「んんっ?!ああああぅ!!うあ!!ああっ?!!あああああああん!!ぎゃぁぁぁぁっ!!」

張慈円が突き込み子宮口に雷砲を押しあてているだけで、挿入してすぐさま2度目の絶頂で身を戦慄かせる。

「牝の作法はどうした?!牝の作法を教えたであろう?くはははっ、しかしボールギャグをされたままでは「逝く」とも言えまい?叫び狂うのがやっとみたいだしな。しかし「逝く」とちゃんと言えるまではやめんからな?「逝く」宣言は女としても最低限の作法だ・・それができるまでは絶対に許してやらん。くくくっ、舌など噛み切ろうとするからそんな目に合うのだ。それに教える作法はまだまだあるのだ。逝くときの作法ぐらいはさっさと覚えてもらわんとな?」

ずちゅぅ・!ぐりぐり・・!

(絶対に言いたくありませんが・・!こんな枷を噛まされているというのにこの男は何を言っているのです!!これでは・・延々と玩具にされてしまうではないですか!)

張慈円はあえてピストンせず、雷砲と呼んでいる男根をあえて電気によるオーラを纏わせずに、奈津紀の子宮を押しつぶすようにグリグリとつき潰す。

「ひっ!きゃっ!!あああ!ああぁ!!!」

「言え・・言えんだろうがな?くはははっ、言えんなら続きだ」

ぐりぐり!

(卑怯な・・!張慈円の卑怯さが敵だけでなく私の身にも降りかかるとは・・!)

「んぅぐっ!!?・・・あっ・・・あぁぁっんんん!!」

「言わんと終わらんぞ?俺が動かんと貴様は逝きっぱなしだが、俺は挿れているだけだ、いくら貴様の締め付けがキツクともこれだけでは満足できんぞ?」

張慈円にバックから腰を掴まれ、動かずに一物を突き込まれただけで何度も逝き始めた堪え性のない自らの身体を怨めしく思いながらも、奈津紀は張慈円の言葉に絶望した。

(またあの屈辱的な言葉を言うしか・・!ないのですね・・!!でもこの枷をされている限り・・ああっでも・・!気持ちよすぎる・・こんな世界があるなんて!何も考えられなくなるっ!でも、こんな快感をこんな男に与えられるなんて、頭がおかしくなってしまいます!)

「くくくっ、挿れておるだけだというのにケツ穴をひくつかせ何度も気をやりおって。普段真面目な女ほどエロいというのは本当なのだぞ?貴様のようにな」

「あうぅ!!ううう!ああ!ああいいあうっ!!ひっううぅ!ひうっ!ひうっ!ひひまふぅ!!いあああういっ!いひあふぅう!!・・・っ!!ぅう!!いっあ!いっああ!!いひあひたぁ!おういひまひたあらぁ!ういてうああい!!」

千原奈津紀は明らかにメスの快楽で身体を震わせ絶頂を貪る痙攣が、戒められた不自由な身体中を駆け巡る快楽に身じろぎ一つできない恰好で受け身もできず戦慄いている。

深いオルガズムをを叩き込まれ、視界をチカチカとさせている間にも、動かぬ雷砲からは新たな刺激が無機質に送り込み続けられ、奈津紀は再び背と顎をのけ反らせ、声にならない声を上げながら次の痙攣に備える。

「何と言っておるのだ?ああん??抜いてくださいと言っておるのか?バカめ、まだ入れたばかりであろう?・・しかし・・・少しは素直になってきたようだな。だが、俺はまだ動いてもおらん。なぜもう抜かなければならんのだ?貴様は逝き狂っておるが、俺はまだ一度も満足しておらんのだぞ?我儘な女めが。本来なら貴様も口などで俺の奉仕をするのも初歩的な女の作法なのだ。それなのに貴様ときたら・・貴様ばかり逝き狂いおって、挙句に快楽を与えておる俺に感謝もできずもうやめてくれだと?・・・・きつい灸が必要なようだな」

張慈円がしゃべっている間に、動かぬ雷砲に再度オルガズムを味あわされびくびくと身体を痙攣させている奈津紀は張慈円のセリフなど耳に入っているはずもない。

張慈円も奈津紀が聞いていようがいまいが関係なかったようで、一物の先端から、微弱といえども、快感を与えるには最高の強さの刺激で電気を纏いだした。

「うっっ!!?あぁぁぁっ!!く!ああっ??(これは・・・うそっ!こんなのっ!!)んぐぐぐぐぐぐっっ?!きゃぁぁぁぁぁ!!」

先ほど同様、ピストン運動はしていないのだが、その絶妙な電流での愛撫が膣内を暴れまわり、容赦のない刺激が、乾いたオルガズムを再び奈津紀に与えてきたのだ。

挿入され膣奥を一物でグリグリと擦り付けられているだけで、無様に逝かされる有様であったのに、そこに電流が流され出したのだ。

がしゃ!がちゃ!ぎちぎちっ!!と拘束具が鳴る音が先ほどより大きくなり、拘束されている奈津紀の手のひらや足がパタパタと振られ、何かを掴むようにグーパーを繰り返している。

足の指も限界まで開いたかと思うと、キツク握り込み、再度限界までパーに開いている。

「ががっ!?ぐっ!!ぅ!いう!!いうぅう!!いっえあうう!!おううるいええ!!」

剣聖と誉れ高い千原奈津紀の尊厳を傷つけてしまうが、枷を外せば、

「ああっ!ぐっ!!っ!逝く!!逝くぅう!!逝ってますう!!もう許してえ!!」と言っているのがわかってしまうであろう。

「どうだ?俺の雷砲は?ちゃんと「逝く」と言えるまで終わらんぞ?くくく、それまで貴様が何度逝っても止めんからな?・・今まで犯した女も言っておったが、この電流で逝くのは辛いらしいな。だが、たっぷり味わえ。貴様ならすぐに壊れることはなかろう。敵の女を処刑するときは死ぬまでこうやって犯すのだ。まあ、貴様は死ぬ前には開放してやるが、・・・と言っても、貴様は生意気だからな。普段俺のことを、塵芥を見るような目で見おってからに・・・。そのツケを払う時がきたのだ。貴様が死ぬ直前までは続けるぞ?素直になるまで躾の時間だな。くくくくっはーっはっはっは」

「ふっぐ!んっ!!いうぅ!!いうぅ!!ああっ!!おええぇ!!いっえうああおええうああいっ!!」

『うっぐ!んっ!!逝くぅ!!逝くぅ!!ああっ!!止めてぇ!!逝ってるから止めてくださいっ!!』

ぎちぎち!がしゃがしゃ!と拘束具を鳴らしながら、身じろぎできずに奈津紀はピストンすらされていない張慈円の一物に狂わされる。

汗で蛍光灯の光を反射させ、鍛え抜かれた白い裸体が、満足に身じろぎできず拘束具をガチャガチャ鳴らしている。

僅かに自由になる部分、手首と足首から先を振り、指を開いたり閉じたりして絶頂の快楽と苦しさを訴えている。

「いい眺めだぞ千原?・・袁の話では貴様の賞金は3億8000だそうだ」

「いうぅ!いうぅ!いっえあうぅ!!いっえあうああぁ!いっえあうっえあぁ!ういえっ!いあっ!ああいうっ!いっえうおいいうぅ!!」

『逝くぅ!逝くぅ!逝ってますぅ!!逝ってますからぁ!逝ってますってばぁ!抜いてっ!いやっ!また逝くっ!逝ってるのに逝くぅ!!』

後日編集されるはずの「剣聖千原奈津紀の本性」というレーベルには、ボールギャグを噛まされた千原奈津紀が大声で喘ぎながら逝きまくるシーンでは、『』で括られた文字起こしテロップが表示されることになる予定だ。

張慈円の雷砲で連続逝き地獄から帰ってこれなくなっている奈津紀の耳にはその言葉は届いてはいなかったが、張慈円は電流を流しっぱなしで続ける。

「・・・だが、犯し方などで買い取り価格に色も付くと言っておった。・・・それに、貴様がたった3億8000万というのは俺としては解せんところだ。地位、知名度、権力、能力、危険度、あとは袁のヤツが運営しているサイトの変態会員どもの投票で金額が決まるそうだが・・。しかし貴様を犯せる男など世界にどれほどいるというのだ・・・?いくら高額でも墜とせねば意味があるまい・・。それに設定された賞金額も解せん・・。高嶺弥佳子が10億近い高額賞金首なのはともかく、年増の倣や宮川のガキなどは明らかに貴様より弱いぞ・・。相対したことがある宮川のガキも確かに侮れんが、目の能力さえ気を付ければ、奴の体術での攻撃などいくら喰らっても俺に致命傷は負わせられまい。吹雪と呼ばれる倣華鹿の能力も然りだ。ヤツの能力では俺に傷を負わすことすら難しいのだが・・、奴等の金額が千原より高いのは奴らが組織的な影響力が強く、身分が高いからか・・・?とりまきに強い能力者が居ることも関係しているのか?・・それともあいつらを墜とすことで社会的に抹殺して利益を得ることができる奴らが賞金を跳ね上げておるということか?・・・ふむ・・しかし、強さだけでは決まらぬというのは、都合が良いかもしれん。銀獣などと呼ばれる稲垣はあの強さで賞金たった1億そこそこであった・・。まさに割に合わん冷えた前菜だ・・。ハズレのジョーカーだ・・。強いわりに賞金も少ないときている・・。ほかにも宮コー十指にかぞえられる中原はなとかいうゴツイ女も酷い額であったな・・。奴は肉弾戦なら銀獣を超えると噂されているが・・倒す難易度が高い上に、抱く難易度も悪い方向に高いとなれば人気も出ないのも頷ける。・・とすれば、弱くとも高額なものを狙うのが今のところは上策だな・・。まあ・・弱いと言っても、1億を割り込む斎藤雪や伊芸千尋ですら、普通の男ではまるで歯が立たんだろうが・・、俺にとっては1億を切っていたとしてもあの二人であればまた楽しんでやるのもやぶさかではない・・・。ふむ・・、金になるのであれば倣のヤツも呼び出してみるか・・。今回の謝罪と銘打てば案外お人好しな倣のことだ、のこのこ顔を見せる可能性もある・・。くくく、しかしこれで、資金不足で悩むこともなくなる。劉を失ったが、ちょうどいい稼ぎも見つかった。劉に資金繰りをさせる必要もなくなったということだ。袁のヤツが俺にこの情報をまわすのが遅かったというのが気に入らんが、これまでやっておったことがそのまま金になるとはな。趣味と実益を兼ねるとはこのことだ」

張慈円が今後の取らぬ狸の皮算用をしながら、満足そうに独り言を呟いている間に、奈津紀は拘束具を鳴らして痙攣し、言葉にならない悲鳴をあげつづけ、2度電流による濃厚で乾いた絶頂に無理やり上り詰めらされていた。

「ふーっ!ふーっ!んあんっ!!おうういえうああいあえ!あいいえんああ!!おえあいえう!!ううっ!おうういえぇ!!おえあいえうぅ!!あんえおっ!あんえおいうおおおいいあうああ!おう!いういえうああい!!ひっ!!ひあっ!!いあっ!ああっ!?ああいっあうぅううう?!」

『ふーっ!ふーっ!いやんっ!!もう抜いてください!張慈円さま!!お願いです!!もうっ!!ううっ!もう抜いてぇ!!お願いですぅ!!何でもっ!何でも言うことを聞きますから!もう!許してください!!ひっ!!いやっ!!いやっ!ああっ!?また逝っちゃううう?!』

「くくく・・何と言っておるのやらだが・・だいぶ出来上がってきたな。さて、そろそろ俺も楽しませてもらうとするか」

拘束され僅かな身じろぎさえ許されず戦慄く奈津紀の鍛え抜かれた白い裸体を見下ろしながら、張慈円は奈津紀の顔の前に置いてあるレンズが映し出すモニタを見て奈津紀の尻をぴしゃりと叩く。

そしてようやく、張慈円は奈津紀の豊満なお尻を引き寄せるようにして腰を持ちなおし、ついに自らも腰を使い始めたのであった。

【第9章 歪と失脚からの脱出 58話 剣聖陥落終わり】59話へ続く

第9章 歪と失脚からの脱出 59話 髙峰当主動く

第9章 歪と失脚からの脱出 59話 髙峰当主動く



下腹部の最奥に何度も打ち付けられる感覚に脳を揺さぶられる。

その感覚の正体は物理的な衝撃だけではなく、脊髄を通り脳幹へと快感を途切れなく送り込んでくるのだ。

それを受け止めきれず、あふれ出したモノが声や涙となって表れてくる。

「あんっ!あんっ!あんっ!ま・・またっ!」

いつの間にか外されたボールギャグは首輪のように首からぶら下がっており、穴の開いた青いボール部分は奈津紀の唾液で汚れている。

「くははっ!また逝くのか?今度は言えるであろう?」

張慈円は腰の動きを緩めず、嘲りの籠った口調で奈津紀のヒップを叩いて嗤う。

ばちんっ!ばちんっ!ばちんっ!ばちんっ!

奈津紀のヒップに、張慈円の腰が激しくぶつかり、張慈円の長大な雷砲が深々と何度も刺さっては抜かれ、刺さっては抜かれを繰り返している音が響く。

「逝くっ!あああっ!!逝くぅう!!」

雷砲でのオルガズムを何度も味わい、今回も深い絶頂に全身を小刻みに震わせて、不自由な身体で受け身もできず深い快感で全身を震わせる。

奈津紀は、髪を縛られているため上げられっぱなしの顔を、顎を更に突き出すようにして快感に打ち震えた表情をレンズに晒したまま、激しい快感の波が弱まるのを待とうとするも、張慈円はその奈津紀の様子を知ってか、腰の動きを緩めることはなかった。

「きゃっ!ううっ?!またっ!?もっもう許してくださいっお止め!お止めくださいっ!!ああああっ!またすぐ・・!また逝き・・そう・・ですっ!!」

がちゃり!がちゃり!ぎちぎちっ!と拘束具と荒縄を軋ませて奈津紀は、数十回目のオルガズムに打ち上げられる。

「くくくっ、いい声で鳴く。それにしても、これだけ逝っても気を失わんとは、やはり大した女だ・・。貴様ほど俺の雷砲に耐えた女はいないぞ。・・・だが、そろそろ俺も一度貴様を味わっておくとするか・・」

目を閉じ、頤を突き出して、小刻みに震え快感の余韻に浸っている奈津紀に構わずそう言うと、張慈円は奈津紀の括れた腰に手をかけ、ガッチリと掴みなおした。

ばちんっ!!ばちんっ!!ばちんっ!!ばちんっ!!・・・・

いままでの激しいストロークが緩やかに見えてしまうほど張慈円のピストンが激しくなったのである。

「きゃぁぁぁぁっ!!(うっうそっこっこんなっこれは…!!逝き…逝き過ぎる!!逝ってるうえからまた上書きされるように…こんなの正気をどう保てば…)あっ!?あっ!あっ!あんっ!ひっ!いやっ!ダメ!逝きます!ああっ!ああっ!きゃっ!やんっ!やっ!いやっ!いって!逝ってっ!逝ってますっ!だめっ!ああっ!またっ!」

張慈円が今までの経験豊富な凌辱経験の中でも、それこそ今までで1番興奮しこの状況に満足し、奈津紀の膣肉をむさぼるように雷砲を激しく刺し込む理由は、張慈円自身の戦闘力を確実に上回る女性を犯すのが初めてであったからである。

そんな彼よりも明らかに強く普通であればこんな絶頂の限りを繰り返し味合わされる事など無い相手の張慈円の雷砲に最奥を何度も抉られ、果てても止む様子のない激しいピストンに奈津紀は頭すら振ることのできない四肢を戦慄かせ、拘束具を鳴らす。

ぎちぎちぎちっ!ぎちっ!がちゃん!

「あああああっ!?」

ばちんっ!!ばちんっ!!ばちんっ!!ばちんっ!!・・・・

ひと際大きなオルガズムの波に飲まれ奈津紀は大声を上げてしまったが、張慈円のピストンは止まらない。

本来、千原奈津紀という女の趣味や好みからすれば、張慈円という男に身体を許すことなどあり得ないのことである。

しかし、奈津紀は任務失敗の責任と、傷ついた仲間の治療のためという二つの名目のため、一度ぐらいであれば張慈円に身体を許してもよいと思ってしまったのだ。

それが、これほど凄惨に犯されるとは思っておらず、訓練でしか性体験をしたことのない千原奈津紀にはとても想定できなかったのである。

奈津紀は決断を激しく後悔しながらも、知識ではわかったつもりでいたSEXはなんだったのかと思いながら、理解しがたい許容を越えた快感に戸惑っていた。

「あっあっあんっ!こっこんな…あぁぁぁぁまたっまた来ますっ!逝ってます!もうなんども・・!逝って・・・ますっ!!・・」

つい先ほどまでの自分であれば、決して口にしなかったであろう言葉すら、口にするのがやぶさかではなく、心地よくすら感じてしまう。

ボールギャグを外されているのは頭ではわかっているので、ついさっき決行しようとした自決も可能だというのに、奈津紀はふつふつと湧き上がってくる怪しい気分を抑えられず、快感に酔いしれてしまっていたのだ。

「っ!・・くっ!さすが千原、なんとも強靭な大腿筋に膣肉の具合…かなりの締め付けだな・・!そろそろ・・」

逝っている最中に逝くという波にいいように翻弄されている奈津紀を凌辱していた張慈円もついに限界を迎えたのだ。

放銃する直前で素早く自慢の雷砲を膣から引き抜くと、奈津紀の正面に周りその顔面へと雷砲の銃口を向けたのだ。

びゅっ!!びゅっ!!

雷砲の先端から妙に生々しい重い水音が発せられると同時に、濃く白濁した液体が奈津紀の顔面をメガネの上から汚す。

「ひっ・・!?ああっ!ああっ・・そんな…ハァハァハァ…(でもようやく・・・)」

奈津紀にとっては予想すらできぬ突然の顔射に、目をきつく閉じてやり過ごすも、生暖かい液体が顔を心を汚すの感触が滴ってゆく。

びゅっ!

最後の一滴までも無駄にせぬように、奈津紀の顔面を汚しつくすと、掴んでいた奈津紀の髪を更に引き上げて、雷砲から垂れる白濁液を奈津紀の頬に擦り付けてから、唇をも汚し、口内に突き込んだ。

「うぐぅ!・・んんっ!!」

奈津紀が冷静であれば、噛み切ってしまわれかねない行為だが、張慈円にはそうされない確信があった。

何故なら白濁液で汚れた眼鏡越しに覗く奈津紀の目は、敗北感で濁り、負けを受け入れることで得られる負の快楽の光がともっていたのを見抜いたからである。

放出したにも関わらず、硬度を保ったままの雷砲で奈津紀の喉奥をひとしきり犯すと、ふたたび背後に回り込み、スペルマと奈津紀の唾液の絡み合った雷砲を再び奈津紀の膣に埋め込んだのだ。

「あっ・・・え?いっ・・いやっ」

「妊娠を気にしておるのか?くっくっく」

ばちんっ!ばちんっ!ばちんっ!ばちんっ!

「だ・・だめっ・・です!もう・・ああっ!ああああっ!きゃああ!またあ!!」

「出すぞ?」

「だめええ!ああっ!逝くっ!逝きますっ!」

張慈円は奈津紀の掴み甲斐の極上さはこの上ないほどのヒップに腰を打ち付けて肉付きの良い双球を波打たせると同時に、二度目の放出を奈津紀の最奥で至したのであった。

奈津紀と張慈円の最後の絶頂は同時であった。

愛し合う者同士であれば、お互いの愛を確かめ合う行為であるのに、張慈円と奈津紀の間柄で同時絶頂は凌辱以外のなにものでもなかった。

普段剣聖としての凛とした表情は面影もなく、だらしなく荒くなった吐息で一定のリズムを刻む口には唾液と精液が混ざり、ヒビの入った眼鏡と顔には征服された証である白濁液がぶちまけられている。

だがそんな屈辱も、奈津紀は中で放出された衝撃と、自ら身体をとても許すはずもない相手に中出しと、自らも張慈円と同時に迎えた深いオルガズムの快感のうねりの中で、脳を焼き揺さぶられた屈辱の憤慨と快感でようやく気を失えたのであった。

          ~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦~◦

間もなく太陽が沈もうかとしている水平線を遠く眺めながら、高嶺弥佳子は目を細め寒風に髪を靡かせて一人海岸に立っていた。

もう数分もすれば、完全に太陽が沈み、視界を支配する色は金色から漆黒に変わってしまうあろう。

空に舞い鳴く海鳥を眺める弥佳子の表情は浮かない。

弥佳子はポーカーフェイスが得意な腹違いの妹とは違うのである。

多少・・否、人並み以上には弥佳子も知られて不利な心情を面体に表すほど未熟ではない。

しかし、いまの弥佳子の前には白く砕ける荒波と、物憂げな鳴き声を発する海鳥しかいないので問題はないのだ。

奈津紀たちに課していた作戦はとうに終了しているはずである。

だが予定の時刻になっても奈津紀たちは帰還せず、連絡すらなかったのである。

弥佳子は今までになかった事態に、表情こそ冷静だが、内心穏やかではなかった。

(・・・奈津紀さんだけでなく、香織さんも沙織もいたというのに・・、3人とも連絡すらできない状況とはいったい・・)

金色色の景色が漆黒になり、海鳥も失せ、波の音も打ち据える風も冷たさを増したころ、失礼がないようわざと僅かな気配だけを発した男が弥佳子の背後から声が掛けた。

「・・御屋形様・・。千原奈津紀、前迫香織、南川沙織の姿はやはり確認できません。香港のアジトももぬけの空です・・。現在【残り香】と【過去画念写】をさせておりますが、六刃仙の3名は重症を負った模様でしたが、かろうじて命は取り留めているかと存じ・・・」

「今なんと言ったのです?」

スーツ姿に白のコートを羽織り、腰には太刀、髪を靡かせつつ、僅かに顔だけを半分だけ振り返って、弥佳子は報告にきた全身白いスーツに身を包んだ井川栄一の言葉を遮って聞き返す。

自身に次ぐ実力を持っている奈津紀や香織、そして将来を期待している沙織までもがかろうじて命を取り留めた・・という報告に弥佳子はその美しい柳眉を釣りあげ言葉を挟んだのだ。

普段軽いノリでしゃべる井川栄一も、当主である高嶺弥佳子の前では普段の口調はなりをひそめてしまっている。

井川栄一はトレードマークの上下白スーツに身を包んで片膝を付き、腰から下げている三日月宗月の拵えだけが漆黒である。

その栄一の顔は緊張で強張っていた。

同僚である奈津紀や沙織、香織たちとはやはり当主である高嶺弥佳子の圧力は違うのである。

高嶺暗殺集団の最高戦力六刃仙の3名までもが、重症にされ任務に失敗し、定時報告もできないほどの状況に陥っているということに、栄一もまた主人が顔に出さずとも苛立っていたということを主人の声色で察したのだ。

栄一は膝を付いたまま頭を下げて身を縮め、主の勘気に触れないようにと言葉を選んでいたが、その弥佳子から先ほど僅かに含んでいた怒気が霧散した声で再度催促が飛ぶ。

「腰を折ってしまったわね。つづけなさい」

冷静な口調に戻ったものの、弥佳子の気性を弁えている栄一は、持ってまわした言い方は危険だと悟り、顔を上げて思い切って報告をし直し出した。

「は・・はっ!任務に当たっていた六刃仙の3名は重傷を負った模様ではありますが、かろうじて命は取り留めており、張慈円の所有している戦闘ヘリにて低空飛行で本土の方へと逃げ去ったようです。現在まだ情報に不明瞭な部分も多く、引き続き高弟たちに【残り香】や【過去画念写】で情報を収集しております。・・・ですが、今回の取引は明らかに宮コーに察知されていたようで、50人を超える能力者が宮コーから投入されています・・。六刃仙の3名も、宮コーの主力と思しき先行した能力者と随分長時間戦った形跡がありまして、今回の作戦は香港の不手際、もしくは・・あの大人数での強襲・・宮コーのこの対応の速さや手際の良さを考えますと、あらかじめ香港や宮川重工業は宮コーに泳がされ仕組まれていたのかもしれません」

栄一の報告に再び視線を水面へと戻した弥佳子は、愛刀菊一文字の柄を掴む左手に力が入っていくのを感じていた。

「またしても宮コーですか・・忌々しい」

弥佳子は風と波の音だけを運んでくる仄暗い水面に向かって背後にいる栄一にすら聞こえぬよう吐き捨てた。

「連れて来ている十鬼集の面々にはそのまま調査をつづけさせなさい。私はこのまま本土に戻り・・宮コーへと向かうことにします」

弥佳子は振り返ってそう言い海を背にすると、膝を付いたままの栄一の隣まで歩きそのまま、ヘリの方へと足を運ぶ。

そんな主の様子に栄一は振り返って顔を上げ慌てて声を掛けた。

「な‥何故ですか?御屋形様が奴等に後れを取るなどとは思いませんが、御屋形様が宮コーに直々に行くとなると、組織同士で表立って対立してしまうのでは?世間体にも色々不味いことに・・」

栄一はもちろん弥佳子自身も宮コーの能力者と戦っても万が一に後れを取るとは思っていない。

事実、高嶺弥佳子は強い。

それに弥佳子は強力な思念能力であり、体得が難しいとされる空間操作を弥佳子は体得している。

栗田に点穴を突かれ、オーラの流動が不十分だとしても、歴代高嶺当主に隔世的に遺伝するその能力を高嶺弥佳子が体得しているのは有名な話であり、弥佳子はその扱いには歴代当主の中でも特に長けていた。

さらに、弥佳子は肉体強化の練度も高く、通常の剣技も女性の身でありながら剣豪と名高い初代と12代目の再来と呼ばれるほどの域でもり、総合的には歴代当主最強であるとまで言われている。

しかし、いくら個として強くとも、宮コーという組織は巨大で、規模や政治力という影響力を考えれば高嶺を大きく凌ぐ。

高嶺も宮川も同じく古くから連綿と紡がれてきた歴史があるとはいえ、暗殺などを請け負う裏の道を進んできた高嶺に比べ、節操無くどん欲に財界や政界に進出しては、表向きは日の当たる道を歩んできた宮川とでは、どうしても規模と影響力で差が顕著になってきていたのだ。

ゆえに、世間的には有名上場企業とはいえ、いち製薬会社である高嶺製薬が、あらゆる方面に影響力を持つ巨大コングロマリットの宮川コーポレーションに表立って波風を起こすのは得策ではないのだ。

十七代目高嶺当主であり、高嶺製薬代表取締役という肩書を持つ高嶺弥佳子も当然そんなことはわかっている。

だが、弥佳子は自身が宮コーに直接交渉及び、現状把握を行いに行くことが事態を好転させるかもしれない最高の一手であり、唯一の手だということもわかっていた。

「局面での判断を誤れば私とて痛手を被ることは否めません。しかし、・・張慈円や取引に来ていた倣一族とも現在連絡がつかぬ状況・・。宮コーが50人も能力者を投入してきたとあれば、香港の2勢力のどちらも多大な被害を受けてしまい混乱が生じていてもおかしくありません。なにより・・あの邪眼のものどもが、あの二条城でしたように数に任せて呪われた力を振るったのであれば中途半端な能力者では何人いても太刀打ちできないでしょうからね。・・・あのときの栄一さんの働きは見事でしたよ」

顔を伏せがちに静かにそう言った弥佳子の目はかつての光景を思い出したのか怒りが宿っている。

「ありがとうございます。・・しかし、であればなおさら・・!」

背後から声を掛けている栄一はその弥佳子の表情は伺うことができなかったので、謝辞を述べつつも、意見を差しはさむ。

弥佳子は声色を変えずに栄一に応えた。

「栄一さん。一刻の猶予もなりません。張慈円や倣一族とも連絡がつかないのに、奈津紀さんたちは張慈円と共にいるのですよ?いくら重症に陥ったといっても彼女たちなら連絡は必ずしてきます。奈津紀さんたちや張慈円からすらも連絡が無いとは、好ましくないイレギュラーが起こったということ。張慈円がなんらかの理由で我らの敵に回った可能性もあります。・・此度の任務を妨害したのは宮コーにほかなりませんが、宮コー本社では動きがなかったと報告がきています。ですが宮コー関西支社では昨晩大きな動きがありました。・・現在はあの緋村とかいう外様のパイロキネシスト(発火能力者)が実権を握っているはず。その紅蓮が狡猾狐から信任されているかもしれないとはいえ、50人もの能力者を動員できるほどの権限を持っているとは考えにくいのです」

「と・・仰いますと・・?」

弥佳子は心中からふつふつと湧き上がってくる怒りを抑えつつも、懇切に説明したつもりであったのにも関わらず、栄一が要領を得ていない様子に軽く落胆と諦めを覚え、嘆息気味に言葉を噛み砕く。

「・・・。宮コーは一枚岩ではない・・ということです。メディアでは放送されていませんが、宮コー関西支社は昨晩大火災に見舞われました。それなのに、まさに火災の真っ最中か直後に、この島にあれほどの人員を送り込んできたのです。宮コー関西支社は昨晩そのような判断が行える状況ではなかったはず・・。・・・それに、数多くの能力者がひしめき、厳しいセキュリティ体制だといわれている宮コーが火災ですよ?単なる火災の訳がありません。・・現在の宮コー関西支社の責任者は緋村紅音という外様の能力者で紅蓮と呼ばれるパイロキネシスト(発火能力者)、そして本筋である宮川の小娘は紅蓮によって子会社に左遷されていた・・。これは、二人の間・・二人の属する派閥同士でなにかしらの確執が顕著化し、昨夜一悶着あった・・。しかし、この島で行われる香港三合会の取引を潰す作戦も同時に遂行していた・・・。昨夜の大火災は宮コーにとっても予想外・・もしくは好ましくない事件だったはず・・それなのに、この島に50人を超える能力者を送り込んでる判断を下した強権者がいるのです。・・魔眼の小娘や紅蓮がいかに十指の最高戦力の一人とは言っても、そんな権限があるはずもありません。・・昨夜の火災で紅蓮と魔眼の間で争いがあり、どちらかが勝利した・・。そして、一方の権力を奪うか無力化し魔眼の小娘か紅蓮が属する派閥が強権を行使した・・と私は考えるのだけど・・」


(魔眼の小娘は宮川の古だぬきが溺愛している一人娘・・、紅蓮は現社長である狡猾狐の愛人であり尖兵・・、果たしてどちらが・・、私としては紅蓮に勝利しておいてほしいところなのですが、今は情報が足りません・・しかし、奈津紀さん達のことを考えると正確な情報を待っている時間もありません)

弥佳子はそう言うと美しい柳眉を顰めて思案顔で下弦の月を仰ぎ見た。

「な、なるほど。さすが御屋形様!」

栄一は噛み砕いて説明してくれた主の明察に感嘆の声を上げる。

「あくまで推測ですが合点はいく筋書きでしょう?・・では私だけで行きますので、準備してください」

栄一の声量に些か不快気に眉を吊り上げた弥佳子だったが、そのかわり表情には出さず静かに突き放すような指示を下した。

「ですからっ・・どうしてそうなるのです?!」

栄一自身も当然同行すると思っていた為、主の背中に向かって大きな声をだしてしまう。

「・・・宮コー関西支社に行くのですよ?行っても確実に死なない人員だけで行くということです。栄一さん、銀獣の一人ぐらいは抑えられますか?栄一さんでは一対一でも銀獣を抑えられなかったと報告がきていますよ?・・・最近鍛錬に身が入っていないのでは?」

弥佳子はわざと窘める為に冷ややかな口調でそう言って振り返ると、やや肥満気味の栄一の腹や顎などに視線を走らせてから栄一と目を合わせた。

「うっ・・!」

主人である弥佳子に、後ろめたいところを指摘された栄一は恥じ入り目を伏せるも、弥佳子はそれに構わず静かに続ける。

「まあいいでしょう。それは後日話しましょうか。・・・現在宮コー関西支社には十指でいえば魔眼、銀獣、菩薩、紅蓮がいます・・。これは宮コー十指だけで言えば、ほぼ宮コー本社と戦力を二分してきているということ。しかし、その大きな戦力があっても、魔眼と紅蓮との間に何かしらの確執があり対立したのではないか・・というのが私の推測です。宮コー十指最強と言われる紅蓮と、直系魔眼の小娘が対立しているのであれば、我らにとっては良い機会です。乗り込んでみて、十指の者どもを私一人で一掃できると判断すればそうしますが、そうでなかった場合、部下を連れて行ってしまうと死人が出ます。・・・もし戦うのが不利だとなったとしても、私一人であればどうにでもなりますからね」

「・・・そうだとしても、危険すぎます

栄一は主の性格からして意趣を返すことはないと感じつつもそう口にせずにはいられなかった。

「最初に言ったでしょう?一刻を争うと・・。奈津紀さんや香織さん、沙織も生きているのにどこにいるかもわからず、向こうからも連絡できない状況なのですよ?クライアントの張慈円も生きているとわかっているのに、こちらから連絡を取ることもできず、連絡も寄越してこない。これは明らかに異常です。今回の当事者で足取りを正確に追えるのは宮コーだけなのです。さっさと局面を好転させなければ、奈津紀さんたちの身が危ないかもしれないということ。栄一さん、ここは任せましたよ?新たな情報がわかり次第連絡をしなさい。いいですね?」

弥佳子はそう言うと、駆けてきた高弟の一人に怨敵でもある宮コーへとヘリの進路を指示したのであった。

(些か強引過ぎますがこれが最良の一手のはず・・・わたくしは今までもこういうイレギュラーな状況判断を指し間違えたことはありません。それでなくとも、香織さんに沙織…大切な2人に、それに最も大切な私の可愛い1番信頼のおける妹に身の危険が及んでいる可能性が濃厚な状況では強引にもなります。全く・・・栄一さんは腕はともかくその辺の機転がどうも・・早々に十鬼衆との入れ替え戦を行う必要があるかもしれませんね。最近は十鬼衆の上位3名くらいは既に六刃仙とも肩を並べる者も出てきていますし・・・)

弥佳子の内心でそのように自分自身の今後の身の振り方を大きく左右するような評価が下されているとは空気を読むことが苦手な栄一には知る由も無かった。

【第9章 歪と失脚からの脱出 59話 髙峰当主動く終わり】第9章完 10章へ続く

第10章 賞金を賭けられた美女たち 1話 涼しき美女の熱き気持ち

第10章 賞金を賭けられた美女たち 1話 涼しき美女の熱き気持ち

府の西側、ほとんど県境際にある山中の施設にスノウたちは待機していた。

この施設に入るには公共の道路から脇に逸れ、監視員が駐屯しているゲートを2つも抜けなければならなかったことから、かなりの秘匿性の高い施設だと推測できるのだが、いまのスノウにとってそれは特に気にする問題でもない。

山奥の辺鄙な場所にあるにも関わらず、山を切り開いた広大な敷地は草が短く切り揃えられ整備されており、管制塔やレーダーなど最新の設備が整えられ、スノウの左隣りにはズラリと同じ形の大きな倉庫が並んでいる。

その一つの倉庫の庇の下でスノウは滑走路の先の空を眺め続けていた。

スノウは美佳帆たちを乗せたヘリが飛び立った方向の空をじっと眺めているのだ。

日も高く登り、時刻は正午を少しまわっている。

秋空の天気も良く、初秋とはいえさんさんと太陽から降り注ぐ日差しはきつそうだが、庇の影に入っているので日焼けの問題もない。

しかし天候とは違い、スノウはの心中はもやもやしており焦れていた。

宮川佐恵子の話どおりならそろそろ帰ってきてもおかしくない時刻になりつつあるというのに、未だに美佳帆たちを乗せたヘリの姿は確認できない。

早朝にこの施設から日本海側に浮かぶSと呼ばれる孤島に10機のヘリが救援に向かったのである。

出立の際、スノウも美佳帆たちと一緒に行きたいと申し出たのだが、佐恵子に却下されてしまっていた。

スノウは憤懣やるかたなかった。

本気で腹が立った。

朝にその話をした時はまだ紅蓮にやられたキズが完治していなかったとはいえ、それは美佳帆も同じだったはずである。

(私もはやく会いたい・・助けになりたいのに・・!)

アリサや千尋は自分以上に怪我が酷かったので、同行が難しいのはわかるが、スノウのキズは軽微なものだったし、なによりスノウは希少な能力である【治療】がつかえるのだ。

ヘリで移動している間に自分を治療できると言ったが無駄だった。

「スノウさん・・?スノウさんも行くつもりですか?いけませんわ。キズはほとんど癒えたようですが、・・ここでお待ちになるのが賢明です」

更衣室でアーマースーツに身体を押し込んでいるとき、隣で同じくアーマースーツを着ようとしていた下着姿の宮川支社長が、右目に光を灯して凝視しながらそう言ってきたのだ。

スノウは首を横にぶんぶんと振って手振りも交えてアピールした。

所長が危機だというのに私が待機・・?【治療】が使える私の出番ではないの?と・・。

しかし、結局は美佳帆や美里の宥めもあって、結局待機することになったのだ。

(もっと・・もっと私が強ければ・・ついていけたのに・・!・・所長のお姉さんや霧崎捜査官がしてみせてくれたような強力な治癒が使えたら!・・戦力だとアテにされるぐらい強かったら・・っ!)

スノウが胸の前で握った両手に力が入る。

(そもそも・・私がもっと強かったら、緋村さんの・・いえ紅蓮の作戦にも呼ばれていたかもしれない・・。そうすれば今回の作戦に同行できて所長の近くにいられたかもしれないのに・・・)

スノウのその考えは結果的にはかなりズレているし、宮コー内での対立組織紅蓮こと緋村紅音派と宮川佐恵子の本流派においては、今や本流派の主力の一角を担う菊一探偵事務所出身の能力者の壊滅を考え、菊一の戦力を分断して殲滅しようとしていた紅蓮の思惑を考えれば起こりえないことである。

しかし、昨晩【共有】能力を、美佳帆たちを巻き込んで発動した際に、宏への恋慕の念が菊一女性メンバーのなかで共通の秘密として知られてしまったため、スノウが長年表に出さず封印していた想いがあふれ出し、普段クールなスノウも宏のことに関しては些か冷静な判断ができないようになっていた。

(少しは【治療】もできるし・・多少なら脳波でコンピューターを操作だってできるのよ・・。【通信】だって私がいれば機械に頼らず脳波で全員をつなげられる。・・・肉体強化だってそれなりに・・。・・所長や和尚の肉体強化の水準は所長たちが特別なだけって思ってたけど・・強化はそもそも元々の身体能力がありきのものだし…。しかし昨日見た紅蓮・・・彼女は術者寄りの能力者のはずなのにそのうえ体型も私よりも小さく華奢に見えたけど、私たち四人を同時に相手してもゆとりがあった・・悔しいけど私たち四人のオーラをアリサにほとんど集めてもまだ遊ぶゆとりさえ・・ってことは紅蓮も不得手な肉体強化でも下手したら所長たちの強化力ほどに水準に近かったの?・・さすがにそれは・・。でも、術者系の紅蓮があそこまで肉体強化を使いこなせているということは、私もがんばれば紅蓮みたいな水準で肉体強化できるようになるはずよね・・!可能性があるなら・・頑張らなきゃ!)

昨夜対峙した紅蓮が、美佳帆とスノウの鉄扇を涼しい顔で受け止めたのを思い出し身震いと同時に強く拳を握りしめる。

自分自身の能力を心中でアピールし、肉体強化能力を伸ばすことを決意する。

それにしても待つのは長い。

かれこれ1時間ぐらいだだっ広い滑走路の隅っこで待ちぼうけをしているのだが、ただ待っているだけなのももったいないと思ったスノウは大好きな所長のことを考え出していた。

最初は普通に宏と話したことを思いだしたりしていたが、どんどんと記憶の掘り出しから作り話へと映像が変化していく。

宏と敵地二人で潜入し、息を合わせてミッションをこなしていく、今の自分ではあり得ない姿を妄想し出していた。

「スノウ。こっちは片付いたで?そっちはどうや?」

「こっちも問題ないです。もう少し・・・OK。ロック解除に成功しました」

「さすがスノウや。あの難しいファイアウォールをこんな短時間で突破できるやなんてな。ウデも立つし、俺にできんような繊細なこともやってのける。おまけにこんな美人や・・。いままでなんで俺はスノウの魅力に気づけんかったんやろか・・」

「そ、そんな所長・・ほめ過ぎです・・でも、ええ・・私に任せてください」

警備兵に厳重に守られ、多重のセキュリティロックが施された扉の前で、宏がスノウを護りながら敵を打ちのめし、スノウ本人も華麗に敵を翻弄しながらも思念でコンピューターにハックし続けドアロックを解除したのだ。

恋慕している上司から褒められ、おまけに美人と言われてしまったスノウは赤くなってしまっている頬を見られないよう顔を逸らす。

「くっ・・あんな手練れがおるなんてな。油断したわ・・」

「所長・・!ああ・・私を庇って・・少し我慢してください。いま治します!」

「無理すんなやスノウ!スノウももうオーラ無いやろ?!それ以上やったらオーラだけやのうて生命も削ってまうぞ?!」

「・・・大丈夫です・・!それに・・それでもいいんです。私・・所長を治せるなら・・
私はどうなっても・」


「ス・・スノウ・・。俺も・・スノウに死んでほしないんやで・・」

なんとか深手を癒したものの、敵地深くで絶体絶命のピンチを迎えた二人は見つめ合い、自然とお互い視線と唇に吸い寄せられるように引き合う。

逃げ込んだ部屋は医療器具が置いてあることから、医務室のようである。

消毒液の臭いがする暗い部屋で、並ぶ簡易なパイプベッドの側で身を寄せ合う。

遠慮がちにお互いの背に手を回し、引き寄せるように探っていた手は、だんだん激しくなってついにはきつく抱擁をし合う。

そして確かめ合う探り合いの唇同士が、お互いを求めあうように激しい口づけへと変わっていく。

敵地内部という状況のなか燃え上がる禁断のラブロマンス・・・。

汗にまみれた裸体を恥ずかしがる間もなく宏に服を脱がされる・・。

「は・・はずかしい」

「・・雪。綺麗やで・・」

両手で胸を隔しているスノウの細い腰に手が回され、宏の大きな体が覆いかぶさるようにして求めてきた。

腰を抱きかかえられ、後ろに数歩さがるとパイプベッドが膝裏にあたり、そのままベッドに押し倒されるが、あるはずのベッドの感触がない。

「えっ!わっ!!?」

ごんっ!!

「きゃっ?!スノウちゃん?!どうしたの?なんで急にずっこけてんの?」

「スノウ大丈夫?!まだ全快してないのにそんな根を詰めて立って待ってるから・・」

ババババババババババババッ!

アリサと千尋が心配そうに声を上げ背後から駆けつけてくると同時に、空気を切り裂く音が遠くの空から聞こえてくる。

黒い点のような小ささだが、まだ彼方とはいえヘリはローター音を響かせこちらに向かってきており、それが能力者の3人にははっきりと見えたのだ。

妄想の中に完全にトリップしていたスノウは、頭部への激しい衝撃と痛み、同僚の声とヘリの音で現実に引き戻されたのであった。

ずっこける寸前、スノウは空気を両手で掴むような仕草をしながら、コンクリートの滑走路に一人でバックドロップを喰らったかの様子で勢いよく倒れ込んだのである。

「だ・・大丈夫?随分派手にいったわね・・。けっこうすごい音がしたわよ?」

千尋が膝を付きスノウの後頭部と背中をさするようにして気遣ってくれる。

アリサも心配そうな表情で身を起こしたスノウを引き起こそうと手を差し伸べてきてくれている。

「いたた・・。だ・・大丈夫。すこし躓いただけ・・」

千尋とアリサはスノウのセリフを訝しがるようにお互い顔を見合わせている。

「歩いてもないのに躓くなんて・・」

「そ、それにしても時間通りね!」

スノウは慌てて立ち上がり、千尋のセリフを遮って背中やお尻についた埃を慌ただしく払ってそう言った。

「え、ええ・・。そうね。連絡だとみんな無事だって聞いてるけどやっぱり早く会いたいよね。モゲくんも今回はけっこう活躍したって言ってたの。正直所長や和尚の足引っ張るんじゃないかな?って心配してたんだけど、高嶺の有名な剣士を退けたってモゲ君言ってたのよ?すごくない?ふふふっ、まあ、生きて帰ってきてくれるだけでも嬉しいんだけど、あのモゲ君がこんなに頑張ってくれるようになるなんて・・」

近づいてくるヘリを見ながら千尋が嬉しそうに言っている。

アリサも千尋のセリフに合わせて「へぇー、モゲくんすごいんだね」としきりに感心したりしているが、スノウは先ほどの妄想を思い出し赤らめてしまった顔を見られないよう、二人より前に歩を進めてヘリに手を振った。

(私って知的でクール・・冷めてる・・なんて周りから思われてるかもしれないけど、あんな妄想して相当イタくないかしら・・・?・・・・でも、美佳帆さんたちにも私の気持ち知られちゃったし、所長に知られるのも時間の問題だわ・・。いまから心臓が破裂しそう。顔から火が出そうだわ・・。美佳帆さんに口止めお願いして置いたらよかったけどバタバタしててそんな時間なかったし・・帰ってきたら真っ先に美佳帆さんにお願いいしなきゃ・・。・・・ってヘリの中で美佳帆さんが所長に話してたらどうしよう!!・・そ・・そんなことになってたら私どんな顔で所長を出迎えたらいいの?・・・隠れたいけど、出迎えたい!ど・・どうしよう!・・はっ!まずは・・・!)

「ね、ねえ!二人とも」

「どうしたの?」

「昨夜のこと・・みんなには内緒にしててね?」

「・・・ええ、お互い様じゃない」

「うんうん・・!しーっ!だよ?」

「うん・・お願いね!約束」

スノウ、千尋、アリサは3人とも少し顔を赤らめて破顔し、右手を重ね合って誓いあうのも一瞬で、千尋の表情が少し曇る。

「ここに麗華もいれば・・菊一メンバー全員揃うのにね」

千尋は悲しそうな顔で言ったセリフに、スノウもアリサも頷く。

「バタバタしてて捜査できてなかったけど、杉刑事たちが手掛かりもってきてくれてたから、みんなが帰ったら引き続き麗華を探しましょ」

そうこうしているうちに、頭上には10台のヘリがゆっくりと着陸を開始してはじめており、3人とも日差しを眩しそうに手で遮って、帰還した仲間たちに手を振る。

麗華の情報をもった宏たちが降りてくるとは知らず、とりあえず無事帰還した宏達を迎える為に3人は笑顔で手を振り続けたのであった。

【第10章 賞金を賭けられた美女たち 1話 涼しき美女の熱き気持ち】
筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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