剛田さんの指圧は由佳子の
評判通り凄く上手であった。
首筋から背中にかけて
一通り指が入るように
私のツボを的確に捕らえ
今は右腕の指を1本1本
丁寧に指先までマッサージを
して貰っている。
「西崎様は
営業職とお聞きしましたが
やはり中島様と同じく
パソコンなどに向かい合う
デスクワークも多い
みたいですね。
この腕の懲りは
やはり先程の背中の
肩甲骨の下の肩引の
懲りからきているもの
だと思われますね。」
的確ね・・・
確かにそうだし
由佳子と同じで
私もデスクワークも多い。
それにこれはまだ
全身の懲り具合のチェックなのに
いつも行っている60分5000円
のマッサージより余程気持ち良いのだけど・・・
既に何か腕が軽くなった気がするし
これで無料とは・・・
今度は由佳子に夕飯奢ってあげなきゃね。
「よくわかるのね~。
さすがだわ。
ちょっ・・・
そこっ
あぁ~!
くすぐったいってっ
あぁっ
きゃぁっ
剛田さんっ脇はっ」
剛田さんが右腕の
指圧を終えると
上半身は
タンクトップなので
直接になる脇に指を
入れ力強く押す。
私は思わずくすぐったさに
声を上げてしまっていた。
「西崎様。
少し我慢してくださいね~
実は脇は皆さま懲っている
という自覚はないのですが
殆どの方が懲っていて
この懲りが腕のだるさに
繋がったりさらには
腕を懲らせる原因に
なるのですよ」
私は声を上げるが
剛田さんの落ち着いた
説明に納得し
「そ・・・
そうなのねっ
ごめんなさいね。
きゃっ・・・
私そこ弱いからっ
うぅ~
はぁはぁっ
やっと終わったのねっ」
確かにくすぐったかったが
脇の下は本当に懲って
いたみたいで剛田さんの
手が離れると何だか
肩や腕が軽く感じた。
「はい。
右腕は終わりましたが
まだ左腕がありますから
もう少し我慢してくださいね。」
私はいつもいじったり
なじったりしながら
楽しみ
便利屋さんとして
利用していた
剛田さんの前で
弱みを見せたく無く
枕に額をつけ
うんと頷くように
首を縦に振ると
無言で左腕の
指圧に備える。
先程とおなじように
指先から腕に二の腕の
指圧が終わると脇の下に
手が入り指に力を入れる
剛田さん。
くすぐったいような
それでいて気持ち良い
とも思えるような
強さで剛田さんの指が
私の脇の下の刺さる。
「んんっ・・」
私は一瞬くすぐったさに
呻くが枕にしがみつきながら
何とか堪え左脇の指圧では
醜態をさらさないで済んだ。
しかし右脇の指圧で普段
剛田さんに聞かせるような事の
ない声が出てしまった事が
未だに恥ずかしく思い顔を
枕に沈めていたが
剛田さんは何とも
思っていないようで
そのまま腕の指圧を終え
私の腰のあたりに
移動してバスタオルの上
から腰に指圧を与えている。
脇の指圧も終え腰に移行した
事により落ち着いてきた
私もそのまま何事も無かった
かのように無言で剛田さんの
指圧を受けている。
「はい。
上半身の事はだいたい
解りました。
おっしゃっていただいていた
背中の懲りは腕からきている
ようですね。
下半身のむくみにも
良いのでこれが終わったら
少しマッサージ機で
全身を流した後で
血液の循環の良くなる
感じに合わせオイルを使うか
お灸をするか決めますね。」
お~
何か本格的・・・
って当たり前か。
一応プロだものね。
って剛田さん~
あなた絶対常備薬の
営業よりこっちの方が
向いていると思う~
私は腰の指圧を終えた
現段階で既に満足していて
この後の施術に何の注文も
つけずに全て彼に任せようと
思い枕に額を当てたまま
首を縦に振っていた。
「それでは
足のむくみも
気になるとおっしゃって
いましたので
少し指圧をかけながら
確認していきますね。」
また私は首を縦に振ると
剛田さんは私の足の下の
辺りに移動すると足を
少し広げ足の下の辺りまで
掛けられていたバスタオルを
腰の辺りまで捲り上げると
私の足の間辺りに自分の
身体を入れるような動作の
後に私の右足を剛田さんの
正座した膝に乗せ足の
裏への指圧が始まった。
これは・・・
さっきの脇裏より
ある意味辛いかも・・・
場所によっては痛いっ
しかし痛いが私は強めの
指圧が好きで
しかも足裏に関しても
痛いだけではなく
気持ち良いので
ここは必死に堪えて
声も出さずに枕の両脇を
強く握っていた。
「西崎様。
最近深酒されたりは
していませんか?」
そんなの由佳子だけではなく
今主人の単身赴任を良い事に
ほぼ毎日だよ。
ってそこまで解る?
「えっええ・・
結構お酒は頻繁に
飲んでいるわよ・・・」
「そうでしょうね~
結構肝臓に負担が
かかっているように
思われますよ。」
ギクッ・・・
ってそんなに色々
解っちゃうんだ・・・
怖いって・・・
でも指圧はめちゃくちゃ上手
かも・・・
「そんな事まで
解るのね~
お酒少し気をつけなきゃ・・・
って肝臓とかもうオバサン
通り越してオジサン
じゃないのよ~」
私は枕に顔を伏せたまま
何だか私生活をのぞき見
されているような恥ずかしさと
肝臓に負担がかかっている
ショックを紛らわせるために
自虐的な台詞で何も悪くない
剛田さんを攻めるような
口調で応える。
「いえいえ。
内臓はともかく
お肌などはこのふくらはぎなど
特にまだまだ20代の女性の
ような潤いを保っておりますよ。
エステなど通われてます?」
ちょっ・・・
バレすぎっ!
確かに由佳子と一緒に
エステは月2回くらい
行ってるけど・・・
「本当によく
解るのね~
エステは行ってるかな~
現在進行形で」
「やはりそうでしたか~
西崎様の美しさに
より磨きをかけることは
世の男性にとっても
喜ばしい事ですよ」
「ふふふっ
そう?
ありがとう」
とだけ言うと
しばらくまた
無言で指圧が続いた。
ふくらはぎから太ももの
下部そして太ももの
中段から裏ももから
内ももにかけて
の剛田さんの指圧は指が
入ると言うよりは肉の
付き具合を確かめられて
いるような揉むという
感じに変わってきて
太いと思われていないかな
と少し気になってはいたが
そのマッサージはただ純粋に
気持ち良いものでもあった。
そして剛田さんの手が
キュロットパンツの
脇から指を入れてくると
「少しリンパ管にも
指圧をかけますので
失礼します」
と私の返事を待たずに
指が入って来て
かなり際どい部分まで
指圧というよりは
優しく撫でるような感じで
こちらも気持ち良かった。
私は枕に額を押し当てたまま
剛田さんの断りに
頷いたのは既に
キュロットパンツの
脇から指が
入ってきた後であった。
「・・・・・・・・
(これは・・
マッサージの気持ち良さというより
なんだか性感に近いわ・・・
だって場所が場所なんだもの・・・・)」
そんな事を思わされ
剛田さんに
マッサージの快感では無く
性感として気持ち良くなって
来ているという事をばれないように
どうしようかと頭を回転させて
いるとリンパ管の指圧が終わり
キュロットパンツの上から
私の臀部に指を押し入れていた
剛田さんがバスタオルを私の
キュロットパンツの位置から
少し下あたりまで掛けて
「西崎様
恐れ入りますが
こちらのショートパンツが
少し生地が厚くて
ツボに指が届かないので
・・・・」
と遠慮気味に言ってきた。
なるほど・・・
キュロットを脱げと言う事ね。
確かに剛田さんの言う通りだわ。
「・・・
分かったわ。
私のお尻のお肉が
多くて指が入らない
って言わなかったから
許してあげる。」
と変わらず枕に額を
当て顔を伏せたまま
少し皮肉も込めた
ような口調で素直に
肯定するのが恥ずかしく
天邪鬼な言い方を
するも
手でキュロットパンツの
ボタンを外しファスナを
ずらすとバスタオルが
捲れ上がらないように
気を使いながらうつ伏せの
態勢は変えずに少し
腰を浮かせキュロットパンツ
を膝までずれ下ろした。
そうすると剛田さんが
「ご協力ありがとうございます。
失礼しますね。」
と膝から下までスルスルと
ずれ下ろすと足からスッポリ
と抜き取った。
《第6章 温泉旅行 第20話 予想以上 西崎由香 終わり》
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