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第7章 慟哭 28話  監査  霧崎美樹

「このホテルで間違いないのね?錦君」

私は今、ツーマンセルの片割れの錦雄二と西日本で1番の
都心であるこの町に来ている。

本来は政府直轄の捜査官である私や部下の錦は首都圏での
仕事が多いのだが、今回はこの国の2大都市の西日本最大の
この町の警察のトップが、一民間人の傀儡に成り下がっている
という報告を、この町の警察官からの密告があり、その真偽を
確かめに来ていた。

そしてこの町に滞在して既に3週間が過ぎその間錦とそれぞれ
民間企業や夜の繁華街へなど潜入捜査に聞き込みを繰り返して
得た情報を精査してみると、密告を受けた内容に信憑性が出てきた。

「ええ。
ここの12階は橋元と言うこの町の裏の顔役
のような男の身内である木島健太という男の
名義になっていますが・・・
そこは大塚本部・・・この町の府警本部長が
別宅の様に利用していて、そこに橋元と言う
男が夜な夜な女性を送り込んでいるらしいです。」


私の部下であり相棒でもある錦雄二が橋元不動産に
派遣社員として潜入し1週間の勤務の末、
偶然別ルートからであるが
信憑性の高い所から得た情報だ。
まず間違いないであろう。

私も橋元が通うクラブにホステスとして潜り込み
本人にも接触したが、奴はボロ1つ出さなかった。

周りの人間から橋元を崩していくことも難しく
かと言って証拠もなく大塚本部長を尋問にかける
事もできず、時間ばかりが過ぎていく中、橋元不動産に
出入りすることに成功した錦が、橋元不動産からでなく
帰宅途中に橋元不動産の社員と思い偶然声をかけて
来た司法書士の小田切恭子さんという一般の方から
得た情報である。

「府警本部長が・・・
たかだか色気に負けるなんて
まずは本人に事の経緯を問いただすために
証拠を押さえるわよ。
さあ行きましょう。」


「本当にだらしないオヤジですよね。」

私と錦はこの首都圏のビジネス街にも負けない都心中央に
そびえたつ高層ホテルのパールトンホテルの12階を目指し
エレベータに乗る。

エレベーターから見える夜景は首都圏より美しく見えるのは
見慣れていない景色だからだろうか?

しかしこの町を守る立場の組織のトップに立つ男が
この町で悪人に神輿と担がれ、悪行を見逃す事に
手を貸しているなど許される事ではない。

政府捜査局の所属である私は、警察官である大塚本部長よりも
更に上の権限を持ち彼を査問に掛ける執行力も有する。

しかし彼は私たちがこの町に来ていて彼に照準を絞り捜査の
手がおよんでいるなど露程にも思っていないだろう。

「大塚本部長、情報から推測するに今頃お楽しみ中ですかね?」

美しい夜景が小さくなっていく中、錦が隣でそんな事を呟いている。

「そうだとしても私たちが部屋に入った瞬間お楽しみはおしまいだけどね。」

「ハハハッそうですよね。
まあ悪代官には当然の報いを
受けさせてやりましょう。」


錦が熱く語り出してきたのでこの暑苦しさに
いつも迷惑をしている私は

「錦君。
声のボリューム落として
暑苦しいから。」


「ガーン!!また暑苦しい言いましたねっ!
美樹姉こそクール過ぎですよっ!
話し方に抑揚ないですしっなんでもかんでも
淡々と語るしっ!
普通に話されても結構グサッとくるもんなんですからねっ」


ああ。
言わなければ良かった。
更に声のボリュームが上がり
錦の暑苦しさも倍増する。

「さあ。
着くわよ。」


私は相手にするのも暑苦しく
錦の言葉を聞き流し12階に着いた
エレベーターから降りる。

「ス・・・スルー・・・」

霧崎美樹にさらりと交わされた錦雄二も
彼女に続きエレベーターを降りた。

長身で黒のパンツスーツに身を包む霧崎に
同じく黒のスーツに身を包む錦が目的の
12階のVIP仕様の部屋の前に立つ。

コンコン・・・

錦が目的の部屋をノックする。

「誰だ・・・
今取り込み中だぞ・・・」


重厚で高圧的な男性の声が聞こえた。

霧崎と錦はお互い顔を見合わせ、霧崎が頷いた。

錦は指でOKのサインを送り

「大塚弘道さんですよね?」

「・・・・・」

返答はない。

もう1度霧崎と錦は顔を見合わせるが錦が霧崎の反応も
見ずにドアノブを回そうとするとやはり鍵がかかっている。

霧崎が少し部屋の前から離れて行き携帯電話を取り出す。

錦は部屋の前で待機をしている状態である。

霧崎はホテルのフロントに連絡をし自分の身元を明かすと事情を
説明し部屋を開けてもらうよう要請した。
快く引き受けたホテルのフロントはすぐに参りますと言い
電話を切った。

その旨を錦に伝えに行き再び2人で部屋の前で待機する形になる。
そして錦が再度声をかける。

「大塚弘道さん。
大塚弘道府警本部長・・・
あなたに民間人と通じて
数々の不正を働いているという
容疑が出ております。
私は政府捜査局の者です。
ここを開けてくれませんかね?
あなたに非が無いのなら何の問題も
無いので・・・
どうせフロントの人がここに来て
部屋を開けますからね。
時間の問題ですよ」


錦の声はドア越しでも良く通る。
極力人前で大声を上げたくないというスタイルの
霧崎はいつもこういう役目は錦に任せていた。
錦も自分の役割を理解していたし気にいっても
いたので良いコンビである。

「・・・・・
政府捜査局・・・
フロントに連絡したのか?」


また重厚な声で部屋の中の男が答える。

「ええ。
しましたよ・・・」


錦が霧崎の顔を見る。
今の部屋の中の男の言動に霧崎が眉をひそめている。

「まさか・・・」

「えっ?どうしたんですか?美樹姉?」

「錦君。
一旦退却よ。
階段は・・・?
こっちね!」


霧崎美樹が階段へ向かい走り出すと
錦雄二もそれに続く。

「どうしたんですか?美樹姉?」

怪訝そうな表情で霧崎の後を追いながら
錦が聞く。

すると長い廊下のエレベーターが開き
およそ20メートルほど先からアジア系の
マフィア風の容姿をした男が4人・・・5人と
降りて来た。

「なんだ?あいつら?
マジか・・・あの大塚と言う男
そこまで腐ってたのかっ!」


錦は凄い速さで階段を降りていく
霧崎の後を追いながら大声で怒鳴る。

「フロントもグルだった・・・
もしくはこのホテル自体がグルね。
大塚は直接は関係していないでしょうけど
おそらくはこのホテル自体が橋元の
息のかかったホテルで・・・
大塚の部屋に来た人間が私たちのような
捜査官ならフロントから橋元の手下に連絡が
行くことになっていたんだわ。」


「汚ね~!」

「しかし・・・
首都圏から応援を頼むにしても
それまで私たちも身を隠して
おかないとまずいわね・・・
海外のマフィアが橋元の傘下に
居るのは知っていたけど
さすがに人数が多いと私たちだけじゃ
手に余るわ・・・」


「どうします?美樹姉?」

霧崎と錦は階段で1階まで駆け下りると
ホテルを出てそのまま駆け足で狭い路地裏まで
走り追手が居ないことを確認し今後の
潜伏方法について考えていた。

《第7章 慟哭 28話  監査  霧崎美樹 終わり》
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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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