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第10章 10話 賞金を賭けられた美女たち 10話 岩堀香澄VSゴミ男3名

第10章 10話 賞金を賭けられた美女たち 10話 岩堀香澄VSゴミ男3名

【登場人物紹介】

清水 光一(しみず こういち)
48歳 180cm 75kg 19cm 
多少の【肉体強化】と、小動物を思い通りに10分間ほど操れる能力【獣使い】を使いこなす能力者。

清水探偵事務所の代表。

清水探偵事務所は、菊一探偵事務所が現れるまでは府では一番有名な探偵事務所として有名だった。

しかし菊一探偵事務所と仕事の色合いは大きく異なり、依頼者が法外な報酬額を請求されたとか、浮気調査を依頼した人妻などが逆に陥れられて風俗などに沈められたなどといった洒落にならない噂が絶えない悪徳探偵事務所であった。

一見人懐っこい話し方に騙されやすいが、清水の性格は残忍で狡猾、好色化で気の強い女性を無抵抗な状態にして蹂躙することにエレクトするゲス変態。

世界の牝能力者陥落動画の運営者との繋がりがあり、サイトでベスト100に入る高額賞金首を過去に数名狩ることに成功し、動画配信させることがある。

最近は菊一探偵事務所に仕事を軒並み取られてしまっているため、表向きの仕事は0に近い状態であるものの、副業としてやっていた女性能力者狩りに力を入れ今後は女性能力者狩りを本業にしようと目論んでいる。

世界の牝能力者陥落動画サイトではつい先日まで、億超えの賞金首は実質狩ることは不可能とさえ言われていたが、清水達は1億を大幅に超える5億5千万の賞金首である紅蓮の緋村紅音を狩ることに成功しており、世界の牝能力者陥落動画サイトでは清水達(HNは本名ではなく「極めて紳士」である)は、紅蓮を狩った英雄として崇められており、今後も紅蓮に続き、億超え賞金首を狩ることがサイト内の変態たちから期待されているサイト内のカリスマ。

金山 恵三
36歳 177cm 56kg 22cm

清水探偵事務所の所員。
清水よりは【肉体強化】能力に優れており、格闘技もテコンドーの経験者。
ノラ能力者としてはかなり多才で、能力は3つも有している。
せっかく能力者としては多才でも、性格はかなり難があり自分勝手で、他人のミスはとことん追求するが、自分のミスには寛大であり、また自分の身を護ることであれば、どんな見え透いた嘘も大声でつけてしまう困った人物である。

しかし、所長の清水には頭の回転で劣る為か、大人しく従っている。
強い者には媚びへつらい、弱い者、真っ当に謝罪してくる相手など立場的に弱いと決めつけた相手にはトコトン強くなるどこかの国民性に非常に類似する性格の持ち主。

能力は【肉体強化】以外に【寄生】と【雌犬】いう能力を持っており、【寄生】は相手の身体をほんの数分とはいえ意思とは関係なく自由に操ることができる能力である。

【肉体強化】も使えテコンドーの経験者でもあるといっても、宮コーの幹部能力者と比べられるような力はない。

【肉体強化】に特化している稲垣加奈子のような能力者からみると、金山程度では一般人と区別がつかない程度でしかない。

しかし、そんな金山の【肉体強化】であっても一般人にとってはかなりの脅威であり、弱い者には容赦のない性格の金山が持つには危険な能力である。

弱い者には極めて強いが、強い者には金山の力はほぼ通用しない。

ゆえに対能力者には金山の【肉体強化】は通用せず、【寄生】を使ってもほぼ間違いなく抵抗される。

しかし、対無能力者に対しては猛威を振るうことになり、金山の【寄生】で毒牙にかかった女性は数多く、表に出ていないが、金山が起こした性犯罪は100件を超えている。

また【寄生】は対能力者の場合も、相手のオーラを無効化しているような条件が整えば、非常に強力であるということが、つい先日証明された。

またもう一つの能力である、性能力に特化した【雌犬】は、金山がオーラを発動させ陰核に触れると陰核の性感感度をコピーでき、耳なら耳、指先なら指先、乳首なら乳首、ピアスならピアスに性感場所を複写できる日常生活では使えないゴミ技能であるが、使いどころが絞られているぶん型に嵌れば猛威を振るう。

金山は【寄生】と【雌犬】を駆使し、霧崎美樹の【霧散霧消】によってオーラが発現できなくなっていた状態の紅蓮を散々オモチャにし、陰核の感度や陰核が絶頂する瞬間のオルガズムをコピーして、様々なものに複写した人物である。


本編

「じゃあ茂部くん。今日はありがとうね。おまけに家までエスコートしてもらっちゃってさ」

香澄はマンション入り口まで送ってきてくれた若い後輩に笑顔でお礼を言う。

「いっすよ。俺の方こそご馳走様っす。徳川さんが代金はいいっていってくれたっすけど、部長払ってくれたっすね・・・。ほんとにありがとうございましたっす」

「私たちの入社祝いなのに変なケチがつくみたいで嫌じゃない。それにこれで茂部くんも、またあのお店に行きやすいでしょ?」

「気ぃつかってもらってマジすんませんっす」

モブが香澄に対して深々と頭を下げる。

大山田のことはともかく、モブとしても尊敬する徳川とは今後もいい関係でいたいので、香澄のこういった配慮は本心から嬉しかったのだ。

「それに、部長が山さんに付きまとわれても困るっすしね。あの人目を付けた女にはしつこいときもあったっすから念の為っす」

「大丈夫よ。あの子からみたら私なんておばさんでしょ・・まあ、ちょっとハプニングもあったけど、今日は楽しかったわ茂部くん」

香澄は自虐気味にそう言うも、すぐに気を取り直して、アルコールで僅かに頬を紅潮させてた顔で、モブに笑顔でそう言った。

「こ・・こ・・こっちこそ気つかってもらって・・、ありがとうございましったす。・・それに部長、そんなことないっすよ。・・・部長ってお堅いだけなのかと思ってたっすけど・・ぜんぜん・・その・・」

その香澄の表情にモブも、違った理由から顔を赤らめ、ドモり気味に言葉を続けようとするも、ボキャブラリーとこういった経験も少ないモブは口ごもってしまった。

「お堅いだけとは何よ。お堅いだけとは」

平安住宅に在籍していた時の香澄は、それこそ取引先や部下や上司など同僚なども含め皆、岩堀香澄はお堅い仕事人間と口をそろえて言う程、堅い人間であった事実が確かにあった。

親友の常盤広告に勤務する中島由佳子でさえ香澄には、『かすみんは堅すぎるんだからたまには羽を伸ばさなきゃ』とはよく言われていたのだが、香澄も転職をし宮コー参加の宮川アシストに出勤するようになってからは、最初の頃こそ気を張り持ち前の【堅さ】を発揮し社則や法律にそぐわない事なら、上司の佐恵子にさえ意見していたが、最近では自分自身少し丸くなってきたとは自覚していたのだが、ビジネスマンとしては話し方から何から何まで緩いと言わざるをえないモブからすれば、そんな香澄ですらまだまだお堅い女性上司に見えるのであろう。

ただモブの口調も、そのお堅いは決して悪い意味ではなく、厳格や厳粛という規律に厳しい自分すらしっかりと律することができる女性という誉め言葉として使っていたのだが、ボキャブラリーの貧困なモブには今の香澄を評する言葉としては堅いくらいしか出てこなかったのである。

そんなモブの様子に気付かない香澄は、お堅いという単語を聞きとがめ、腰に手を当てジト目で睨んで言い返す。

「い・・いえ!・・違うっすよ!そう言う意味じゃないっす・・。そう言う意味じゃ・・・」

少し怒った仕草をわざと見せて膨れたふりをしていた香澄に、モブはかなり真面目に否定するも語尾が尻すぼみとなる。

「ふふっ冗談よ。でも元気でたみたいね?茂部君・・。明日からまたちゃんと元気に出勤するのよ?宮コーに就職できてお母さんもあんなに喜んでくれてたじゃない。いま辞めなくって良かったって思える日が来るまでしっかりがんばんなさい」

香澄は冗談でそう言ったのであった。

今朝はこの世の終わりだといった表情のモブを元気づける為に、人生の先輩として少しばかり頑張ってみてあげたのであった。

しかし、最近のモブは香澄がそういった配慮をしてあげたくなるほど、仕事を頑張っていたからでもあったのだ。

香澄はそう激励しながら、モブと一緒に働いた宮川アシストでの出来事の一つを思い出していた。

モブが宮川アシストへ勤務し出して暫くしたころの出来事である。

宮川アシストへモブ所縁の人物がアポイントもなく突撃してきたのだ。

身体にぴったりとフィットした七分丈黒ラメのカットソーに、革のタンクトップジャケットにヒョウ柄のミニスカート、髪の毛はかなり白めの金髪ロングストレートの気が強そうなイケイケギャルが宮川アシストに乗り込んできたのだった。

「ごめんくださーい」

ヴィトンのショルダーバックを肩に掛けなおしながら、元気な声でそう言って店に入ってくる金髪ギャルが9cmぐらいありそうなヒールを響かせて入ってきた。

「いらっしゃいませ。どういったご用件でしょうか?」

「あ、えっと・・その・・、このたびは天牙がお世話になってるって聞いて来ました。つきまして・・、ご挨拶と思てまいりました・・んです。茂部天牙の上司の方・・いてはるです?・・でしょうか?」

受付嬢の質問に、金髪ギャルは慣れない敬語を使っているためか、すこしきょどきょどとした様子ながらも、ちょっとおかしな言葉であるがなんとか受付嬢にそう言って頭をピョコと下げている。

「茂部くん。お友達かしら?私用なら手短にね?」

金髪ギャルが受付でそう言っているのが聞こえてきた香澄は、椅子に座っているモブの横顔にそう声を掛けるも、モブの反応はない。

「・・茂部くん?」

金髪ギャルを、目を見開き凝視していたモブは、訝しがった香澄に再度声を掛けられるも、またもや返事ができないどころか、その大きな身体を屈めて自分のデスクから離れ、ガタガタと事務用品に当たりながら、後ろのデスクの下へと隠れてしまった。

しかしそこのデスクの使用者がすでに帰社していることをモブは知らなかった。

宮川佐恵子は、キャスター付きの椅子を滑らせて資料棚からファイルを出し、開いたファイルを見ながら、椅子に座ったまま勢いよく床を蹴って自分の席に戻ってくる。

お行儀の悪い行為だが、まさか自分のデスクのすぐ下に人が潜り込んできているとは思ってもいない佐恵子は屈んでいるモブに椅子ごと衝突してしまった。

「えっ!?きゃ!!?」

がしゃーん!

どしんっ!

そこにあるはずのない重量物に衝突した佐恵子は、椅子からひっくりこけて、悲鳴をあげながら背中から床に落ちる。

いきなり、部下が自分の足元に潜り込んできていて、佐恵子も猛スピードのキャスター付きの椅子に座ってファイルを見ていたのだからこの結果は無理もない。

「く・・。な・・なんですの?!」

強打した腰と後頭部をさすり、ファイルからまき散らされた用紙を払いながら佐恵子が身を起こすと目の前にはモブがいた。

自分の右膝と左膝の間にモブの顔が見える。

そして、すぐにモブは座りなおして 尻もちをついた格好のままの佐恵子へ土下座をして頭を下げた。

「社長!!すんませんっす!!帰ってきてたとは知らなかったんす!!」

モブはそう言ってしばらく固まっていたが、周囲も無言なので不安になってチラと顔を上げる。

しかし、その景色は最初見たときと変わっておらず、捲れたスカートと、一見細身に見えながらも隆線の滑らかな黒パンストに包まれた太もも、そして黑パンスト越しには白いショーツがはっきりと透けて見えていた。

その景色を焼きつけながらも、モブは視線をきるように、頭を慌てて下げる。

(白?!社長は黒ってイメージっすのに!おかげで濃い黒パンストのにパンティラインがバッチリわかって、足とヒップとの境目や大事な部分の柔らかそうな肉質がばっちりわかっちまうっす・・・!・・ってそんなこというてる場合じゃねえっす。この茂部天牙一生の不覚!!いまもっとも死に近づいてる瞬間っす・・!考えろ!どうしたらこの難局をのりきれるかを・・!?)

「モブ。ケガはない?」

頭を下げて猛烈に頭を働かせていると、やけに優しそうな佐恵子の声が伏せている頭越しに聞こえてくる。

(怒ってない?彼氏もできて丸なったって噂も聞くし、こんなことじゃ怒らんようになったってことっすね・・。なんとか許してくれるんじゃ・・?)

モブはそう思ってばっと顔を上げるも、相変わらず景色は変わっておらず、黒パンストに包まれた太腿、透けて見える白ショーツ、そして膝と膝の間にある佐恵子の顔は笑顔であった。

が、佐恵子の表情はすぐに目を細め鬼の形相へとかわる。

イスから突き落とされ後頭部を強打し、下着をバッチリ間近で見られているのに、許してくれるわけがなかった。

「ひいいい!!ふ、不可抗力っす!!ゆるしてください!!」

「いつまで見てるのです!」

がすっ!!

パンプスの裏で顔面を思い切り蹴られたモブは仰向けにひっくり返る。

「マジすんませんっす!」

「言い残すことはそれだけかしら?」

モブ立ち上がりながらも、おでこと目の間付近に、ひし形の蹴り跡と、顎に丸い蹴り跡を刻まれた顔になったまま重ねて謝るが、ゆらりと立ち上がった佐恵子は一歩モブの方へと歩んできた。

そのとき、黄色く高い嬉しそうな女性の声が事務所内に響き渡った。

「おったおった!天牙!おるやんか!なんでそんなところにおるんや?」

「うげえ!」

今度はすぐ隣にきて大声を駆けてきた金髪ギャルに向かってモブは妙な悲鳴をあげる。

「申し訳ありません。どちら様でしょう?ここまで入っていただくわけにはいただけないのです」

「あ・・すんません。ウチこういうちゃんとした会社の勝手ようわかってのうて、えらいすんません。かってはいってたらあかんかったんですね」

社員のデスクが並ぶところまで侵入してきた金髪ギャルに、香澄は丁寧ながらも毅然とそう言うも、金髪ギャルは案外素直に謝ってきた。

「・・・うち天牙の母親です。茂部千代いいます。うちの子がお世話になってる言うんでご挨拶にと思てきましたんです」

申し訳なさそうに香澄に頭を下げた金髪ギャルは、誰も予想だにしない爆弾を投下し事務所全員を沈黙させる。

目が点となっている香澄と佐恵子も、お互いに顔を見合わせ再び金髪ギャルを凝視し、そしてモブにも視線を移して、再度香澄と佐恵子は目を合わす。

「お母さま・・・?でも・・えっと」

香澄が口ごもったのはもっともである。

千代と名乗ったモブの母親は、どこからどう見ても母親に見えないほど若い。

見た目も若い恰好だし、実際に若すぎる。

「・・・うちの母ちゃんです・・」

・・・・・・・・・・・・。

「えええええええええ!?」

モブの小さな呟きの後、少しの沈黙があってから、宮川アシストの事務所全員の声が響く。

どう見ても10台のイケイケギャルにしか見えない金髪ギャルは、茂部天牙の母親だったのだ。

その後応接室で、モブ、千代、佐恵子、香澄の4人は気を取り直して、微妙な空気の中、千代がモブのことをくれぐれもお願いしますということと、見た目ギャルながらもやはり母親のようで、モブを雇ってくれた佐恵子と香澄に涙ながらにお礼を言い、頭を下げて帰って行ったのであった。

モブママの千代の話では、千代は13歳でモブを出産し、なんとか中学を卒業したものの、飲んだくれて暴力を振るう父から離れ、父の暴力に耐えきれずいなくなってしまった母もいないなか、千代はモブを女手一つで育てたというのだ。

夜のバイトを掛け持ち、乳飲み子を育てた千代にもモブ同様、そういう環境で育った者に有りがちな、特有の暗い影がなく、ハキハキと明るいのが印象的だった。

千代の話し方や仕草は、どうしても稚拙な部分があるが、どうにかして息子を育てた母の貫禄が、見た目は金髪ギャルだというのに確かにあったのだ。

「・・茂部くんの家庭でも色々あったのね。きっと茂部くんたちも、人に言えないような苦労をしてきてるんだわ・・・。私もシンママになっちゃったけど、収入も十分あるし、息子もグレずに育ってとっても恵まれてるわよね。それにひきかえ・・・茂部くんの家庭環境の話も聞いたけど、すごく貧しかったのに茂部くんて、ヤクザまがいの道に外れそうになっていたとは言え、ぜんぜんそういうの普段見せないわね。・・基本的に明るいし、未熟からくる困った発言や行動もあるけど、上司の私のいうことも聞くし、案外にちゃんとしてる子なのかもね。神田川さんたちが目を掛けてるだけあって、あながちまるっきりのヤンキーってわけじゃないんだわ・・」

(茂部君たちから私も見習うべきところがあるってことね。・・元夫からちょっと復縁をせまられてるからって、そんなの全然大したことないわ。一回り以上違う後輩に言ったものの、私の方こそ前向きにいかなきゃ・・)

香澄は数か月前の宮川アシストでの出来事で物思いにふけりながら、茂部という青年のことと、自分のこととを比べ、自分は恵まれているのだと自覚しもっと前向きに生きて行かなきゃと思いなおしていた。

モブとはエントランスで別れ、香澄はエレベーターから24階のホールに降り物思いにふけりながら、部屋に向かって歩いている。

(それにしても千代さんって、私と同い年なんだわ・・。私より若く見えるのは髪型や服装のせい・・・ってだけじゃないわよね。・・・そう言った意味でも私も見習って精進すべきだわ・・)

香澄はマンションの廊下を歩き、千代の見た目の若さを思い出し、なにかに決意するような仕草で拳を握りしめて一人奮起しながらも、自分の部屋に近づきつつバッグからキーを撮してドアのカギを開ける。

「ただいまー。・・・・ん?」

バッグを置き、ジャケットを脱ぎながら部屋の雰囲気がいつもと違うことに肌が粟立つ。

息子が塾から帰ってくる時間にはまだ少しあるので、部屋が無人なのは当たり前なのだが、見慣れた部屋内に、説明しがたい違和感が立ち込めているのだ。

きちんと片付けられたキッチンのシンク、キッチンテーブルに置かれたグラスの花瓶に昨日活けたダリアとガーベラも出社する前とかわりない。

別段普段と違ったところがあるようにも見えない。

しかし、何かがいつもと違うのだ。

「な、なんなの・・・?」

香澄は直感に従い、冷蔵庫の裏に隠してある護身用の木刀を手に取り、部屋の中心へと移動して身構え周囲を伺う。

香澄が木刀を手にしたことにより、より一層違和感の気配が濃厚となるも、能力者として目覚めて日の浅い香澄は直感に従いきれずにいた。

(な・・なに!?これ?!・・危険・・ってこと??)

なにかはわからないが、粟立つ肌が、首筋の毛がチリチリと逆立つような感覚が香澄の脳に警鐘として伝えてくる。

「だっ!誰かいるの?!出てきなさい!!」

香澄は玄関ドアまで後ずさりして、ドアを背にして部屋の中へと木刀の切っ先を向けて大声を上げる。

香澄は無意識に【肉体強化】をし、それに加え木刀を握ったことで【肉体強化】と重ね掛けが可能な上位互換技能【剣気隆盛】まで発動している。

香澄に実戦の経験値があれば、もっと初動は変わったかもしれない。

しかし日常生活がもっぱら平和であった香澄は、まさかそんなはずがあるわけがないと躊躇してしまっていたのだ。

沈黙が続き、まだ緊張の糸を切るまいと再度意気込んだ香澄の背後で勢いよく玄関ドアが開いた。

ばちぃっ!!!

「きゃっ!!んんん!!」

突如開いた玄関から侵入してきた何者かが、香澄の腰にスタンガンを押し付けたのであった。

香澄は突然の激痛に悲鳴を上げてしまうも、声をそれ以上あげられないよう口を侵入者の手で塞がれてしまったようだ。

ばちぃい!!

「んくぅ!!?」

「なかなか勘がいいねえ。・・それにタフさ。この電圧で気を失わないたぁやっぱ能力者だなあ。大当たりってやつだね」

侵入してきた覆面男は、スタンガンの引き金を再度引いて香澄をのけ反らせると、羽交い絞めにしながら嬉しそうな声でそう言った。

げしっ!

ばきっ!

激痛に耐えながら香澄は、得意そうに言う男の足の甲を、かかとで踏み付け、痛みで前かがみになった男の顔面に、自分の後頭部を思い切り叩きつけたのだ。

「ってえ・・!このあまぁ」

覆面男は衝撃で玄関ドアにぶつかりながらも、一撃でノックアウトせず香澄にむかってそう言い注意深く距離を詰めてくる。

香澄も覆面男が怯んだ隙にリビングの中央まで戻って木刀をぶぅんと振り回すと、タイトスカートから足どころかブルーの下着が見えてしまうのも構わず、キッチンテーブルの天板に足を掛けると、隅っこまで一気に押し蹴った。

そして、木刀を十分振えるスペースをつくってから正眼に構え直す。

腰に撃たれた電撃が香澄の身体中を駆け巡っているが、今はそれどころではない。

ここはマンションの24階、覆面男に玄関を封鎖されているということは、目の前の覆面男を倒さなければ逃げることもできないということだ。

「残念。木刀を持った私に勝てる人なんかそういないわ。観念なさい?!」

しかし自分のスタイルにまで持ち込んだ香澄は、幾分ゆとりができたのか、覆面男に切っ先を向けたままゆっくり言い放つ。

覆面男も香澄が木刀を構えている雰囲気から香澄の実力を感じ取ったのか、それ以上近づけず、明らかに動揺しているのが覆面越しにも伝わってくる。

香澄のほうから覆面男にじりっと距離を詰めた時、、香澄の背後から更にもう一つの影が襲い掛かってきたのだ。

(っ?!二人いたの?!)

ぶぅん!がっ!

香澄は焦ったものの、空気の動きでそれを察知して、身体を翻して迫りくる一閃を木刀で撃ち落とす。

奥の脱衣所にすでに忍び込んでいたもう一人の覆面男が放った飛び蹴りを、木刀で撃ち落としたのだ。

二人となった覆面男から距離をとり、香澄は背中を取られないよう素早く移動し、和室とリビングを隔てる戸襖へ背中を預けて木刀を構え曲者二人を睨む。

「何が目的なの?!貴方たち程度が二人いても無駄よ!」

香澄は悪漢二人にそう毅然というも、内心は全力で気力を振り絞っていた。

それも当然で、いくら厳しい剣道の練習を重ねてきたとはいえ、こんな場面に出くわすことなど想定して普段すごしているわけではない。

香澄の心臓は緊張から早鐘のようにドキドキと鳴りっぱなしだ。

香澄の問いかけに覆面男たちは応えず、じりっじりっと間合いをはかるように少しずつ近づいてくる。

香澄も男たちがそのまま逃げ去ってくれるという淡い期待を捨て去り、覚悟を決めてゴクリと喉を鳴らす。

そして覚悟を決めた香澄は正眼から刃を平に倒し、どちらにも対応できるような構えになって腰を落とした。

腰を下げたときに、先ほどスタンガンで撃たれた腰が悲鳴を上げるが、治療は後だ。

すでに、ダメージを負っている香澄は、長期戦を避けるために、一気に香澄の方から打ち込むべき・・と思った時、背後の戸襖が外れ突如香澄の背にのしかかってきたのだ。

「きゃっ!?」

どしん!

和室に隠れていた3人目の覆面男が、戸襖ごと香澄の背中から押し倒したのだ。

「でかした!」

「ひゃっはー!」

床に戸襖ごとうつ伏せで倒れ込んだ香澄は、身を捩ろうとするも、次々と背中に背負っている戸襖に男たちが乗ってきて身動きが取れない。

「くっ!もう一人いたの?!ど、どきなさい!!お・・重い!!」

うつ伏せになりながらも諦めず立ち上がろうとするが、3人の男に背に乗られればそう簡単に動けるものではない。

香澄の必死の抵抗も空しく、50cmほどあるスタンガンの先端が、戸襖を突き破り無防備な香澄の身体に向かって突きあてられる。

香澄は自分が何をされるのかがわかり、顔を青くし、全身を強張らせ叫んだ。

「そんなっ!・・やっ!やめなさいっ・・・!!きゃあああああああああ!!」

叫びはすぐに悲痛な悲鳴へと変わる。

背中や腰、お尻といった無防備な個所に電極を青く光らせたスタンガンの先端が3本も襖を突き破り押し付けられ、ばちんっ!ばちんっ!と何度も引金を引かれはじめたのだ。

「ああああっ!!いやああ!!きゃああああ!!」

ばちんっ!ばちんっ!ばちんっ!・・

「こいつまだ気を失わねえのかよ。けっこうな強化系なのかもな。不意打ちじゃなきゃあぶねえところだったのかもだぜ。くわばらくわばら」

「叫べ叫べ。このマンションしっかりした防音でたすかるぜ・・。・・しかしよぉ、へへっ、コレはコレでおもしれえな」

「ひひひっ、ここか?ここが痛えのか?ひひひっ、ひひひっ!」

ばちんっ!ばちんっ!ばちんっ!・・

香澄の背にある戸襖の上に3人がかりで乗っている覆面男たちは、スタンガンを香澄の背やヒップがある当たりに見当をつけ、スタンガンで襖を突き破り電極のついた先端を香澄に押し当てては引金を引いているのだ。

「いやっ!!もうおねがい!!あああくぅ!!!降りてえ!もうやめてっ!!いやっ!もうっ!!だからっ!・・ああぅ!・・や・・やめてっ!!・・きゃあああああ!!」

ばちん!ばちんっ!ばちんっ!・・・

「まだ意識があるみてえだなぁ」

「ひひひっ。ここか?こここがケツだろ?ええ?左右交互で最後は真ん中のインターバルだ。ひひひっ」

「くあ・・っ・・!も・・きゃぁあ!!もう抵抗しない・・からっ!!・・やめっ・・てえええ!!・・・っ・・!!・・・・っ!・・・ぁぁ・・」

背中や首筋や腰や太腿、特にヒップには執拗に何度もスタンガンを押し当てられ、戸襖の下で悲鳴を上げていた香澄は、男達の嗜虐心が満足するまで引金を引かれ続け、気を失うまで悲鳴をあげさせられたのだった。

【第10章 10話 賞金を賭けられた美女たち 10話 岩堀香澄VSゴミ男3名終わり】11話へ続く
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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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