第11章 人工島カジノ計画に渦巻く黒き影 8話 【回想】豊島哲司と寺野麗華2
「そのゴミ、まさか今から荷下ろしするっていうんじゃないでしょうね?」
麗華は愛車の真っ赤なスポーツカーからスラリと長い脚を覗かせて降り、両手を腰に当てて荷台の縁に立って作業している哲司を見上げながら問いかける。
「いや、これはあした産廃業者までもっていくんや。夜積みしたままにしてまた明日やなあ」
荷崩れしないようにとラッシングベルトの張り具合を確認していた哲司は、振り返らずに麗華にそう言って荷台から飛び降りる。
「ほな、ちょっと事務所寄ってくるから麗華はこの辺で待っといてくれや」
そう言って哲司は麗華の返事を待たず、事務所のある二階へと駆けていった。
哲司はカンカンと足音をさせて金属製の階段を登り、くたびれたアルミドアを開けて、元気に挨拶しながら事務所へと消えてしまった。
返事をしそびれた麗華は、哲司の姿が見えなくなったところで腰に手を当てたままあたりを見回す。
「ここで待ってろねぇ・・」
周囲を見回すと、そこは店舗裏側の1階で倉庫兼駐車場となっているスペースあった。
かなりの広さはあるようだが、訳の分からない物が乱雑と置かれてるせいで、そんなに広くなくなってしまっている。
麗華は2階の扉の方を見上げて聴力を強化した。
すると、事務所内の話し声が聞こえてくる。
麗華は生まれつき人より脳を使える範囲は広い。
一般的に人は脳の10%程度しか使いこなせていないと言われているが、麗華は12%近く使えるのだ。
数字でたった2%足らずの差でしかないが、その僅かな差がもたらす影響は大きい。
麗華の脳開放領域は身体能力を向上させる箇所が多い。
その中の一つの聴力強化をさせて麗華は耳を澄ます。
「いやー!てっちゃん!今日は助かったよ☆さすがのてっちゃんでもあの量は今日中に無理かと思ってたんだけど、改めて惚れ直したちゃった・・・」
部屋の主が哲司に話し始めたのであろう。
初めて聴くファンキーな女の声が聞こえてきたが、哲司の声は普通のボリュームのようで、ここまで聞こえない。
麗華は、哲司と話している人物が女ということに一瞬で不快な気持ちになるが、ファンキーな口調の相手とは違って、哲司はかなり迷惑している様子が伺える。
「馴れ馴れしくてっちゃんなんて呼んじゃって・・!でも声色から察するに結構な歳よね・・。和尚の朴念仁ぶりならまあ大丈夫かな・・」
哲司の反応に安心したのか、麗華はどうせ後で内容は哲司から聞けるしと思い能力を解除する。
おそらく今哲司と大声で話している人物が、この怪しさ満点な屋号名を付けた探偵事務所の社長なのだろう。
麗華は会話の内容を盗み聞きするために聴力を強化したのではなかったので、すぐに聴力強化を解除すると、今のうちにと思い事務所のほうを目で伺いながら階段下にあるトイレへと歩き出した。
「うわっ!きったないわねえ!」
トイレの扉を開けた麗華が、ついそう罵ってしまうほど汚いトイレ内は汚いし、異臭が漂っていたのだ。
麗華は少し躊躇いを見せたものの、鼻をつまんでトイレの換気扇のスイッチをばん!と乱暴に押し、しぶしぶトイレへと入る。
そして、洗面台の上に壁掛けされている曇った鏡に自分の姿を映した。
写りの悪い鏡に苦戦しながらも、角度を変え顔や髪型のチェックする。
そして、化粧ポーチから片手で器用にビューラーとルージュを取り出し、睫毛を整え、唇に色を塗り足す。
そしてポニーテールを一度解き、手早く入念にブラシをかけてから留めなおした。
仕上げにパフで頬の色むらを調整し終わると、汚いトイレの中、曇った鏡に向かって笑顔をつくり、いろんな角度でチェックしてから満足そうに頷く。
「よし・・!いつも通り完璧・・!」
気の強さを隠しきれない大きな目、自信の溢れる魅力的な口元を吊り上げて笑顔を鏡に映す。
しかし、頷いて満足そうなにしていた顔が思い出したように急にはっとなった。
麗華はおもむろにブラウスのボタンを3個開けて胸元をチェックしてから、スカートを腰までたくし上げがに股気味に中腰になって、パンストを指で前へ開くようにして引き伸ばして、下着をチェックしだした。
誰かに見られたら顔から火が噴き出すような恥ずかしい恰好で入念にチェックした結果、今日の為に下ろした薄いピンク色の上下お揃いの下着は汚れても無いし、毛が下着から「こんにちは」していることもないことが確認できた。
本当はこのトイレがウォッシュレットトイレであってほしかったところだが、個室を覗いてみた限りこの汚いトイレは和式でそんなものはない。
しかし、哲司に会う前に公共機関のトイレでキレイにしてきたし、それ以降は用をたしていない。
とりあえず嗅覚強化して自分の口臭もチェックしたし、歯も綺麗だ。
もちろん腋の匂いや汗のチェックもぬかりない。
「よし・・・!完璧・・!」
麗華は曇った鏡に頷くと、汚いトイレを出て事務所を見上げれる場所まで移動して何事もなかったようにいつもの気の強い表情に戻って腰に手を当てる。
見た目は素晴らしいプロポーションだし、木村文乃似の文句のつけようのない美貌の麗華だが、対男性戦績は毎回不戦負になってしまう理由に、本人はまるっきし心当たりがない。
麗華本人は知らないが、麗華の勤める会社では麗華は「残念な美人」で通ってしまっているのだ。
一般的に見ても、どう卑下してみても、麗華は自分の美貌が平均より下だとは思ってないし、むしろかなりイケてると思っている。
それなのになぜか男性とはうまくいかないのだ。
それだけに、麗華は久しぶりに連絡のあった幼馴染で、ずっと本命だと思っている哲司に対し、今日こそはと思っているのだ。
モヤモヤと思いを巡らせている間に、今までの戦績の経験からまたもや嫌な予感に駆られだしたところで、上階のドアがガチャガチャと鳴り始めた
哲司の言ったとおりそこまで時間がかかることもなかったようで、すぐにドアが開き、哲司が挨拶をして降りてきたのである。
「遅いじゃない!どれだけ待たせるのよ」
「いやーすまんすまん!」
見上げて腰に手を当て、憤然と言った麗華に対し、哲司が謝りながら急ぎ早に階段を駆け下りてくる。
自分の何が男性を遠ざけているのか全く分からない麗華は、いつも通りの口調で哲司に悪態をつく。
学生時代から仲間内には麗華の態度は許してもらえているが、その中でも哲司は特に寛容なのである。
「ほないこか。麗華運転たのむな。さっき通った道ちょっと戻ってくれや」
「・・ったく。じゃあ行くわよ。和尚の部屋ってここから遠いわけ?」
「いや、すぐや」
麗華より早く車に乗り込む哲司に、麗華はあきれたような口調で言いながらも、シートに腰をおろしドアを閉めてハンドルを握ってアクセルを吹かす。
哲司の下宿は言った通り、本当に会社のすぐそばであった。
「よっしゃここや。ここで停まってくれ。駐車場なんて借りてないから、麗華ここで路駐して待っとってくれな。そっこーでシャワー浴びて着替えてくるから」
「わ・・・・ょ」
住む古びた2階建ての長屋の前で、哲司はシートベルトを外しながらそう言いかけると、麗華が口を開いた。
「ん?麗華なんちゅうたんや?」
「私も行くわよ!って言ったの!」
「い・いや、俺の部屋汚いし、それに路駐しとく訳にもいかんやろ?」
哲司は部屋に来られるのは本当に困る。と焦った顔でそういうが、麗華はガォン!とアクセルを吹かし、無言ですぐ隣にあるコインパーキングへと車を乗り入れる。
急発進したせいで哲司は態勢を大きく崩すが、バックで駐車しようとしている麗華に食いつくようにして言った。
「麗華マジで俺の部屋汚いんやって!」
「汚いのは知ってるわよ。男の一人暮らしなんてどうせ散らかしてるんでしょ?ありがたく思いなさい。私が片づけるの手伝ってあげるって言うんだから」
「いやいや!なに言うとんのや!ありがたないわ!マジで汚いんやって!」
「せっかく手伝ってあげるって言ってるのになに?!あ!それとも私に見せたくないものでもあるわけ?!」
「いやそりゃあるやろ!近くにええ居酒屋があるからそこに行こうや?!」
「見せたくない物があるのね?!一人暮らしだとか言って女の子でもいるんじゃないの?」
「おらんわい!なんでそうなるんや!」
「あやしい!じゃあ別に和尚の部屋で飲んでもいいじゃない?!」
車の中でワイワイと騒ぎ始めたが、結局いつもどおり哲司が折れた。
「わかった・・!ほなけどマジで汚いし、俺の部屋やと今酒も足らんし、ツマミもなんもないから、麗華コンビニで買うてきてくれや。その間に俺が座れるスペースぐらいは作っとくから」
「・・・ふぅ~ん。まあ、それでもいいわ」
麗華は、ようやく車から降りれた哲司にそう言うと、ガコン!とギアを入れると勢いよく車を発進させたのであった。
「ふぅ・・。相変わらず『姫』やのう・・」
哲司はそう言って、勢いよく走り去る赤いスポーツカーを眺めながらため息をつく。
「そや!その姫が帰ってくる前に掃除せんと・・!何言われるかわからへん・・」
飽きれ気味に車を見送った哲司だったが、あの散らかった部屋を麗華が帰ってくるまでに片づけなければと、慌てて部屋に戻っていったのである。
ほどなくして、哲司があらかた部屋を片付け終わった時に、隣のコインパーキングに勢いよく車が入ってくる音が聞こえた。
麗華は、哲司の部屋の扉を開けるなり悪態をついた。
「きれいにしてるじゃない。これじゃ私が掃除しなくても全然平気ね。でもどうして散らかってるって嘘ついたよの?!」
「急いで掃除したからきれいになったんやって。それより麗華、ドア開けっぱなしにされたら虫が入ってくるからはよ入ってくれ」
「そ、そうなの?ごめん」
麗華は珍しく素直にそう言って慌てて扉を閉めると、両手に持ったビニル袋を玄関の床に下ろし、高いヒールを脱いで神妙な足取りで部屋へと入ってきた。
「おじゃましまーす」
急にしおらしい声色になっておずおずと部屋に入ってきた麗華の様子に、朴念仁の哲司は特に何も感じることなく「こっちにすわってくれや」と言って座布団を敷いた席を笑顔で指さしている。
「き、きれいにしてるじゃない?最初からそんなに散らかってなかったんじゃない?」
キョロキョロと哲司の部屋を見回しながら麗華は落ち着かない様子で畳の上に敷かれた座布団の上にキチンと正座してそう言った。
「まあ、あんまり部屋におらんからな。そやけど、洗濯せなあかん服脱ぎ散らかしてたから、洗濯機に入れて掃除機かけたんやで」
哲司が言った通り、脱衣所のほうからは洗濯機がウォンウォンと頑張っている音が聞こえてきていた。
「ほな、飲もか。麗華ともマジで久しぶりやもんな。こうやって飲むんも1年以上ぶりかー」
そう言って席を立ち、グラスとつまみ用の皿をカチャカチャと用意し出した哲司の背を確認して、麗華は無意識に部屋に他の女の気配がないか鋭敏な感覚でチェックして安心できたおかげで、少し調子を取り戻し、口を開いた。
「1年ぶりどころじゃないわよ。卒業して2年になるからね」
「もうそないなるんやなぁ。早いもんや」
ちゃぶ台にグラスと皿を置いて座った哲司が、ビニル袋からビールを取り出しぷしゅ!といい音を立てて開け、麗華のグラスに注ぎながら言う。
一杯奢ると言いながらも、哲司の部屋で飲むことになったので、買ってきた酒やツマミは全て麗華が支払ったのであるが、麗華もそんなことを気にした様子もない。
「ほんとにね。学生時代が懐かしいわ」
哲司と麗華は、懐かしさもあってしばらく学生時代の昔話や、お互いの近況を冗談交え話し合ったのである。
お互いに飲める体質の哲司と麗華は、どんどんと酒も進み、畳には空き缶と空き瓶が増えていく。
小一時間してすっかりいい気分になった麗華は、タイトスカート姿だというのに膝を崩し哲司の目のやり場を少し困らせてしまっていた。
「って感じでスノウばっかりモテちゃってさ。どうしてうちの男どもはこんなに見る目がないのかっていうか、わからんちんばっかりっていうか・・・。私って言うグラマラスな美女がすぐ近くにいるってのに全然わかってないのよ!・・たまたまなんだけどなんでスノウも私と同じ会社に就職しちゃったかなー。でもあの子ってばどうも私に対抗心燃やしてるところがあるのよね。スノウもスノウで言い寄ってくる男をその気にさせといて、告白してきたところで『好きな人がいます』だもんね。あれじゃ男の方もたまらないわよ。・・・悪い子じゃないんだけど、男ってああいう無口でも大人しい子が好きなもんなのかしらねぇ?」
「ははは・・・そりゃそうやろ」
哲司がスノウと麗華のやり取りを想像して油断してしまい、乾いた笑いを発して本音を呟いた瞬間に、容赦のない麗華の速射砲が飛んできた。
「ちょっと!?そりゃそうやろ。ってどういう意味?!もしかして和尚もスノウのこと好きなの?!」
頬を酒で赤くさせ、上機嫌で話していた麗華だったが、哲司がしてしまった当たり前の反応に猛抗議しだし濡れ衣をかぶせてきたのだ。
これはマズいとおもった哲司は、社長のせいで今日の本題なった話に慌てて切り替える。
「ちがうって!誤解や!俺はどっちかって言うと麗華みたいに明るい女の子のほうが好きやで?!・・・そ、そや!麗華。今日さっき社長に言われた仕事なんやけどな、ついに探偵っぽい仕事依頼されたんや!それでちょっと麗華に頼みたいことができてな」
矛先を逸らそうと、かなり大げさな手ぶりで言う哲司に、麗華も美しい顔に疑問を浮かべて振り上げかけた拳と、上げかけた腰をおろして座りなおした。
「そ・・そうなんだ?・・どんな話だったの?」
麗華も哲司の「スノウより私みたいな明るい女の方が好き」発言に完全に気勢を逸らされて、一気に大人しくなる。
それに、麗華も探偵という仕事に縁が深いわけでもないので、探偵っぽい仕事という話に興味津々なのだ。
「人さらいの調査やな」
織田裕二似の爽やかな笑顔で得意げにあっさりと言い切った哲司に対し、麗華は驚きながらも、当然の反応を見せたのである。
「いや、それ警察の仕事でしょ?!」
麗華の冷ややか気味な反応に、哲司は目を瞑ってちっちっちっ!と人差し指を立てた仕草を見せて、麗華を少しばかり苛つかせてから得意そうに言い返す。
「最近女子大生が攫われてんのニュースでしってるやろ?どうもアレ絡みやねん」
「だから!警察に任せときなって話でしょ?!」
「最後まで聞かんかい。この人さらい事件はな、都内のけっこうええ大学の生徒ばっかりさらわれてるみたいなんや。捜索依頼が出されてるだけでも20件越えてるねん。警察も最初は動いてたけど、誘拐事件が始まりだしてまだ半年もたたんちゅうのに、捜査はほとんど打ち切られてるんや。捜査本部は置かれてるが名目ばっかりで、肝心の捜査はほとんどやってない。警察もまともに動かれへんようなキナ臭い事件ってことで俺らみたいな探偵の出番ってわけなんや」
苛立ち気味の麗華の反論に対し、哲司はやや興奮気味である。
「でもそれって・・・危なすぎるんじゃない?」
苛立ち顔からすっかり心配顔になった麗華が、哲司にそう言うも哲司はちゃぶ台に数枚の顔写真をと置くと、麗華の両肩をガッチリつかんで続けた。
「きゃっ!?」
「そこでや、このグリンピア興業の奴らがあやしいらしいんや。俺はこいつらの尾行を依頼されたんやけど麗華。おまえの法律事務所ってここの顧問弁護士引き受けとるやろ?俺がこいつら尾行して尻尾つかむさかい、その裏取りで情報まわしてくれへんか?」
「ええええっ!?無理よそんなの!」
麗華は肩を掴まれ、間近に迫る哲司の顔にドギマギしながらも、事が事だけにきっぱりと言い切ったのだが・・。
「頼むわ。危ないことさせるわけやないから!」
熱心な哲司の懇願に、麗華はしぶしぶ頷くことになったのである。
「でもさ、私もまったくのタダってわけにはいかないんじゃない?」
ちゃぶ台に置かれた数枚の顔写真を手に持って目を通しながら、麗華は上目遣いで麗華からの承諾を得て満足顔の哲司の顔を盗み見る。
「ああ、俺にできることやったらなんなりと言うてや?」
哲司は明日からの初めての探偵らしい仕事の妄想に胸を躍らせて、機嫌よく言う。
「じゃあさ、今日はもう遅いし・・・、あの・・シャワーとか・・貸してもらっても・・・・いい?」
数枚の顔写真で真っ赤な顔を隠しながら、麗華は思い切ってそう言ってみたが、哲司からはあっさりとこたえが帰ってきた。
「ああ。来客用ってわけやないんやが、予備の布団もあるしな。なんもせえへんから安心して酔いつぶれてええで」
哲司の答えに目を輝かせかけた麗華であったが、あまりにも下心も屈託も感じさせない哲司の笑顔に気が付くと、目を吊り上げてワナワナ肩を震わせ出し、持っていた顔写真がぐしゃ!となるほど握りしめてからばん!とちゃぶ台に置いた。
「ありがと!それじゃあね!」
「どないしたんや?もう帰るんか?」
「そうよ!ばか!」
起ち上ってドタドタと玄関に向かう麗華は、酔いもあってか空き瓶を踏んでしまい倒れそうになる。
「きゃっ!?」
そんな倒れかけた麗華を哲司がしっかりと抱きとめたのである。
「アホいうなや。電車ももうないし、飲酒運転するわけにいかへんやろ?今日は泊っていけや」
若かりし頃の織田裕二似の哲司に間近で心配そうな顔で言われれば、お転婆な麗華も、酔いにも助けられて赤面した顔を逸らせ頷くしかなかった。
「うん・・今日は泊っていく」
小さな声でそう言った麗華は、照れを隠すように哲司の大きな背中へと両手を回し、思い切って哲司と唇を一気に重ねたのであった。
【第11章 人工島カジノ計画に渦巻く黒き影 8話 【回想】豊島哲司と寺野麗華2 終わり】9話へ続く
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