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■当サイトは既婚女性を中心に描いている連続長編の官能小説サイトです■性的な描写が多く出てくる為18歳歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい■

第5章 悲報 第13話 お義父様と深町さん 小田切響子

私はお義父様のご自宅から

事務所に戻ってくると

しばらくして隣の主人の

事務所から深町さんが

ノックをして入ってきた。

「奥さん先生・・・

その・・・大丈夫ですか?

大先生から聞きましたが

あの橋元と

何かあったのですか?

大先生は表情には出しては

いませんでしたが・・・・

あのように静かにですが

怒りに満ち震えている

大先生を

見たのは私も長い事、

大先生にお仕えして

きましたが

初めてでしたものでして・・・」

私は事務所の奥の窓側にある

自分のデスクに座っていたが

深町さんが来て下さったので

接客用のソファに深町さんと

向かい合うように座り

「深町さん・・・

私も解らないのです。

橋元社長の事務所へは

行きましたが・・・

他の仕事の時と同じように

ただ所有権の移転の

登記の依頼を受けて来ただけ

でしたが・・・

何故か橋元社長を怖いと

感じてしまいまして・・・

そのことをお義父様に相談

したらお義父様は橋元社長に

仕事を断って来てくださると・・・」

私が橋元社長に心を鷲掴みにされるような

ビジョンを見てしまったから怖いなどと

説明しても頭がおかしくなったと思われる

だけなので深町さんにもお義父様にもこれ

以上は説明のしようが無かった。

あの橋元社長はもしかしたら・・・

私と同じような感じの

人なのかも知れない。

それが何かは解らないし、

どうして私はこのように

人のイメージが流れ込んで

くるような力を持って

しまったのかも解らないが私は

この相手のビジョンが見えるビジョンアイ

私は心の中で勝手に

そう呼んでいるのだが

この力を悪用したくは

ないと思い極力

見る事を控えていた。

実は大好きなお爺様に

残念な思いまでさせ

プロ棋士にならなかったのも

相手の考える事が

見えるなら負けるはずが無い。

そんな力でプロになりプロの

世界で勝ち続けても

正直嬉しくも何ともないと思った。

それでお母様の希望であった

京都大学の法学部を

目指す道を選んだのだ。

あの時のお爺様の落胆ぶりには

正直心が痛んだし

理由を説明できないのが

もっと辛かった。

私はビジョンアイの力で

大きな岐路の選択を

することがある。

それはもう本能的とでも言うのか

右か左があったとして

右は絶対に嫌と・・・

ビジョンアイから流れ込んでくる

イメージが強くそう反応した場合

のみ左を選択するの

だが左を選択する

理由を説明できないのが

本当に辛い。

今回もあの橋元社長には普通ではない

【何か】

を感じた。

もしかしたら私と同じように

人の脳に思い描いた

イメージが見えるのか?

それとも似たような力で

もっと自由に操れる

何かがあるのか?

それが私が見た全裸の私の胸を

貫き心を掴み出そうと

している同じく全裸の橋元社長の

イメージが飛び込んで来た

あの時の映像は橋元社長の

何らしかの力だったのだろう。

しかし私は橋元社長に

何があるのかは解らないが

1つだけ・・・

彼から受けたイメージの中には

邪な色が滲み出ていた。

それは口で上手く表現できる

ものでもなく抽象的な

感覚的な物になるのだが

邪な色を感じた。

そして彼が自分の力を

きっと悪用しているのだろうとも。

それだけははっきりとわかった。

だから怖かった。

そしてその瞬間私は

無意識に心を閉じた。

自分でもどうしたのかは

解らないしもう1回しろと

言われてもできないが

私はあの時橋元社長に

心を握られる寸での所で

握られずに済んだのだった。

だからもう二度と彼には

会いたくないと思った。

次に会った時に心を握り

掴み出されたらどうなるのかが

解らなかったから。

しかしそんな恐ろしい

相手に今私の為に

お義父様が仕事を

断りに行って下さっている。

正直そのことも怖くて怖くて仕方無かった。

「私がアポを取ったのですよ・・・

私も大先生が橋元に会いに行くのは

反対だったのですが・・・

奥さん先生の・・・

響子さんの為だと

大先生は人が変わりますね」

深町さんはそう言いながら笑顔で

ポケットの中から缶コーヒーを

2本出して私の前に1本置いて下さった。

「あっ・・

ありがとうございます。

深町さん・・・

正直お義父様には

感謝の念しか湧いて

こないです。

それに・・・

何事もなく普通に

いつものお義父様の

感じで戻ってきてくださり・・・

響子さんっ

1局お願いできないかね?

仕事を手伝った見返りだよ

と言って下さるのを信じています」

私は似るはずもないが無理にお義父様の

モノ真似をしながら話してみると深町さんが

お腹をかかえて笑っている。

「あはははははっ!!

あぁ~

お腹が痛いですよっ

奥さん先生っ・・・

奥さん先生でもそんなモノ真似

する事

あるんですね~

ははははっ

良い物見れましたよ~

はぁ~

息が苦しい~」

「あ~!

深町さん酷いです~

笑い過ぎですよ~

私だって似てるなんて

思ってもいませんです~」

「いやいやいやいやっ

大先生みたいでしたよ~

若先生よりそっくりだっ

ははははっ

大丈夫ですよっ

奥さん先生の

物まね通りに

帰ってきますよっ

なんと言ってもあの方は

この町で40年間

渡り歩いてきた顔に

実績がありますし

交渉事ではまだまだ

橋元ごときにおくれを

取るお年でもないですよ。

橋元なんか大先生と

対等に渡り合うなんて

10年は早いですよ。

普通の商売ならそうなのですがね・・・」

途中まで勢いよく私のモノ真似を

肯定してくれていた深町さんが

最後の最後で言葉が濁る。

しかし私も同意見だった。

普通の仕事での交渉事

人としての格。

経験知識・・・

何1つお義父様が橋元社長に

遅れをとることなど考えられない。

ただお義父様は実直だ。

そして正直でモラルが異常に高い。

清廉潔白で厳格な人間性。

だからこそ私もおそらくは深町さんも

心配されている。

橋元社長・・・

あの人はきっと・・・

お義父様と正反対の人だ・・・

それは私のビジョンアイが見た色で解る。

嘘もつくしずるい事もする。

そして時には手段も問わず目的を

達する事もするしそれに対し何の躊躇も

無いと思う。

私は本能的に解ったがおそらくは

深町さんはこの業界を長く経験してきて

その目で見て来た事実に基づき言って

いるのだろうと思う。

それだけに重い・・・

「正反対ですよね・・・

あの方は・・・

お義父様と・・・」

深町さんが顔を上げ私を

驚いたような目で見ながら

「奥さん先生っ・・・

1度会っただけで

解りましたか!?

あの男表面上は

人の良さそうなただの

中年をいつも装って

いるのですが・・・」

「えっ

あっはい・・・

何となくですが・・・

お義父様とは正反対の

方だなと・・・

ただの勘です・・・」

としか言えないが勘も

ビジョンアイで見た物も

それほど変わらないだろう

と思いそう応えた。

「やはり・・

大先生が若先生より

響子さんを押すのが

解ります・・・

あなたは知識や品格だけでなく

鋭い目もお持ちなようだ・・

今回も私は若先生に橋元の

仕事を受けるのを1度は反対したの

ですがね・・

若先生はあっさりと受けてしまわれた

そして調査士の領域ではなく司法書士の

領域だと知った瞬間相手を調べもせずに

私の話も話半分くらいにしか聞かずに

奥さん先生に回されてしまわれた・・・

その辺の短絡的な所を直してやってくれと

大先生に頼まれてはいるのですがね・・・

私も番頭失格ですな~・・・」

「うちの人は・・・

決断は早いのですがね・・・

深く考えない所がありまして・・

その決断の早さは良い所でも

あるのですがね・・・

あっでもそれは全く

深町さんに問題が

あるわけじゃないですよ~

人の性格なんて他人の

影響力でも簡単に治るものでも

無いですし・・・

そこはわたくしも

心得ておりますから

今後はわたくしと深町さんで

フォローしていきましょう。

恵三さんを・・・

あの人はあれでも省三先生、

お義父様の跡継ぎですからね」

「優しいですね~奥さん先生はっ

その人格面も含め大先生のあの評価

に繋がっているんでしょうね~」

私は深町さんの持って来てくれた

完コーヒーに一口、

口を付けながら

褒められる事はいくら慣れていても

こう眼前で褒められるとやはり何度

同じことを経験しても照れる。

「もうっ・・

あまりお上手ばかり言わないで

下さい。深町さんっ」

「いやいや~

若先生が羨ましくてですね~」

と深町さんも同じようにご自身が

持ってこられたコーヒーを飲みながら

笑っている。

そうしていると事務所の電話が鳴った。

「あっ電話・・・

深町さん少しお待ちくださいね」

私はデスクに戻り受話器を取ると。

「お電話ありがとうございます。

小田切登記事務所でございます。」

『こんにちは~

この間はどうも~

橋元不動産の橋元です~』

えっ・・

橋元社長・・・・

何故今お義父様と話している

橋元社長が・・・

お義父様はもうお帰りになり

仕事を断られた恨み言でも

言いにかけてきたの?

「あっ・・・

その説は大変お世話になりました。」

『ああ・・・

ああ・・

あの仕事の件ですがな~

アンタの義理のお父さんが

断りにきはってね~

えらい剣幕で大暴れするさかい

ちょっと寝てもらってまんのや~

ですから小田切響子先生に

迎えに来てもらいたいんですけどな~』

「えっ!?

お義父様が暴れた?

そんな事あるわけないですよ。

それより橋元社長・・・

お義父様に何をされたのですか?」

私は冷静に話しているつもりでは

あるが手が震え受話器がカタカタ

と耳に当たる。

心配そうに私の隣まで

来てくれていた深町さんが

手で合図をして電話を替わるように

指示を出してきたので私はこのまま

橋元社長と話せる自信がなく

深町さんに受話器を渡した。

《第5章 悲報 第13話 お義父様と深町さん 小田切響子 終わり》





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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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