私の腕を羽交い絞めにしていた
マイクと言う大柄な外国人の
男性はやっと私の腕を掴んでいた
手を放し橋元社長や水島と言う男
張と言うアジア風の外国人の所へ
近づいて行った。
先程、橋元社長が
「マイクもこっちへ来なさい」
と言ったからだが私がお義父様を
置いて逃げる事もしないだろうし
暴れる様な事もしないと解った
からであろうがそもそもここで
私が暴れた所で一瞬で取り押さえられて
終わりであろうしそもそも私に
彼等を御せるほどの腕力も挌闘経験も
無い。
私はただお義父様を無事にご自宅へ
返す事。
今はその事以外は頭に無かった。
ただ深町さんとの約束を違えてしまい
ここにいる事を後悔はしないが深町さんに
は申し訳ないと思っていた。
「マイク、張、水島さん
あの小田切響子先生。
あそこで吊るされ反省している
高名な司法書士の先生、小田切省三
先生の息子さんの嫁だそうですわ?
どうや?彼女が小田切省三先生を
無事返してくれるなら私らのお仕置き
受ける覚悟があるらしいんやが・・・
誰かお仕置き役に立候補する気はないか?」
橋元社長が私を辱める相手を
あの3人の誰かから募るような事を
言っている。
誰が相手でも同じこと。
ただ少しの間我慢していれば
お義父様と一緒に帰れるんだ。
ただ・・・
お義父様にはそんな姿見せたくないけど・・・
今の私にはそう思っても
どうする事も出来なかった。
「へえ~あの美人
人妻ですか?
私はてっきりこの
先生の実の娘かと思っていましたが・・
ふんふん。
知的で上品な顔立ちが
私の因縁の相手の岩堀
っぽくてそそりますな~
社長、私はこの美女の
相手したいですな~」
前頭部が広いオールバックの
水島という男がまず橋元社長の
問いかけに応えた。
岩堀?
岩堀香澄さんの事かしら?
ウチの子と保育園から
小学校まで同じで仲良く
なった素敵な女性に岩堀さんという
キャリアウーマンの女性が居た。
確か平安住宅と言う大手住宅会社に
勤務していたはずだけど・・
この人もしかして岩堀さんの同僚?
そう思い私はこの男に辱めを
受けなくてはならないのかと思い
水島と言う男性を見ていたら
「ボス。
ワタシモシタイ。
アノキャシャナカラダニ
ワタシノキャノンブチコミタイ」
さっき私を掴んで動けなく
していたマイクと言う黒人系の
外国人の男も名乗りを上げた。
嫌・・・
さすがに外国人は嫌よ。
おそらく・・・
いえ・・・
彼等から見える絵では私は
この人たちの誰かとSEXを
無理やりさせられるのだろうけど・・・
さすがに外国人とはしたくないわ・・・
私はうつむきながら
彼等のやり取りを耳で聞いていた。
「ボス。
ワタシニサセテクダサイ。
デントウノゴウモンセックス
デナンドデモナカセテミセルネ」
アジア風の男の声だ。
何?何の事?デントウノゴウモン?
伝統の拷問?
何をする気?
この人も嫌よ・・・
「がはははっ
小田切響子せんせ~い
大人気ですな~
私は誰でもアンタが
泣き叫ぶ姿が見れたら
それで良かったんですがな~
ほな一発ここは
賭けをしましょうか?
マイク、張、水島さん
今から小田切響子先生の
今日のパンツの色を
当ててみましょうか?
当たった者が響子先生の
相手役にしましょう。
全員外れたら久々に私が
響子先生の相手をしましょうか」
なっ何をバカな事を・・・
いやしかし・・・
どのみち誰かの慰み物になるので
あればどのような手段でその
相手が決まろうが同じことか・・・
下着どころかそれ以上を
この場にいる全員に晒す事にもなる
のだろうし・・・
「社長~
それで行きましょう!
久々の賭けですな~
そうですね~
この美人司法書士
は・・・何色かな?」
水島が私に近づいてきて
私の周りを一周しながら
私の今着けている下着の
色を想像している。
そうよ・・
その色を言いなさい。
見事ハズレだわ。
「橋元っ!
バカな真似はよせっ!
私が気に入らないなら
私を好きにすれば良いっ!
お願いだから娘は・・・
響子さんにだけは何も
しないでくれっ!」
「ほほう~
いよいよ
あの小田切省三先生が
お願いですか~?
なんなら先生も参加しますか?
響子先生のパンツの色
当てゲーム。
勿論当てて頂ければ
先生が響子先生と
私達の前でSEXしてもらいますがね?
我々がするよりは良いんじゃ
ないですかな?」
「ワタシハシロデス!
コノヒトハシロ!」
橋元社長がお義父様に
とんでも無い事を持ち掛けている。
お義父様乗って下さいっ!
お義父様は偶然だけど今日
自宅の玄関先で私の下着を
見てしまっている。
絶体に当てれるはずだ。
私もこの人たちに
慰み物にされるよりは
敬愛するお義父様になら・・・
この人達の目の前でということだけが
嫌ではあるが行為そのものはこの人たちに
されるよりは全く変わってくる。
そんな提案を橋元社長がお義父様に
しているうちに張と言う男が白と
宣言した。
私の今日の下着は残念ながら白ではなく
デントウノゴウモンとやらを受けなくて
済む事は確定した。
「張さんは白か・・・
社長もし私も白と言って
響子先生が本当に白なら
どうなるんです?」
「小田切先生~
よ~くお考えくださいよ~
あなたの手で抱いてあげた方が
響子先生も喜びますわ~
きっと。
がはははっ
水島さんその時はあんたと
張と響子先生で3Pですよっ
そんなことになったら間違いなく
響子先生は気絶もんですわな~
がはははっ」
「なるほどですな~
張さんと3Pも悪くない・・・
それではこの系統の女性はね
白が1番多いんですよっ
経験上ね。
それでは私も白でいきますよ」
水島と張と言う男と私が
行為に至る事はこれで無いわね。
と思いながら気になるお義父様の
反応を見ている。
お義父様はまだ吊るされたまま
唇を噛みしめ何かの葛藤と
戦っているように見える。
お義父様・・・
私をご自宅のリビングで抱きしめて
下さった時・・・
あの時に私を抱きたいと・・・
そう思っていらっしゃったじゃないですか・・・
私はビジョンアイでお義父様が裸体の
私に重なり下半身を1つに繋がっている姿を
想像していた事を思い出しながら
私をこのような野蛮な男たちの慰み物に
するくらいならご自身の手で
私を抱いて下されば・・・
そう思っていた。
それでも橋元社長は解放すると
言っているのです。
「橋元・・・
本当だな・・・
もし私がそのくだらない
賭けとやらに乗ったとしよう
そこで私だけがその・・・
響子さんの下着の・・・
色を当てた場合はお前たちは
絶体に手出しはしないのだな」
「ええ。
それは勿論ですわ~
ただその場合あなたと響子さんの
SEXはこの事務所のそこ
その場所でやってもらいますよ。
私も見たいんでね~」
橋元社長は隣の部屋に
通じる扉を指さすと私を
ここに連れて来たアジア風の
外国人のうちの1人が扉を
開いた。
そこにはベッドがあり
その部屋の照明はこのフロアとは
違い妖しい赤色で薄暗い感じがした。
私も数えるほどしか行った事は
無いがラブホテルのような感じにも
見受けられる。
「よしっ!
それなら乗ろう・・・」
お義父様が何かを訴える様な
視線を私に送る。
私はきっと喜びの表情で
お義父様を見ていたと思う。
そして大きく頷いた。
するとお義父様も頷く。
「私は黒だっ!
黒にしてくれ・・・」
お義父様っ・・・・
私は心の中で喜びながら
顔は冷静な表情を
いえ、怯えた表情を
保っていた。
もしかしたら私の表情で
お義父様が当たっていると
言う事がまだ回答していない
マイクと言う男にバレたら
答えを被せて来て私は
お義父様の他にこのマイクと言う
男をも相手しなくてはならない事に
なる。
そんなことは絶対嫌だ・・・
1度は覚悟を決めたが今
私はお義父様とSEXをすれば
この状況から解放されるのだ。
橋元社長の言葉なので後は
橋元社長が嘘を言っていない事を
約束をたがえないことを信じるしかないが
それでも何も希望が無い状態よりは
お義父様が賭けに乗ってくれた
お蔭でかなり好転した。
「ほほう~
小田切省三先生は
今日の響子先生の
パンツは黒だとっ!
これは意外な色を
言いますな~
この清楚な感じの響子先生が
黒のパンツとはこれはまた
そそられますな~
ほな後はマイクだけですな?
全員が外れたら私がこの
響子先生を頂きますが・・・
マイクお前は何色や?
はよ言わなさっきから
待ってる水島さんや張が
もう破裂寸前やで~」
「ワタシモヤリタイデスヨ!
ボスッ・・・」
「それは皆同じや~
ほらっ
マイクはよ決めんかいっ!」
橋元社長がマイクと言う男の
背中をパンパン叩いた時に
何かを小声で呟いた。
何かは聞き取れなかったが
もしかしたら橋元社長は
元々解っているのかも・・
嫌・・・
今何を言ったの・・・
「ハイッ!
キメマシタ!ワタシモ
ブラック!
コノビジョノショーツハ
ブラックトオモイマス!」
嫌っ!!
いや~!!!
「なっ!!」
先に声を出したのはお義父様
だった。
「何か問題でも
ありますかな?
小田切先生?」
橋元が含みのある笑いを
込めながら吊るされている
お義父様の顔を覗き込む。
「くっ・・・」
お義父様は何も言わずに
うなだれている。
私もショックは大きいが
それでもうつむいたまま
マイクがブラックと
黒と答えたことに反応はしないでいた。
「それでは答えが出そろった
所で正解を見てみましょうか~
響子先生~」
橋元社長に水島が私の前に
近づいてきたその時
ガチャンッ!
とこの事務所の私が入って来た
私の背後にあるドアが勢いよく
開く音がした。
「初めまして
橋元社長。
その賭け私も参加
させて頂いて宜しいかしら?」
と初めて聞く女性の声がした。
《第5章 悲報 第29話 賭け 小田切響子 終わり》
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