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第8章 三つ巴 16話 久々の夫婦の時間の終わり 菊沢美佳帆

【第8章 三つ巴 16話 久々の夫婦の時間の終わり 菊沢美佳帆】



宮川コーポレーションの宮川佐恵子達が、橋元一味の張慈円達と相対していた頃、橋元から受けた力【媚薬】のせいで性欲が抑えられなくなっていた事を、主人の宏とホテルにて満たしすっきりした美佳帆は、今、宏と2人でホテルから出て、現在は菊一探偵事務所と大塚達府警の刑事との合同捜査の事務所代わりになっている大塚の別宅でもある西区のマンションへ向かっていた。

美佳帆たちが情事を果たしたホテルは浪速区で、この町では通称『ミナミ』と呼ばれている界隈であったが、ミナミから西区までは徒歩でも10分ほどあれば行くことが可能で、大塚のマンションはその西区の南堀江にあった。

美佳帆は、宮川コーポレーションに出向いていたため、いつもの動きやすいTシャツにホットパンツ姿ではなく、今日は上下グレーのスーツを身に着けていた。

宏にも宮川へ出向く際に、スーツを着せようとしたのだが、

『何で行くところによって着替えなアカンねん。俺は俺やこのままの服で行ったらええやん』

とまるで、お着替えを嫌がる子どもの如く駄々をこねられたので、宏はいつもの黒の綿パンに黒のカッターシャツを着ている。

2人の今の服装でしばらく歩くと、梅雨もあけるか明けないかのこの時期だとさすがに少し汗ばむ。

(ふぅ・・・せっかくすっきりした後に、シャワーも浴びて爽快な気分だったのになぁ・・・もう少し2人で居たかったから、徒歩を選択したけど、こんな事じゃタクシーに乗れば良かったかな?)

と考えながら私の左側を歩く宏を見上げてみると、いつになく難しい顔をしている。

『どうしたの?何か考え事?』

と私が聞くと、宏は

『いや・・・さっきの話なんやけどな・・・あの宮川の生意気な姉ちゃんら・・・あいつら全員相手にして、戦えたかという話なんやけど・・・まあ、あいつらは根本的に危ない奴やないし、敵でもないから良かったんやけど・・・今後な、あいつらくらいの奴らが集団で現れて、美佳帆さんや、所員に手出ししてきたことを考えたら・・・いや、それは十分あると思うねん・・・そんな時に、俺は美佳帆さんや皆を守れるかと思うとな・・・少しナーバスになってしもてたねん』

珍しく真剣な表情をしていたと思ったら・・・やはり宏にとっても、今日の宮川コーポレーションの人たちとの出会いと、駆け引きは日常には無い刺激になったみたいで、確かに私から見ても1対1なら、あの人たちの中で宏と戦えても勝てそうな人はいないと思った。

しかし、能力の相性や、特殊性、そう・・・宏が言うように、あの例えば宮川佐恵子さんが敵になったとして、社員の黒服の方々を操っていたのが彼女の力なら、それを、例えば私たちの仲間の和尚やモゲに向けられて、彼らが操られたとしたら?和尚は唯一と言って良いくらいの宏と五分に渡り合える力の持ち主。

その和尚を宏にぶつける事だって可能はある。。。

(本当に・・・宏の言う通り・・・えげつない能力ね・・・)

『あっでも・・・さっきから私も考えていたんだけど、その宏が言う宮川さんとは、今後上手くいけば共同歩調もあるんじゃない?ほら、橋元の所に、仲間が犠牲になっているわけだし・・・うちも彼女も…それに今はそんな事よりも、まずは、神谷さん・・・彼女も張慈円に連れ去られたのなら・・・スノウのように・・・今は和尚たちが追跡してくれているから今すぐどうこうもないでしょうけど・・・』

『うん・・・まあ、そうなんんやけど、俺もみんなの力を信じてないわけやないし、ただ・・・俺ももう少し強ならなアカン思って、先生の事を思い出していただけやねん。今日本に来ているみたいやしな・・・』

と宏が真剣な表情から、一転懐かしそうな遠くを見るような表情に変わり、

『先生って、宏が能力開発の訓練を受けた栗田教授の事?えっ?そうなの?日本に戻られているんだ・・』

『そうやねん。この間、東京大学から封筒が届いとったやろ?俺宛に、先生は俺に用がある時には、東大の封筒で手紙くれるからなぁ。』

『あっそういえば・・・気にして見ていなかったけど・・・あっそれで、宏もしかして先生にお会いしてさらに訓練受けるとか?そういった事考えているの?』

『うん・・・今すぐは無理やけど、そのつもりや・・・俺が更に腕を上げる事によって、みんなの力も引き出してやれるかもしれんしな。しかしな・・・俺が今1番気にしているのは、その先生からの手紙の中に、【鷹が狩りを始めた様子。汝、気をつけるべし。】って書かれてたんや』

『鷹が狩り?えっどういう・・・?』

私は宏と同じ速度で歩を進めながら、少し首を傾げ聞いてみる。

『うん、これは先生と俺だけが分かる隠語なんやけど、先生は以前な、俺が探偵事務所を開業しても、そいつからの依頼もそいつ絡みの依頼も、絶対受けたらあかん言われている奴らがいて、それが髙嶺言うんやけど、なんでも江戸時代から続く暗殺一家やそうでなぁ・・・俺も先生の話聞いてて、今どきホンマにそんな奴らおるんかいなと思ったんやけど・・・先生は左目が見えへんのやけどな、それが日本にいた時に、その髙嶺言う奴に力見込まれ誘われたんを断った時に、力づくでなんとかしようとするそいつにやられたらしいわ。しかしその髙嶺言うのも先生の絶をくらい、能力が使えんようになったらしいんやけどな。』

宏が、声のボリュームを2音くらい落とし、歩く速度もゆっくりとなりながら、私に説明する。私も宏の話を聞き、

『あの栗田先生の目は、そういう事があったからなのね・・・しかし、その髙嶺っていう人も凄いね・・・あの先生にって私は写真でしか見た事ないけど・・・あの栗田先生の目を壊せるなんて相当狂暴なのね・・・あっでも先生にそのゼツ?それを受け能力が使えなくなったのなら・・・そこまで危険ではないんじゃないの?』

と私は宏の話を聞き、率直に思ったことをストレートにぶつけてみた。しかし、宏の表情は、狂暴そうな暗殺者が動き出したが、実は能力を失っていたという内容とは程遠いほどまた表情が曇り、

『いや、それが先生の手紙に書かれていた内容では・・・先生の絶を受けた人間は、宮川の姉ちゃん風に言えば能力者でも能力者やなくても、気そのものを遮断され、一生一切気の通わん人間になるんやけど、その髙嶺言うんにくらわせた絶は、指刀を差し込んだ時に、先生の指に髙嶺の気が巻き付く感触があったらしく、威力を半分殺されていたみたいなんや、だからその髙嶺が気を使えんかったんは1年くらいらしいわ。それで、力が戻ったようやから、先生はやり残した仕事をするために日本へ戻ってきたんや・・・俺が1番その中でも驚いたんわな・・・その髙嶺言うんは、まだ30歳そこそこの女や言う事や。あの先生とやり合うばけもんなんやさかい、どんだけ見た目も化け物じみてることか・・・ホンマゴリラみたいな女やないやろか?』

宏は最初は真剣にトーンを落とし話していたが、最後にはいつもの宏に戻っていた。

そして、このままこの事については私は深く大きくうなずいただけで、何も返せなかったので、宏も何も言わなかったが、宏はきっと、栗田先生にお会いし、そのゼツ?という技を習いたいんだろうなと私は長年の付き合い、妻としての勘からそう察していた。

宏から、大塚君のマンションに着くまでに受けた、髙嶺という存在の説明では、髙嶺一族は京都出身で江戸時代からどの勢力にも属さずに、大名から暗殺の依頼を受ける事を生業とし、幕末、明治、大正、昭和に平成と時代が過ぎても、そのスタンスは変わらず、一族の長子が必ず後を継ぐことで、家業を継承していっているらしい。

そして、髙嶺には、複数人の幹部から一暗殺者である部下数十人から形成される組織があり、その全員が何らしかの剣術の免許皆伝者にして全員が能力者であるとの事。

私が1番驚いたのは、その能力者の育て方で、髙嶺では、一族の血筋の人間でもそうでない者でも、3歳の頃に一度、能力を発動させた刀で切られるらしい。そして生き残った者のみを暗殺者として育てていくとの事で、宏が言うには、能力者の攻撃を受けた人間は、能力を鍛えなくても、先天性のように発動させることができるようになる可能性があるとの事。

そしてそれは50パーセントくらいの確率でその攻撃を受けた相手と同じ種類の能力が使えるようになるようで、しかし能力自体が使えるようになる可能性としては10パーセントもないらしい。

なので髙嶺では幼少期に切られて生き残ったけど能力の発動しなかった子については、髙嶺が現在、経営する別事業の方の社員へ回されるとの事。

そして能力が発動した子は、その時の当主の身の回りに置かれ、暗殺者集団の1員として重宝されるらしい。

今でも財界政界の大物たちから、果ては海外からも依頼はあるというから、世の闇とはどこまで深いものかと感じた。

そんな事を宏から聞いているうちに、ようやく大塚君の別宅である南堀江のマンションへ到着した。

【第8章 三つ巴 16話 久々の夫婦の時間の終わり 菊沢美佳帆終わり】第17話へ続く


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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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