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第8章 三つ巴 39話 百聞の美佳帆堕ちる!絶頂エンドレス!

【第8章 三つ巴 39話 百聞の美佳帆堕ちる!絶頂エンドレス!】

呼吸をするたびヌラヌラと艶めかしく照明の光が反射した白い肌を桜色が浮き出ている艶めかしい女体を見下ろし、橋元は満足げに自慢の肉棒を、何度も果て愛液で蜜壺の主の意志とは反し受け入れ態勢が整いすぎている女芯へとあてがい、ぬめる感触を楽しむかのように何度も滑らせた。

「くっ!やっやめなさいっ!うぅ・・・・・・あああ!!・・」

憎い橋元の肉棒で秘部の入口を撫でられているだけで、美佳帆は頤を持ち上げ快感を示す声を僅かではあるが上げてしまう。

「出来上がってますなぁ・・。床まで濡らしてもうてるぐらいですから、私の太さ5cmの一物でも入りそうですわ。しっかし、見知らぬ男らに責められてこんなによがって逝き狂うところまでみせて、ほんま美佳帆さんは、はしたない女ですわ。がははははは」

橋元が相変わらず言葉でなじってくるが、陰核と乳首のみで逝き狂わされてた美佳帆は自身の体内から熱い塊を要求するシグナルに戸惑っていた。

しかし、橋元の言葉通りであれば、橋元を自分の身体で満足させるほかないはずなのも事実である。

「ほな、あんまり待たせても美佳帆さんを拗ねさせてしまうさかい、そろそろいきまっせ?ええって言いましたもんな?美・佳・帆さん?」

「(この男が言う、この身体にかけられている橋元の能力を本当に解除できるのなら・・・それしか方法がないのね・・・そうでなくてもこの状況ですと、無駄に犯されてしまうでしょうし、まだ大儀名目があれば耐えれるわ・・・)くぅ・・・!ええ!さっさとやってちょうだい!この忌々しいからだとそれでおさらばできるのでしょっ!」

相変わらずの橋元の口調に、肚を決め悔しそうに美佳帆は言い返すと、目を瞑り覚悟を決める。
この状況で、まだこれだけの抗う姿勢を見せれるのは、菊沢美香帆の、これまでの経験と類まれなる精神力からくるものであろうが、先に橋元にとらわれた、女性刑事の神谷沙織ですら、強がっていられたのは最初の10分間ほどであった。

しかもそのうえ、菊沢美香帆の身体は神谷沙織のそれとは異なり、女性としての熟し具合も今がまさに旬ときているので、橋元の媚薬の効果もひとしおである。そのうえ重ね掛けなどを施されているのであるから、触れられた個所が全て陰核の感度といっても過言ではないはずの状態が今である。

「・・・本来はおねだりのやり直し・・と言いたいところやけど・・・まあええですやろ」

そう言うと橋元は両手を、美佳帆の丸く張りのある美しい大きめの2つの肉球を強調する括れた腰をがっちりと掴み、20cmはゆうに超えている太い肉棒を発情しきった人妻の蜜壺に沈めていく。

ぐちゅり!

「ぐっ・・・・(うっうそっ・・・!!こんなに・・・こっこれは・・・・!!)ああっ!!」

肉棒の先端が美佳帆の秘肉をかき分け、熱く、そして老齢な一物とは思えない硬度を保った太い肉棒が底なし沼に吸い込まれていく流木の如くめり込んでいゆく。

「おほぉ!美佳帆さんの中はあったかいですなぁ!・・情に厚い女は中も熱いとは言いますが・・。はて・・・?美佳帆さんは旦那もおるっちゅうのに、私にあんなおねだりして情に厚いとは言えんように思いますけどな?ぎゃーっはっはっはっは!」

「だ、だって、しょうがああああ!うぐぅ!!んんんんん・・・!こ、これどうなって!こんなのぉ・・・!くっ・・あなたっこの能力が解除されたら・・・覚えておきなさ・・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!うそぉぉぉぉぉっ!!こっこんなにっ・・・やめてっむりむりむりむりっ!!ぬきなさいっ!!ぬいておねがいぃぃぃぃっ!!!(うそ・・・逝っているのにさらに逝くなんて・・・そのうえまた・・・これは耐えられない・・・・)」

橋元の言葉責めに心を焼かれながらも、まだまだ半分程度しか挿入されていない肉棒が送り込んでくる、あり得ない圧迫感と快感に、美佳帆は言い返そうと口を開きかけたが、すぐに言葉にならない喘ぎ声に変わってしまった。

「しっかり喋りなはれや。あの百聞の美佳帆言われてこの辺じゃ恐れられている女探偵の菊沢美佳帆さんともあろうお人がどないしましたんや?」

わざと真剣な口調で言ってくる橋元の顔は、その口調とは裏腹に下卑た笑みを満面に浮かべて、快感に歯を食いしばる美佳帆の痴態を楽しみ見下していた。

「はぅう!ああう!・・い、逝っちゃう!あああ!!・・・そ、そんな!こ・・こんな・こんなので逝くの嫌あああぁ!こっこの下衆っ!!あなたなんてっ宏が来れば・・・・くっ・・・きゃぁぁぁぁあっ!!はぁはぁはぁ・・・」

まだ半分程度しか挿入されていない肉棒で容易く達せられてしまう屈辱を嫌がり、美佳帆は身を捩ろうとするも、首と手首を固定した拘束具は相変わらず無機質な音を立てて、美佳帆の動きを縛り、さらに腰は橋元の大きな手でガッチリと掴まれていて、ほとんど動かすことはできない。

しかし、美佳帆自身の体の捩りや、橋元から無意識に体を逃がそうと無駄に動いているので、その豊潤に油の乗り切った、下半身の肉が波打ち、橋元の性欲をさらに掻き立てる。

「くっ・・・うぅぅぅ・・!ああああああ!ひぃいいいい!い、逝くぅ!!!あはぁ!」

美佳帆は橋元の肉棒を半分程度受け入れた状態で激しく身体をゆすり絶頂の波に揺さぶられる。
もうここに来てから、何度、果てさせられたかわからないほど、短時間で複数回の絶頂を受け、強靭な精神が徐々に蝕まれていくのを自覚している美佳帆は、それでも心のよりどころに必ず救出に来てくれると信じている主人に事務所の仲間の事を思い浮かべ耐えていた。

怨敵の肉棒が、まだまだ挿入を完了していない状態でのけ反りつま先立ちで腰を突き上げ、中途半端なブリッジをした格好でガチャリガチャリと拘束具を鳴らす。そのたびに揺れる、橋元に貫かれる行為のクッションとなる、豊満なヒップにそのヒップを支えている鍛えてはいるが最近ではやや余分な肉が付き気味の膝上の肉が激しく揺れているのが自覚できるのが悔しい。

「だらしない女ですわ。美佳帆さん、気持ちよう逝ってるとこ悪いけど、もう半分ぐらいありまんの突き刺しまっせ?」

わざと呆れた口調で橋元はそう言うと、美佳帆の腰を更に強く掴み一気に肉棒を美佳帆の最奥まで突き込んだ。

バチンッ!

「はぁはぁはぁ・・・あぁ・・・おねがい・・・ちょっと待って・・・せめて休憩・・・うそぉぉぉぉぉっ!!!きゃぁぁぁぁっ!!!ひぎぃ!!・・きゃ!きゃああああああ!!!逝く!!逝ってるのにまた逝く!!!・・・・・!!っ・・・!・・・・・・!・・・・・!」

ぐちゅり!と卑猥で粘着質な音を立てながら、突き刺された一撃は容易に美佳帆を高みまで打ち上げる。

橋元は一気に腰を付き込み、同時に美佳帆の腰を掴んだ手を引き寄せ勢いよく腰同士を打ち付けた。

その瞬間、すでに絶頂の頂きに居た美佳帆自身を更に美佳帆の知らない頂きまで突きあげるが如く、再度大きな波に飲まれ、酸欠の魚のように声も出ないほどの快楽の波でもはや発狂寸前の精神状態にまで打ちのめされる。

「ほら!カメラさん!この顔やこの顔!・・・旦那もおるっちゅうのに、他人棒で一回突かれただけやのに、もう何回も逝き狂う、この牝のマヌケな顔。そそりますなぁ。しっかり撮ったってや!」

橋元はカメラマンに振り返りそう言いながらも、奥まで突き刺した肉棒で子宮を甚振るようにゴリゴリと擦りつけ、美佳帆が嬌声を我慢することができないように肉棒で最奥を抉る。

橋元が口走っているセリフの8割以上を美佳帆はもはや理解することはできなくなっていた。

「はぁはぁはぁはぁ・・・・(これは抵抗する気持ちが強いほどその反動が大きいの…?橋元に身を任せた方が楽なのでは・・・?いやっダメよっこんな外道に身を任せるなんて・・・・)・・・くっ・・まっまだ・・・はぅ!あああぐ!・・・ああああ!・・・・!!・・・・!っこ、こんな、う、嘘でしょ!死んじゃう!こんな逝き方・・死んじゃううう!待って・・・・あっあぁぁぁぁぁっ!!」

逝っている最中にもう一度逝くという、初めての経験をした美佳帆、そして美佳帆が知る絶頂の頂きは頂きでは無かったのだと知った美佳帆の拘束された不自由な身体を捩り、この快楽地獄から無意識に逃げようと無駄な努力をして橋元と観客であるAV男優を楽しませてしまっている。

「がーっはっはっは!気持ちよすぎて死んだ人なんておらへんから心配いりまへん!しかし、これが発売されたら、菊一事務所も解散でんなぁ!旦那とは離婚間違いなしや!愉快過ぎて笑いが止まらへん。ぎゃーっはっはっは!ほら!口パクパクさせてどないしたんや?美佳帆さん?終わりちゃうんやで?始まったんや!もっと鳴いて視聴者喜ばしたってや!」

そう言うと橋元は、美佳帆の腰を掴んでいる手に力を籠め、激しく腰を振り打ち込み始めた。

バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!

「きゃ!!きゃぅ!きゃん!・・だ!逝く!!!また!いや!!きゃ!逝く!!もうだめぇぇぇえっっ!!いくぅぅぅっ!!これ以上いくと・・・あぁぁぁぁおかしく・・・あんっ!!!」

美佳帆の目の前は白く靄がかかったように視界が悪くパチパチとスパークしたようになり、気圧の変化で耳もよく聞こえにくくなったが、股間から体内に送り込まれてくる快感が脳天まで突き抜け何度も襲ってくる。

「美佳帆さん~。まだまだ始まったばっかりでんがな。そんなことでは私のザーメンを受け取るなんて無理でっせ?がーっはっはっはっは!」

バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!

「やめ!!!また!あああ!逝く逝く逝っちゃう!!もう!止めてえ!!いくうう!いくのおぉ!止めて!いく!止めてええ!!はっはやく逝ってくださいぃぃ・・・おねがいっ!もうっはやくっはやく逝って~!!!」

心の底から橋元への膣内への射精を懇願してしまうほどまでに、精神を削られてしまった美佳帆になおも橋元の無慈悲で容赦のない橋元の持つ唯一最強の槍が美佳帆の弱点を貫きさらに美佳帆を削り取るために最奥の女芯に衝突を繰り返す。

「ダメやダメや。自分ばっかり逝って気持ちよくなって、我儘な人でんなぁ!」

あまりの快楽地獄に涙を流し怨敵と言うことも忘れ、美佳帆は許しを懇願してしまうのだが、橋元はにやにやと笑いながら腰の動きを止める様子もなく打ち込んでくる。

「逝く!止めて!!!お願い橋元さん!お願いなのおお!キツイ!きつすぎる!きつい!逝く!!止めて!!お願い橋元さんん!!お願いよお!!こんなのっ・・・あぁ・・もっもう良いでしょ・・・・むっむり・・・おかしく・・・きゃぁぁぁぁっ!!はぁぁぁぁっ!!」

「我儘な人でんなぁ!自分ばっかり気持ちよくなりはって。美佳帆さん?何回逝きましたんや?ええ?!」

「わかんない!わかんな!い!・・ああああ!動かないで!もう動かさないでっ!やめて!犯さないで!抜いて!キツイのぉお!逝く・・!また!逝く・・・・ひぃぃぃぃぃひゃぁぁぁぁ!!!!!」

つま先立ちでびくん!びくん!と腰を突き上げ、両手の十指は開き切り、何度目かもわからない激しい絶頂を受け止めきれず美佳帆の身体は壊れたエンジンのようにガクンガクンの規則的にのたうっていた。

ぷしゃあああああ・・・!

逝き果て美佳帆の痙攣が緩やかになってきたところで、暖かい小水が橋元の腹部を濡らし、続いて床を汚していく。

「ありゃりゃ・・。小便まで垂らしてもうて恥ずかしい女でんな美佳帆さん。がははは。・・・私は一回も気持ちようなってないというのに、何度も何度も・・ドスケベ女はしょうがなありまへんなぁ。しゃーない、一旦美佳帆さんが漏らした小便掃除して、仕切り直しや!まだまだ終わりやないで、美佳帆さん?がーっはっはっは!」

汗と涙で汚れた美佳帆の顔に虚ろな瞳は焦点を失いさまよっている。

意識がブラックアウトしていく美佳帆には、橋元の笑い声とセリフが聞こえていたのだが、夢なのか現実なのかよくわからないまま意識が遠のいていった。

一方、宮川コーポレーションサイドでは、

「待たせてしもたな!」

会議室の扉が開き豊島哲司らが息を切らせて帰ってきた。

「美佳帆さんが連れて行かれてそうなところはだいたい分かったで!・・・ただ・・麗華も千尋の【残り香】で追ったんやが美佳帆さんとは別なところに居るみたいなんや」

おそらく全速力で走って帰ってきたのであろう哲司は額に汗をにじませ、その精悍な顔には

「まず美佳帆さんの方やが、【残り香】で追跡した方向をスノウに分析してもろたんや。橋元が隠れてそうな残る場所はおそらくここだけや!」

哲司はそう言いながら速足で、会議室の中央にあるテーブルに地図を広げ、哲司はグローブのような大きな手で、地図上にある一点を指さした。

そこは府東邦の郊外にある少し閑散とした地域で、地図上の建物には赤いマーカーで「スタジオ野口」と書かれていた。

ガタンと椅子を鳴らし、勢いよく立ち上がった宏は地図を記憶し、会議室を後にする。

待っている間に打ち合わせしていたメンバーが、宏に続き立ち上がって後に続く。

菊沢宏、豊島哲司、三出光春、北王子公麿、斎藤雪、伊芸千尋、斎藤アリサそして稲垣加奈子がメンバーである。

「では支社長行ってまいります。・・・真理・・支社長のことお願いね」

色素が抜け更に明るい髪の色になった加奈子が支社長に出立の挨拶をし、真理にも向き直って声を掛ける。

「ええ、加奈子お願い。でも無事で帰ってきて」

イスに深く腰掛けた佐恵子は足を組み尊大な態度ではあるが、その目は連戦で無理をさせている加奈子への心配が宿っていた。

「任せておいて加奈子・・。教授のおかげで見た目よりは回復してますから・・。でも見た目がこんな格好では言っても説得力ないですね・・」

佐恵子と同等の致命傷を負った真理も、椅子に掛けたまま点滴に繋がれた状態で苦笑めいた笑みを浮かべた顔で加奈子に答えた。

加奈子と真理が笑顔で視線を交し合うと、加奈子は踵を返し菊沢宏の背を追い駆けて行った。

橋元がいるのが確実なその場所に女性メンバーを送ることになってしまったが、北王子やスノウ、そしてお嬢の護衛として後方での護衛役として加奈子は随伴する。

スノウこと斎藤雪、お嬢こと伊芸千尋を随伴させるのは現地でイレギュラーが起きた場合、即座にそこから得た情報を分析し追跡可能にするためである。

その護衛に加奈子と、比較的傷が浅く【治療】による回復が早かった斎藤アリサが当たることになっている。

男性陣は、北王子を除いたメンバーで強襲を掛ける作戦である。

更に画伯こと北王子と、スノウこと斎藤雪は、後方支援の役割で随伴するのであるが、二人とも真理ほどではないにしても【治療】が使えるということで、作戦に参加している。

宮川佐恵子と神田川真理は瀕死の重傷であったことから、メンバーから外されている。

一刻も時間が惜しいため、打ち合わせ通りメンバーは一気に出ていき、会議室は閑散とした状態になった。

突入メンバーが会議室を後にする際、最後まで会議室に残っていた豊島哲司は佐恵子と目を合わし一瞬だけ目礼すると踵をかえして会議室から出て行った。

(哲司さま・・・。どうかご無事で・・)

佐恵子は表情に出さずそう願うと、真理に向き直り口を開いた。

「・・・真理・・。やはりわたくしたちも行きましょう」

会議室に残った3人のメンバーのうち点滴の管に繋がれた一人がもう一人の点滴の管に繋がれている女性に提案する。

「どうしてです?」

「どうしてって・・」

宮川佐恵子の提案に、冷淡に答えた神田川真理は声量を上げかけた、佐恵子にわかるようにため息をついて言った。

「佐恵子・・気持ちはわかるけど、今の私たちが行っても役に立てないわ。」

予想通りとは言え、ストレートな意見を言うことが少ない真理の発言に鼻白んだ佐恵子が、呻くように言葉を絞り出した。

「・・・・でも、わたくし達が考えた作戦でこうなったのよ?・・・何もせずにここで休んでるなんてこと・・」

真理の隣に座った老紳士が目を閉じ二人のやり取りを聞きながらも、黙っている。

真理は佐恵子に向き、はっきりとした口調で諭すように続けた。

「作戦が上手く行かなかったのは残念ですが、佐恵子・・休養も仕事です・・。明日は午前中にリーガルホテルで佐川鋼管工事との会談が入っています。・・・夕方には当社に訪問していただける常盤印刷との商談もあります。それらに備えて体調を整えておいてください。私は明日の朝までに資料を用意しておきますので・・」

「・・・真理!あなたって本当に・・・!大したものね!こんなときでも・・」

真理の淡々とした説明口調に、点滴の管に繋がれていることも忘れ、佐恵子は立ち上がり真理に向かい詰め寄ると、真理は落ち着き払って佐恵子を見据えてきた。

「はい・・」

佐恵子の光るアンバーアイを見ながら、真理は静かにそう言っただけで目を伏せた。

その時、佐恵子の目には、真理が今回の作戦の失敗を誰よりも後悔していること、不用意な発言で真理を詰った自分を優しく包むように見守っていること、菊沢美佳帆のことを菊沢宏に負けないぐらい心配していることが伝わり、佐恵子は自身の矮小さに恥じ入り赤面した。

「・・・ごめんなさい。つい・・・私が軽率でしたわ。真理・・・許して頂戴・・。あなたもわたくしを庇って死にかけるほど大変な目にあったというのに・・」

「許すなんて、もちろんです」

顔を上げそう言い笑った真理の表情はいつも通りのキラースマイルであり、佐恵子はそれが無性に悲しく感じた。

「真理・・・。もっと・・わたくしにも我儘いってちょうだい・・・」

佐恵子が赤面し、椅子に再び深く腰を掛けながら真理に向かって言う。

「はい。お部屋も会社から提供していただいてますし、お給料もたくさん頂いてますよ?」

「あなた・・本当のところはお金なんて興味ないでしょう?宮コーが払っているお給料程度、あなたなら個人でそれ以上稼げますわ・・。わたくしは、あなたにいて欲しいと願ってはいますが、今回のような目にまた会うかもしれないのよ・・・?それでも、わたくしの側にいてくれるの?」

佐恵子はいけないと思いつつも、自身のパッシブスキルである【感情感知】を最大精度で展開する。

真理の本当の感情を余すことなく知りたかったのだ。

「・・・・ええ、佐恵子。あなたといると、案外退屈しないのですよ?それに、我儘待った無しの佐恵子の秘書なんて私以外には務まりませんし、佐恵子のように無駄に尊大で、失礼な発言をサラリと言ってしまうと、私が側にいて【未来予知】で周囲を警戒しないと生卵とか飛んできて大変ですよ?」

点滴の管に繋がれたままであるが、顔色はお互いにほとんど戻っている。

真理は、心配そうに眼を細め問いかけてくる佐恵子に精一杯の笑顔で答えた。

「・・ありがとう、真理・・・。加奈子といい・・真理といい・・わたくしには過ぎた者達ですわ」

佐恵子は椅子の背に身体を預け、目を閉じ涙が零れないように天井を見上げながら、真理にかろうじて聞こえる程度の大きさの声で言った。

(でも、生卵って・・わたくしそんなに嫌われてるのかしら・・・?)

些か腑に落ちない点もあるが、真理流のジョークと思うことにしたところで、聞きなれない声がした。

「ふむ・・・さすが宮川昭仁氏の娘さんですな」

佐恵子と真理のやり取りを黙って聞いてた栗田教授が不意に声を出したのだ。

「・・・ええ、申し遅れました。宮川コーポレーション関西支社長の宮川佐恵子ですわ。この度はわたくしや真理、加奈子にご助力いただいたそうで、御礼が遅れたことお詫びいたします」

佐恵子は老紳士の発言を聞くと、のろのろと貧血気味の身体で立ち上がり、深く礼を述べ老紳士に向かって頭を下げる。

「いえいえ、御礼には及びません。弟子の菊沢宏との約束事もありましたからな。それに、こんな素敵なお嬢様方と出会えるとは・・・、長生きはするものです。あ、申し遅れました。私、栗田と申します。医師をしておりましたが、いまは気ままな隠居の身ですな」


「菊沢部長とのお約束ですか?(この方が菊沢宏の師という事ならば・・・そうね彼のあの私すら畏怖させる力・・・納得ですわ)・・・それに先ほどの口調・・父をご存じなのですの・・?もうほとんど公の場には出てきておりませんが・・・?」

佐恵子は老紳士に「失礼」と断ると再び腰を椅子に下ろし、背もたれに身を預ける。

「まあ昔少しばかり・・。・・・なるほど、貴女も彼と同じく魔眼とよばれる眼力瞳術の覚醒者ですな・・。ふむ・・珍しい目の色です・・。今度じっくり診せていただきたいものですな」

佐恵子は、魔眼と呼ばれたことにピクンと反応するが、父のことを知っているのだから当然かと思いなおし、物静かだが膨大なオーラを孕んだ老紳士の正体を探ろうと会話を合わせる。

「・・・・お判りになりますか。魔眼が使えたとて此度の結果です。お恥ずかしい限りですわ・・。このようなことでは父に叱られてしまいます」

「ふむ・・・。そうですな。魔眼が使いこなせたら敵からすればさぞかし脅威でしょうな」

「使いこなせていたら・・・?」

「そうです。使いこなせていたら・・魔眼の使い手が一番に戦線離脱するようなことはなかったと思いますがね」

「・・・ず、ずいぶんな言いようですわね・・。わたくしが未熟だと?」

「ええ・・・まだまだ御父上から比べれば三分咲きの桜といったところでしょうが、あなたのご年齢でしたらそれでも良く『使えている』方ではありませんかな。ホホホッ」

そ言いながら栗田教授は、子どもを見るような表情で優しく微笑み目を閉じた。


【第8章 三つ巴 39話 百聞の美佳帆堕ちる!絶頂エンドレス!終わり】40話へ続く




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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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