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第9章 歪と失脚からの脱出 56話 袁揚仁という男

第9章 歪と失脚からの脱出 56話 袁揚仁という男


「ふぅ・・。オーラが無くともさすが高嶺六刃仙といったところですね。もう少しすんなり昏睡させられるかと思ったんだけどなあ」

白いリノリウムの床に倒れた香織を抱き上げると、袁揚仁は嘆息気味にそう言って、香織をベッドに戻す。

はだけた患者衣から覗く胸を、患者衣の生地を合わせて隠してやり、香織のみだれた長い髪の毛を撫で包帯が巻かれた顔がよく見えるように整えてやる。

「張慈円はこの人や、隣の女の子より千原奈津紀のほうが気に入っているようだけど、ボク的にはこの人ぐらい線のほそい人のほうがそそるかなあ」

袁揚仁の脳波をコントロールする技能で、深い睡眠に落ちている前迫香織には、その声は聞こえおらず、僅かに頤を動かして寝返りをうっただけであった。

いまの香織のオーラ量では、袁揚仁が施した睡眠からは容易には目覚めない。

下着も付けず薄っぺらい患者衣だけの女の身体を弄ぶには絶好の機会ではあるが、袁の性癖はただ単に放出するだけの性行為では満足しないのだ。

「なんのスパイスもなく意識を失っている女性を抱いて欲望を満たすって好みじゃないんだよね・・。やっぱり、女性が恥ずかしい思いをしているのに感じてしまうのを見るのが最高のスパイスになると思うんだ。この人も六刃仙を代表する剣士だけど、今はこの人たちの治療の仕事を受けている最中だしね・・」

寝入った香織の頬を優しく指先の甲で撫ぜながら袁揚仁は呟く。

「いまボクが直接手を出すのは主義に反するけど・・・同僚がされている行為を夢で見てみるかい?疑似体験でも脳は十分オルガズムを感じるのは実験で分かっているからね。君みたいな真面目そうな人でも気持ちよくなっちゃうと声を上げて乱れちゃうんだろ?・・・そのギャップもまたいいスパイスになるんだよね」

袁揚仁は目を細め、香織の寝顔を撫でながら優しく呟くと、香織の顔をそっと掴みオーラを発現させる。

「うん・・。ちょうど再開されそうだね。同僚の千原さんもずいぶん参っているようだけど、体力はまだまだあるようだから前迫さんも満足できると思うよ」

「んん・・?・・ぁ」

目の周囲を袁の手で掴まれている香織は、見えている口を艶めかしく動かして、僅かに声を漏らすと、また深い眠りに落ちたかのように静かになった。

「ふふ、君の声でお隣の女の子がおきないようにこっちの子には深めに催眠をかけておくね」

静かになった香織を横目に、袁揚仁は南川沙織が寝ているベッドまで歩いて行くと、香織と同じように沙織の顔を右手で掴みオーラを発現させてそう言った。

そして沙織の腕に繋がれている点滴を新しいモノに取り換えてやる。

血液や細胞に水分と電解質を補給してやる輸液だ。

「これでこの子も2時間ぐらいで少し回復するかな。2時間は目が覚めなくもしてあげたし万一前迫さんが喘ぎ声を上げてもこの子には気づかれずに済むよ」

点滴袋を取り換え終わった袁揚仁がそう呟いたところで、隣の香織の身体が一瞬強張り動いた。

「ふふ。始まったようだね」

「・・・っ・・!・・・ぅ!」

「突然始まったプレイにずいぶん戸惑ってるね。同僚の千原さんが受けてる行為を君にも疑似体験してもらうよ。一応あの監視カメラで撮影してるから夢で見てる疑似体験に興奮してオナニーなんかしちゃうと映像で残っちゃうよ?ふふふっ、君の賞金額はたしかランキング8位で3億2000万だったかな。君みたいに普段は真面目に振舞っている女性のオナニーなら再生数はすごくなっちゃうから、アップされたら知り合いに厭らしい目で見られちゃうね」

袁は沙織に毛布を掛けてやり、監視カメラが捉える範囲の中心に香織のベッドを移動させると、沙織のベッドは画面外に外れるようキャスターを押して部屋の隅に移動させて香織に視線を戻した。

「あ~あ・・。せっかく忠告してあげてるのに。高嶺製薬の男性能力者にもボクのサイトの会員はたくさんいるんだよ?君は高嶺製薬本社に顔を出すことがあまり無いみたいだけど、男性社員の中じゃ君は君が思っている以上に有名で性的な目でみられてるみたいだからね。自分の知らない間にオナニーを見られてオカズにされちゃうねえ。またダウンロードとレンタルで儲かっちゃうなあ」

袁揚仁が沙織のベッドを移動し終わり、香織の様子を見ると、香織は患者衣の前をはだけ、細身ではあるが豊かな双丘を露わにして、仰向けで腰を引くような恰好でのけ反り、何かに耐えるような表情で口を結び、眉間にしわを寄せていた。

「ちょっとまだ早いけど外傷はもう完治させようか。そうしないと激しい動きでまた傷口が開きそうだもんね。いかに君みたいな高額賞金首でも、さすがに出血しながらオナってる姿じゃ、普段血を流す機会がなくて、血に慣れてない男性顧客たちはドン引きしちゃうからね。それじゃ会員たちはあんまり喜んでくれないし、ボクもそういう趣味はないしね・・」

袁はそう言うと、ベッドの上で一人身もだえだした香織の傷口に手をかざす。

緑色の淡い光が香織の患部を包みこむ。

「けっこう深いねこの傷口。・・・得物はオーラを纏わせた石か何かだろうけど、石でこれだけの威力が出せるなんて術者は相当な使い手ってこと・・・。張慈円の話じゃ白ずくめの女だって言ってたから十中八九、蜘蛛の最上凪だろうなあ。本社の能力者まで出張ってくるなんて、どれだけ張慈円は警戒されてるんだよ・・まったく・・・。あんまり一度に来られるとさすがにボクでも対応しきれないかもしれないってのに・・。それにしても、表も裏もこの国を牛耳ってる宮コーにはどれだけの能力者がいるってのさ。厄介なことこの上ないけど、宮コーは的になってる能力者も多いんだよね。ただ殺すのとは違って痴態を映像でおさえるってのは至難の業だけど、だからこそやりがいがあるんだよね。最近宮コーは能力者ばかりいる探偵事務所を吸収してまた的も増えてるし、まったくデータの収集やら対策で忙しいよ・・」

そう愚痴を言いながらも、袁揚仁は香織の傷を感知させてやり、顔に巻かれていた包帯を取り払ってやる。

「これでよし。オナニーだけって言っても六刃仙前迫香織のデビュー作だからね。顔がわかるようにしてあげたよ。一躍高嶺製薬男性社員のアイドルになっちゃうかな・・。千原さんの公開時期とかぶると売り上げ落ちそうだから、どっちが先になるかわからないけど二人の公開時期はずらすけどね。前迫さんとのちゃんとしたSEXは時間がある時ボクがお相手してあげることにしようかな」

左目を負傷していた香織の包帯を取り払って髪の毛をを手櫛で整えてやりながら袁揚仁はお気に入りの前迫香織の耳元で優しく呟いた。

「じゃあ楽しんでよ。でも疑似体験といってもちゃんと逝けるし、怪我をさせられればちゃんと傷も付く。でも、いくら張慈円のSEXが野蛮だって言っても死ぬことはないさ。オーラはまるっきしないみたいだからほとんど抵抗できないだろうけど。そのほうが君も楽しめるでしょ?」

袁揚仁はそう言うと、監視カメラの他に数台カメラを録画状態にしてから部屋をあとにし、部屋の外側からカギをしめて行ってしまった。

甘いマスクで優男の袁揚仁は、そのルックスとは裏腹に香港三合会の一角を担う裏の世界では有名な能力者である。

そして、率いる組織の規模も同系列同胞である倣華鹿が党首を務める華僑に次いで大きい。

現在29歳の袁揚仁は周囲の後押しや運も相まって27歳という若さで香港三合会頭領となったが、IQがずば抜けて高い袁揚仁にとってはビジネスも簡単で、自己の能力も考え付く限り強化をしてしまっており、何不自由もなく刺激もない毎日が退屈になっていた。

その袁揚仁が暇を持て余し、暇潰しで始めた裏動画サイトがいまやかなり大きな収益をあげるビジネスに成長しつつあったのだ。

ただ単に女性を抱くだけであれば、すでに金も権力も力も持て余している袁揚仁には容易いことなのだが、その袁揚仁をもってしても簡単にモノにすることができない女たちが存在することに気が付いたのだった。

初めてその手の女性に出会ったのは、袁揚仁が三幹部の一人となって初めての会合時に顔合わせをした同じく三合会の一角を担う華僑の倣華鹿であった。

誰でも簡単にベッドに連れ込めていた袁揚仁が、ちょうど女性とのSEXに飽きかけてたときである。

豪奢な刺繍の入った旗袍に身を包み妖艶な笑みを浮かべ、スリットから覗く長い脚を組み、ふくよかな胸に、豊かなヒップを強調する括れた腰、さあどうぞ、と言わんばかりの目つきや仕草姿でありながら、組み敷くのが容易ではないことが伝わってくる。

倣華鹿は確かに通常の男ならどうしても心が動いてしまう容姿と雰囲気を持ち合わせていた。

袁揚仁は倣華鹿とはそのとき初対面であり、事前に容姿端麗だと聞いていたがその予想以上の美貌に息を飲んだものだが、ある程度の容姿を有する女ならこれまでゴマンと見てきてもいた。

通常なら袁揚仁の琴線を激しく揺さぶることは倣華鹿の美貌でも無理な話であったのであるが・・。

それなのに倣華鹿に容姿に心が動いたのは、彼女が纏っているオーラは今まで見てきた女性達とは明らかに別格であったからだ。

戦闘は得意ではないと本人も公言しているが、倣華鹿はオーラの内包量も一般的な能力者とは明らかに違うのが雰囲気だけで伝わってくる。

そして、主人である倣華鹿の身辺を警戒している金髪長身の女性ボディガードもそれ以上のオーラを秘めており、鋭い目つきで隙なく警戒に当たっているのがよく分かった。

正直なところ倣華鹿も、同席していたザビエラという女性ボディガードも美しい部類ではあったが、はっきり言って袁揚仁の好みのタイプの女ではない。

しかし、袁揚仁は久しぶりに性的な意味で興奮したのだ。

(こ、この人たちを犯すのは・・難しい・・!)

そう思わせた感情が、二人の高難易度な女を目の前にして、袁揚仁の眠りかけていた嗜虐心を呼び起こしたのだ。

いままで、袁揚仁の容姿、若さ、能力、財力、権力を持ってすればほとんどの女は難なく身体を開いた。

目の前の同胞であり別組織の頭領と幹部は、当時の袁揚仁からすれば超然と見えた。

搦手であればなんとかモノにできるかもしれないが、今まで抱いてきた女たちとはあまりにも違うことが一目でわかってしまったのだ。

能力者である女、自分と同等かそれ以上の能力を持つ女を墜とすことができればどれほど満足できるだろうと解ってしまったのだ。

袁揚仁はその初顔合わせの会合での話し合いをさっさと終わらせると、さっそく行動を起こした。

世界的に有名な女性能力者は多数いる。

しかも、何故か能力者は男性よりも女性の方が多い。

脳科学的には女性の脳の方がより男性より進化しているためというのが有力な説だが、正確には女性の方に能力者が多い理由はいまだはっきりしていない。

ともかく、地位も権力もあり、能力者として一流と呼ばれる女性達を、インターネットを通じて的に掛けることにしたのだ。

強くプライドも高い女たちを地べたに落として凌辱するのが自分自身にとって最高のスパイスになると袁揚仁はわかってしまったのだ。

裏動画サイトを始めた当初は、まず袁揚仁の太い顧客である金持ちや権力者、袁が認めた親しい男性能力者たちだけを会員にして運営を始めた。

しかし、最初20人ほどの会員から始まったサイドビジネスは今や会員数2万人を超えている。

一定以上の資産を有する者か、国家の権力者、それ以外は一定以上のオーラ量を持つ能力者であり、入会希望者の資産の10%もしくは、年収3年分という高額の入会金を支払えるというのが会員になる最低条件である。


それでも、いまや会員は2万人を超えており、なお入会許可を希望する者が多数待っているのだ。

実際にはもっと多いのだが、入会金一人頭少なく見積もり1千万円と仮定しても2万人の会員数を誇る袁揚仁のサイドビジネスは入会金売上だけでも2千億円を超えていることになる。

お金にそれほど興味がなくなっている袁揚仁だが、お金が多ければ的に高額な賞金が掛けられる。

的とされた女性達は、盗撮などで普段の私生活をサイト内で紹介されており、地位や権力、容姿や経歴、性格や能力による危険度、それに加えてサイト内での人気投票で厳正に賞金額が付けられているのだ。

的にされている女性たちは墜とされることをケダモノたちに望まれていることを知らずに生活を送っていることになる。

「さてと・・、まさかとは思ったけど、完全にどう考えても棚ぼたっぽいけど、あの清水さん達に紅蓮が墜とせるとは思わなかったなあ。でもボクの予想をいい方向で裏切ってくれるなんて、清水さんには今後も期待できるかもしれない。宮コー十指最強で組織内外にも有名なビジネスパーソンである緋村紅音の賞金額は当時賞金首ランキング3位で5億5000。なかなか大きな出費だったけど、もう彼女の動画だけでもとを取ってるからね・・。このサイト始まって以来の億超えがまさかの5億以上の賞金首の紅蓮だったって言うのは大いに盛り上がったなあ。大儲けできたけど・・、ボク的には全然好みじゃない紅蓮みたいな高慢生意気ロリはやっぱり人気があるみたいだね。続編の要望も多くていまだにランキング6位で賞金額は4億もある。でも清水さん達がどうやったのか知らないけど、会うのですら困難、気分屋で近づくことも危ないって言われる紅蓮をあんなに長時間犯すなんてね・・絶対に清水さん独力でできたとは思えないんだよね。ボクも条件十分の紅蓮と戦うのは遠慮したいって思うぐらいの相手だっていうのに・・・あの人たちの能力じゃ紅蓮を抑えるなんて到底不可能なはずなんだけど・・・。どんな手品を使ったのかは調べておく必要があるなあ」

自分の仕事部屋に戻るため廊下を歩いている袁揚仁は、珍しく嬉しそうな顔で独り言を呟いていたが、顎に手を当て神妙な顔つきで考え込む。

能力も微妙で、少なすぎるオーラしかもたない三流探偵の清水達があの世界的に有名な紅蓮を犯し痴態映像を撮れたこと事態が奇跡なのだ。

あの紅蓮を無力化させた手品を明らかにさせない限り、袁揚仁も枕を高くできない。

手駒として使っている清水のようなチンピラに足元をすくわれるなど面白く無さすぎて笑えない。

自分の能力が無力化される危険すらあるからだ。

「もう一度打ち合わせという名目で会っておくかなあ。紅蓮の能力が発動しなくなってたのは紅蓮が直前に戦ってた相手の能力だと思うんだけど、その線じゃ候補がまだまだ多すぎけど、高額賞金首でもある霧崎って捜査官の可能性が高そうかなあ。その線をちょっと探り入れて聞き出しておこうか。今は紅蓮の賞金を手に入れて浮かれてるって聞くし、前みたいな警戒心バリバリの状況じゃなくあっさり教えてくれるかもしれないしね」

そう言い袁揚仁は自室の扉を開き、モニタが複数並んだデスクの前の椅子に深々と腰を掛ける。

部屋には袁揚仁以外ほかに誰も居ないため遠慮なく独り言を呟く。

一人で何でも出来てしまう袁揚仁に、決まった側近の能力者はいないのだ。

部下相手に偉ぶる趣味もないし、人の上に立ち羨望を浴びることも求めていない。

金儲けも簡単で飽きているし、普通の女を抱いて得られる満足も少ない。

薬物を使って強制的にハイになるより、脳領域を15%以上使っている袁揚仁は薬物に頼ることなどなくても一人でハイになることができた。

いまの袁揚仁を行動させている唯一の原動力は、脳領域を10%以上使いこなせている女たちを墜とすこと、いわゆる能力者の女たちの痴態を収めていくことが唯一の楽しみとなっているのだ。

「・・それにしても紅蓮は好みじゃないにしても、まさか自分が犯されるなんて思ってない高慢な女の人の泣き顔は普通の女の人の顔よりはやっぱりそそるね。ボクの同胞の倣華鹿さんもまさかボクに懸賞金をかけられてるとは思わないだろうなあ。倣華鹿さんがボクに裏切られたと知って、痴態をネットにバラまかれた時の顔とか想像すると、彼女の普段の余裕の笑みさえ滑稽に思えてきちゃうんだよね。ある程度知ってる女性の痴態って興奮度合いも3割増しぐらいになるよね。取り返しのつかないことをされて狼狽える顔、でもネットで貼られたらもう消せない。倣華鹿さんも年の割に5位で4億8千万て額がついるんだよね。華僑の美人総帥の痴態はかなりの需要があるってこと。倣さん、逃げ切らないと立場的にヤバいよね。知り合いの破滅なんて想像するだけでゾクゾクするなあ。・・・・でもボク自身の本命は・・高嶺製薬社長で、高嶺十七代目当主の空間を操る能力者高嶺弥佳子、それとどんな病でも治すと言われる神医菊沢美里の二人かな・・。ボクの好みは、そんな目に合うはずもないと思っている、超が付く能力者の女が堕ちるところなのさ。清水さん達はもちろん、張慈円ですら賞金欲しさにボクのビジネスに協力してくれているからね。彼女たちも四六時中探偵に張り込まれたうえ張慈円のような絶倫変態達人からずっと逃げ切るのは無理さ。サイトを見てるだけの会員たちも自分たちじゃ無理だけど、あの能力者の女性達の恥辱に濡れたた姿を望んでいるっていうのは、サイトからの収益でよく分かったことだしね。もうすでに戦闘能力の無い女性能力者たちはほとんどもうサイトにアップしちゃってるからなあ。あとはやっぱり宮コーとか、能力を戦いに使うように強化している女性たちだね。その女性達は賞金額も億超えが多いから、一気に難易度が跳ね上がる。でも、戦闘力を持たない女性能力者たちも的に掛けられて、覆面した同僚や知り合いに襲われて撮られた痴態を売られることになるなんて、さぞ屈辱だっただろうね。・・・まあ、その女性達の感情がスパイスになってより男たちを喜ばせるんだけどさ」

袁揚仁が運営するサイトに通常女性会員はいない。

しかし、的にされサイトにアップされた女性の元には、自身の痴態が写ったDVDとともに、専用のサイトIDとパスワードが届けられる。

警察や女性擁護団体に通報すれば再度刺客が訪れ再度犯され映像化されるのが確実になるという脅し文句と共に、ダイレクトメールが届くのだ。

彼女たちがサイトにアクセスしているのは、サイト運営者である袁揚仁に筒抜けであり、犯されてサイトに掲載されている女性が自分の痴態や、別の女性の痴態は無料で覗けるようになっている。

サイトに掲載された女性の中には何度も覗きに来る女性達がいることに袁揚仁自身も驚いていた。

「まあ、自分の痴態の再生数が日々どんどん増えてることとかに後悔もするけど、興奮もするんだろうなあ。もう周囲の人間には知られて人生詰みだけど十分興奮できているみたいで良かったよ。WINWINってやつだね」

袁揚仁なりに満足しているが、サイトに痴態をアップされた女性たちの末路は昏い。

なぜなら痴態を撮られ、一度サイトにアップされた女性達は通常一気に賞金額が下がるのだが0になることはない。

そのせいで能力は開花しているが、戦闘力を持たない女性たちにとっては悲惨としか言えないことが世界中で起きている。

袁のサイトで的にされている限り、サイトを知る者からは何度も狙われることになっていた。

すでに何度も痴態動画を撮られてしまい10万円を下回る賞金首になっている女性も、固執した変質者から執拗に狙われる場合もある。

サイトの会員男性から情報を聞いた女性が、的にされている女性を常々煙たがっていた場合など、今までの腹いせで男を雇って的の女性を何度も襲わせて痴態を撮らせサイトに売っている場合もあるのだ。

なかには20作品以上痴態が掲載されている女性もいる。

戦闘力が乏しいにしても、能力で他の者を圧倒し、優位に人生を送っていた女たちは袁揚仁が暇潰しで作ったサイドビジネスのサイトで人生を破壊されてしまったのだ。

しかし、そんなことですら袁揚仁にとっては暇潰しの材料であり、楽しみの一つであった。

「さてと、しばらく前迫さんたちの様子でもモニタしてみようかな」

足を組み深々と座った袁揚仁は、白ワインを片手にそう言って目の前にあるモニタに写る前迫香織と千原奈津紀を眺め出したのであった。

【第9章 歪と失脚からの脱出 56話 袁揚仁という男終わり】57話へ続く
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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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