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第5章 悲報 第31話 未知数の怖さ 菊沢美佳帆

私は部屋に飛び込み

橋元達が余興くらいの

つもりでしていた

小田切響子さんの下着の

色を当てるゲームに私も参加すると

飛び込んだは良いが

黒人の男性おそらくは

この男がマイクであろう。

とアジア系のマフィア2人組が

いきなり私と深町さんに銃口を

突き付けた。

(まさか・・・

いや銃を何丁か所持している

という情報は持っていた。

しかしこの場で使う気は

無いだろうが今までは小田切先生や

響子さん相手だから出していなかった

だけか・・・

これでは思い通り会話を進めれない・・・

迂闊だった・・・)

「うっひょ~

誰ですか?

この

ムチムチな太ももした

美人は?」

(水島っ!

やはり居たわね・・・

あなたとは2人で話して

聞きたい事が沢山あるわ・・・)

私は背中から深町さんには

こめかみに銃口が向けられている。

「ふっ・・・

深町さんっ!」

「深町君!!」

鎖で吊るされている小田切先生と

私達の少し前で立っている

響子さんが振り返りほぼ

2人同時に声を上げた。

「先生~!!

響子さんっ!!

申し訳ありませんっ!

先生っ!

私がついていながらっ

うぐっ・・・」

ドグッ!

深町さんに銃口を向けていた

アジア系のマフィア風の

男が銃の銃身で深町さんの

頭を殴る。

「オマエ

イキナリ

キテ

ナンナノネ

ウルサイ。

スコシハダマレ」

「なるほどなるほど・・・

その方が私と電話で話した

あの名番頭の深町先生ですか~

しかし私が興味があるのは

そちらのTシャツにホットパンツ姿の

美女なんですがな~?

う~ん・・・

会った事はないが知っている気が

するのは気のせいですかな?

しかし今のこの賭けに参加したいとは・・

外で聞いていましたかな?

お姉さん?」

橋元・・・

この男が橋元・・・

主人の宏と

うちの副所長の

和尚こと豊島は彼と一度

会っていた。

宏は対峙するだけで

我々のような能力者には

奴の凄まじいプレッシャー

を感じると言っていたが・・・

豊島もあんなヤバイおっさんから

仕事受けるのはゴメンや

と言っていた意味が解った。

宏や豊島も彼の力の程は伺えたが

能力までは解らなかったと言っていた。

私は橋元の視線に当てられた

だけで脳の先から足のつま先にまで

電流が走る感覚にさらされていた。

「社長この美女

御存知で?」

水島が橋元に聞いたと

同時に私の背中に突き付けられて

いる銃口に力が入り肩をマイクに

摑まれたままその手にも力が入る。

(くっ・・・

このバカ力・・・

哲司の巣の状態に近い握力?

こんな男相手にできないわね・・・

もしやるなら

一刀の元に動脈を狙うしか・・・

私は何を考えてるの・・・

挌闘には持ち込まないって

来る前にあれだけ自分に言い聞かせて

いたじゃない・・・

橋元のプレッシャーに

推されて冷静さを欠くようじゃ

ダメよ・・・)

正直振り払い扇子でマイクの

のど元を斬り奴に飛びかかれば

どうだろう?

張・・・

あの男・・・

深町さんには興味を示さず

私の動きにばかり注意を

払っている・・・

(そうよ。

マイクを何とかできても

あの張が居るし・・・

そもそもこの男たち

銃まで所持している。

全くこの町の警察は

何をしているのよっ!

大塚君のばかっ!)

「深町さんっ・・・

ごめんなさいっ!

ごめんなさいっ!

わたくし深町さんに

言われた通り車で

待っていられなかったのです。」

響子さんが深町さんに近づこうと

すると目の前に居た水島が

響子さんの肩を掴み。

「おっと・・

賭けの途中に

勝手に動かれては

困りますな~」

と肩から首に手を回し

左手で響子さんの左手首を

掴み動けなくする。

「うっ・・」

響子さんは力弱く水島に

拘束され動けない。

「貴様!

響子さんに触れるな!」

小田切先生・・・

何というお姿に・・・

小田切先生が大声で

水島を制するように叫ぶ。

小田切先生はその後やっと

私に気づき思い出してくれた

ようで深町さんが響子さんと

一緒に居なかったのが理解

できたのか

「君が来てくれるとは・・・

深町君が響子さんと

離れていたのは

その為だったのか・・・」

「先生ご無沙汰しております。

勢いよく乗り込んできたは

良かったですが・・・

早速この様でして・・

面目在りません。」

私は小田切先生にこの

危機から救い出せる

可能性がある事を

示す為に笑顔で

落ち着きそう応えたが

今の先生に伝わったかどうか・・・

「がははははっ

なるほどなるほどっ!

全て解りましたぞ~!

あんたはあの生意気な

グラサン男の嫁か!?

がはははっこりゃ良いっ!!

あの小僧私の仕事を

怨みのない悪事に手を貸せない

と断った上に相棒の男は

悪人に加担する気はないとも

ぬかしおったからのう・・

しかし今はあんたの

旦那もあの相棒の

男もどういうわけか

居ないみたいですな~

居れば深町番頭、アンタがこの

探偵事務所に依頼したのでしょうが

我々が相手となれば

あの男どもが来るはず

ですからな~」

橋元・・・

この男この短時間でそこまで

理解したとは・・・

この男の能力・・・?

「そうですよ~

菊沢美佳帆さん。

私はね・・・

【わかる】のですわ~

色々ねっ

がはははっ

なんならアンタのスリーサイズや

好きな体位にSEXの経験人数も

当ててみましょうか?

それとも体重が良いかな?

うんうん・・48、8㎏

ビンゴでしょう?」

「なっ・・・

何をバカな事を・・・」

この男昨夜風呂上りに

私が乗った体重計が

まさしく表示していた

デジタルの数字をそのまま・・・

何という能力・・・

これはマズイなんてものでは

無い・・・

「いやいや。。。

どうです?

菊一探偵事務所の・・・

そうですか?

あなた所長代理でしたか?

しかし面白い人だ・・・

この

ゲームに参加したい

みたいですね~

響子先生のゲームは

一応ね・・・

さっきのマイクの黒と予想した

ので終わりなのですがね~

アンタが引き続きゲームに参加

してくれるのなら

響子先生の

答え合わせは後回しに

しましょうか?

うん?

いかがかな?」

くっ・・

この男何を考えているの?

しかし・・・

今の発言からしてこの男の

力は読心術・・・

良い力持ってるのね・・・・

こんなものどう対処すれば・・・

「良いでしょ~?

菊沢さん

あなたもこっち側なら

私の秘書にでもなって

この町に君臨しませんか?

秘書になってくれれば

あなたの好きな体位で

ガンガン満足させますよ~

今満足していますかな?

収入にもSEXにも?」

・・・・・・・・

私はこのおそらく読心術と

同じような能力に抗う術を

宏から習っていない。

というか出来なかった。

人にはそれぞれ向き不向きがあり

左脳が極端に発達した状態から

訓練を始めた私は目覚めた能力は

百聞とある程度の肉体強化のみであった。

「うん・・・

なるほど・・・

だんまりですか・・・

あんた時間を引き延ばせば

何とかなると思ってや

いませんか?

それには何か理由が・・・

ほほう・・・

まあそうでなければ

この中の状況をある程度

理解しているのに

乗り込んでは来ませんわな~」

「ちょっと待って

橋元さん。

あなたのゲームとやらの

話を聞かせてくれないかしら?」

私はこれ以上心を読まれて

策が見破られるのを恐れ

話をそらせここは橋元に

何を要求されてもそれ以上の

情報。

つまり別件で水島を追っている事や

大塚君や宏がもう20分もすれば

ここに着くことなどがばれてしまえば

全ては水泡と化してしまうので

それだけは避けるために彼の

ゲームに乗ろうと思ったが

橋元は突然胸の内ポケットから

扇子を取り出し仰ぎながら

「水島さん~

マイク~

張~

ちょっとここで待っておいて~

まだ響子先生には

な~んにもしたら

アカンで~

それとその先生

そろそろ下ろしたり

そこの深町番頭さんは

暴れさせんように

ええに見張っとき・・・

誰1人逃がしたらアカンで・・・」

さっきまでの飄々とした態度から

急に凄みを効かせた

口調に変わり橋元が

響子さんに見向きもせずに

響子さんの横を素通りすると

私の前に来る。

私は橋元から来る宏に言わせれば

念圧というプレッシャーに

押されこの距離で立たれているだけで

子宮口まで犯されている気分になる。

「私ちょっと

この菊沢美佳帆さんと

2人っきりで話があってな~

お前らはちょっと

ここで待っといて~」

なっ・・・・

何なの・・・

この威圧感・・・

こんな圧に負けるものですか。

しかしこれはこれで・・

やり過ごせば・・

私が彼の思惑に乗り

耐えきれば

響子さんは無事で済むし

小田切先生も深町さんにも危害

は加わらない・・・

ただ話と言うのは?

「社長・・・

それは良いですが・・

賭けは?」

「水島さん~

それもまた続きはあ・・と・・で

マイク、張、ええな。」

「ハイ」

「OKデース」

「私はね~

あの小田切響子先生に非常に

興味があったのですがね~

今それ以上に興味が

ある人が目の前に

現れましたんでな~

菊沢美佳帆さん・・

ちょっとこっちへ来て

くれませんか~?」

どうする・・・

あと18分くらいか・・

向こうの事務所は

何あれ?

拷問部屋なの?

まるでSMホテルね。

私は橋元の差した部屋が

既に開かれていたドアの隙間

から見るととても話し合いを

する部屋には見えなかったが。

「菊沢さん・・・」

深町さんが心配そうに銃口を

頭に向けられたまま私を気遣う

ような視線を送る。

私は強く深町さんを見返して

内心

ここに来る前に話した事を

思い出して下さい。

私に何があっても優先すべきは

響子さんと小田切先生という思いを

視線に乗せて深町さんを見据えた。

伝わったどうかは解らないが

深町さんは申し訳なさそうな

視線を送って来た。

私は無言で笑顔で深町さんに頷き

「橋元さん。

私があなたに着いて行けば

小田切先生と響子さんを

解放してくれますか?」

「菊沢さん~

それもあっちで

話しましょうや~

アンタもその方が

宜しいんちゃいまっか?

悪いようにはしませんって

なっ」

なるほど・・・・

もしかしてこの男・・・

私が水島を追っている事や

大塚君に宏がここに

向かっている事も

見破った。

さすがに橋元にこの

メンバーそれに銃があったとしても

ここで私達を盾にしたところで

宏が来ればすぐに

他のうちのメンバーや

大塚君がまだ大塚君の命令を聞く

部下も呼べる。

そうなればさすがの橋元も

いつかは誰かに拘束されるか

下手すれば命を

落とす可能性もある。

そこまでするほど申し訳ないが

小田切先生にも響子さんにも価値はない。

今している事

事態ただの橋元の余興程度

なのだから・・・

だとしたら私を呼んで

何を話すと言うの?

取引?

取引である事は間違いないの

でしょうが・・・

私はそんな事を考えながら橋元が

小田切先生を拘束していた

事務所のような空きテナントの

部屋の隣の部屋に入ると後から入って来た

橋元がドアを閉め鍵もかけた。

「アンタは

恐ろしい人ですな~

菊沢美佳帆さん。

しかしまだ少し時間はありますぞ・・・

がはははっ」

「そこまで

解っているの?

どっちが恐ろしい人よ・・・

私をこの部屋に

連れて来て2人になるのが

怖くなかったの?」

彼は私の力を推し量ったうえで

2人になるという事は

ここで私が彼を拘束する為に

襲い掛かったとしても私を

御せる力が彼にはあるという

事の現れなのか?

それとも私がそう読むことを

前提でそのように推測すれば

私から手出しはしないであろうという

彼の考えなのか?

私はわざと彼に背中を見せ

進む歩を止めずに趣味の悪い

室内の中央のベッドに向かって

歩いて行った。

《第5章 悲報 第31話 未知数の怖さ 菊沢美佳帆 終わり》

第5章 悲報 第32話 情報 菊沢美佳帆

私は橋元所有のテナントビルの

4階の小田切先生が拘束されていた

隣の部屋の中央辺りにおかれていた

ベッドに座る。

橋元は意外にも何もしてくる気は

ないみたいで趣味の悪い

子供の遊具のような木馬に

跨っていた。

この男何を考えているのか

本当に解らないわね・・・

私はこの部屋に時計が無いか

見渡してみたがこの部屋に

時計は無かったようだ。

「菊沢美佳帆さん?

あのギロチンがそんなに

気になりますかな?

それともあのクロスの十字架

が宜しかな?

あぁ・・・

アンタはクロスより

ギロチンが好きみたいですな~

好きな体位はバックみたいですし

がはははっ

いやいや冗談はさておき

この部屋に時計は無いですぞ・・

ご主人にあの大塚府警本部長の

息子の刑事ももうすぐここに

来るようですがな・・・

それまでに話をしておきたくてね。」

私はこの部屋に入ってから

先程より橋元から感じる

プレッシャーが強くなり

全身を電流に当てられている感覚を

ジンジン感じていたが自分の性癖まで

見破られそれを突き付けられるように

言われ触れられてもいないのに

橋元の存在自体に子宮口まで

犯され快楽を与えられている

ような気持ちになっていた。

(この男ダメだ・・・

一緒に居るだけで

どうにかなりそうだ・・・

普通の女性ならそんな

事もないのだろうが・・

私の様に同様の力が

ある人間には彼自身の

刺激が強すぎる)

「本当に怖い人ね・・

それで私をこの部屋に

連れて来て彼等と

離した目的は?」

私は振り返りもせずに

強がった口調でそう応えた。

「まあまあ

時間は無いと言っても

あと15分くらいはあるでしょう。

先程も言いましたが私は

あんたに凄く興味が

あるのですよ~

正直妻にしたい

気分ですな~」

この期に及んでこの男

バカなの?

それより時間まで正確に・・・

無心になると読まれないとも限らないか?

しかし何も考えれないからこちらも

何もできないしそれ以上にこの男

今考えている事だけで

無く過去の事や私の奥底に眠って

いる事まで解るみたいだし・・

私をここに居させて私の事を

次々見破り辱める事が目的なの?

「がはははっ

まあそうツンツンしないでっ

菊沢美佳帆さんっ

さっきの好きな体位を

言われた時あんた

かなり感じてたでしょ?

私の言葉は特別ですからな~

なんなら手を触れずに絶頂にも

導けますぞっ

アンタのような経験豊富な

女性ならなおさらね~

今もうその赤のパンツは

ビショビショでしょうが

がはははっ」

やはりそうね。

まあ・・・

好きにすれば良いわ・・・

下着の色なんて

楽々お見通しみたいね。

全く良い趣味しているわ・・・

しかし

それだけの為に

時間を無駄にしている

とは思えないが・・・

「がはははっ

美佳帆さんへのご褒美は

後にして

そろそろ本題に

入りましょうか?

時間はまだ15分弱くらいは

ありますしな。

しかし2人は時間通りに

来ますかな~

まあ良いですか?

アンタの本当の狙いは私では

無いでしょう?

水島さんですな。

それと張。」

ご褒美てなんなのよ・・・

本当に嫌な男だわ・・・

扇子で切り刻んでやりたくなるわね・・

でも宏や大塚君が来る時間までは

正確に解るはずはないと思う・・・

この男の力は読心術・・・

それも本人すら気づいていない

心の奥底に眠る部分まで

手に取るように解り橋元の言葉で

見破られた真実を突き付けられると

相手の感情や欲望まである程度

コントロールする催眠術のような

力も加えられている。

ここまでは正しいはず・・・・

水島が狙いと言うのは

ばれていたとは

考えていたけどそれを私に

言ってどうする気?

「そこまで解っているなら

話が早いわね。

あなたまともに交渉する気

無いから私の思っている事を

先に言うわ。

乗るか乗らないかは解らないけど・・・

水島と張を今からここに来る大塚刑事に

引き渡しなさい。

それと小田切先生を始め

響子さんに深町さんも無傷で開放する事。

あなたも私達と最後までやり合えば

かなりの被害が出るはずよ。

宏や大塚君の後にも私達の

仲間は次々来るはずよ。

彼等が手配しているはずだから・・・・

それを望まないからあなたも

私をここに呼び話し合おうと

思ったんじゃないの?」

私は橋元のプレッシャーを

跳ね除け振りむきながら

足を組み挑発的な態度を

わざと作り木馬の上で

揺れながらふざけている橋元を

直視した。

いや

やっと直視する勇気が出て

直視できた。

「ええ。

ええ。

かまいませんよ~

私もアンタ達・・・

特にあのアンタの旦那の

グラサン男と事を構える気は

無いですからな~

しかし譲れるのは水島さんに

小田切先生の事務所の3人。

アンタは張も欲しいみたい

ですがそれはできませんな~

しかしアンタの依頼人の

ターゲットは水島さんだけでしょうが?

張は違いますでしょ?

1つまだ解っていない事実を

教えてさしあげても良いですが

その場合はアンタにも

私の条件を飲んでもらいたいの

ですがかまいませんかな?」

1つまだ私が解っていない事実・・・

しかしこの男今まで一緒に

悪事を働いていた水島を

こうも簡単に切り捨てると言うの?

それに張はやはり能力者?

だから水島以上の価値があるという事?

しかしその事実を聞く条件とは

何なの?

「小田切先生の事務所の

3人も無事に解放するのね?

張を引き渡せない理由は?

それと私の知らない事実を聞く条件て

何なの?」

私は橋元のプレッシャーに

押しつぶされないようにさらに

挑発的な態度を取り

足を組み替えると橋元を睨み付けた。

「本当に怖い人ですな~

アンタは~

がはははっ!

小田切響子さんは勿体ないが

今はアンタがここに居るから

私にはアンタの方が実に興味が

あってね~

小田切響子さんもね私達と同類ですよ。」

えっ?

気づかなかった・・・

そうなの!?

「えっ・・・

それは本当?」

「本当ですとも・・・」

橋元が少し悔しそうな

表情を浮かべながらここに来てから

終始飄々として余裕に感じた

彼のこのような表情は初めて見た。

「しかも私のリーディング・・・

アンタが読心術と心で思っている

力も1度跳ね除けられましたからな~

しかしまあ今日は色々彼女の事は

見せてもらい楽しませて頂けましたがな

がはははっ」

響子さんにそんな力が・・・

今日は小田切先生を

拘束されている姿を見たからか

何かで意識を集中できなかったのね。

「まあ、そんな響子さんですが

お返しいたしまずわ~

大塚の息子にアンタの旦那を

相手にしてまで私も意地を張るほど

執着はしていないという事ですわ

そして張の事ですがな~

それは言えませんな~今は

価値があるからとだけ

言っておきましょうか?

まあアンタの最後の質問の条件ですな

それを飲んでくれたら教えてやっても

良いですがな。

張の事だけやなくもう1つアンタが調べ

落としている事も教えますがな~

その条件でしたな。

最後の質問は?

アンタともう少し話がしたいんですわ~

ですから今から

私この先のドアから逃げますから

アンタ追いかけて来ませんか?

頃合い見て張と張の

部下も逃げるように指示は

出しますからマイクも勿論逃がしますが

水島さんは差し出しますわ。

大塚刑事とあんたの旦那にね。

せやさかいアンタは

逃げた私達を追った事に

して旦那にLINEか

何かで知らせたら

よろしいやろう?

それで此処で待ってますさかい

ここに来てくれたら

アンタの知りたい事は

全部教えますわ~

まあ2時間くらいで

解放はしますさかい

情報たんまり持って

旦那さんと合流できますわ~

小田切事務所の3人も無事に済むし

情報も入る。

親友の大塚刑事も

水島逮捕できますやろ?

まあ情報の1つはね。

アンタの捜索している

平安住宅の大原君の

事ですわ~

ほらっもう私らは時間無いですから

張とマイクに脱出指示出しましたさかい

私もここから出ますがアンタも

情報欲しかったらここに

ついておいで。

私1人で待ってるさかい」

時間が迫ってきたので橋元もやや

早口でそれだけ言い私にメモを渡すと

彼のスマホでおそらくは張に何か指示を

出したのかそれだけすると私の返答は

待たずに先ほど私達が乗り込んだ

部屋とは反対側のドアから出て行った。

部屋に取り残された私は手に渡された

メモを持ち橋元のプレッシャーから

解放された安堵と彼が口にした

大原君の情報の事について考えていた。

大原君に関しては岩堀香澄と言う女性からの

依頼で彼の行方を捜していた。

北王子君の絵画の力では彼の居場所は

見つからなかった。

その為に大原君が失踪する直前に

会っていた今

先程まで私の目の前に居た

橋元と水島を中心に

調べている最中であった。

それが本人の口から情報をくれると

言うのだ。

勿論罠かも知れないが彼が私を

罠にかけて得るものは私の力を含め

悪事に加担させる事くらいで

それを私が首を盾に振らないと言う事は

彼は百も承知だろう。

しかし水島をあっさりと

切り捨て売る当たり

この件に関しては水島の

単独か橋元が関与

していても水島に罪を

被せる気かいずれにしても

大原君の消息には期待が持てない。

岩堀さんには最悪の報告をしなければ

ならない可能性が大きい。

しかしその情報を本当にもらえるなら

橋元の待つところへ行くしかない。

私は主人の宏にLINEをした。

【橋元が単独で逃げたので追う。

無茶はしないけど出来る限りの

事はしたいのでテナントについたら

小田切先生も響子さんも深町さんも

無事なので保護してあげてね。

水島や残りの取り巻きが

居るかも知れないから容赦なく

捕獲してください。

後は任せたからお願いね。

橋元追跡終了次第連絡します。】

と送信した。

そして橋元に渡されたメモを見ると

【ドットクラブ。

VIPルーム10階キングの間】

と書いてあった。

メモを見て時間がもうないので私も

橋元の出たドアから出るとLINEに

返信が来た。

【了解。

美佳帆さん無事で良かった。

あの男かなりやばいから

くれぐれも無理しないでな~】

と届く。

私はスマホをデニムのポケットに

直すと階段を駆け下りた。

《第5章 悲報 第32話 情報 菊沢美佳帆 終わり》


第5章 悲報 第33話 水島失脚 大塚博之

私が大学の同級生

相沢美佳帆、今は菊沢美佳帆と

姓が変わってしまってはいるが

彼女から連絡を受けてから

約30分後に

目的地のテナントビル付近へ

車を停めると見覚えのある

黒のスラックスに黒の胸元の

開いたポロシャツに腕には

銀色のブレスを身に着け

サングラスをした男がテナントビル

の裏口へ回り込もうとしていうのが

目に入った。

私はすぐさま彼と合流する為に

車を降り彼の近くまで行って

声を掛けようと背後に近づくと

彼は振り向きざまに私ののど元に

二本指を突きさしそれは喉仏

直前で止まった。

「あっ・・

大塚の旦那・・・

すみません・・つい・・」

「おいおい

勘弁してくれよ~

宏君~

君の指刀なんて

喰らったら一発であの世

行きじゃないか~」

私は笑いながらこの黒ずくめの

男、私に助っ人の要請をかけて

きた菊沢美佳帆の旦那で私達

府警の一部の人間からは情報や

時には手柄まで譲ってくれる

菊一探偵事務所の代表

菊沢宏である。

彼は古流武術に日本拳法の達人で

それは道場でより実践でより活きる

よう訓練をしていて元々彼の父親が

海外で医師をしていたときに身につけた

殺人傭兵術も父から仕込まれていて

武術に傭兵術を合わせた彼オリジナルの

体術ともいえる戦闘術を身につけていて

我々警察官でも彼の腕には脱帽で個人的な任務で

腕利きが必要な時は彼に依頼をすることがある。

そう、個人的な任務になって

しまう事が多いのは現府警本部長が

今から乗り込むテナントビルのオーナーでも

ありこの町の裏の顔とまで言われるように

なった橋元と言う男に何の弱みを握られて

いるのかは解らないが

とにかく橋元の言いなりで

橋元絡み、もしくは橋元の息のかかった

子飼いの人間絡みの

事件を追っていると

捜査を内側から妨害されたり

酷い時は捜査が打ち切られたりする。

それでも私や私の部下の荒木に神谷などは

警察である前に人であると思っている

ので正しいと思う事をしている。

それが府警本部長であり情けないが

私の父でもある大塚弘道には気に入らない

らしく最近では親子の縁も切られているのと

ほぼ変わらない状態である。

私以外にも骨のある人間らしい警察官も

いて最近府警に異動になってきた斉藤や

東大卒のエリート杉に粉川などはなかなか

見どころがある。

皆柔道の達人でもあるし杉に至っては

頭も相当キレるので私としても有り難い。

そんな府警の中では今はどうにも立場を

悪くしている私にもこの菊沢宏を始め

人として正しい事ができる味方が今はまだ

少ないが居る。

本当に有り難く貴重な者たちである。

「いや・・・

大塚の旦那っ

マジですんません。

カスの橋元の取り巻きかと

思いまして・・

ハハッ」

菊沢宏が手を頭の後ろに

当て苦笑いでそういう。

しかし彼ほどの達人が

間違いで関係の無い

人間の首をその指刀で

射抜くなんて事は考えられない

ので私も驚き冷汗は出たが

笑っていられる。

「おいおい~

宏君~この俺を

あんなクズどもと

間違わんでくれよ~」

「確かにっ

ホンマそうですわ。

あっ旦那さっき

美佳帆さんから連絡が

ありまして・・・

どうやら橋元がこのテナントから

逃げよったらしいんすわ。

俺らが来ることをどうやったかは

知らないっすが嗅ぎ付けたんすかね?

それとも美佳帆さんに乗り込まれ

俺やうちの連中が後から来るかと

思い先に逃げたとか?

救出目的の小田切先生は

まだ中らしいので

俺に後は頼むって・・・・

美佳帆さんは橋元を追って

行ったらしいっすわ。」

「相沢さんが・・・

1人で?

相沢さんの腕は知っているけど

相手があの橋元となると・・・

周りの取り巻きにもヤバイ連中が

多いから心配だが・・

彼女に限って判断を誤る事は

無いと思うから

私達はとりあえず

拘束されているという

小田切さんという方を

解放して事情を聞こう。

中にはまだ橋元の取り巻きも

何人かいるかも知れないから

くれぐれも気をつけて。」

「まあ俺も美佳帆さんに

限って滅多な事は無いと

思うんすが・・・

たまにタガ外れたらとんでも

無い事する時あるんすよ・・

それでね・・

作戦はそれで行きましょう。

了解っす。

旦那も気をつけてくださいね・・・」

「ははっ

まあ今も昔も

相沢さんはそうだったよ・・

それでは行こう・・」

私は菊沢宏とテナント裏口から

入り4階まで階段で昇った。

4階のフロアは大きく4つの

テナント事務所から成っているが

1室もテナントが入っていないらしく

どうやらこのフロアは橋元個人が

使用しているように思えた。

菊沢が足音を立てずに忍び足で

1つの部屋に辺りをつけ部屋の前まで

行くと私に手でこちらへ来るようにと

合図をする。

私は腰に吊るしてある拳銃に手を

かけながら菊沢と同じように忍び足で

菊沢の後ろに付いた。

菊沢が指を三本立ててドアを指さす。

三本目の指の合図で突入すると言う事だろう。

菊沢が指を1本・・・

2本・・・

3本立てると勢いよくドアノブを

回し突入した。

「警察や!!

往生せいこのカスどもがっ!」

君は違うだろうと言うツッコミを

する間もなく私も菊沢に続き

事務所内に飛び込む。

銃口をアジア風のチンピラ2人に向けると

彼等もこちらに銃を向けてくる。

そして私が追い続けて来て今までは

何の証拠もつかめずに連続主婦失踪事件の

容疑者でありながらおそらくは橋元の威光を

傘に着て逃れてきたにっくき水島まで居た。

その水島が縄で縛られている2人の男性を

床に寝かせその2人の上に座り目の前の

スーツ姿の女性を目の前に立たせて

事もあろうかスーツのタイトスカートを

捲り上げている所だった。

私はアジア風のチンピラ2人と銃で牽制しあって

る間に菊沢は物凄いスピードで女性の前で男性

2人の上に座る水島の首元に指を突き立て

水島の左腕を極め拘束した。

「おい、オッサン!

お前何さらしとんねんっ!

麗しきレディになんちゅう

不埒な事してんなこらっ!

オッサン、今から聞かれた

事に正直に答えんとお前

動脈パックリといくからなっ!

俺の指は言うとくけど

ナイフより切れるから

気を付けて口開けよ。

それから大塚の旦那に

銃口向けてるそこの

チンピラ2人!

日本語解るんあったら

言うといたるけどな。

その人の銃の腕は国際

クラスや。

ドチンピラがその距離で

何発撃ってもその人には

当たらんしその人が引き金

引いたらお前ら2人共あの世や

解ったら銃捨てて手あげんかいっ!」

菊沢の説得はいつも思うが

もはや脅迫である。

しかしその小さな体躯から

醸し出す大きな威圧感で

私に銃口を向けていたアジア系の

チンピラ風の男2人は銃を収めたと

思うと私達が入ってきた事務所の

ドアをめがけて走り出した。

私は彼等が銃を収めたので私も銃を

収めた瞬間だったので1人の手首を極め

確保するのが精いっぱいだった。

「すまん。

宏君。

1人逃げられた・・・」

「いや・・

ええんちゃいますか?

どのみちカスの中でも

雑魚でしょ?

そいつら。

しかしこいつは

ウチも旦那も欲しかった

やつでしょ?

おうっ!おっさんっ!

お前水島喜八やろ?」

水島は菊沢に腕を極められ

首元に指刀を突きつけられ

身動きが取れずに苦悶の

表情を浮かべているがまだ

怪しげに笑ってもいた。

「あの・・・

あなた方は・・・

警察の方ですか?」

水島に前に立たされスーツの中の

下着を見られていた女性が私に聞く。

「はい。

私は府警捜査一課の大塚です。

あなたは・・・・

小田切響子さん・・・

ですね?」

「あっはい・・・

良かったぁ・・・」

小田切響子さんはそう応えると

その場にへなへなと力無く崩れ去った。

そして横では菊沢が怒号と同時に

水島を蹴り飛ばした。

「お前その前に・・・

誰の上に座っとんじゃこらっ!

てかいつまで座ってんねんっ!

このボケがっ!!」

水島はフゴッ

という声と共に

窓際の壁まで吹き飛び

頭を押さえ薄ら笑いを

浮かべながら抵抗するわけでも

無く菊沢を見上げている。

「小田切先生・・・

おそなってすみません。

うちの・・

代表代行の・・・

美佳帆は橋元を

追っていったんですか?」

菊沢が小田切省三と深町幸作の

縄をほどきながら水嶋からは

視線を外さずに聞いた。

「久しぶりだね・・・

ありがとう。

菊沢君

君の奥さんなのだが

それが・・

よくわからんのだよ・・・

おそらくは向こうの繋がっている

部屋から橋元は出て行ったのだろうが・・

橋元も奥さんもそれに

ここに居た張とマイクと言う

外国人も皆そこ

君たちが入って来たところからは

出ていないからね・・・」

縄をほどいてもらった

小田切省三がそう応えると

「すまない・・

菊沢さん。

奥さんを危険な目に合わせて

しまいまして・・・」

と深町幸作が続いた。

「いいえ。

深町さん美佳帆は

何か考えがあって橋元を

追っているのだと思いますよ。

それに俺の嫁、実は俺よりも

強いっすから大丈夫っすよ。(気はね・・・)

よく耐えてくれましたね。

深町さんっさすが頑丈に

できていますね~このガタイ

健在ですね~」

菊沢は笑顔で深町の縄も

解きそう言った。

俺も捕まえたチンピラ1人に

手錠をかけ近くにあった

デスクの足に繋ぐと小田切響子さん

に怪我は無いかと聞いてみた。

彼女からは大丈夫ですとの言葉が

返ってきてひとまず一般人の中に

とりたてて大きな犠牲者が居なかった

事に安堵する。

するといきなり菊沢に壁際まで

蹴り飛ばされた水島が大笑いする。

「は~はっはっはっはっ!

これは良いっ!

張とマイクめっ!

橋元さんがあのムチムチ太ももの女

探偵にやられそうでピンチだから

助けに行くっと言って帰って

戻って来ない所見ると・・・

あの野郎ども~この私をハメやがったな~!!

は~はっはっはっ!!

今頃はあの女探偵を捕まえて3人で楽しんでるのか~!?

おのれ~!!橋元~!裏切ったな~!ゲホッ!!

ウギャ~!!ちょっちょっとまてアンタの

奥さんなんだろ!?はやく行かなきゃっ・・・ゲフッ!」

「このハゲッ!

美佳帆があんなカスに

やられるかっ!

お前笑い方キモイんよ~!

もう口開くなっ!!

お前みたいな人間の屑は

この俺がしゃべれんように

したるわっ!」

バキッドガッ!!ガスッ!

菊沢が相沢さんの事を聞き

相沢さんを愚弄するような事を

言った水島についにキレてしまう。

プロレスのストンピングのように

水島を蹴り捲る菊沢にこれはさすがに

まずいと思い私が菊沢を制した。

「宏君・・・

それ以上やると

死んでしまうよ。

この男からは君も

私も聞き出さなければ

いけない事が山程あるんだ・・」

「旦那・・・」

菊沢は蹴るのを辞め

結局この場に居た全員を

ひとまず菊一探偵事務所の

事務所に連れて行き事情徴収を

することにした。

私は府警の命令で捜査をしている

わけではないので水島をその後に

逮捕するなら令状が必要になる為に

出るかどうかも含め部下の荒木と

神谷に事情を伝え菊一探偵事務所で

合流する事にした。

私、菊沢宏、小田切省三、

小田切響子、深町幸作、そして

水島喜八の6人は3台の

車に分かれて菊一探偵事務所に

向かって行った。

《第5章 悲報 第33話 水島失脚 大塚博之 終わり》

第5章 悲報 第34話 情報2 菊沢美佳帆

私は今怪しげなホテルの最上階

の部屋に居る。

同じ部屋に居るのは私や主人の

菊沢宏の因縁の相手ともいうべき男

橋元浩二である。

どうやらこのドットクラブという

おかしな趣向のホテルは橋元が実質的な

オーナーで彼のビジネスパートナー?

の古賀という男が表向きの経営者らしい。

このドットクラブの10階の

VIPルームの一室は彼が個人的に

様々な理由で利用しているらしく

室内からガラス張りの扉を出れば

露天風呂まで設置されている。

そして室内には様々な拷問器具のような

物に女性をいたぶる為に作られたとしか

思えないような器具も多くある。

そもそもこのホテルがそういう

目的で作られた物であるので当然で

あると言えるがここに私が来るまでに

1階の無人受付で見た限り8割ほども

部屋が埋まっていて利用者がこんなにも

いる事にも驚いた。

私は部屋をノックして室内に通され

今は橋元が座りタバコを吸っている

ソファの対面のソファに座っている。

そして部屋に入り今まで本題とは

関係の無いこのホテルの

所有が自分である事や

今までどのように使ってきたなどと

いう話を聞かされていた。

「そう。

あなたが趣味の為に

どれだけ大金をかけるかが

ようく解ったわ。

しかし私が来たのは

そんな話を聞く為ではないの

だけど・・・」

私は腰に手を当てるふりを

して扇子が刺さっている事を

念のために確認しながら足を

組み替えながら彼の自慢話に

応えた。

「連れないですな~

菊沢美佳帆さん。

あなたの欲しい情報は

ここに来てくれた時点で

話す事はもう決めてiいますわ~

そう焦らんとここに来る前に

2時間で解放しますと言いましたやろ。

少しづつ話しますさかいに

少しは会話を楽しむと言う事を

しましょうや」

「そう。

私はあなたとの会話が

楽しい物になるとは

どうも思えないんだけど・・・

できれば早く教えて欲しいわ。

水島をあのビルに置き去りにしたのは

もう彼があなたにとって

必要なくなったからかしら?

それと大原良助さんの事も

聞きたいわ。

彼が今どこでどうしているのか

あなた方の中の誰が彼にかかわって

いるのか?

教えて下さるなら

あなたとここで居る時間は

無駄にはならないのだけど・・・

結局話す気が無いのなら

力づくで聞き出す事も

できるのよ。

今はあなたの護衛のあの2人の

外国人。

張にマイクも居ないみたいですしね。

それとも私と1対1でも

大丈夫という自信がおありなのかしら?

橋元さん・・・」

私は背中に汗をかいている

自分に彼のプレッシャーに

耐えながら今言った言葉の

殆どが虚勢である事を自分自身が

1番理解していた。

そしてそれが橋元の彼の能力に

より見破られている事も・・・

橋元は煙草の煙をふ~と

噴き出すと私に向けて上から下まで

視線をなぞらせながら笑い

「あんたは本当に

強い女性ですな~

あの場で私が引いたのは

本当はあなた方が怖いからでは

無いと言う事も解っているんでしょう?

菊沢美佳帆さん。

まあでもあんたもここまで

来てくれたんですからな。

まずは水島さんの事でも

話しましょうか?」

私は橋元の視線を受けるだけで

身体全体にゾクゾクとする

ような軽い電流が走る感覚を

味わいながら何も無い振りを

するのに精いっぱいで再び足を

組み替え扇子に手を当てていないと

居られないくらいの不安な気持ちも

押し隠し

「ええ。

聞かせてもらえるかしら?」

と余裕を装い応えた。

しかし彼に見られるだけで

この感覚は何?

これは私の百聞の能力に

起因するものなの?

普通の女性はこうはならないのかしら?

まるでSEXの前戯を受けているこの

感覚・・・

こんな所に2時間もいれないわ・・・

聞き出す事だけを聞けば早く立ち去ろう。

「がはははっ

菊沢美佳帆さん

あんたのような経験豊富な

女性には私の媚薬は応えるでしょうな~

いや~水島さんの事を話す前に

私の事をもう少し

私はね~菊沢さん。

この力に目覚めてから少ししてね~

自分にはもう1つ素晴らしい力が

ある事に気づいたのですわ。

まだ20代の後半の頃でしたがね。

あるクラブでホステスを

横につけて飲んでいた時ですがな」

「橋元さん。

その話長くなりそう?」

私は彼の力については知りたかったが

これ以上彼に見られるのに身体が

耐えきれそうになくもう挌闘に

持ち込んででも情報を引き出したいと

思い始めていた。

「まあ。

聞きなさいよ・・・

菊沢さん。」

橋元はトーンを落とし

声だけで私を身動きが

取れなくなるような

感覚に陥れる。

何これ?

彼の命令には逆らえないような

【何か】

があるの?

私は橋元に聞きなさいと言われ

心が聞く姿勢になっていることに

言いしれようのない不安と不快感を

感じていた。

「そう。

それが大人というもの

ですよ菊沢さん。

がはははっ

それで・・・何処まで話しましたかな?

そうそうそのホステスですがな。

その時の私には凄くべっぴんで

良い女に見えたのですわ~

まああんたほどでは無いですがね~

そしてそのホステスを抱きたいと

心の底からこう思いましてな。

彼女のつま先から頭の先までを

私はねえ。

犯すような視線で見てしまって

いたんですな。」

さっき私にしたようにか・・・

それでそのホステスの女性は

彼に欲情してしまったのね・・・

そして橋元に抱かれたのかしら?

しかしこれは・・・

橋元に見られ性欲を刺激されると

橋元にではなく近くに居る

男性に

いや男性で無くとも

女性の部分に何かを求めて

しまうのでは?

それが視線を浴びせている橋元が

どうしても近くに居るから

彼の思惑通りになってしまうのだわ。

そうよきっと・・・

私は彼の話を聞きながらそう思っていた。

「するとそのホステスがですな・・・

ほうっ・・・もうあんたの

ような頭の良い女性にはすべてを

話す必要は無いようですな。

まさしくその通りですわ~

その後も私の太い男根で

何度も何度も天国を味わって

いましたな~そのホステスは

今までで1番良かったと

喜んでいましたわ~

がはははっ

しかし私は私に魅了されて

抱いたと思っていましたが

あんたの考える見解は違った

ようですな~

私もどうしてこのような

力が手に入ったかはわかりませんが

あんたが思うように周りにいる男や

それに代わるものを挿入したく

なるとしても・・・

どちらでも結果は同じですわな。

この媚薬と私は呼んどるんですが

この目の力に気づいてからは

本気で抱きたいと思った

女を抱けなかったことは

ないですわ~

がはははっ」

この話が本当なら・・・

私を含め女性エージェントじゃ

この男には太刀打ちできないじゃない・・・

読心術に女性を見ただけで感じさせる

力・・・

ありえないでしょ?

そんな力・・・

私はこのバカげた話が嘘だと思いたいが

今私の身体に起きている異変がそれを

嘘だと肯定させない事に

苛立ちを隠し切れなかった。

橋元は私の足から股間にかけて視線を

集中するように見て来る。

そして話を続けた。

「あの百聞の美佳帆さんが

仲間からはそう呼ばれて

るんですわな?

その百聞の美佳帆さんが

もうビショビショである事は

おいておいてと・・・

がはははっ・・

水島さんはね~

やりすぎたんですわ。

彼はね~

うちの張の部下を

私や張に許可なく使い

彼自身の目的の為に使い始めた。

そのうえあの

連続主婦失踪事件で

死体が府と県の境の山奥から

みつかりましたわな~?

あんたの事務所の人間が

犯人のその男2人を

捕らえましたでしょ?

あれは私も張も

関係おまへんで。

全て水島さんの独断で

勝手にやったこと

なんですわ。」

それは解っていたが

本人の口から聞けて

確信が持てたわ。

しかし水島の単独行動

だったとは・・・

予想はしていたがこれで

大塚君たちが捕らえた水島の

処分はしやすくなるわね。

「水島の事は・・・

だいたいわかったわ。

それと橋元さん

水島の件で少し

お願いがあるのだけど

聞いて下さるかしら?」

「ほう~

菊沢さんからのお願いとは

これは嬉しいですな~

まあ聞けることと聞けない事が

ありますが

私にもそれ相応の見返りが

あるのでしょうな?

大原君の情報も与えるのですから

あんたもタダでとは思って

いないでしょう?

うん?」

やはりそう来たか・・・

橋元の見返りは十中八九解っているが

それをこちらから提案し提供する気は無い。

それでなくとも私は一刻も早く

彼の前から立ち去りたいのに・・・

情報を引き出す交渉がこれほど長く

感じたことは初めてだわ。

「見返りね。

何が望み?

私のお願いとは

府警の大塚刑事が

うちの菊沢が水島から

情報を抜いた後に

彼を連行し留置所に

入れるでしょけど

通常の裁判から

実刑が下り普通の流れで

彼が処分されるのを

邪魔しないで欲しいの?

あなたもその方が都合が良いでしょ?

平たく言えばいつもやっている

ように府警の本部長に圧力をかけないで

下さるかしら?

こんな事あなたも元からする気が

無さそうであったけど念の為にね。

何もしなくていいのですから

見返りは必要ないでしょ?」

「がはははっ

確かにそうですな~

私も今更水島さんを救うつもりなど

ありませんがな~

ありませんが・・・

それを約束させられるのは

ちょっと面白くないですな~

菊沢さん。

この世の中にタダは無いのですよ~

特に情報と動かないと言う確約はね~

しかしそうですな~

あんたのその強気な姿勢と

辛抱強さそれにあんたとは

今後もビジネス抜きで会いたい

ですからな~

私があんたに出しはずであった

条件を譲歩しましょう。

実はあんた達とは金輪際

構えたくはないというのは

事実ですからな~」

本心か?

しかし答えを小出しにする男ね。

全く意図が読めない・・・

条件を譲歩・・・?

どういう事?

「・・・

それは大原君・・

大原良助さんの行方

と彼に関与した人間とに

何が起こったか

それをあなたが全て知って

いてここで今真実を私に

伝えれると言う事が

可能であるのが前提で

後は本当に水島に関して

府警本部長を動かさない。

この2つを約束できるという

事を前提で話しているのかしら?

それならあなたの言う条件を

教えてもらえるかしら?

私もその2つと引き換えになら

その条件を聞いてみようとも

思うわ。

但し

どこをどう譲歩したかも

含めてね。」

私は橋元に見られ続けて

いることにより全身にビリビリ

流れる微弱の電流のような感覚が

徐々に刺激から快感に変わって

来ていて既に自覚できるほど

私の女性の部分は潤っている事に

焦りを感じていた。

しかしこの男の前でそんな

部分は見せたくないので今は

まだ交渉の段階でもあるので

精一杯虚勢を張り冷静さを装う。

「がはははっ

そんな事ですか~

それならば大丈夫ですわ~

勿論大原君の行方、

現在どうなっているかも私は

知っていますしそれを先に伝えて

からあんたには約束を守ってもらう。

大塚本部長には圧力をかけない

というのは元々あんたが言ったように

そのつもりでしたからな~。

約束しましょうあんたが求める2つの

条件は必ず守りますわ。

私の条件はね~

私は強い女を屈服させるのが

好きでしてな~

そんな女が喘いで逝き狂う姿が

何よりの好物で最初はここに

ある器具を色々使って

あんたを責め立ててやろうと

考えていたのですがな。

それはいきなりは少し勿体

無い気がしましてな~

だから私からの条件は

私とのSEXですわ~

勿論これはあんたにとっても

秘密の交渉ですからな。

私以外の人間に知られることは無いですわ。

それと譲歩した部分はせっかくの

こんな部屋ですがここにある物は

一切使いませんわ。

ってあんたがこの条件で

イエスと答えるのは私はもう

解ってるんですがな。

がははははっ!」

予想通りというか

予想以下・・・

私としてはこの部屋にあるような

器具を使われてと

言うのは正直プライドに

触り耐えかねる部分がある。

それがただ橋元とのSEX。

それだけだとしたらたやすい。

いやたやすくはないか・・・

今までも情報収集や危機を脱するために

身体を張った事はあったが相手が能力者と

言うのは初めてであった。

主人の宏以外の能力者とのSEXは

もし私がこの条件を受けるなら初めてとなる。

宏のSEXは普通の男性とは違い能力者同士のそれは、お互い感性が常人離れしているからか、通常の男性と行うSEXに比べてありえないほど感じる。

しかも橋元はその力をさらにSEXに応用してきたような

節がある・・・

正直そこが怖かった。

それともう1つ気になるのは・・・

私は今まで任務で身体を張ってしまった場合は

宏に全て報告して来た。

うちの旦那は気が短いが物分かりが良く

きちんと報告すればそのことで私を責めることも

しないし引きづる事も無い。

全て無かったことにしてくれる。

それ以上の対価を得ているからというのもあるが。

しかし橋元・・・

この男は私が嫌悪感を覚える以上に

宏は嫌っている男・・・

そんな男に特大の情報と引き換えとはいえ

身体を張ると言う事を主人に報告など

したくなかった。

どうする・・・

宏の事が無ければ私はきっと仕事と割り切り

出来ると思う。

しかし・・・

どうする・・・

今回に関しては報告はしないでおこうか・・・

私は無言でいると橋元に見られ続け下半身の

潤いだけが決断をせかすように増していく。

「いやいや。

それは悩みますわな~

私はね~菊沢さん。

ただ単純にあんたのような

強くて美しいしかも頭も

キレるし決して折れない心を持つ

そんな女とやりたい

だけなんですわ~

その後ね。

あんた達夫婦にもめられるのも

私としたことで

あんたが不幸になるのも

ごめんでしてな~

まあそこが水島さんとの違いでも

あるのですが

私も彼も悪人は悪人ですがな。

その悪人ならではの知恵ですが

私を追い詰めてシバキあげて

聞きだした事にしたら

宜しいんやないのですか?

簡単に口を割ったと思われたら

大原君の事も水島さんが

勝手にやった事

ですので私は

そろそろ水島さんを切りたかった。

そこは事実でっしゃろ?

それに私が水島さんを売ろうとして

率先して水島さんの情報を話して

大原君の事も水島さんに

なすりつけたような

感じで話しなはれ。

そうすりゃ辻褄も合うし

何せ本人が言うとるんや

殆どホンマの事ですわ。

がははははっ」

そうか・・・

確かに橋元の言う通り

宏に言えば・・

何の問題も無い事だった・・・

しかし一瞬で私の思考を・・・

この男・・・

私の何処までを知っていると言うの・・・

「もう結構見せてもらいましたわ~

あんたの好きな体位も

弱い所も全部ね~

過去の経験人数も

他にも情報と引き換えに

SEXした事も

海外のマフィアに摑まりそうに

なって銃口向けられたままハメられ

そこから相手を縛り上げて逃げた

事もあったでしょう。

海外マフィアに銃口向けられながら

ハメられもっと早く逃げれたでしょうに

あんたは逝くまで犯させておいてから

相手の銃を無効化したのは

あんたがホンマはSEXが好きという

事ですわな。

がはははっ!」

「なっ・・・

そんな事・・・

一々言わなくて良いわよっ!

ふぅっ・・・

はぁ・・・

さあ大原君の

居場所と大原君に

起こった事を全て

教えてくれるかしら?」

私は足を組み替えながら

今度はこちらから橋元を

見据えた。

「宜しいでしょう。

交渉成立ですな。」

《第5章 悲報 第34話 情報2 菊沢美佳帆》

第5章 悲報 第35話 援軍 寺野玲華

私は今ある探偵事務所で働いている。

最初は素敵な女性所長だと思い

働き心地も良かったが

所長があのバカだと解ってから

というものうちの事務所はもう・・・

と思っていたら休暇なのに

その所長から電話だ・・・

「もしもし~グラサン?

え~

任務~?

私さっき起きた所で

今日はスポーツクラブで

エアロビの予定なんだけど~

えっ!?

美佳帆さんが?

うん!

わかったすぐ行くよ!

場所は!?

分からないってあんたね~!

分かったわ美佳帆さんの

GPSをスノウに探知させて

追跡するわっ

分かってるわよ~!

急ぐよ勿論っ!

えっ?

スノウは現場担当じゃないから

連れていくなって?

あなたバカなの!?

スノウが居ないと

美佳帆さんの居場所が

わかんないじゃないのよっ!

大丈夫!

私が居れば危険な目には

合わせないからっ!

もうアンタうるさいわよっ!

急いでるんでしょ!

切るわよっ!」

せっかくの休暇だと言うのに

これだからうちの事務所は・・・

本当にブラック企業だわ。

しかし普通の仕事なら

グラサンに言われたくらいじゃ

受けないけど

今回は特別。

私がただ一人尊敬する

女性、菊一探偵事務所の

所長!

グラサンが所長なのは

飾りだからね真の所長は

美佳帆さんだと皆

思っているはず。

その美佳帆さんが今、

任務で単独追跡をしていて相手が

ヤバイ男だから助けに行って欲しいと

グラサンから連絡があった。

グラサンと言うのは私の高校時代の

同級生で一応私が勤務する

菊一探偵事務所の

所長でもある。

一応ね。

でも私達エージェントは

皆所長は美佳帆さん

だと思い美佳帆さんの

命令なら何でもする

というエージェントが多い。

美佳帆さんは私達

エージェントには優しいし

頭も良いしそれで強いし

何といっても同性から

見ても美人だしね。

本当に憧れる。

私達の同級生で

お嬢と言われチヤホヤされて

いる千尋なんかよりよっぽど

色気もあり綺麗な人だと思う。

そんな美佳帆さんが私の助けを必要な

くらいの相手を追跡しているの?

グラサンもかなり焦っていたようだし・・・

とりあえず私は事務所に連絡を取り

GPS追跡が得意な美佳帆さんの

助手と言う地位を手に入れ気に入らない

女ではあるがスノウこと斉藤雪に連絡を

取り事情を説明した。

スノウは美佳帆さんのピンチの時は

仕事の速度が2倍は早くなるが今回も

スノウは速かった。

事情を説明し電話を切り

1分も経たない間に折り返しが

かかって来た。

今美佳帆さんのスマホはドットクラブという

ホテルの10階にあるらしい。

スマホがあると言う事はそこに美佳帆さんも

居ると考えてまずは動く事になる。

というかそれしかない。

スノウは電磁波に意志を乗せある程度

そこにある状況を分析できる力も持つ。

この力を気にいられて美佳帆さんの

秘書的な役目を手に入れたのだ。

私のように脚力が異常に上がるだけの

身体活性タイプは和尚同様

現場向きだそうである。

スノウが言うには美佳帆さんは今

1人の男性とソファで向かい合い

会話をしているらしい。

現状はまずい事にはなって

いないようだが相手の顔を

スノウが分析したところ

橋元という男でかなりやばい

男らしく既にドットクラブの

前のコンビニに天然ことアリサにも

援軍を頼み向かわせたから私にも

そこに来るようにとクールに言い放ち

電話を切った。

やっぱり気に入らない女だ。

しかし橋元・・・

何処かで聞いたような名前だなぁ・・・

グラサンもグラサンでそんなにやばい奴なら

先に言えっていうの!

あっ言ってたか?散々・・・

私はスポーツクラブに

行く予定だったので

半そでのピンクのTシャツと

スパッツという

スポーティーな服装だったが

エアロビをするのが

この美脚でその橋元という男を

蹴り倒すだけに

運動が変わるだけなので

急ぐことだしこのまま

の格好で問題ないと思い

すぐさま自宅のマンションを

出てスノウが言っていた

ドットクラブの前のコンビニを

目指した。

コンビニに着くとどうやら

私が1番最後だったようで

「姫~遅いよ~

美佳帆姉さまピンチみたいよ~

今スノウが言うには情報

引き出そうとしているけど

どうやら相手も能力者の

可能性があって美佳帆さん

精神戦で結構

押されてるみたいだよ~」

コンビニの中から私をみつけて

先に走って来たのがバカ、

いやバカはグラサンに和尚で

この大馬鹿はうちの事務所の

ド天然の斉藤アリサ。

キックボクシングを

習得していて現場担当で

かなり強いのだが

おつむがどうも弱く

それでも他の所員よりは

私はまだ仲良く

できる子である。

「あの美佳帆さんが

精神戦でピンチ~?

うそでしょ?

そんな奴いるの?」

私が天然に腕をつかまれ

絡まれている所に

気配も感じさせぬまま

背後から話しかけてくる

無礼者が居た。

「私の予想では

相手の橋元も能力者。

しかも対峙した相手の

精神に深く入り込む類の

能力と推測されます。」

私は振り向き

「くお~らっ!

スノウ!

あんたいつも私の背後に

こっそり立つなって

言ってたわよねっ!

しまいには振り向きざまに

私の蹴りお見舞いして

しまうよっ!

あ~!

しかもあんた現場

舐めてるの!?

今から美佳帆さんの

援軍に行くのにどうして

そんな格好なの?

あんたはこれから

デートにでも行くの!?」

天然こと斉藤アリサは

さすがにバカでも現場慣れ

していてちゃんと動ける

ように黒色のTシャツにジーンズ

とまともな格好をしているが

本当のバカはこっちだった・・・

IQ180かなんだか知らないが

この子はダメだ・・・

現場に行くのにノースリーブの

水色のブラウスに

白のミニ丈のフレアスカートと

全く動く気がないのが見え見えの服装・・・

「私は頭脳労働専門ですから。

野蛮な事はお2人にお任せ致します。

その分相手の橋元という男の

力を分析してお2人にお伝えして

無事に美佳帆さんを連れ戻す

事が最優先でそのために服装は

関係ありませんわ。

着替えてくる時間も勿体ないくらい

急いでおりましたしね。

でもお2人が・・・

特に玲華さんが居れば私は

動く必要も無いのではないですか?

玲華さんの蹴り技の凄さは私も

よく知っておりますよ。」

終始淡々とした口調で

話す斉藤雪。

前半は私の必殺の蹴りを

先にこの女に炸裂させてやろうかと

思っていたが後半の部分で私も

溜飲を下げる。

というかこの女おだてるのが

上手いのか

私が単純なのか

完全に乗せられていた。

「まっ

まあね。

あんたのような

華奢なお嬢様は

仕方ないから

私が守ってあげるから

私の後ろにでも隠れていなさい。

さあそれでは行くよ!」

「はい。

その時はそうします。

しかし少しお待ちください。

玲華さん。」

勢いよく歩道を渡ろうとした

私がこけそうになる。

「きゃはははっ

姫おもしろい~」

「こら~アリサ~殴るぞっ!

ってかスノウなんなのよっ!」

「その歩道を渡り

2メートル先が美佳帆さんの

百聞の能力の1番外側に

なります。

そこまで行って一旦

待機して私達で美佳帆さんに

今から向かう事を伝えましょう。

そうすれば美佳帆さんも

私達が来ることを前提で

動きが変わってくるはずです。」

「わあ~

さすがスノウさん

賢い~」

こいつは・・

緊張感が全くないと言うか・・・

しかしこの女はさすがに

美佳帆さんの助手なだけある。

「そうね。

そうしましょう。

ではとりあえず渡るわよ。」

私達は次の青信号でコンビニ前から

歩道を渡りドットクラブの直前で

立ち止まる。

「それでは

玲華さん私のスマホに

電話をかけて下さい。」

「はぁ?

あんたいきなり

何言ってるの?」

「私と美佳帆さんで

取り決めている事があり

任務中の美佳帆さんに

百聞で聞いて欲しい事が

ある場合は私のスマホの

着信音を美佳帆さんの好きな

洋楽のメロディーに変えてから

鳴らした上で話すのです。

そうすれば美佳帆さんがすぐに

百聞で拾ってくれます。」

「なるほど・・・

わかったわ・・

かけるわね・・・」

タララランッ・・ルルルル・・・

スノウのスマホからエンヤの

曲が流れる。

「これでいいわ。

美佳帆さん聞こえますか?

スノウです。

今から玲華さんとアリサさんとで

向かいますから。

くれぐれもご無理はなさらないで

下さいね。」

「美佳帆姉さま~アリサが

行くからね~

待っててねっ」

2人が次々と美佳帆さんの百聞に

届くように話す。

「美佳帆さんっ!

目の前に居るバカ

私が蹴り倒してやりますからっ!

どんな奴か知らないけど

早まったまねはしないで待っていて

下さいねっ!」

「これだけ

話せば拾って

もらえたと思います

行きましょう。」

スノウの合図とともに私達は

ドットクラブの中に入って行った。

《第5章 悲報 第35話 援軍 寺野玲華》
筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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