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第6章 温泉旅行 第34話 不覚 寺野玲華

(この男たちが拳銃を

所持している事は解っていたのに・・・

くそっ・・・

ぶつかったのがこの男で

無ければあんなに派手に

転ぶことも無かったし・・・

焦って動き過ぎたわ・・・

千尋は大丈夫かしら・・・

千尋もスノウと同じで

貧弱だからね・・・

あのヘナチョコ2人は

私が守らなければ

ならないのに・・・

美佳帆さん・・・

ごめんなさい・・・)

私は港町の橋元が

良く利用していた

という倉庫に

菊一探偵事務所の

同僚にして

高校時代からの同級生の

伊芸千尋と

あのドットクラブへ

上司の美佳帆さん

の援軍に駆けつけた

時に私を逃がす為

囮になり

結局帰って来なかったスノウ、

斉藤雪の行方を捜索に

来ていた。

そして運良く、

橋元の部下と

遭遇できたまでは

良かったが

相手にあの橋元の

右腕と左腕とされる

マイクと張が居て

千尋とははぐれてしまい

私は倉庫からの

脱出を試みた際に

マイクとぶつかり転倒し

銃を向けられ

お手上げ状態に

なっていた。

頭に銃を突き付けられたまま

手を後ろ手に手錠で繋がれ

大型のバンに乗せられると足首に

縄をはめられ顔には袋を被せられた。

ここまでしても

依然頭には銃を突きつけられて

いるのは私の肉体活性の力と

キックボクシング仕込みの

ローキックでドットクラブで

一戦交えた際に

足を折られたマイクは相当

私の力を警戒しているようだった。

車がどこに向かうか

見当もつかない中で

私の頭に銃を突きつけたマイクは

「オマエ

コノアシノ

オトシマエハ

キッチリト

ツケサセテモラウ

オマエタチノナカデ

オレガイチバン

アイタカッタ

オマエヲ

コウシテ

トラエルコトガ

デキテ

オレハモウ

カナリ

コウフンシテイル

オマエ

カクゴシテオケヨ」


(足の1本や2本

折られる覚悟は

できているわよ。

しかし何処へ向かっている?

もしこのまま

私もスノウが

捕らえられている

場所に運ばれている

としたら逆にチャンスもある。

向こうで隙を見て何とかスノウと

合流できれば

2人なら逃げ出す事くらいなら

もしかしたらできるかも・・・

それに千尋は

上手く逃げれただろうか?

しかしこいつらが

スノウを捕らえていた

としても何もしていないとも

思えないし・・・

傷つけられていたり

もしくは橋元がドットクラブで

美佳帆さんにしようとしていた

様な事を・・

スノウにもしているかも

しれない・・・

そうだとしたら私がこの車で

連れて行かれた先にスノウが

居たとしても保護しながらでないと

逃走は無理か・・・

やはりグラサンたちにみつけて

貰って救援を待つしかないか・・・

それまでこいつらが

私に何をするか・・・

まあ何をされても何も話す気も

無いけどね・・・・)

私が頭に拳銃を突き付けられながら

後部座席のマイクともう1人の黒人系の

外国人に挟まれ彼の言葉を無視して

そんな事を考えて居た。

するとマイクとは反対側に

乗っている男の電話が鳴る。

タラララリン♪タラララリン♪

「マイクノアニキ

ノデンワガナッテイマス

ボスカラデス」


「オレハ

イマ

テガハナセナイ

オマエ

カワリニデテクレ」


どうやら私の左側に

乗っている男はマイクの

電話を持たされていたようだ。

「ハイボス!

ハイ

ハジメマシテデス。

マイクノアニキニ

ヨバレテキマシタ

アレンデス。

ハイ!ハイ!

スコシオマチクダサイ

・・・・

・・

アニキボスガ

キジマサン

トイウヒトノ

マンションニ

クルヨウニト

ソコニボスモ

ムカッテイルラシイデス」


「OKト

コタエテ

クレ」


「ボス!

OKデス。

ハイハイッ!

モウヒトリハ

トリニガシマシタガ

イマ

チョウサンガ

サガシテイマス。

ハイ!

アリガトウゴザイマス!

ガンバリマス!」


どうやら私はキジマという

者が住むマンションに連れて

行かれるようだ。

おそらくはこの者達が

ボスという男は橋元。

そこに橋元も来るらしい。

(この事を何とか美佳帆さんか

グラサンに伝えれたら・・・

もしかしたらスノウも

そこに居るのかも・・・)

「キジマサンノ

マンションナラ

コノオンナヲ

イタブル

ドウグ

タクサンアル

コノアシノウラミモ

ジュウウブン

ハラセルヨ

ハハハハッ」


(ふんっ!

何をする気か

知らないけど・・・

足の拘束・・・

これなら肉体活性すれば

十分引きちぎれるわ。

お前たちが私をスノウの

いる場所まで連れていったが

最後よ。

アンタの反対側の足も

私のローで折って

橋元は私の手で捕らえて

あのゲスなからしチンポを

今度はわさびチンポに

してやるんだからっ!

問題はこのマイクが持つ

拳銃だけ・・・

動けるタイミングで足の拘束を

解き拳銃を何とかすれば

こいつらくらいなら・・・

私1人でも何とかなるはず・・・

大丈夫ですよね!美佳帆さんっ

私できますよねっ)

私は顔に袋を被せられ

こめかみに

銃を突き付けられたまま

道中何処を通ってきたか

も解らないまま車を下ろされると

手錠を掛けられたまま

足も拘束されたままマイクが

連れてきたと言う先程

橋元と

電話で話していたアレンという

男に担ぎ上げられ目的の

場所に連れて行かれた。

《第6章 温泉旅行 第34話 不覚 寺野玲華 終わり》

第6章 温泉旅行 第35話 南中剣友会ママ友会議 

菊一探偵事務所では斉藤雪が

橋元の一味に捕らえられ

大事件になっていた頃

同じ町ではあるがこちらは

和やかなムードの喫茶店。

喫茶マドカに居るのは

南中剣友会の温泉旅行の

企画の為に集まった

生田絵美に中村美香子

それに同じ剣道を習う

子供が居る松前洋子に

高野知美、前島幸であった。

剣道の指導者からは境谷明が

出席していた。

「いやいや。

南中剣友会は御熱心な

お母さん方が多く

私共指導をする立場と

しても有り難い話ですよ。

今日は代表の松岡先生も

中尾先生も来れなくて

申し訳ありません。

荒巻先生御接待の

温泉旅行の事については

私が一任されておりまして

土日にかかれば

両先生はいつでも

かまわないとの事ですので。

お母さん方の出席者が

今いらっしゃる5名との事ですので

場所と日に関してはお母さん方の

ご意見を参考に旅館もしくは

ホテルなどを抑え荒巻先生に

コンタクトを取ると

こういう手はずなのですが

どなたか候補となる温泉街

ここがっ

ていう所あれば

ご意見ございませんでしょうか?」

南中剣友会の指導員では1番若手の

境谷が手帳を開きメモ代わりにしながら

美女5人を前に場を仕切っている。

「あの・・

境谷先生?

少しご質問が・・・」

今日は黒の薄手の半そでのブラウスに

白の膝が出るくらいの丈のタイトスカートに

身を包んだ仕事帰りにこの場に参加している

中村美香子が遠慮気味に口を開く。

「はい。

中村さんのお母さん

どうぞっどうぞっ何でも

聞いてください」

境谷が鼻の下を一瞬の伸ばすが

すぐに意識的にきりっとし直し

6人掛けの大きなテーブル。

最奥に座る境谷の隣の隣に

居る中村美香子に視線を向けた。

「すみません。

その・・

場所を決めると言う事なのですが

まず会費がどのくらい余裕がおありで

どのくらい使えるかという事が

解らないと・・・

それに今回は高名な荒巻先生を

うちにお迎えする為の接待のような

旅行と聞いておりますから

もし皆様も宜しければなのですが

今回会費で賄いきれない分に

関しましてはある程度

自費で分担してでも

荒巻先生にお喜び頂けるような

所にするべきだと思うのですが・・・」

現役OLらしい中村美香子の意見に

まずは仲の良い生田絵美が

賛成の意志を伝える。

「私も中村さんの意見に賛成です。

今回荒巻先生がこの旅行によりうちで

指導をするように決めて下さったら

剣道のみならず今後の子供たちの

進路にも影響が出て来る子も

居ると思うのです。

それでしたらまずは会費抜きでベストと

思う温泉街を選んだあと会費との差額を

私達で分担して埋めるというのは

いかがでしょうか?」

と境谷と中村美香子の間に座る

生田絵美が中村美香子の意見を後押し

する形で皆の顔を1人1人見ながら

ゆっくりと話した。

この場では指導員の境谷を含めても

最年長とその次に当たる2人の意見に

皆一様に頷いている。

「そうですよね。

荒巻先生が南中剣友会の

指導員をお引き受け下さるという

事を前提と考えると今回は

まずは行き先は多少豪華になっても

荒巻先生に喜んで頂くの事を優先すべきで

多少自腹が発生しても私も全く問題ないです。

中村さんや生田さんのご意見に賛成です。」

高野知美が生田絵美に視線を合わせ

その後に境谷、中村美香子に視線を送り頷くと

高野知美の両脇に座る松前洋子に前島幸を

交互に見た。

「私も高野さんと同じご意見です。

先に会費度外視で場所を決めてしまいましょう」

松前洋子も仕事帰りなのか上下黒のスーツ姿で

剣道の懇親会の時とはずいぶんイメージが違うなと

境谷明は感じていた。

「それでしたら

荒巻先生の年代の方ですと

私は在路馬温泉が良いと思います。

宿泊施設などは多少お値段が

張りますが料理も今からの季節ですと

夜は松茸のすき焼きでしょうし」

最後まで口を開かなかった前島幸は

専業主婦。

自宅からそのまま来たのか部屋着の

ピンクのプリントシャツにデニムの

ホットパンツといつも通り薄着で

境谷の視線もテーブルの向こう側で

白く揺れる足に注がれる。

「そうね。

前島さん私も在路馬は

考えていました。

1泊で生ける範囲でしたら

おそらくはベストな選択だと

思いますよ」

中村美香子が足を組みながら

笑顔で前島に賛成した。

「そうですね~

では他のお母さん方からも

反対のご意見が無ければ

今回の荒巻先生を南中剣友会へ

お招きしよう旅行に関しては

場所は在路馬温泉で

決定で良いのではないでしょうか?」

境谷が皆の顔をそれぞれ見ながら

言うが異論はないようで。

「それでは今日の所は

場所は在路馬温泉の中で

宿泊先などは今後私が

ネットで探しながら皆様の

グループラインに随時候補を

送って行きますので続きは

グループラインで決めて参りましょう。

それでは今日は皆さまお忙しい中

ありがとうございました。」

この後は夕飯の支度や

様々な主婦業に忙しいお母さん

ばかり境谷は気を使ったのか

場を仕切りここで切り上げ

皆それぞれ喫茶店から出て行った。

境谷は支払いは会費でしますと

言いお母さん方を送り出すと

元居た席に戻る。

そうすると境谷達の席の

斜め後ろ辺りの2人掛けの席に居た

50代くらいの身長は170㎝前後位では

あるがガッチリとした体型の男性が

境谷の戻った席の前に座る。

「やあ。

境谷君。

お久しぶりだね」

境谷は一旦座った席から

立ち上がり頭を下げる。

「荒巻先生!

ご無沙汰しております!」

「まあまあ。

掛けたまえ。掛けたまえ。」

「はい。失礼します。

それで・・

いかがでしたでしょうか?

うちの会のお母さん方は・・・」

境谷はおしぼりで額の

汗を拭きながら荒巻に

聞く。

「いやいや~

君や中尾君から聞いてた

以上じゃないかねっ!

あれだけの美人揃いとなると

これは心窮会や一心道場の

接待の後だけど・・・

迷うわなぁ・・・」

「そうでしょう!

先生ならそうおっしゃって

くれると思っておりましたよっ」

「ああ。

5人が5人共それぞれに

良い所があったしのう~

顔がべっぴんなのは

皆それぞれにそうだけど

あの美味そうな身体は

5者5様よのう」

荒巻がスーツの上着の内ポケット

から扇子を取り出し仰ぎながらそう言うと

いきなりの荒巻の突っ込んだ内容による

批評に冷や汗をかきながら境谷が

「はっはぁ・・・・

ははっ・・

そっそうでしょ?

それで今日来ていたあの

5人のお母さん方が今回の

先生をお招きする為の

旅行に同伴して下さるのですよ~

ご参加は頂けるものと

思っていて宜しいでしょうか?」

「うむ。

それは良いのだがのう。

あの中の誰かな?」

「えっえっ?

誰と申しますと・・・」

「あの中の誰が

その夜私の相手を

してくれるのだ?

他の2つの道場は

接待で母親が2人づつ

私の相手をしてくれたぞ。

もし3人が私の相手を

すれば君の所での指導を

決めてもかまわないがのう。

あのレベルのママさんであれば

君たちの勝ちだわ。

後はできるかできないか

だけだわなぁ・・・」

「えっえ~!!!

(あぁやっぱり中尾先生たちが

言っていたとおりかぁ・・・

本当にウチのお母さん方美人

揃いで良かったけど・・・

こんな事お母さんたちには言えないしなぁ)

他の2つの道場でも

既に・・・

生徒のお母さんとされたのですかぁ・・

わっわかりました。

そこも何とか・・・」

「まあ5人全員相手でも

私の体力は大丈夫だからのう~

ははははっ!

最低でも3Pの

2ラウンドは期待しているよっ

3P2ラウンドで最後の1人は

君の隣に座っていた奥さんか

さらにその隣に居た奥さんの

どちらかにしてくれたら

間違いなく君の所で

お世話になるよ。

ははははっ!

じゃあ楽しみにしておくから

宜しく頼んだよ境谷君」

そう言い残すと荒巻は立ち上がり

先程までのママさんたちが飲んでいた

お茶代も含めて払い喫茶店を出て行った。

残された境谷は

(そんな夢みたいなこと・・・

できるならこの俺がしたいっすよ~!!

てかみんな旦那さんが居る人妻なんですよ~

そりゃ無茶でしょうが~

あぁ~もうっどうしよっ)

荒巻の希望を叶えることができるかと

不安になりながら荒巻の去った

喫茶店を出て行った。

《第6章 温泉旅行 第35話 南中剣友会ママ友会議 終わり》






第6章 温泉旅行 第36話 クールな女 張慈円

あの美人秘書はもう

私の青龍刀の虜である。

菊沢美佳帆との

取引の材料にするためには

精神を壊してしまっては

いけないので捕らえた日から

今日までは普通のSEXを

1日1回するだけで

許してやっている。

雪は今ではSEXの良さを

知りまだ口では反抗する時も

あるが騎上位でも自分で腰を

振りながら逝く事もするようになった。

ボスはあの飛び跳ねる

蹴り技の髪の短い

ボスにからしを塗った女と

菊沢美佳帆を御所望なので

美人秘書の雪には手を出していない。

私も雪は気に入ったので

私以外の者には手出しをさせて

いないので今の所

最初の拷問を

含め3回SEXをしただけだ。

しかしやっぱりクールな女は

私好みでそそられる。

雪は胸も小さめで尻もそれなり

全体的に線の細い感じだが

もう少しクールで細く見えるが

脱いだら実はムチッとした感じの

女は居ないものであろうか?

それでいて雪のような性格で

簡単に落ちない女

ならなお良しなのだが。

そう思いながら港町の倉庫で

相棒のマイクと私の部下数名で

菊一探偵事務所の忌々しい

男どもとやり合う対策を練り

昼食を取りに出てマイクが

昼間から開いている風俗店で

奴の果てしない性欲の処理を

済ませるのを待ち倉庫に戻ると

菊一探偵事務所の女エージェントが

2人俺達が居た倉庫に紛れ込んでいた。

1人は初めて見る女。

雪の様にこんな所にでもミニスカートで

来るような女であったが話し方から雪に近い

クールな女だと私の直感はそう感じた。

そのミニスカートから見える足も

まだ見ぬ膝上に私の好きな肉付きが

存在するような膝を見せている。

全体的な線は細く見え黒髪を

ポニーテールの様に

束ねて揺らしながら

動く動きはかなり高速。

少し戦ってみたが

あの菊沢美佳帆の

秘書の雪より腕は立った。

これは極上の獲物だ。

簡単に落ちそうな感じも全くせず

さすがは忌々しい

菊一探偵事務所の

女エージェントと言った所か?

ここに来る前にベッドで雪を

散々鳴かせた

はずの俺の青龍刀が

あのポニーテールのタイトミニ

スーツの女を見て疼いていた。

もう1人はマイクの足を折った

脚力が異常に強い太ももの太い

もう1人の蹴り技女。

見るからにムチムチした身体をしている

女で性格も気が強く声のデカイ女で

激情タイプのように見え

俺の好みでは無いし

こちらの女はマイクが

奴の黒砲でぶち抜くと

豪語しているので

奴の獲物で問題ない。

身体は強そうな女に

見えるがマイクに

ぶち抜かれたら

いくらあの女でも

泣き叫び悶絶

間違い無しであろう。

しかしあのポニーテールは

かなりできる。

マイクは運良く偶然にも

奴に女の方から

ぶつかって来た時に

銃を使い上手くあの

デカ尻女を拘束し

捕らえて木島さんの

マンションに連れていく

事に成功したが

私は部下も行かせて

1人倉庫周辺に残り

あのポニーテールを探していた。

そしてあの女の物で

あるスマートフォンを

拾うというラッキーが

めぐってきたことから

今夜はもう女を

抱くことは無い予定で

あったが雪を抱いた

今日もう1人

抱けるのではないかと

いう気になってきていた。

雪とのSEXで初めて

知ったのだが脳が覚醒した

者同士のSEXはお互い

異常に気持ち良くなるのだ。

菊一探偵事務所の女なら

あのポニーテールも

雪と同じ覚醒者で

ある可能性が高い。

それならばあの容姿に

あの身体で覚醒者。

1日に2人目でも十分に

抱けるであろう。

(しかし覚醒者同士の夫婦・・・

菊沢美佳帆め・・・

あの旦那と結婚するわけだ・・・

しかしあの菊沢美佳帆も

同じ覚醒者でも

ボスに抱かれたら

その気持ち良さに

気を失うだろう。

ははははっ)

俺は拾った物があのポニーテルを

落とす決め手になればと

直ぐに友人の王甲信に連絡をする。

『モシモシ。

ワンカ?

ワタシダチョウジエンダヨ。

スグニアンショウバンゴウノ

ロックヲハズシテホシイ

ケイタイガヒトツアルノダガネ

オマエノ

タンマツニツナガル

ヨウニUSBニ

ツナゲルカラ

ナントカシテクレ。

ホウシュウハ

アスニデモ

イツモドオリ

フリコムヨ

アア

タノムネ』


私は乗って来た日本産の黒の

セダンの中から

あのポニーテールが

居ないかと見張りながら

王からの連絡を待つ。

すると5分もしないうちに

折り返し連絡が来て

ポニーテールの

落した端末の

ロックは解除された

との連絡。

すぐさま私は

端末を調べた。

すると

あの女には結婚していて

旦那が居る事が判明。

なるほど・・・

六葉銀行の港町支店勤務。

この傍ではないか・・・

フムフム・・・

これは面白い・・・

私は部下に連絡して

六葉銀行の港町支店の

近くに移動させ待機させた。

あとはあの女を探すだけ・・・

私はあのポニーテールに

片目に鉛球を受け視力こそ

失ってはいないが

かなりの痛手を

受けていた。

この恨みをあのスーツで包まれた

身体に返さなければ木島さんの

マンションに戻る事などできようか・・・

(コノ

チョウジエンニ

ネラワレテ

ブジデスンダ

モノハ

イマダ

イナイノダヨ

ポニーテールオンナ)

もしあの女とこの目でやり合うと

なればこの私でもかなりの痛手を

こうむるか下手したら返り討ちに合う。

五感転移の力を使えば

あの女にでも勝てるだろうが

五感転移を使えば著しく

力を消耗しSEXどころでは

無くなるので極力私の力は

使いたくなかった。

しかし

先制攻撃で目を狙うとはあの女

見た目によらずやり方が私達のよう

なえげつない手を使う。

(フフフッ

シカシソノブン

トラエタトキニ

イタブリガイガ

アルトイウモノダ。)

しかしあの女を拷問で落として

やりたいがリスクは背負えない

あの女の腕は雪以上。

そんな者とこの負傷した目で

戦うのは馬鹿げている。

なら戦わずして言う事を聞かせる

必要がある。

そんな時にあの女逃げるのに

必死で電話を落として行ったのだ。

そんなことを考えながら車を降り

もう1度倉庫の周りを一周回って見る。

(アノポニーテールハ

アノデカジリオンナ

トゴウリュウスルマデハ

ココカラハハナレナイ

ハズ・・・

カナラズドコカニミヲ

ヒソメテイルハズダ・・・)

そう思いながら日が暮れ

見通しも悪くなってきた倉庫

周辺の木陰を通り抜けた時に

私の背中に激痛が走った。

「張慈円。

ここまでです。

さあ。

私達の所員の

女性を1人捕らえて居ますよね?

その子の所に案内してもらえますか?」


不意打ちで背中に蹴りを受け

倒れた俺の腕の上に足を

乗せ腕を踏まれると急所なのか

かなりの激痛が走る。

「ウグググ・・・

ポニーテールオンナ。

コレガナンダカワカルカ?

オマエノモノダヨナ」


「そうだけどそれがどうか

しましたか?

スマートフォンの1台くらい

壊されようがあなたに取られようが

かまいませんわよ。

その前に私があなたの意識を

飛ばすことも可能なのですからね。」


ポニーテール女はまた鉛球を

取り出し今度はそれを投げずに

拳の中に握り締めた。

「チョットマテ

ナカハスデニカクニンズミ

オマエノダンナ

コノチカクニアル

ロクバギンコウノ

ミナトマチシテンニ

キンムシテイルネ。

スデニブカヲ

ムカワセテアルヨ

ホラ

ショウコノシャシンダ」


私は自分の携帯に

部下が送って来た

六葉銀行の玄関口の写真

中に居る所員達が何人か映る

写真も数枚ポニーテール女に

見せた。

この女の電話から

名前が伊芸修二で

この女が伊芸千尋

だと判明したので

伊芸修二。

名札に伊芸と書かれている男の

ワンショットを最後に見せてやった。

「ブカニハ

コノオトコガ

シゴトヲ

オエキタクスルトキニ

サラウヨウ

メイレイシテアル

ワタシタチ

オトコヲ

ゴウモンスルトキハ

マズテヲ

カベニクギデ

ウチツケテカラハジメル

ソウサレタクナケレバ

マズハソノ

ナマリヲ

ジメンニステロ」


女は少しの間考え

冷静な表情を変えずに

居たが無言のまま

私の見せた画面を見つめながら

私の手からその鍛えて

あるのであろう

足をどけると

鉛球を地面に

投げ捨てた。

「ソウ

ソレデイイノダ。

イマカラ

ワタシノシジニ

シタガッテモラウ。

ソウスレバ

ブカニハ

タイキスルヨウ

ニメイジルガ

オマエノダンナハ

ツケサセル。

トチュウデ

オマエガサカラエバ

スグニダンナハ

ブカガサラウ

イイネ。

シンパイセズトモ

ヒトジチハスデニ

ヒトリイル。

オマエハイウコトヲ

キイテイレバ

キョウノ

シンヤニハ

カエレル。

タダワタシノ

メヲ

コンナニシタ

ムクイハ

ウケサセル。

イイネ。」


女は少しの間無言で表情も

変えずに居たが

「主人には絶対に

何もしないで下さい。

私は約束を破りません。

卑怯ですよと

罵る事もしませんので

あなたの部下を早々に

主人の周りから引かせて

下さい。」


怯えることもせず

怒りの表情も見せずに

この女は淡々とそう言い放った。

しかもまだ地面にうずくまる

この私を見下しながら。

(イイネ~

コノオンナ

ユキヨリヤリガイガ

アリソウダ)

「オマエワタシニ

メイレイデキル

タチバジャナイ」


私はまず立ち上がると

女の手を後ろ手に革手錠で

繋いだ。

そしてそのまま背中を押し

車の所まで連れて行き

後部座席に乗せる。

ここまでは何の抵抗も見せずに

女は言う通りにしている。

私は運転席に乗り

部下に電話した。

「オマエタチ

シバラクタイキ

イゲイシュウジハ

ソノママビコウ

アイズガアルマデ

ウゴカナイヨウニシテイロ

イイネ。」


後部座席から女は

冷静な口調で淡々と

私に話しかけてくる。

「私があなたに

従ったとして

主人に何の手出しも

しないという

保証はあるのでしょうか?」


「ホショウナドナイヨ

タダワタシハオマエノ

ダンナニナド

キョウミモ

ナイシ

リヨウカチモナイ

オマエガイウコトヲ

キイテイレバ

リヨウカチノ

ナイモノヲ

ブカニハラセテ

オクヒツヨウモ

ゴウモンニカケル

ヒツヨウモナイノダヨ

シンヨウデキナケレバ

シナクテモ

イイガオマエハ

オレニナニカサシズ

デキルタチバデハ

ナイコトハ

ワカルダロウ」


女はそれ以上何も言わず

無言で抵抗もせずに口も

開かずにただ後部座席に

座っていた。

俺は木島さんのマンション

オルガノには行かずに

この女は

ボスやマイクにも言わず

1人で楽しみたかったので

このままドットクラブへ車を

走らせていた。

《第6章 温泉旅行 第36話 クールな女 張慈円 終わり》

第6章 温泉旅行 第37話 救う為に 寺野玲華

ここが奴らが話していた

木島という男のマンションか。

私は後ろ手に革手錠を掛けられ

頭には未だ銃口を当てらてたまま

マンションの玄関が開いた音と共に

中に押し込まれた。

依然顔には袋を被せられている。

今もし肉体活性で周りに居る

マイクとそれに電話ではアレンと名乗って

居た男に運転手の男、この3人を

蹴り倒したとしたらおそらく

発砲され倒せても撃たれるか

他の2人も銃を所持していたら

それこそ倒す前に撃たれるか。

今はまだ動く時ではない。

それにこの場所にスノウが

居るかどうか・・・

「マイクっ

お疲れ様。

おっまた今度はナイスバディ

な女捕まえて来たな~

そいつもナントカていう

探偵女か?」


「キジマサン。

ソウデス。

コイツデス。

オレノアシヲ

オッタオンナ。」


「へ~

張がそこの部屋に

監禁している女も

美人だがそいつも

また美人そうだな~

ユキという女は伊東美咲似だしよ~

このムチムチ女も袋被せられてわからねえが

相当美人な感じがするしな?

その探偵事務所は

本当は芸能事務所なんじゃ

ないのか?

ははははっ

張は俺にすらあの

ユキという女

触らせてくれないけど

マイクお前そいつ

に復讐終わったら

俺にもやらせて

くれよ~」


「チョウサンハ

イマアノオンナニ

ゾッコンデスカラネ

ヨホド

アソコノグアイガ

イイノカ

ハハハハッ

キジマサンモ

コノオンナ

ヤリマスカ?

カマイマセンヨ

デハオレノ

フクシュウ

オワッタラ

フタリデ

セメマショウ

オレトキジマサンノ

ツインホウデセメタラ

コノキノツヨイオンナモ

イキクルイマスヨ

スコシキジマサンノ

ヘヤカリマスネ

キグハ

ソロッテマスカ?」

「ああ。

かまわないぜ。

器具は張が使ったけど

分娩台も拘束ギロチンも

四つん這いギロチンも

揃ったままだよ。

ピストンバイブも

ドリルバイブも

新しい物もあるぜ。」


(どうやら

ここにスノウが居るみたいね!

やはり・・・

張という男に・・・

犯されたんだ・・・

スノウ・・・

ごめんねっ

私のせいで・・・

しかしこの男達の会話。

私にどんな事を

する気なのよっ!

あっ・・・

今話していた内容だと

スノウにも

同じことをしたのねっ!!

許せないっ!

この男達今すぐ

私の蹴り技で

コテンパンに

したいけど・・・

銃さえ無ければ・・・)

私は頭を銃で抑えられ

今木島という男と

マイクが

話して居た部屋の

隣の部屋に

連れて行かれた。

そこでようやく

顔に被せられていた袋を

取ってもらうことができた。

「くっ・・・

なっ・・・何なのよっ

この部屋・・・」


その部屋はマンションの一室で

ある事には変わりないのであろうが

部屋には家具など一切なく

人を拘束するような器具が

2種類。

そして私は経験無いから解らないが

恐らく産婦人科にあるであろう

女性を診察する時に寝かせる

分娩台。

それにあのドットクラブの

橋元と美佳帆さんが居た部屋に

あったような物と同じような

器具が多数

陳列棚に置かれている。

(こいつら・・・

こいつらというか

張という男・・・

ここでスノウに・・・・)

私は今この部屋にマイクと

2人で居る。

革手錠で後ろ手に繋がれて

いても1対1で

マイクは右足を骨折

している状態。

幸い足は自由で

顔に被せられて

いた袋は外されている。

スノウを助け出してと

なれば難しいが私1人なら

この状態でもマイクに勝てる。

銃も今なら問題なく

処理できるだろう。

この部屋の外に

居るマイクの部下

と思える男2人に

残りは木島という男。

おそらくマイクの

部下もマイク同様

ボクサー崩れであろうが

勝てる自信はある。

問題は木島という男

戦えるのか戦えないのか

もし戦えるとしたらどれくらいの

戦力なのだろうか。

(考えて居ても仕方が無い。

ここにスノウが居てこの場所が

美佳帆さんや他の

所員達に伝えれないなら

私がやるしかない・・・

よしっ・・・

いくよっ!玲華っ!!)

ビュンッ!!!!!

バギッ!!

私は肉体活性により脚力を

最大限まで向上させマイクの

折れて居ない方の

左脚にローキックを打った。

「ウギャァァァアッ!!

アアッ!!

コッコノオンナァァァァッ!!!」


そしてすかさずハイキックでマイクの

銃の握っている右腕にヒットさせると

銃は宙に浮きその浮いた銃をもう1度

ハイキックで蹴り上げると銃はマンションの

天井を突き抜け落ちて来なかった。

(よしっ!

全然狙っていなかったけど

これはこれでラッキーだわ)

マイクの悲鳴で外の男2人が

部屋に入って来たが1人目は

左右のローからハイの

コンビネーションで瞬殺できた。

もう1人アレンという男は

やはりボクシング仕込みの

ジャブからストレートを打って

くるが私は2発を交わしたが

手が拘束されていてバランスを崩し

尻もちをついてしまう。

「マイクノアニキ!

オマエッ

コンナコトシテ

タダデスムト

オモッテイルノカ!!」


「アガガガッ・・

ウギギギ・・・

アァァマタ

オレタッ!

コノオンナ~

コノオンナッ!

モウゴウモンダケジャ

スマナイゾッ!!」


後ろの部屋で

床に這いつくばり

両足を骨折している

マイクは叫ぶだけで

立つこともできない。

もう1人の運転手男は

片足はおそらく

骨折でそのうえ

私のハイで気絶中。

あとは目の前で怒り狂っている

アレンという男。

(この男・・・

マイクの部下のようだけど・・・

ボクシングの腕・・・

マイクより上じゃないの?)

私は手で受け身を取れない状態で

尻もちをつきしゃがんだまま

アレンを見上げている。

(いてて・・・

自分の体重で

尾骨を思いっきり

打っちゃったぁ・・・

こんな事ならもう少し

ダイエットしておけば

良かったよ~ホント・・・)

「アレン

何を騒いでいるんだい?」


(木島!

この男何ができるの?)

私がアレンを見上げていると

木島という男が先程の拷問を

施すような部屋の横

事務室のような部屋で

玄関にもつながる部屋に

奥からやってきた。

(おそらくはあの奥か

さらにその奥にスノウは

居る。

玄関は後ろ・・・

私だけならこの状況でも

十分逃げれる。

肉体活性で走って

玄関を蹴破り逃げれば

摑まる事も無い。

しかし・・・

今ここに居るのがこの2人だけなら

こいつらを倒せばスノウは救える・・・

どうする・・・)

「アレン~

お前昇格だわぁ

もうこんな両足とも

女に骨折させられるような

ボクサー

義兄(アニキ)

もいらないって

言うぜ。

これからはお前が

ボクサー崩れ系の

腕利き集めて

指揮してくれよ。

義兄には俺から

言っておいてやるよ。」


「キジマサンッ

アリガトウゴザイマスッ!

マイクノアニキ

スミマセン

ソウイウコトミタイデス」


「ギジマザンー!!

ソリャナイデスヨッ

アギギギッ

キュウキュウシャヲ・・・

キュウキュウシャヲ

ヨンデグダザイー!!」


私は振り向きマイクを

見るが哀れなものだった。

仲間を見捨てるとは

やはり橋元の一味は

皆揃いも揃い

クズ揃いね。

そう思いながらスノウを救う為に

前の2人を倒すか。

それとも一旦ここは引くか・・・

(私がここから引けば

きっとこの男たちは

ここからスノウを連れだし

場所を変える。

そうすればまた一から

捜索・・・

選択肢何て最初からないわ。

スノウは私の為に囮になり

今この場所に居るのよ・・・・

そしてあのような機械で・・・)

私の気持ちは固まっていた。

《第6章 温泉旅行 第37話 救う為に 寺野玲華 終わり》


第6章 温泉旅行 第38話 従うしかない現実 伊芸千尋

(ここが美佳帆さんが

言っていた橋元の持ち物件

のドットクラブですか。

なるほど・・・

悪趣味なホテルですね。

こんなホテル普通に生活

していれば一生来ることは

無かったでしょうね)

しかし私は今

主人以外の男

しかも相手は今

対立している

橋元という男の

組織の幹部的

人物とここに居る。

「ココハ

ボスセンヨウノ

ヘヤダガ

オマエノヨウナ

ジョウタマト

タノシムニハ

コノヘヤガ

イチバン

キョウハ

トクベツダヨ」


張慈円。

橋元の悪事に加担している

アジア系の外国人で

暗器を使いの武術の腕を買われ

橋元に優遇されている男。

蟷螂のような容姿で

見るからに狡猾。

しかし私は

今その男の

部下に銀行に

勤務する優しく

真面目な主人の

命を盾に

取られ無条件の降伏を

受け入れざるを得なかった。

私は部屋には入ったが

まだドアの入り口付近に居た。

張慈円は

足早に室内に入ると

入り口から左手に

あるソファに座る。

入り口から右手には

露天風呂に繋がる

ガラス張りの両開き戸がある。

左手に入ると赤いじゅうたんを

歩くと向かい合うソファとその間に

ガラス張りのテーブル。

そのさらに奥には大きなダブルベッド。

その横に人を四つん這いに拘束

するようなギロチンのような器具。

その向かい側にも人をペケ字に拘束

するような磔の器具。

その脇に鞭。

など他にも人を拷問するような器具が

多々置かれている。

工事現場で使うのかと思うような

器具まで置かれていて私のこういう

事への知識では使い方すら解らない物も

多く置かれて居た。

(この男の言いなりになると

言ってしまった時から

SEXをされる事の覚悟は

できていたけど・・・

確かに美佳帆さんの言って

いた通りこの男は異常ね・・・

この部屋を選んだ時点で私に

あのような器具を使う気

なのでしょうけど・・・

さすがにここまでは予想外でしたね

そしてあのようなもので何をされるか

予想すら出来ないと言う事は

結構怖いものなのですね。

雪さんも同じ目に合ったのでしょうか?

今元気でいらっしゃれば良いのですが・・・)

部屋に入り入り口付近から

無意識に歩が進まなくなった

私へ張が

「ナニヲシテイル

イゲイチヒロ。

サアハヤク

コチラヘクルノダ」


私は今この男に

逆らえば主人の命を

危険に晒すことに

なるので指示に従うしかなく

ゆっくりと彼の座る

ソファの方へ歩み寄る。

主人には高校の同級生が

経営する探偵事務所の

事務を手伝っている。

現場に行くことは

無いから危険は無いと

話していて私としては

雪さんの立場で働いている

という感じで心配を

かけないように伝えて居た。

主婦が探偵事務所の

事務のパートに出ているという

くらいに思っていた主人は

「千尋~

お前探偵事務所の

事務ってこんなに

給料もらえるん!?

ちょっと俺

立場無くない?」


と驚いていたが

「経営している

同級生の奥さんが

さらに高校の先輩なのですよ。

その人に気に入って貰えていて

事務所も大きな仕事が

沢山取れていて

儲かっているみたいだから

私だけでなくみんな優遇されて

いるのですよ」


と言いそれで納得して

いたみたいだが

主人も

「そうなのか~?

探偵事務所ってそんなに

儲かるの?

俺も銀行員なんて

肩の凝る仕事

辞めて探偵事務所

やろうかな?」


と冗談か本気か

解らないような事を

言っていた。

そこは私も

(うちは特別だから)

と思いはしたが

口には出さずに居た。

そんな探偵事務所の

内勤のパート感覚で

していると思われてる

私の仕事が原因で

あの、人として全く

無害の絵に画いた

【良い人】

である主人を危険な目に

合わせたくは無い。

私は主人を愛している。

美佳帆さんや事務所の

所員達と比べてどちらが

大事かと聞かれれば困るが

それでも今は主人を

第一に優先しなければ

差し当たっての危機は

雪さんより主人である事は

間違い無かった。

(あの場で携帯を

落したのが運のツキ

でしたね。

主人がひどい目に

合わされる

よりは私がこの男の

慰み者になり済むので

あれば・・・

主人にバレないように

すれば・・・

明日以降も幸せな

生活は続くのですから。)

「サスガニ

オチツイテイル。

オビエテイル

ヨウスモ

ドウヨウシテイル

ヨウスモナイ

メンタルモ

モシカシタラ

ユキイジョウ

カモシレナイネ

ナルホド・・

ヤハリ

オマエハ

イイオンナダ」


張はソファに座り180㎝

近くはあるであろう長身を

支える長い足を

組み替えながら

張が座る向かいのソファの

前で座らずに立ち尽くす私を

顔から足先まで眺めながら

そう言った。

「1つ質問を

させて頂いても

宜しいですか?」


私は張に対する敵意を

全く出さずにまるで

ビジネスの取引の

相手に話すように聞く。

私と玲華さんは

潜入捜査を任される

事が多かったので

私はキャリアウーマンを

装う事には慣れていた。

玲華さんが苦手だったので

私が身に付けるしか

なかったのだが

元々勤務していた

弁護士事務所の

補助の仕事でも

対外的には秘書的な

仕事も任されていたので

元々の素養もあった。

そして感情を表に

出さないのは

今に始まった事では無く

大学時代に海外留学で海外に居たときに

友人からスカウトされて

カジノでカードゲームの

ディーラーのアルバイトを

していた時に身に付いたのだ。

張は不敵な笑みを浮かべるが

私が反抗もしない

もとい出来ない状態で

あると理解していると

悟ったのか余裕のある

表情で

「ナニカネ?

ハナセルコトト

ソウデナイコトモ

アルガ・・・

コノヘヤノキグノ

ツカイカタニ

ツイテナラ

クチデハナク

カラダデオシエテ

アゲルガネ

ハハハハッ」


私は張の言葉には

応じず質問を切り出した。

「質問は1つです。

私の同僚の

雪さんは

無事でしょうか?」


「ユキカ?

ユキハゲンキダヨ。

キクザワミカホ

ヲツルダイジナ

コマダカラネ

ダイジナコマノ

カチヲ

ソコネル

コトハシテイナイ。

モチロン

ケガナドモ

オッテイナイシ

アルバショデ

ユックリスゴシテ

モラッテイル。

タダニゲナイヨウニ

コウソクハ


シテイルガネ」

(嘘は言っていないようね。

怪我は負っていないが

貞操を損ねるような

行為は強いられたのでしょう。

雪さん・・・

無事でさえいてくれたら

後は宏君や哲司君、

それに美佳帆さんが

何とかしてくれるはず

そう信じるしかない。

それに今は大塚さん達も

居るし・・・

そうと解れば私は主人の

為にやるべき事を

やるしかないですね。

玲華さんの事も気になりますが・・・

すみません。

美佳帆さん、玲華さん

私はもしかしたら

この件はここで

リタイアかも

知れません。

雪さんの奪還の案件。

後は宜しくお願いします)

主人の危険も顧みず

最後の抵抗を試みなくては

いけないような

最悪の事態にはまだ発展は

していないと推測した

私はこの場は張の要望通り

にするのが1番全てに

置いて被害が少ない事と

判断した。

この男が全て本当の事を

話しているなら人質は1人で

充分との事。

ここで事を為せば私は返して

貰える。

事を終えた後の私がどうなっているか

普通に主人や事務所の皆の顔を

見れる状態にあるかは

これからこの男が私に行う行為に

もよるだろうが

その内容も反発せずに徐々に

交渉して行けばこの男の機嫌を

損ねることなく

緩和させれるでしょう。

自信はあった。

私の交渉術は相手がどのような

人であっても

自分の感情は置き去りにして

まずは歩み寄り相手の手を取り

少しづつ私の行きたい方向へ導く事、

相手にはそのことを悟られずに。

(いくら従うと言っても

私も一応35歳の結婚している

女性なのです。

出来ることと出来ない事があります。

それにしたくない事もありますよ。)

「とりあえず。

雪さんが無事という事は

信用しても宜しいみたいですね。

解りました。

ありがとうございます。」


私が彼の向かい側の

ソファに座らないのは

本能的に彼の圧倒的な雄としての

強度に怯えていたからかも知れない。

それに彼の放つ、特殊な力を持つ人間同士に

しかわからないオーラの種は、

既にこの部屋に張と2人で居る時点で

私の精神は彼に犯されているような

気になってくる。

そんな中で今から

私は主人の身を守る

代償を彼に与えていく中

私自身の被害を

最小限に抑えるための

戦いが始まろうとしていた。

《第6章 温泉旅行 第38話 従うしかない現実 伊芸千尋 終わり》
筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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