2ntブログ

■当サイトは既婚女性を中心に描いている連続長編の官能小説サイトです■性的な描写が多く出てくる為18歳歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい■

第7章 慟哭 24話 仕方なく1度だけ 中崎明日香

私は今、ある高級マンションの最上階に居る。
私の収入では永遠に住むことがかなわないようなマンションである。

私はこの町の地方銀行に勤務しているが29歳の銀行員の
給料と言うのは想像を絶するほど安かった。
おまけに主人は現在無職・・・

まだ子供が出来ていないのが救いであるが、主人の度重なる
浪費と収入は上がらないのに出費だけは上がり続ける今の
世の中では借金のみが増えていくというシステムになって
いるかと思えるほどあっという間に借金は膨れ上がった。

そしてそれを、ある不動産屋の社長さんを知人に紹介してもらい
借金を1本化したのであるが、とても返済のめどなど立たない。

2か月間利息も取らずに催促もしない不動産屋の社長の橋本様は
私を呼び出し話をしても、怒りもせずに返済をせかすこともなく

「まだご主人のお仕事は決まりませんかぁそうですかぁ・・」

と逆に私の心配をしてくれるほどであった。

そんな橋本様が今月は私さえ良ければたった一晩で借金を
全て返済できる方法があるのだがと提案を持ちかけてきてくれた。

詳しくは言えないがある企業の社長に一晩付き合えば
その社長が私の抱えている借金を全て肩代わりしてくれるとの事。

今月も主人の就職は決まっていないと報告をした手前、私に選択肢はなく
橋本社長はゆっくり考えれば良いとおっしゃって下さったが私は橋本様に
主人の就職は決まっていないと報告をしたが、就職活動すらしていない
する気もない主人の就職は来月まで待って頂こうが再来月まで待って頂こうが
決まるはずもなく、私はこの話を受けこの借金を全て清算できれば主人との
離婚を考えていた。

仕方なく・・・たった1度だけだが顔も知らない50代の方と聞く男性に
身体を許すのに抵抗が無かったわけではない。

しかし私が働きもし無くなり私の微々たる給料すら持ち出し
遊びに行く主人と離れるにはまずこの借金を帳消しにしたうえで
無ければ新しい人生を歩む気にもなれず、自分に踏ん切りをつける
良い機会だと思い、話を聞いた翌日に橋本様に連絡を取り、この話を
受け今ここにいる。

主人とは結婚3年目であるがもうセックスレスになり2年が経つ。
勿論日々の生活に追われる私はその間に主人以外の男性を受け入れたことも無い。

銀行の同僚や、他にも何度か飲みに行こうなどの誘いもあったが
余計なお金は使いたくなく全て断ってきた。

遊びたくなかったわけではないがそんな余裕すら本当に無かったのだ。

今日が終われば・・・何かが変わると思う・・・
想像していたよりは容姿も肉体も若そうに見える私の借金を全て
肩代わりして下さる【お客様】に今私は下着姿でベッドに寝かされている。

セックスとは長らく無縁であった私は本当にどう動けば良いかも忘れていた。
ソファでフェラチオを要求され久々に口に含んだ男性器の大きさに驚きもしたが
それはこの方が今まで私が相手にしてきた男性達、主人も含めその男性達の
物よりも遥かに大きかっただけの事で、私の記憶に相違があったわけではなかった。

お客様はベッドに仰向けに寝る私のパンストもずらして片足づつ抜いていく。
私は少し腰を浮かせ脱がせやすく協力をする。

この方は私の一夜を250万円で購入して下さったお客様なのだ。
こんな三十路を手前にした既婚者の最近ではおしゃれも手入れもしていない
地味なごく普通の主婦の身体にそんな大金を出してくださる方が居て下さり
私は感謝すらしていた。

だから望まぬセックスではあるし不本意でもあり仕方なくでもあるが
私はそういう素振りを見せぬよう極力努力をしていた。

お客様のしたいようにされるがままして頂く覚悟であった。

「君は本当に綺麗な脚をしているね~」

お客様はパンストを脱がせ終わった私の素足に触れその
手を徐々に上へ上へと滑らせていくと太ももの上部あたりで
手は止まり私の太もものお肉を掴むように揉むように
手を動かす。

「いえ・・・そんな・・・
結婚してからはエステにも通えなく
なりましたし・・・」

私は目を閉じていたが目を開きお客様の言葉に
応える。

「そうかぁ・・・いけないご主人だね~
こんな美人の奥さんを貰っておきながら
奥さんの美容にかけるお金は惜しんじゃいけないなぁ~」

おっしゃる通りです。
本当にそう言いたい。
私は少し苦笑いをするとまた再び目を閉じ
お客様の好きにしてもらうために覚悟を決める。

お客様は私の背中に手を回すとブラジャーのホックに手を
かけ慣れた手つきで一瞬でパチンと外すと私の胸元から
ブラジャーを取った。

私は胸を隠すわけでもなく恥ずかしがるわけでもなく
何事も無かったかのように無抵抗で動かずを続けた。

主人よりも10㎝以上は体の大きなお客様の暖かく大きな手は
露わになった私の乳房を下から上へ包み込むように触りながら
右手は私のショーツの上から私の長らく男性と交わっていない股間を
揉むように掌で押すように刺激してきた。

「ふっ・・・ふぅっ・・・」

目を閉じお客様のされるがままを決め込んでいた私は
本当に久々の男性からの愛撫で自分の身体が予想以上に
熱を持っていたことに気づき息が荒くなっていたことを
自覚した。

その証拠にお客様の掌が私の股間を何度か押したときに私は
自分の股間が湿っていることに気づき息を漏らしてしまった。

「凄くお堅い奥さんだと思っていたけど
既に濡らしているね~
相当久しぶりみたいだから当然かな?
ここは?ここかな?君の感じるところは?
今日はお金の為とは思わずに君も
楽しんでくれたまえよ」

グッグッ・・・ギュッ・・・

クリクリッ・・・

お客様の掌が私の股間全体へ圧力をかけるような動きから
今度は指先で私の股間の芯を探すような仕草に変わりそれは
さっさりと発見され集中的に指で軽い刺激を与えられる。

胸にある手は私の乳房の感触をひとしきり確認し終えると
今度は乳首を摘まみ左右上下に動かすような動きに変わる。

このような丹念な愛撫に前戯は私も長らく経験がなく
脱いで2分後に私の股間の中に男性器を挿入してくる主人とは
大違いでかなり以前の彼氏を思い出す。

あの人と結婚していたら・・・こんなところでこんな知らない
人とセックスをする羽目にはなっていなかっただろうな・・・

私が社会人になり2年目の時に付き合っていた税理士の2歳年上の
男性はセックスがお上手であったと思う。

私の3人目の男性であったが私がセックスで逝ったのはその人が最初で最後であった。

今日はくしくも借金返済の為の仕方なくのセックスで当時の彼氏の事を思い出さされるなんて
本当に皮肉だなと思いながら私はお客様の愛撫を目を閉じ受けている。

さすがに熟練感の漂うお客様の愛撫はその彼氏よりも巧みに私の最近では不感症気味の身体を
ほぐしていく。

自分でも信じられないくらいショーツに湿りを感じる私はセックスは好きでもない男性でも
こんなに濡れるものなのだなと改めて女性の身体と言うものに感心してしまう。

私だけ?いや・・・女性なら皆少なからずお上手な人を相手にすればこうなるものなのよ・・・
そう言い聞かせお客様の愛撫を乳首からショーツの上からの女性器の芯の部分へ受けていると
セックスでは殆ど声など出ない私が無意識に声を発してしまう。

「はぁはぁ・・・んっ・・・
はっ・・・うぅ・・・」

お客様の愛撫は気持ち良いと思えた。
特に股間を責める指の動きが時折振動するように感じ
私の芯を程よい強さで刺激する。

「随分ほぐれたようだね~
それでは君の最後の一枚も
脱いでもらうかな?」

そう言いながらお客様は私の既にかなり湿らせてしまった
ショーツを右足からそして左足と抜き取るとついに私は
結婚後、初めて主人以外の前に一糸纏わぬ姿を晒す事となった。

《第7章 慟哭 24話 仕方なく1度だけ 中崎明日香 終わり》



第7章 慟哭 25話 返済の為 中崎明日香

今日が終われば私が抱えている250万円と言う
借金は無くなる。

これを機にやっと主人との離婚の話も進めていけるし
新しい人生を切り開くために歩を進めれるのである。

今、結婚後主人以外の前で初めて一糸纏わぬ姿になった
私の開げられた足の間、私の薄い茂みの奥の核の個所を
お客様が執拗に舌先で吸ったり舐めたりしている。

奉仕をする立場であった私なのにお客様の趣向が
こういうことが好きなのか、私はお客様の舌での
陰核の責めを受け、身体が熱く股間は信じられない
程、潤っている。

「はぁはぁっ・・・
君のような真面目そうな普通の
奥さんが・・・
こんなに濡らしてしまうギャップが
たまらんね~
ほらっここかね?ここが好きなんだろ?」

チュゥゥゥッ!!!

お客様の舌が私の突起してしまった
陰核を舌で絡めて吸い上げるようにする。

「はぁはぁ・・・
はぁはぁ・・
っ!!!!!」

私は閉じていた目を更に強く閉じ両手で
ベッドのシーツを強く握りしめた。
思わずそうしなくてはならないほどの
強い刺激が私を襲ったからである。

「どうだい?これは・・・
ここ強く吸われると
気持ち良いだろう?」

チュゥゥゥッ!!!
チュゥゥゥッ!!!

「っ!!んっ!!」

私は強く握りしめたベッドのシーツを
引き剝がしてしまうくらい引っ張り
握りしめる。

陰核を何かされただけでここまで
大きな快感に見舞われるのは初めて
であった。

私は腰を反らせ身体を仰け反らせ
ながらお客様の責めに耐えている。

「やっと可愛い声が出だしたようだね~
君のようなマグロの女性に声を出させるのが
私の趣味でね~
どうだい?こんなに気持ち良くクリトリスを
吸われた事は今までにないだろう?」

チュゥゥゥッ!!!
チュゥゥゥッ!!!

チュゥゥゥッ!!!
チュゥゥゥッ!!!

チュゥゥゥッ!!!
チュゥゥゥッ!!!

ダメッ・・・

取れちゃうっ!本当にそこ・・・
取れちゃうよ・・・

私は股間の陰核が吸い取られてしまうのでは
ないかと思うほどお客様の舌で包まれた陰核が
伸びてしまい、私の陰核ってそんなに大きく
突起するものであると今の今まで知らなかった。

「ふんっ・・・んんっ・・
はぁはぁ・・んんっ!
うっ・・・あぁ・・・
お客様っそこっそこ・・・
取れちゃいますっ・・あぁ・・・」

私は股間が熱くなりすぎる事と陰核への刺激への
快感から仕事だと借金の返済の為だと思い時間が
過ぎ去るのを待つのみと思いここへ来てたが
まさかこれほどの大きな快楽を与えられるとは思っておらず
予想外の快感に余計な事は話さずに極力事務的に事を
進めて時間の経過を待つのみと思っていたが
当初の思惑とは違い思わず声を上げてしまっていた。

「ハハハハッ
そうだろうっそうだろうっ
取れるくらい気持ち良いだろうっ
私のクリトリス吸いは
普通の女性はこれでまず1度は
逝ってしまうからね~
君は良く耐えている方だが・・・
そろそろ・・・」

チュゥゥゥッ!!!
チュゥゥゥッ!!!

チュゥゥゥッ!!!
チュゥゥゥッ!!!

チュゥゥゥッ!!!
チュゥゥゥッ!!!

ブチュウゥゥゥッ!!!

うそっ!!うそっ!?

こっこれは・・・本当にもうダメだ・・・

あぁ・・・

「ひっ!・・・
あぁ・・・お客様っ!!
あぁっ・・・
ふぅっふぅっ・・はぁっはぁっ・・
はぁぁぁぁっ!!あっ!!」

「良いね~29歳の銀行員の真面目な
奥さんがクリトリスを吸われて喘ぐ姿は~
さあっそろそろだろ?もう頃合いだ。
クリトリスでまずは1回逝きなさい。」

ブチュウゥゥゥッ!!!
ブチュウゥゥゥッ!!!
ブチュウゥゥゥッ!!!

コリコリコリコリッ!
コリコリコリコリッ!

ペロペロペロペロッ!

お客様は先ほどの最後にした今までにない
強い吸いつきで何度も私の今までに経験のないくらい
堅く膨れ上がった陰核を吸い上げるとさらに舌先で
陰核を転がすように舐めまわした。

私はこの個所ってこんなに感じてしまうものなのと
今までの人生経験の中では未経験の種類の快感が私の
陰核を起点に全身に駆け巡り私は絶頂を堪える事が
出来ずに果てた。

「ひぅっ!はぁぁぁっああぁぁっ
あっお客様!お客様っ!そこっ
あぁっそこっすごいっ!あっああっ!!
もっ申し訳ございませんっ!わたくしっ・・・
はしたないっ・・・あぁぁ・・いっ・・・いぃ・・
いっ・・いっちゃいそうで・・す・・・んんんんっ!!!」

あぁ・・まさかお客様に借金の返済を肩代わりして
頂くために奉仕する為に来た私が・・・
お客様より先に果ててしまうなんて・・・

私は両手に握りしめたシーツを力いっぱい引き
腰を大きく反らせながら果ててしまう。

「ハハハハッ良いよ良いよ君・・・
貞淑な人妻が羞恥心を堪えながら逝く姿は
いつ見ても絶景だよ・・・
さあ次は私の指をあげよう。」

えっ・・・

私は果てた余韻に浸る間もなく
荒くなった息を回復する間もなく
お客様は私の濡れに濡れている膣内に
中指を1本挿入してきた。

グチュ・・グチュチュチュ・・・

「君の同僚やご近所の人は
君のような黒髪の美人で真面目そうな
人妻のオマンコがこんなにグッショリ
濡れるものだとは想像もしていないだろうな~
うん?おっ・・・ここだね~」

「ひっ!ふわぁっ・・あわわぁ・・・あっ・・・」

お客様が私の膣内に挿入した中指の指の腹の部分が
私の膣内の今までに集中的に刺激を受けた事のない
ような個所を執拗に押す。

私はそこを指の腹で圧力をかけられるとこんなに
何とも言えない感覚になるとは知らずにまさしく
未知の快感が全身を襲い私はまた再びベッドのシーツを
強く握りしめ腰を反らせ身体をうねらせていた。

するとお客様は私の膣内に挿入していた右手とは
反対側の左手を私の腰の下に入れると私の腰を
浮かせ私の膣内に垂直に指を激しく出し入れしながら
私の未知の快感を感じる膣内の個所に圧力を与える。

グチュグチュグチュグチュグチュッ!

ピチャピチャピチャピチャッ!!

「ここだね?このGスポットをこのように
責められたことはないのかね?」

お客様の指の動きが身体を浮かされていることに
より重力に引かれ私の体重までもがお客様の
指の圧と逆の負荷がかかり未知の個所にかかる
刺激をさらに強くさせていた。

「ひゃっ・・・はわぁぁぁっ・・あぁ・・
はっはいっ!なっないですっ!
あっ・・あぁっなっなんですかっこれっ
あっあぁぁ・・・ふぅぅぅぅっ!!」

グチュグチュグチュグチュグチュッ!

ピチャピチャピチャピチャッ!!

「ハハハハッそれでは潮吹きも初めてかな?
さあもっと刺激を強くしていくからねっ!
ほらっ!ほらっ!!ここだろっ!!」

グチュグチュグチュグチュグチュッ!
グチュグチュグチュグチュグチュッ!
グチュグチュグチュグチュグチュッ!

ピチャピチャピチャピチャッ!!
ピチャピチャピチャピチャッ!!

ポタッポタッ・・・

激しすぎる指の出し入れに比例しお客様がGスポットと称した
私の未知の快感を味わう膣内の個所への圧力も加速する。

私は信じられないほどの大量の陰液を股間から垂れ流しながら
お客様に腰を支えられながらブリッジをするような体勢に
仰け反ると先ほど果てた時とは違う種類の絶頂間の波が全身に
押し寄せてくる。

あぁ・・・ダメッ・・・これっなにかくるっ!

「ああああぁぁっ!!あああっ!!
そこっ!!そこっ!!なにか来ちゃいますっ!!
いっ・・いっちゃうっ!申し訳ございませんっ!!お客様っ!
わたくしっまた逝っちゃいそうですっ!!あああっ!!」

グチュグチュグチュグチュグチュッ!

ピチャピチャピチャピチャッ!!

「かまわんからっ!このまま逝きなさいっ!何度逝ってもいいから遠慮なく逝きたまえっ!」

グチュグチュグチュグチュグチュッ!

ピチャピチャピチャピチャッ!!

「はっはいっあっあっあっあっ!!
はぁぁぁぁぁぁっっ!はぁぁぁっ!!
あっ!!あ~!!!!!!!
何か来ちゃいますぅぅぅっ!!
あぁぁっ!!いくっいくっいくっ!!
そこすごいですぅぅぅぅっ!!
いく~!!!!!!!!!あんっ!!!!!」

ピシャァァァァャァァァァャァァァァッ

私は今までに出したことも無いほどの大きな声で
悲鳴を上げながら自分でも私ってこんなに大きな声が
出たんだと思うほどの声を上げながらお客様の指により
大きく果てていた。

そしてそれと同時に私の股間からは大量の水滴が
水鉄砲のように吹き出していた。

《第7章 慟哭 24話 返済の為 中崎明日香 終わり》



第7章 慟哭 26話 250万円分のSEX 中崎明日香

お客様の舌と指は、私がこれまで相手にしてきた
男性達の舌と指とは全く違うものであると思い知らされた。

私は生まれて初めての潮吹きと言う醜態を晒してしまい
まだそれに伴う大きな絶頂間の余韻から戻れずにいた。

「はぁはぁ・・・はぁはぁ・・・」

「こんなに激しく逝ったのは・・・
もしかしたら初めてかね?」

お客様は私の膝の裏に手を入れ
私の足をひろげながらぐったりと
している私にそう言った。

「はぁはぁ・・・はい・・・」

事実そうであるので私はそう言うしかなく

「そうかね。そうかね。
私もね・・・
君のような貞淑そうな人妻の
潮吹きシーンを見てしまい
私の一物もこの通りでね。
私のは少し太いから・・・
グッショリと濡れている
間にここを使わせてもらうよ。」

お客様はそう言いながら仰向けで足を
大きく広げられた私の股間に自分の男性器
を握りしめ膣口にあてがいながら陰核を
男性器の段差がある堅い部分で何度も弾く。

先ほど大きな絶頂の波がやっと引いていった
私であったがお客様の私の知る男性器とは全く
異質のサイズに硬度を誇る物で膣口に陰核を
刺激されるとそれだけで私は快感を感じている。

ズリュズリュ・・・

お客様は男性器を私に挿入する体勢を取るが
中々それをせずに挿入直前の状態で擦りつける行為を繰り返す。

あぁ・・・太い部分が当たり気持ち良い・・・

私は本能的にそう感じながらお客様の太い物が
私をいよいよ貫くのだと覚悟を決め、またシーツを
両手で握りしめ覚悟を決める。

「中崎・・・明日香ちゃんだったね?
それでは明日香ちゃん・・・
私のは少し太いから最初はキツイかも
知れないが・・・
いくよ・・」

ズリュリュ・・・ミチミチ・・・


「ふっ・・んんっ!!」

お客様の男性器の先端が仰向けで足を広げる
私の中心部分を目掛けて侵入してくる。

口に含んだので分かってはいたがお客様の
私に侵入してきた物は本当に太い・・・

特にその先端部分は私の薄い茂みの奥をこじ開ける様に
して侵入してくる。

私は両手で握りしめたシーツを私の方に強く
引き寄せ腰は既にうねる様に仰け反り顔は
ベッドの上辺が見える程反り返らせていた。

お客様は無意識に挿入から逃れようと身体を
上へずらせてしまった私の腰を両手でがっしりと
掴むと先端を無理やりこじ入れた男性器を更に
奥へと押し込む。

メリ・・・メリメリ・・・ズリュリュリュ・・・グチュッ・・・

「これは・・・あんなに濡れていたのに・・・
やはりキツイね~」

お客様はそう言いながら私の掴んだ腰を自分の方へ引き寄せる。

ズブブブブ・・・

これは・・・キツ過ぎる・・・あぁ・・・なっなにこれっ!!

私の心の中はお客様の太すぎる男性器が与えてくる
衝撃、快感、征服される気持ちなど様々な感情が
脳内をかけめぐり、大きく後ろに反らせた身体と
歯を食いしばりはしたない悲鳴を上げないようにするのに
精一杯であった。

「黒髪の貞淑な29歳の人妻の
オマンコはかなりの名器でしたな~
これは・・・よしっこれだけ
こじあけたら一気に奥まで突けそう
だね・・・いくよ明日香ちゃんっ!!」

ズブッ!ズブッ!!バチーンッ!!!!

お客様は何度か出し入れをするとその後私の腰を大きく
引き寄せるのと同時に男性器を勢いよく私に向かい
振るいその勢いで一気に押し込んだ。

私は今まで男性器の侵入を許した事のない未知の領域に
初めて男性器が侵入してきたので、その個所に男性器の
侵入を許すとどのような感覚を与えられるか知らずに
今初めて知った。

これは・・・無理・・・無理すぎます・・・

あぁ・・・こんなの・・・

私は子宮口の更に奥にまで太いお客様の物が侵入したような
思いを受け想像していた以上の快感に見舞われ閉じていた
目から涙が溢れ出てきている事に気づいた。

「ふぐぐぐぐぅぅぅっ!!あっ・・・
はぁぁぁっはぁぁぁっ・・・」

「どうしたのだね?明日香ちゃん?痛いかい?」

お客様は急に泣き出した私に気を使ったのか最奥に激突させた
男性器をそのまま止めて私の様子を伺う。

痛くはなかった・・・

痛くはないが・・・これは気持ち良すぎる・・・

しかしそれを口に出す事すらできない全身がしびれた
ような感覚に襲われている私はただ首を何度も横に
振り続けお客様の行為を中断させないようにする。

「ハハハッそうかい。そうかい。
気持ち良すぎて驚いたのかね?
それでは遠慮なく使わせてもらうよ。」

バチンッ!バチンッ!!バチンッ!!!
パンパンパンッ!!
グチュリッ!グチュリッ!!

お客様はゆっくり大きく最奥を何度か激しく貫いた後
今度はリズミカルに出し入れをしその後に太い先端で
円を描くように膣内を男性器で掻きまわす。

「ひっ!!ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!
あっ!あっあっあっ!!あぁぁぁぁっ!!
あぁっ!!それっそれすごすぎますっ!!ふわぁぁぁっ!!」

私は太い男性器先端が私の膣内をグリグリと中で
動き回るのが中を広げられるが凄く心地よく既に
また絶頂を迎えそうになっていた。

「こうやって私の物をなじませておけばね・・・
この後もっと明日香ちゃんを気持ち良くさせて
あげれるのだよ・・・」

グリグリグリ・・・ズリュリュリュ・・・

「はぁはぁはぁ・・・あっ!!あああっ!!
すごいっ!なんかっお客様の・・・
生きてるみたいっ!
あぁぁぁぁぁぁっ!!」

「動いているだろ?これがいいのかね?」

グリグリグリ・・・
グリグリグリ・・・
グリグリグリ・・・

お客様は私の膣内で太い男性器先端を円を描くように回すと
最後にまた私の最奥に勢いよく激しく激突させた。

バチーンッ!!!!!!!!

「あぁぁぁぁぁっっ!!
あぁぁぁぁぁぁぁっっ!
ひぐぅぅぅぅぅっ!!!!!」

私は最後に膣内の最奥に深すぎる衝撃を与えられ
涙を流しながらあっさりと絶頂を迎えさせられた、

これが・・・250万円を返済するための労働なのね・・・
凄すぎる・・・
私は真っ白になっていく意識の中そんなことを思っていた。

《第7章 慟哭 26話 250万円分のSEX 中崎明日香 終わり》














第7章 慟哭 27話  気持ち良すぎる仕事 中崎明日香

お客様の物で大きすぎる絶頂を迎え意識が遠のき1度頭が真っ白になってしまった私は
半ばお客様に無理やり起こされ今は四つん這いで後ろから腰を両手でロックされお客様の
先が以上に太い男性器で貫かれていた。

パンッ!パンッ!パンッ!バチンッ!!

仰向けからされていた時よりも深く私をえぐるこの体勢は
気持ち良すぎて気が狂いそうであった。

絶頂を迎えたすぐ直後なので私は数回の打ち付けでまた
高揚してくる絶頂の大波に襲われていた。

「はぁっ!はぁっ!あぁっ!!あぁっ!!」

パンッ!パンッ!パンッ!!バチンッ!!バチンッ!!

「明日香ちゃんはこうして見るとくびれが良いね~
そして良いお尻をしている。」

ペシッ!!ペシッ!!

お客様は私を後ろから激しく打ち付けながら私の
ヒップを1度2度と軽く叩く。

「あんっ!!ああっ!!ああぁぁ・・・
あっ・・・お客様・・・はぁぁぁっ
すっすごすぎて・・・
あぁぁぁっ!!私もうっもうダメですっ!!
この格好っすごすぎますぅぅぅぅっ!!!」

パンッ!パンッ!パンッ!!パンッ!パンッ!パンッ!!
パンッ!パンッ!パンッ!!パンッ!パンッ!パンッ!!

お客様は数回突いて大きく打ち付けるという動きから
今度は激しく高速で何度も何度も私の奥を速く貫く突き方
に変更していく

「そうかい!そうかい!明日香ちゃんはバックが好きだったんだね。」

そう言うとお客様は私のヒップをギュっと両手で強く握ると
更に激しく速く膣の奥を掘り起こすように男性器先端を
押し付けた。

パンッ!パンッ!パンッ!!パンッ!パンッ!パンッ!!
ズブッ!!ズブブブッ!!!バチーーーンッ!!!!!

「ひぃっひぃぃっあぁぁぁっもうっもうダメですぅぅぅぅっ!!
ひぎぃぃぃひぐぅぅぅぅぅっ!!!あぎゃぁぁぁぁ!!」

私は首を反り返らし腰がお客様がヒップが潰れるくらい
強く握る力でベッドすれすれまで下がりそれにより
お客様の男性器は私の膣内を打ち下ろすようにえぐる。

そして最後に強く激しく子宮口を貫かれ私はまた大きく果てていた。

「おやおや。潰れちゃったかい?明日香ちゃん。」

あぁ・・・・気持ち良すぎる・・・
そういや・・これ借金返済の為の仕事なのに・・・
こんなに気持ち良くて良いのかしら・・・

私はまた遠のいて行く意識の中でそんな事を思っていた。
意識が遠のいて行く中私の股間に突き刺さっているお客様の
物は依然突き刺さったままである。

私はお客様に突き刺されたまま、その場にうつ伏せに崩れ落ちていた。

ズリュッ!ズリュッ!!

パスンッ!パスンッ!!

あぁ・・・気持ち良い・・・凄く良い・・・

バスンッ!バチンッ!!

あぁ・・・あぁ・・・いいっいいっ!!

バスンッ!バスンッ!!

私はうつ伏せで寝たまま後ろからお客様に
突かれながら遠のいて行った意識が戻ってくる。

「ハァハァハァッ!明日香ちゃんのお尻が
良いクッションになってこの体勢もまた
気持ち良いよっ!私ももうすぐ出すからね!!」

バチン!!バチン!!バチン!!バチーーーーーンッ!!!!

「ひぃっひぃっひぃっ・・・はぁぁはぁっはぁっ」

私は吐き出す吐息の音に声が混ざったような
声しか出ず両手で頭の横のシーツを強く握りしめ
すっかり私の膣内になじんだお客様の男性器に
吸いつく膣肉がお客様の男性器より受ける快感と言う
恩恵にあやかりまた私の脳内をオーガズムに導く
秒読みが始まる。

バチン!!バチン!!バチン!!
バチン!!バチン!!バチン!!
バチン!!バチン!!バチン!!

「ひぃぃぃぃっ!!!
ひぎぃぃぃっ!!
はぁはぁはぁっ・・・」

「やっと目が覚めたかいっ明日香ちゃんっ!
私もいくよっ!!ラストスパートだっ!!」

バチン!!バチン!!バチン!!バチーーーーーンッ!!!!
バチン!!バチン!!バチン!!バチーーーーーンッ!!!!
バチン!!バチン!!バチン!!バチーーーーーンッ!!!!
ズブブブブッ!!ズドーンッ!!!

「ひぃっ!ひぃぃぃっ!!はぅぅぅっ!!
あぁッ!!逝くっ!!逝くっ!!私もっまたっ!!
あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!きゃぁぁぁぁぁっ!!!!
ひぃぃぃぃ死んじゃいますぅぅぅ・・・・」

気が付いたと思った瞬間私は既に激しく責められていて
その激しいお客様のうつ伏せの私に対する膣内をえぐり取る
ような角度のある突き方でまたまた私は大きな絶頂に誘われ
頭が真っ白になっていく中、お客様の逝くっという声と共に
背中に生ぬるい液体が飛び散る感触を味わいながら気を
失っていた。









登場人物紹介とご挨拶

人物紹介とご挨拶

皆様いつも千景の一夜限りの思い出話をお読みいただきありがとうございます。
本当に感謝しております。
物語は第7章の序盤が終わりました。
大塚博之の父も登場しましたね、府警本部長でありながらエッチな男です全く・・・
それでは今後、中盤へかけて主に登場する予定の人物紹介をいつもの
ように行います。


霧崎美樹(33)既婚 政府直属特別捜査官。本来は首都圏に勤務する警察とは組織を
別とした警察以上に権限のある特別捜査官。古武術の達人であり射撃の腕も国際級。
現在この町の警察が一民間人に懐柔されて
いるという報告をこの町の警官から匿名で報告を受けその真偽を捜査中。
東京大学卒業のエリートで犯罪者にも警察官の監査にも極めて冷酷な一面を持つ。
現在はこの町に長期出張中。
府警本部長の大塚弘道そのものが一民間人に懐柔され操り人形化していると疑っている。

166㎝54kg 87F 63 90



錦雄二(29)既婚 政府直属特別捜査官。霧崎美樹のパートナーであり部下。
いつも冷静な霧崎とは反対で正義に燃える熱血漢。霧崎には暑苦しいから近づかないでと
言われる度に落ち込んでいる浮き沈みの激しい性格であるが捜査官としては超優秀で
やはりエリート。
空手三段の腕前で運動神経も抜群。学生時代は体操をしていた。

170㎝56kg 16㎝



杉桜子(29)既婚 杉誠一の妻で粉川たちの高校の柔道部出身。大学では国体入賞クラスの
実力を持つ。高校の時からかなりもてたが彼氏は作らず大学に入ってからはそこそこ
男性関係も進展しだす。しかし結局社会人になり再開した杉と付き合う事になり
そのまま結婚した。現在は常盤広告で営業職に着き由佳子の後輩でもある。
妻の保奈美を人質に取られた粉川が最初に出された指示で桜子の行動範囲を
報告させられるという指示もあったが・・・
現在は張慈円にターゲットにされている。
162㎝53㎏ 80B 63 90



粉川卓也(29)既婚 府警に異動になってきた刑事。大塚の部下になる。
巡査。柔道で国体優勝経験あり。
現在は妻の保奈美を橋本一派の張に人質とされ
妻が犯されている動画を送られ上司である大塚を
裏切るように脅迫されている。
そしてついに張慈円に桜子と神谷のスケジュールを送信してしまう。
175㎝77㎏15㎝



神谷沙織(29)独身  府警の捜査一課所属の刑事 巡査
生真面目で堅い性格の刑事。
菊一探偵事務所にいつも先を越される事を
悔しく思っている。現在5年間彼氏無し。
桜子と共に張慈円の次のターゲットにされているが・・・
167㎝54㎏ 84C 59 88


                     
荒木友恵(30)独身  府警の捜査一課所属の刑事 巡査部長
温和で神谷の刑事としての務めを果たす
為にたまに行う暴走を止める役目。
実は大塚とは婚約中だが大塚には
他に誰か好きな人が居るのではないかと
内心不安に思っている。
対橋本対策チームを菊一探偵事務所と形成してからは菊沢博が大塚と
コンビを組むようになり、現在は神谷と行動を共にすることが多い。
168㎝58㎏ 90F 63 92



菊沢美佳帆(38)
菊一探偵事務所の勘定方。
菊沢の妻で菊沢探偵事務所の財政を握る裏の所長。
菊沢や豊島の高校の先輩にも当たる。
表向きは活用していないが実はハッキング技術
もウィザード級。
その他30種類の資格も保持していて
事務所の頭脳でもある。
扇子による武術も得意でかなり強い。
半径50メートル以内の音は全て感知できる百聞と言う
力に目覚めている能力者でもある。
現在は橋元の媚薬と言う力の名残に苦しんでいる。

通称:百聞の美佳保
155㎝48㎏ 83C 62 87



伊芸千尋(35)
菊一探偵事務所潜入捜査担当エージェント

菊沢達の同級生で高校時代は学年屈指の美女だった。
情報収取と潜入捜査に優れいつも冷静で的確な判断力を持つ。
張に捕らえられたスノウこと斎藤雪を捜索中にアクシデントに
見舞われ張に捕らえられ拷問の末、堕ちてしまう。
現在も橋元一派に捕らえられている。

通称:お嬢

158㎝47㎏ 85E 59 86



寺野玲華(35)
菊一探偵事務所潜入捜査担当エージェント

菊沢達の同級生。高校時代は千尋と並び学年屈指の美女で
あったがそのキツイ性格と毒舌から意外に男子受けは悪かった。
斎藤雪は救出できたが、未だに橋元一派に捕らえられている
伊芸千尋の事に責任を感じている。
単独行動に出る癖があるので、美佳穂は菊一探偵事務所で最強の
身体能力を持つ豊島哲司と最近菊一探偵事務所入りした三出を
玲華の見張り役としている。

通称:姫

165㎝52㎏ 88F 63 91



張慈円(41)   アジア系チンピラ集団の元締め。橋元の子飼い
かなりの人数のアジア系のチンピラが張を頼りに
言いよってくる。危険な輩も多く従える。SEXの趣味は拷問の様に
道具を使うのが得意。
最近では菊一探偵事務所の斉藤雪、伊芸千尋に対橋本対策チームの警官
粉川卓也の妻、保奈美を凌辱している。
暗器の名手で能力者でもあり身体に電気を帯電させて、それを自由に
操れる。格闘にもSEXにもその能力をフル活用している能力者。
橋本の信頼も1番厚い。

179㎝ 72kg 29cm

以上が今後主に活躍する登場人物です。
7章の中盤以降も一生懸命書いてまいりますので
今後とも千景の一夜限りの思い出話を宜しくお願い致します。
もし何かリクエストや過去に登場した登場人物で再度
登場ご希望の登場人物などが居ましたら遠慮なくお問い合わせください。
返信はかならず24時間以内に致します。


第7章 慟哭 28話  監査  霧崎美樹

「このホテルで間違いないのね?錦君」

私は今、ツーマンセルの片割れの錦雄二と西日本で1番の
都心であるこの町に来ている。

本来は政府直轄の捜査官である私や部下の錦は首都圏での
仕事が多いのだが、今回はこの国の2大都市の西日本最大の
この町の警察のトップが、一民間人の傀儡に成り下がっている
という報告を、この町の警察官からの密告があり、その真偽を
確かめに来ていた。

そしてこの町に滞在して既に3週間が過ぎその間錦とそれぞれ
民間企業や夜の繁華街へなど潜入捜査に聞き込みを繰り返して
得た情報を精査してみると、密告を受けた内容に信憑性が出てきた。

「ええ。
ここの12階は橋元と言うこの町の裏の顔役
のような男の身内である木島健太という男の
名義になっていますが・・・
そこは大塚本部・・・この町の府警本部長が
別宅の様に利用していて、そこに橋元と言う
男が夜な夜な女性を送り込んでいるらしいです。」


私の部下であり相棒でもある錦雄二が橋元不動産に
派遣社員として潜入し1週間の勤務の末、
偶然別ルートからであるが
信憑性の高い所から得た情報だ。
まず間違いないであろう。

私も橋元が通うクラブにホステスとして潜り込み
本人にも接触したが、奴はボロ1つ出さなかった。

周りの人間から橋元を崩していくことも難しく
かと言って証拠もなく大塚本部長を尋問にかける
事もできず、時間ばかりが過ぎていく中、橋元不動産に
出入りすることに成功した錦が、橋元不動産からでなく
帰宅途中に橋元不動産の社員と思い偶然声をかけて
来た司法書士の小田切恭子さんという一般の方から
得た情報である。

「府警本部長が・・・
たかだか色気に負けるなんて
まずは本人に事の経緯を問いただすために
証拠を押さえるわよ。
さあ行きましょう。」


「本当にだらしないオヤジですよね。」

私と錦はこの首都圏のビジネス街にも負けない都心中央に
そびえたつ高層ホテルのパールトンホテルの12階を目指し
エレベータに乗る。

エレベーターから見える夜景は首都圏より美しく見えるのは
見慣れていない景色だからだろうか?

しかしこの町を守る立場の組織のトップに立つ男が
この町で悪人に神輿と担がれ、悪行を見逃す事に
手を貸しているなど許される事ではない。

政府捜査局の所属である私は、警察官である大塚本部長よりも
更に上の権限を持ち彼を査問に掛ける執行力も有する。

しかし彼は私たちがこの町に来ていて彼に照準を絞り捜査の
手がおよんでいるなど露程にも思っていないだろう。

「大塚本部長、情報から推測するに今頃お楽しみ中ですかね?」

美しい夜景が小さくなっていく中、錦が隣でそんな事を呟いている。

「そうだとしても私たちが部屋に入った瞬間お楽しみはおしまいだけどね。」

「ハハハッそうですよね。
まあ悪代官には当然の報いを
受けさせてやりましょう。」


錦が熱く語り出してきたのでこの暑苦しさに
いつも迷惑をしている私は

「錦君。
声のボリューム落として
暑苦しいから。」


「ガーン!!また暑苦しい言いましたねっ!
美樹姉こそクール過ぎですよっ!
話し方に抑揚ないですしっなんでもかんでも
淡々と語るしっ!
普通に話されても結構グサッとくるもんなんですからねっ」


ああ。
言わなければ良かった。
更に声のボリュームが上がり
錦の暑苦しさも倍増する。

「さあ。
着くわよ。」


私は相手にするのも暑苦しく
錦の言葉を聞き流し12階に着いた
エレベーターから降りる。

「ス・・・スルー・・・」

霧崎美樹にさらりと交わされた錦雄二も
彼女に続きエレベーターを降りた。

長身で黒のパンツスーツに身を包む霧崎に
同じく黒のスーツに身を包む錦が目的の
12階のVIP仕様の部屋の前に立つ。

コンコン・・・

錦が目的の部屋をノックする。

「誰だ・・・
今取り込み中だぞ・・・」


重厚で高圧的な男性の声が聞こえた。

霧崎と錦はお互い顔を見合わせ、霧崎が頷いた。

錦は指でOKのサインを送り

「大塚弘道さんですよね?」

「・・・・・」

返答はない。

もう1度霧崎と錦は顔を見合わせるが錦が霧崎の反応も
見ずにドアノブを回そうとするとやはり鍵がかかっている。

霧崎が少し部屋の前から離れて行き携帯電話を取り出す。

錦は部屋の前で待機をしている状態である。

霧崎はホテルのフロントに連絡をし自分の身元を明かすと事情を
説明し部屋を開けてもらうよう要請した。
快く引き受けたホテルのフロントはすぐに参りますと言い
電話を切った。

その旨を錦に伝えに行き再び2人で部屋の前で待機する形になる。
そして錦が再度声をかける。

「大塚弘道さん。
大塚弘道府警本部長・・・
あなたに民間人と通じて
数々の不正を働いているという
容疑が出ております。
私は政府捜査局の者です。
ここを開けてくれませんかね?
あなたに非が無いのなら何の問題も
無いので・・・
どうせフロントの人がここに来て
部屋を開けますからね。
時間の問題ですよ」


錦の声はドア越しでも良く通る。
極力人前で大声を上げたくないというスタイルの
霧崎はいつもこういう役目は錦に任せていた。
錦も自分の役割を理解していたし気にいっても
いたので良いコンビである。

「・・・・・
政府捜査局・・・
フロントに連絡したのか?」


また重厚な声で部屋の中の男が答える。

「ええ。
しましたよ・・・」


錦が霧崎の顔を見る。
今の部屋の中の男の言動に霧崎が眉をひそめている。

「まさか・・・」

「えっ?どうしたんですか?美樹姉?」

「錦君。
一旦退却よ。
階段は・・・?
こっちね!」


霧崎美樹が階段へ向かい走り出すと
錦雄二もそれに続く。

「どうしたんですか?美樹姉?」

怪訝そうな表情で霧崎の後を追いながら
錦が聞く。

すると長い廊下のエレベーターが開き
およそ20メートルほど先からアジア系の
マフィア風の容姿をした男が4人・・・5人と
降りて来た。

「なんだ?あいつら?
マジか・・・あの大塚と言う男
そこまで腐ってたのかっ!」


錦は凄い速さで階段を降りていく
霧崎の後を追いながら大声で怒鳴る。

「フロントもグルだった・・・
もしくはこのホテル自体がグルね。
大塚は直接は関係していないでしょうけど
おそらくはこのホテル自体が橋元の
息のかかったホテルで・・・
大塚の部屋に来た人間が私たちのような
捜査官ならフロントから橋元の手下に連絡が
行くことになっていたんだわ。」


「汚ね~!」

「しかし・・・
首都圏から応援を頼むにしても
それまで私たちも身を隠して
おかないとまずいわね・・・
海外のマフィアが橋元の傘下に
居るのは知っていたけど
さすがに人数が多いと私たちだけじゃ
手に余るわ・・・」


「どうします?美樹姉?」

霧崎と錦は階段で1階まで駆け下りると
ホテルを出てそのまま駆け足で狭い路地裏まで
走り追手が居ないことを確認し今後の
潜伏方法について考えていた。

《第7章 慟哭 28話  監査  霧崎美樹 終わり》

第7章 慟哭 29話 尾行 杉桜子

しかし保奈美はどうしたんだろう・・・

連絡もつかないし・・・

卓也君は実家で急用ができて帰っているだけと
LINEで返して来たけど・・・

肝心の保奈美からは1度もLINEの返信が
無いのも変よね~

袴田さんも、別所さんも保奈美からは返信が無いと
言っていたし・・・

さっきまで私は高校時代からの友人の1歳先輩の石塚今日子さんと
高校は違ったが部活のつながりで知り合った斎藤愛子とランチを
していた。

私は2人を未だに旧姓で呼ぶし、袴田さんは私を旧姓の海老塚さんと呼ぶ。
別所さんには高校時代から桜子さんと呼ばれているし、それは今も変わらない。

本来ならランチ友達に私たちの高校時代の柔道部でマネージャーをしていた
保奈美も居るはずで普段は4人でランチをする事が多かった。

しかし卓也君は実家に帰っただけと言っているが連絡のつかない保奈美の事は
気になる。

今までは保奈美から1日以上も返信が無いことは無かったのだ。

しかもLINEが既読にもならない。

どうしたんだろう・・・

袴田さんも別所さんも気にはなっているようだったが、ご主人の卓也君から2人も
私と同じ実家へ帰っていると返答されたらしく結局、ご主人の巧君にはこれ以上
聞けずに私たちは、連絡のつかない保奈美の実家からの帰宅を待つしかなかった。

私の主人の杉誠一も保奈美の主人の粉川卓也君も別所さんのご主人の斎藤幸治君も
皆、高校の時からの同級生で同じ柔道部に所属していた。

袴田さんは1歳年上なのでご主人も1歳年上の石塚さん。
袴田さんのご主人の石塚さんだけは違う職種だが、私たち29歳トリオの主人は
全員、刑事である。

そして偶然今回、全員同じ部署に配置転換となった。

3人とも高校時代から柔道では全国区の選手で団体では優秀経験もあり、卓也君に
関しては国体優勝経験もある。

そういう私も国体で3位になった経験はあったが・・・

別所さんとは同じ大学で柔道を続け、その時に国体選手に選ばれたのだ。

柔道をしていてもプロポーションは変わらずスタイルの良い袴田さんや別所さんに
比べ、私の足は柔道の成績と比例してみるみる内に太くなっていった。

そして社会人となり主婦となった今もそれは変わらない。

ランチの後、ダイエットの為にスポーツクラブに2人を誘ったが
2人は冬物の服を身に行きたいからとうまく断られた。

主人の誠一も

「なあ。桜子~
それ以上鍛えて一体
どうする気なんだ?」


と苦言を呈してくる。

私は鍛えているわけではなく足が細くなりたくて
ジムに通っているのだが実際は痩せるより下半身が
より逞しくなっていっていたのも事実であった。

私は常盤広告と言う広告会社に勤務していて専業主婦では
ないのだが、その常盤広告での先輩の中島由佳子さんという
素敵な先輩は

「杉さんは綺麗なんだから
パンツスーツじゃなくタイトスカートとか
履いて足見せれば良いのに~」


と言ってくれるが私の膝から上などは人に見せれたものじゃない。

太ももの横に筋肉のくぼみができてしまい、短めのタイトスカートを
履こうものならパンスト越しにでも足を組んだりすると横から筋肉質なのが
ばれる。

だから私は仕事中は常にパンツスーツしか履けなかった。

今日のランチも袴田さんに別所さんは可愛いミニのフレアスカートに
ミニ丈のワンピースでお洒落をしていたが、私はデニムのジーンズに
黄緑色のブラウスと2人のようなお洒落が出来ないのが悔しい。

よしっ!今日もダイエットがんばらなくちゃっ!

可愛い服装でランチに来る2人を見てダイエットのやる気が増す。

いつもなら無理やり私にジムに付き合わされている保奈美は
今日はいないが1人で頑張ろう!

そう思い2人と別れて、モールのレストラン街でのランチを済ませた
後、少し離れた商業ビルの中にあるスポーツジムに徒歩で向かう。

ここからなら裏道(夜になるとネオンが付き出すテナント街)を通れば
徒歩で10分くらいで着く。

これも良いダイエットになるはず・・・

そう思い夜は賑やかになるが昼は全く別の顔のテナント街い足を
踏み入れた。

2分ほど歩いていると私と同じ足音のリズムでいくつかの足音が
聞こえる。

全く人通りが無い路地ではないので人が歩いていても
気にはならないが私が歩を速ると後ろの足音も速くなり
私が緩めると緩まる。

付けられてる?

そう思い振り返るが人の気配はすれど目立つような人は
居ない。

気のせいかな?

そう思いあまり気にもせずにスポーツジムを目指し
更に歩を進めた。

夜はさぞかし賑やかなのだろうなと思うBARやスナック。

少し如何わしい店が入っているようなテナント街の真ん中あたりに
辿り着いた時。やはりまた足音が聞こえる。

今は人気が全く無い通路に入っただけに余計に足音が
気になった。

私は思い切って振り返り

「誰か居るの?」

そう言うと電柱の陰から1人。

テナントに入るビルの入り口から1人。

どう見ても日本人には見えない柄の悪い服装の
アジア系の男たちが2人現れた。

「私に何か用?
って日本語解るあなたたち?」


私は見えない者につけられているよりはその相手が
目に見えたことで幾分かホッとしていた。

普通の29歳のOL兼主婦なら怖がるのであろうが私は
これでも元国体3位の柔道選手。

それに主人は刑事なのである。

そこら辺の男に恐れる事など無かった。

「スギセイイチノツマ。
スギサクラコダナ?」


身体の大きな男の方がジーンズのポケットから
短い折りたたみのナイフを取り出しながら私に
近づいて来た。

「だったら何なの?
あなたたち昔主人に
逮捕されたとか?
それで主人に恨みを晴らすために
私に危害を加えようとしているの!?」


元々気の強い私は刃物をちらつかせ
近づいて来る男におびえる事などなく
逆に来れば投げ飛ばしてやろうと
身構えていた。

《第7章 慟哭 29話 尾行 杉桜子 終わり》

第7章 慟哭 30話 電流 杉桜子

刃物を出した男が私に近づいて来るのと同時に
他の男たちも私との距離を詰めてくる。

3人か?
久々だけどこんな男たち3人くらいに
どうこうされる私じゃないわよ。

「カンアニキ。
コノオンナ、ゼンゼン
コワガッテイナイデスゼ。」


ネオンが点灯していない昼は本当に
寂しいテナントの1階の踊り場に身を
隠していた男が私に近づきながら
刃物を手にして私と1番距離が
近い大柄な男にそう言う。

「フツウノシュフトキイテイタガ・・・
イガイニキガツヨイナ。」

カンアニキと呼ばれた男が
そう言いながら更に私に近づいて来る。

私は足にも自信があり全力で走れば
こんな男3人くらい十分置き去りにし
巻けたであろうが、私に近づいてきた
理由を知りたく、この男たちを
投げ飛ばし関節を締めあげて
その理由を吐かせてやろうと考えていた。

誠一に対する恨みか?
もしそうならこの男たち以外にも
仲間が居て誠一に危害を加える気が
あるのならば、それを先に誠一に
教えておいてあげなくてはならない。

刑事に妻だからね。
それくらいは・・・

そう思い私は目の前の刃物を持ったカンアニキと
呼ばれた男が私に刃物をチラつかせ近づいて
来てもう手の届く距離に居るのに身構えも
せずに油断していたのを見逃さず男の脇の下の
トレーナーを一瞬で掴むと自分の身体を素早く
反転させ1本背負いで地面に叩きつける。

シュッ!

ベキッ!!!

「ギャッ!!」

男は受け身も取れずアスファルトに叩きつけられ
悶絶してる。

それでも離さずに持っていた折り畳み式の
ナイフを私は男の手首を踏みつけ手から離し
遠くへ蹴り飛ばした。

そして地面でもんどりうっている男の喉元に
足先を差し込む。

「グッ!!オンナッ!オマエッ・・・ゲホッ!!ゲホッ!!」

私に投げられ動けずに居る男は私の足の下で
今度は喉に足先を差し込まれ苦しそうにしている。

残り2人の男たちは私に進めていた歩を止めると
一瞬固まっていたが、今までは言葉も発しなかった
上下黒のジャージ姿の男がポケットからスマホを
取り出し何処かに電話をしている。

私はおかまいなしに残りの2人に聞きたいことを聞く。

「あなた達!目的は何なの!?
どうしてこの私に近づいて来たの!?
私が刑事の妻だと知って近づいて
きたという事は目的は主人なの!?」

声と共に私の足元に転がっている男の喉元に
突き刺さる私のつま先にも力が入り男はゲホゲホと
苦しそうにしているが、そんな事は知った事ではない。

そもそも女性1人に男3人がかりで刃物まで持ち
襲い掛かろうとする輩なのだ。

どんな目に合されようが自業自得である。

「オマエタダモノデハナイ。
シカシカンアニキニ
ソンナコトシテ
オマエアトデコウカイスル。
カンアニキノサオハ
メチャクチャオオキイゾ。
オマエキゼツスルマデ
ツカレルネ。」

電話をかけていない方の白のジャージ姿の
男がそう言った。

「はあ?日本語下手で何言ってるか
わからないのだけど?
とりあえず私の質問に答えてよねっ!」

ギュ!!

とまたつま先に力を入れると私の足元で苦しむ男が
私の足首を掴む。

予想以上に握力が強く私の足首は男に掴まれ
男の首から外された。


「ゲホッ!!グフッ・・・
オマエヨクモヤッテクレタナ。
デンノイウトオリ・・・
アトガタノシミネ・・・」

男がよろけながら立ち上がると私はもう1度
投げ飛ばしてやろうと構える。

すると電話を切った男が

「カンアニキ。
モウダイジョウブ。」

私は目の前で立ち上がった大男から電話を終えた
男に視線を送ると私の斜め後ろから素早い人の
動きの気配があり私は振り変えると同時に脇腹に
強い電流を感じた。

ビリリリッ!!バチッ!!

「うっ!!・・・卑怯よ・・・
4人目が・・・」

ドガッ!!

電流で動けずにいた私のお腹に強い衝撃を受け
私はそのまま意識を失ってしまった。

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

私は気が付くと目隠しをされていた。

両脇には人の気配がして日本語で
無い言葉で会話が交わされている。

足首も縛られ手は後ろ手に拘束され手錠のような
物まで嵌められている。

口にも布のような物を巻かれ後ろでくくられているので
声もあげれない。

そして下半身が何やらスースーするなと思っていたが
どうやらジーンズを脱がされ下半身はショーツ1枚に
されていたようだ。

上半身は黄緑色のブラウスは脱がされていないようである。

そしてここはどうやら車の中で後部座席の
中央に私は乗せられているという事にも周りの音から気づいた。

この男たちはいったい何者?
私をどうする気?
何処へ連れて行こうとしているの?

誠一に何をさせる気?
何が目的なの?

色々な事が錯乱する頭の中でよぎるが
油断をしてしまい、こんな男たちに不覚を
取った私は今は声を上げることも動く事もできずに
下半身は下着1枚にされてしまいどこかへ
連れて行かれようとしていた。

《第7章 慟哭 30話 電流 杉桜子 終わり》



第7章 慟哭 31話 妻か仲間か 粉川卓也


「卓也っどうした元気がないじゃないか?」

高校時代からの同級生で部活も同じインターハイでは
共に全国大会の団体優勝のメンバーであった斎藤幸治が
俺の動揺に気づき声をかける。

今、俺たちは正規の捜査としてではなく大塚さんの
下で独自に橋本一派の捜査を行っているので出勤するのも
大塚さんの隠れ家的なマンションが捜査本部となっている。

今ここには橋本一派の幹部的存在であった水島と言う
男を捉えたまま、逮捕もすることができずに軟禁しているので
俺たち男性捜査官が最低2人はマンションに残り見張りを
する事になっている。

そして今一緒に捜査をしてくれている
菊一探偵事務所の人たちも今日は皆出払っていて
不在であるので今日の見張りは俺と斎藤の2人である。

「いや・・・そうか?
そんな事はないぞ」

俺は斎藤の言葉にそう答えた。

明らかに斎藤が言う通り保奈美の事が心配で元気も無いし
杉の奥さんである桜子や同僚の神谷刑事の今日の行動予定を
張慈円に売った事による動揺もあり、平常心では無いのは
確かである。

そしてもしかしたら、桜子や神谷さんが奴らに捕らえられ
動画で見せられた保奈美のような目に合されるかもしれない
と思うと居てもたってもいられないし、そんな事になれば
杉や大塚さん、荒木さんまで人質を取られた事になり
状況は完全に悪化する。

最悪の事態を招きかねない事を俺はしてしまったのだ。

平常心で居れるはずがない。

「ハハッそうか?
それなら良いんだが・・・
あっそういえば愛子から
聞いたが近藤さん実家に帰ってるんだって?
それでお前まともなものが食べれずに
元気がないのか?」

斎藤が俺の分のコーヒーも入れて来てくれ
俺が座る椅子の前にあるテーブルにカップを
置きながらそう言った。

愛子とは旧姓別所さんで俺たちの同級生で学校は違ったが
部活である柔道で知り合い、今では斎藤の奥さんだ。
そして近藤とは俺の妻の保奈美の旧姓である。

別所さんは桜子づてで聞いたのか?
桜子が俺にうるさく保奈美はどうしたの?
連絡がつかないってしつこく言ってくるので
俺は実家で急用ができて一時だけ帰っていると
言ってあったがそれが桜子から別所さんに
伝わったのだろう。

「あっあぁ・・・
そうなんだよ。
さすがに毎日カップラーメンじゃ
力が出ないなぁ~ははっ」

俺は話を合わせておくために笑いながら
そう言ったが顔は笑っていなかっただろう。

「そうか・・・
じゃあ今日はここが交代に
なればうちに来いよ。
愛子に何か作ってもらうよ。」

「あぁ・・・すまんな斎藤・・・」

「・・・・・・」

斎藤もさすがにのりの悪い俺を不審に
思っていたであろうがさすがに今は芝居でも
のりを良くできるようなメンタルでは
無かった。

そんなやりとりを俺と斎藤がしていると
マンションの電話が鳴る。

リリリリリ・・・

「はい。」
はい斎藤ですっ!
荒木さん!?
どうしましたか?
落ち着いて・・・
はいっ・・・はい・・・
えっ!?
はいそれで・・・
はいっ
いえっこちらには神谷さんからは
まだ何も・・・
えっ?」

電話は斎藤が取ってくれた。
どうやら相手は今日、神谷さんとツーマンセルで
捜査に出ている荒木さんだ。

荒木友恵刑事は大塚さんの婚約者でもあり
今回の橋本一派の捜査に関してはかなり初期から
大塚さんと神谷さんと3人で動いていた人で
クールでキツイ神谷さんとは相反して温厚で柔和な
性格でまだ若いが、この捜査チームの母親的存在でも
ある人だ。

その荒木さんが今電話を受けている斎藤の反応から
見てもかなり焦って話しているようである。

もしかしたら神谷さんに何かあったか?

そうすれば俺のせいだ・・・

俺は今日の神谷さんの捜査ルートを張に漏らしていた。

しかし狙うなら荒木さんだろ?

どうして神谷さんを・・・

あっそういえば、まだ橋本一派が数々の殺人事件に関与しているんじゃ
ないかという疑いがあった初期の頃、俺たちがこの町に配属になる数か月前に
大塚さんが話していたが、橋本を尋問した事があったらしい。

その時にのらりくらり話を交わす橋本が神谷さんに心を見透かした
ような失礼なセクハラ発言(内容までは聞いていないが)をした
時にクールな神谷さんがキレてしまい、橋本のこめかみに銃を
向けたという話を聞いたことを思い出した。

その事から橋本が張を使い神谷さんに復習する為に神谷さんを
捕らえるよう指示したのか?

「荒木さんっ!!
えっ?はいっ・・・
すぐに近くにいる豊崎さんと三出さんに
連絡しま・・・あっ・・
ちくしょう!切れたっ!」

俺が心配そうに斎藤の横に行き
斎藤の電話のやり取りを見ていると
斎藤は電話の受話器をガチャッ!と壊れるかと
思うくらいに強く戻す。

その音に責められているかのような気になり
俺はビクッとしてしまった。

「卓也っ荒木さんと神谷さんが襲撃されたっ!
しかも大人数での不意打ちだっ!
荒木さんが言うには気づいた時には港区の橋本所有の貸倉庫周辺で
囲まれていたらしい。
待ち伏せか?
2人の行き先を知っていたとしか思えん・・・
すぐに豊崎さんに応援要請をかけなければ・・・」

そう言って斎藤はすぐに菊一探偵事務所の豊崎哲司さんに
連絡をする。

俺は斎藤の話を聞き顔から血の気が引いて行く自分に気づき
ふらふらとトイレに向かっていた。

《第7章 慟哭 31話 妻か仲間か 粉川卓也 終わり》



第7章 慟哭 32話 包囲 神谷沙織

「ハァハァハァッ!」

私は全力で走り港区の倉庫周辺からできる限り
人通りの多い、繁華街へ行こうとするが行く道
行く道に全て張慈円の部下らしき、アジア系の
マフィア風の男たちが居て、次第に逃げ道の
無い方向へと追い込まれて行っていた。

おかしい・・・
この人たち今日の私と荒木さんが港区の橋本所有の倉庫の
捜査に来ると解っていなければこのような、的確な包囲網
を予め張る事なんてできないはず・・・?
あてずっぽで私たちが居たのならば、ここまで逃げ道を
塞ぐようにできないわよね・・・

「コッチダ!イタゾ!!」

3人・・・4人・・・

それにしても張慈円の部下は20数人と聞いていたが
これじゃここに全員投入されているの?
それとも、また人数が増えたのかしら?

私は張慈円の部下に三度、いや四度見つかると
倉庫周辺から海側へ海側へ下らされ、人気のいない
廃倉庫の方まで追い込まれていた。

この先は1本道で廃倉庫が奥にあるのみ・・・

ここまでか・・・
相手は2人増えて6人。
しかしこの奥の倉庫に逃げ込み
戦ったとしても、張の部下は次から
次へと増えて来て結局10人以上は
相手にしなくてはならなくなる・・・
荒木さんは大丈夫かしら?
何故か私の方ばかりに追手が来たのは
良かったのか悪かったのか・・・
荒木さんに何かあれば大塚さんに顔向け
できないからね・・・
良かったのよこれで・・・

私は伸縮するチタン製の短棒をスーツの内ポケットから
抜くとそれを一振りし30㎝程に伸ばす。

「ヤットカンネンシタカ!」

アジア風の男2人が刃物を持ち私に向かい距離を詰めてくる。

まるで猪ね・・・

私は1人目の男をさらりと交わすと容赦なくチタン製の短棒で
男の顔を打つ。

ビシッ!!

そしてすかさずみぞおちに靴の先が食い込むように
蹴りを入れた。

バシュッ!!

「ウギィ!!」

1人目の男はお腹と顔を抑えながらその場に蹲り
悶えている。

そして私を背後から襲おうとした2人目の男には
全くの勘で回し蹴りを見舞うと見事男の首元にヒットした。

シュンッ!!

「ブゲェ!!」

2人目の男も顔を抑え蹲る。

しかし次から次へと男たちが押し寄せてくると
私が立ち回る範囲も狭くなってきていよいよ4人もの
男に包囲されてしまった。

これでは倉庫に逃げ込むこともここから離れる事も出来ない・・・

「サスガ、オンナケイジ。
ソコソコヤルヨウダガ
ココマデダ」

私を囲んだ4人の男の1人が片言の日本語でそう言う。

「解ったわ・・・
あなたたちの好きなようにすれば
良いわ・・・
その代わり1つ教えて欲しいの。」

「ホウ・・・
レイコクデ、キガツヨイ
トキイテイタガ
ナカナカキキワケガイイナ」

私は手に持っていた短棒を構えるのを
止め一旦構えを解きながら

「あなた達
今日ここに私たちが来るのが
解っていたわよね?
それはどうして?」

私はまずそのことが気になり
それを聞き出してから、この4人を
始末してここから逃げ出そうと
もくろんでいた。

もし私たちの捜査状況や行動範囲が
何らかの形で橋元や張にバレているのなら
この場から逃げ出せたとしても、今後も
私たちや菊一探偵事務所の人たちにも
被害が及ぶ可能性が非常に高い。

「ソレハデスネ・・・」

私の問いに答えたのは前にいた男4人の
中の誰でもなく背後の倉庫の中から
出て来た男だった。

私はドキッとして振り向くとそこには
私も知っている男。

このアジア系マフィアの総元締めの
張慈円が立っていた。

《第7章 慟哭 32話 包囲 神谷沙織 終わり》



筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

最新記事
最新コメント
リンク
カテゴリ
ランキング
にほんブログ村 小説ブログ 長編小説へ
にほんブログ村
アダルトブログランキングへ
  • SEOブログパーツ
ご拝読ありがとうございます
ご拝読中
現在の閲覧者数:
問い合わせフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
官能小説 人妻 

ランキング